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これまでの放送

第222回 2014年1月27日放送

どこでも、何歳でも、成長できる プロサッカー選手・遠藤保仁



パスは、メッセージ

チームメイトが、遠藤のパスを評して必ず言及するのが、“遠藤のパスにはメッセージが込められている”ということだ。ガンバ大阪で共にプレーする加地亮選手はこう語る。
「いろんなメッセージがこもったパスだと思います。(パスの速度が)緩かったり、速かったりする強弱と、浮き球だったり回転とかいうところは、今どうして欲しいのかっていうのがこっちに伝わってくるんで。(パスが)受けやすいし、処理しやすいです。」

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基本を、極める

遠藤の武器は、パス。そのパスを支えるのが、いわゆる「ボールを止めて、蹴る」という、サッカーにおける一連の基本技術の精度の高さだ。例えば、遠藤のインサイドキックによるゴロのパスの正確さ。パスを受ける選手が最も扱いやすいのはゴロのパスだが、実は激しい動きの続く試合中、25メートル先の選手に正確で速いゴロのパスを出すことは、決して簡単なことではない。ボールは、力の入れ具合やキックのしかたにわずかでもずれがあると、すぐに浮いてしまうものだからだ。遠藤はこう語る。「世界を考えれば、正確性を増す距離を伸ばしていかないとなかなか通用しないとは思っていたので。自分自身はインサイド(キック)とかそういうのに自信があったので、その距離を伸ばしていきたいなとは思いながらやっていたんです。」

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“地道”を極めて、世界に挑む

遠藤の車の運転は、極めてマイペースだ。安全運転を心がけ、どれだけ周りの車に抜かれてもまったく気にしない。「なんだかんだいって、追いつくんですよね。信号の待ちで追いついたりとかって、結構多いんで。」目先のことで焦らず、周りに何を言われようが、今できることを淡々とやる。そうした考え方は練習に対する姿勢もまったく同じ。日々できることを精いっぱい積み重ねていく。しなやかでいて強じんな思考法を持つ、遠藤独特の“世界”へのアプローチだ。

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どこにいても、何歳でも、成長できる

遠藤は、自己の成長に関して、「自分次第」という言葉をよく口にする。環境や年齢ももちろん大事な要素だ。しかし、最後は「自分次第」。まだまだ自分には足りない部分がある、最もうまくなろう、もっと強くなろうという気持ちがあれば、成長することは出来ると信じている。
「僕自身はもっとやれるというかね、やらなきゃいけないとも思ってますし、やっぱり、年齢関係なくね、まだ成長出来るとは思って日々やってるので。もちろん、限界っていうのも作りたくないですしね。サッカーで本当、もう“これ以上行けない”っていうところまで行きたいなと思ってるんでね。」

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プロフェッショナルとは…画像をクリックすると動画を見ることができます。

ものすごい影響を与えられる人が真のプロフェッショナルだと思います。サッカーをしている僕ですら、イチローさんのようになりたいと思うので、その領域まで行きたいなと思っています。

プロサッカー選手 遠藤保仁


The Professional's Tools(プロフェッショナルの道具)

リーグ戦の試合前日。コンディションを整えるため、ホテルに泊まる遠藤のスーツケースの中身を見せてもらった。

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野球ボール

体のいろいろな部分に当て、ほぐすのに使うという。遠藤によれば、ゴルフボールやテニスボールを使う選手もいるという。ちなみに現在使っているボールは2013年のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)で使われた、記念のボールだそうだ。

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本

現在読んでいるのは、「がんばらなくていいんだよ」というタイトルの本。この本は、厳しい修行を積んだ僧侶の手によるものだが、遠藤はこうした心の持ちようを考える本が好きだという。「人と違うようなことを考える人とかが、好きなんですよね。」このあたりにも、独特の考え方を持つ遠藤の秘密がかいま見える。

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