脳卒中を引き起こす脳動脈瘤(りゅう)。その手術の第一人者、脳神経外科医の上山博康の道具は、ほとんどがオリジナルだ。特に、手術用のはさみ。刃が薄いが、アールをつけることで、挟まれたものがカミソリのような切り方で切れる。また、閉じた状態では、両側に刃が出ないように丸く収まるようにしたことで、癒着をはがす「剥離子(はくりし)」にもなる。これ一つで、二本分の道具の役割をこなす。上山の動脈瘤の手術では、動脈瘤が出るまでずっとこれだけでやれると言う。更に、脳外科手術で使う針と糸を見せながら、手術の極意を語った。