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第128回 2009年10月13日放送

守るのは、働く者の誇り 弁護士・村田浩治


ゆるぎない事実を、掘り起こす

弁護士・村田のもとに今増えているのは「派遣切り」に関する相談。違法性があると見れば職場復帰に向けた救済に乗り出す。村田は長い時間をかけて相談者から事細かにその勤務実態を聞き取る。村田は見出された違法事実を積み上げ、企業と解決に向け交渉する。
派遣の場合、現在の法律の下では、企業が違法行為を行ったとしても働く人を雇用する義務はないと判断されることがほとんどだ。しかし、村田は違法事実の掘り起こしによってその高い壁を乗り越えようとする。

写真相談者に聞き取りをする村田


すべての働く人は、尊ばれるべきだ

働く人が職場復帰を求める裁判。勝つ見込みは少ないのが現状だ。また弁護を引受けても報酬が少ないため、労働問題を専門とする弁護士は限られている。
村田は弁護士になって20年、難しい労働問題にこだわり続けてきた。そこには少年時代に学んだ一つの哲学がある。「働く人は、えらい」。小さな町工場を営む家に生まれ、11才の時に父を亡くして以降、工場の仕事を手伝った経験から得た思いだ。
「どんな仕事であっても、たくさんの時間を費やし身をすり減らして働くことは、もっと尊ばれていいのではないか」という村田。相続手続きや離婚調停などの生活相談を多くこなすことで、労働問題に取り組み続ける。

写真各地を飛び回る村田


“正しい”と思うことは、貫く

村田の仕事は、いつも困難を極める。この夏も難しい案件に立ち向かっていた。
村田はどんなときでも突破口がないか、考え続ける。「これは救わないとおかしいという問題にぶちあたったときに、何か切り開くことはできないか、何かできないかと考えるのが法律家の仕事」と村田は言う。
村田は労働実態の監督機関である労働局に対して勤務実態を事細かに説明し、企業への指導を求めるなど、あらゆる手段を使って問題を解決しようと奔走する。

写真労働局で申告をする村田


プロフェッショナルとは…

やっぱりこだわりを持つこと、持ったこだわりを追求する人。自分の見つけたテーマ、そこにこだわってそれを追求する、それが多分プロフェッショナルじゃないかなと思いますね。

村田浩治

The Professional’s Tools

ふろしき

村田は毎日、裁判の資料をはじめとするたくさんの書類を日々持ち歩いている。各地を移動する間も仕事をし、家に帰っても仕事をする。かばんに入りきらない資料があるときは風呂敷を使う。以前裁判を受けた相談者からお礼にもらったものを大切に使い続けている。

写真相談者から贈られた名前入りのふろしき


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