栗原が目指すのは、誰もが失敗なく、しかもおいしく作れるレシピ。そのために栗原は、材料の分量や切り方、火にかける時間や加減にいたるまで事細かに数値化・具体化したレシピを作る。もちろん、使う材料の新しさ、鍋やコンロの違いなどによって、調整が必要なのは百も承知だ。だが、栗原はそうしたことも踏まえた上で、どんな条件でも、おいしさに大きな振れ幅がなく作れる、唯一無二のレシピを発見しようと、試作を繰り返す。栗原のレシピが支持されるゆえんの一つがここにある。
栗原が目指すのは、誰もが失敗なく、しかもおいしく作れるレシピ。そのために栗原は、材料の分量や切り方、火にかける時間や加減にいたるまで事細かに数値化・具体化したレシピを作る。もちろん、使う材料の新しさ、鍋やコンロの違いなどによって、調整が必要なのは百も承知だ。だが、栗原はそうしたことも踏まえた上で、どんな条件でも、おいしさに大きな振れ幅がなく作れる、唯一無二のレシピを発見しようと、試作を繰り返す。栗原のレシピが支持されるゆえんの一つがここにある。
幾度もの修正を経て、栗原のレシピは完成する
この夏、栗原は、フランスのリンゴ菓子・タルトタタンのレシピを作り上げるために、試作を50回以上繰り返した。栗原がレシピ作りにそれほど注力するのは、おいしい手料理が、家庭の中で大きな力を持つと信じているからだ。料理がおいしければ、イライラして帰ってきた夫の機嫌も和らぐかもしれない。会話のない食卓にコミュニケーションが生まれるかもしれない・・・。これまで38年間、自らの手料理で家族の幸せを作り上げてきた栗原は、自分のレシピを信じてくれる、誰かの幸せのために、精一杯レシピを突き詰める。
今年、6月から8月までタルトタタンを作り続けた
番組でご紹介した料理のうち、フリップしなくてもパラパラ感が出るチャーハンの作り方をご紹介。
<材料(軽めの4人分)>
・むきエビ・・・100グラム
・豚ひき肉・・・100グラム
・卵・・・2個
・塩、こしょう・・・各適量
・ごはん・・・大2膳分(400グラム)
・サラダ油・・・適量
・香味じょうゆ・・・大さじ2
・ザーサイ・・・適宜
<作り方>
1.エビは洗って背ワタがあれば除き、水けを拭く。
2.ボウルに卵を溶きほぐし、軽く塩、こしょうする。
3.フライパンを強火でよく熱し、サラダ油大さじ2をなじませ、(2)の卵液を流し入れて大きく混ぜ、ゆるいいり卵を作って取り出す。
4.フライパンにサラダ油大さじ2分の1を足して熱し、エビを炒めて軽く塩、こしょうして取り出す。
5.サラダ油大さじ1を足し、ひき肉を加えて炒め、軽く塩、こしょうをし、温かいごはんを加えて炒める。
6.(3)の炒り卵を戻し入れ、全体になじむように炒める。
7.鍋肌から香味じょうゆを回し入れ、ごはんがパラパラになるまでさらに2~3分強火で炒める。
8.エビを戻し入れ、全体に炒め合わせたら火を止める。
9.器に(8)を盛り、好みでザーサイを添える。
「haru_mi 秋号」より
栗原は1か月以上試作を繰り返した。
3月の震災の後、栗原は自ら編集に加わる料理雑誌に心境を寄せた。
「ふつうの暮らし 私が大切にしてきたこの言葉の重さを、今回ほど痛感したことはありません」
結婚して38年、栗原は「ふつうの暮らし」をいかに楽しむか、そのためにさまざまなワザを考え続けてきた。そして料理家となってからは、そのワザや考えを、ことあるごとに伝えてきた。「毎日楽しいことだらけなら良いが、そんなに良いことばかりは起こらない。家族が仲良かったり、ふだんの食事がおいしかったり、そんな『ふつうの暮らし』が何よりの幸せ」
震災で多くの幸せが失われた今、改めて日常の中の、ふつうの暮らしの大切さを、見つめ直したという。
栗原は、料理家として多忙な日々を送る中でも、夫とともに暮らす夕食の時間を大切にしている。
食卓に並ぶのは、冷蔵庫に余った食材などで作った素朴な料理だ
インスタントコーヒーのビンなどを利用して、生活を楽しむ