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これまでの放送

第219回 2014年1月6日放送

モノじゃない、人生の伴走者 義肢装具士・林伸太郎



モノじゃない、その人そのもの

「義肢は“モノ”ではない、“その人の一部”になるものだ」、と林は言う。そのために、本人の反対側の指を反転したり、色合いを完璧に合わせることで“その人らしい”義肢を林は創りだす。義肢を手に入れた人の中には、使いにくいなどの理由から、せっかく作った義肢を使わない人もいる。林は、見た目だけでなく機能性をも追求することで、その人の心に「自分の指や手」として受け入れられるものを目指す。

写真

写真その人の一部となる義肢(右手人差し指が義指)


モノじゃない、人生の伴走者

シリコン製の義肢は、数年に一度作り変えが必要だ。そのため、1度作った人とは人生をともに歩む長い付き合いになる。林の元に来る人は8割がリピーターだ。そんな“伴走”の中で、年齢に合わせ義肢も年をとり、必要な用途に合わせてどんどん変化していくものだと林はいう。「普通の日常を、人生をあきらめなくていい」。林の義肢は、人々の人生をそっと横で支え続ける。

写真プロのダンサーを目指す20歳の大学生。林の義肢がそれを支える。


ひとつ、ひとつ ひとつ、ひとつ

林は必ず、ひとつの仕事にひとつの課題を設ける。そして、日々ほんの少しでもできることを増やしていく。「例えばマラソンで、1ミリでも1センチでも1歩を前に出せば、最終的にはずいぶん距離が違うところまで行けるわけでしょう」。仕事である以上、ひとつのことにかけられる時間や労力はある意味、限られている。その中でひとつだけ、と心に決め頑張ることで、理想の義肢に近づこうとする。

写真必ずひとつ、新しいことをやる


プロフェッショナルとは…画像をクリックすると動画を見ることができます。

目の前のものがうまく作れない時に疑うべきは自分なの。自分がどう動いたか、自分の技量はどうだったか。今日の自分を乗り越えて行く人っていうのが、プロフェッショナルな人

義肢装具士 林伸太郎


放送されなかった流儀

とまり木でありたい

「義肢装具士じゃなかったら、お花屋さんになっていた」という林は大の植物好き。工場にはいつも緑を欠かさない。10歳から育てているベンジャミンは大木になり、仕事に疲れた林の心を癒し、訪れる人も気持ちよく過ごせるようになっている。林にとって工場は大きな木のイメージだという。「来る人は、ここでちょっと羽根を休めて、また外の世界に飛び立っていく。そういうほっとできる場所でありたい」。

写真工場は緑でいっぱい。