強い組織を作るためにGMはどんな役割を果たすべきか。祖母井はそのあるべき姿を自分の名前になぞらえ、「Grand Mother(祖母)」であると言う。組織には、離れた場所から見守る「おばあちゃん」のような存在が必要だとの信念だ。
祖母井は、練習中は何も言わずじっと選手を観察し、ひとりひとりの体調やチームの雰囲気を把握することに務める。サッカーに関しては、現場に一切口をはさまないのが祖母井の流儀。自分が選んだ監督にすべてを任せ、現場を信じて「おばあちゃん」のように見守る。
一方で、選手に対しては整理整頓やあいさつの励行をやかましく言い、人としてきちんとすることを求める。「ふだんの生活がルーズだったら やっぱり試合でもルーズになる。サッカーの場合ちょっとした数秒のルーズが 失点につながり負けてしまう」というのが祖母井の考えだ。