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これまでの放送

スペシャル 2013年12月2日放送

プロに学べ!勝負の極意スペシャル



立ち向かう心を、整える

1998年に日本で初めての肺移植を執刀し成功させた、世界でも屈指の実績を誇る呼吸器外科医・伊達洋至。伊達にとっての勝負は、ケタ違いの腕をもってしてもなおのしかかるプレッシャーとの闘いだ。カギを握るのが、いかに平常心を保てるか。伊達は、難しい手術の前の日に必ずある儀式をおこなう。手術用の針と糸で、ガーゼを縫うのだ。人体とは硬さやもろさなどは全く違うが、一針一針縫いながら自分の気持ちを落ち着け、自信を取り戻すことができるという。自分の気持ちをコントロールし、手術の成功率が1パーセントでも高くなる準備をする。それが、伊達の勝負の極意だ。

写真一針一針縫いながら平常心を整える


“大局観”を磨く

25歳の若さで7つあるタイトルすべてを手にする史上初の快挙を成し遂げた棋士・羽生善治。しかしその後、年齢にともなう記憶力や持久力の低下に直面するようになる。若手の台頭がめざましい将棋界。だがそんな中でも羽生は、今もタイトル戦で活躍を続ける。なぜ勝ち続けられるのか。その秘密の一端は「大局観を読む」ことに磨きをかける、その姿勢だ。大局観とは、目の前の駒の動きをひとつひとつ読むだけではなく、今攻めるべきか待つべきか、といった盤面全体の流れを判断する能力。記憶力などの若い世代に優れた傾向にある力に頼らず、大局観で、ときには読みを省略し、勝負の駆け引きなどの戦略を立てていく。羽生は、こうした世代ごとに発達している能力をいかに使うかしだいで、勝ち続けることが可能になると語った。
さらに羽生は、勝負どころで最後の拠りどころとするのが、「直感」だとも語る。長年の経験から迷いなく浮かび上がる「直感」は、最善手を7割ほどの正しさで導いてくれるという。

写真今も将棋界の第一人者に君臨し続ける


勝負のディナー

三ツ星フレンチレストランのすご腕サービスマン・宮崎辰の元には、人生の大切な節目を祝いに客がやってくる。電話予約を受けてから最後に客を見送りとどけるまで、接客の間の言動すべてが仕事の勝負どころだという宮崎。その姿勢が際立ったのが、ある一夜の勝負のディナーだ。ひとりの男性客が、交際している女性へのプロポーズを計画、そのかけがえのない勝負のひとときの演出が宮崎に託された。宮崎は4時間の接客の間、あの手この手で男性の緊張をほぐしながら、プロポーズへ向けて気持ちを高めるサポートをし、細やかな演出に力を尽くす。その舞台裏で、自身が最高のサービスを提供できるよう集中力と笑顔を保つ秘策も講じていた。

写真客の姿が見えなくなるまで見送る


The Professional's Tools(プロフェッショナルの勝負術)

勝負の神様は細部に宿る

元サッカー日本代表監督として、日本を初めてベスト16に導いた岡田武史監督は、80パーセントくらいは小さなことが勝敗を分けると語る。「まあこのくらい大丈夫だろう」という小さな隙が積み重なると負けにつながってしまう。そのため、岡田は「勝負の神様は細部に宿る」を信条に、小さなことこそきっちりとおこなっていくよう徹底的に指導する。

写真小さなことをないがしろにしない


力の源!プロのメシ

日々、仕事という“戦場”で闘うプロフェッショナルたち。そのあくなきパワーの源は、それぞれ独自の食事にあった。呼吸器外科医の伊達洋至は、大きな手術の前にチーム全員で「勝つ」カレーを食べて気持ちを整える。宇宙飛行士・若田光一は、栄養も味も工夫された宇宙食を紹介。映画監督・堤幸彦は、朝のゆで卵が大事だと語り、サービスマン・宮崎辰は、仕事の前にごはん物などカロリー重視の食事を心がけ、接客へのエネルギーを充填(じゅうてん)する。

写真プロたちのこだわり満載の食事