「アートは人に見られなければ意味がない」という長谷川。展覧会でアートと人との出会いを橋渡しするのがキュレーターの大切な役割だという。長谷川は、展覧会を「物語」ととらえる。個性豊かな作品ひとつひとつが共鳴しあって、観客に「何か」を語りかけ、その心に印象を残す。そのために、自ら作家や作品を選び、配置を徹底的に考え抜いて、自然と観客を物語の中へといざなう。
「アートは人に見られなければ意味がない」という長谷川。展覧会でアートと人との出会いを橋渡しするのがキュレーターの大切な役割だという。長谷川は、展覧会を「物語」ととらえる。個性豊かな作品ひとつひとつが共鳴しあって、観客に「何か」を語りかけ、その心に印象を残す。そのために、自ら作家や作品を選び、配置を徹底的に考え抜いて、自然と観客を物語の中へといざなう。
作品の配置についてアーティストと何度も議論
長谷川は、すでにある作品を借りてくるだけではなく、アーティストとともに新たな作品を生み出すことに力を入れている。展覧会のコンセプトを伝え、アーティストにまったく新しい作品を考えてもらうのだ。長谷川は忙しい業務の合間を縫って、できるだけアーティストの制作現場に足を運び、制作上の課題などを共有する。「産みの苦しみ」にそっと寄り添うのが長谷川の流儀。アーティストからの信頼も厚い。
1トンの物体が宙に浮く驚きの作品が誕生
展覧会直前、キュレーターのもとには多くの仕事が集まってくる。アーティストから寄せられてくる数々の要求。食事をまともにとる時間もないほど多忙を極めるなか、長谷川の心に浮かぶ言葉がある――アートには人を“自由”にする力がある。その信念が、仕事をする原動力となっているのだ。
展覧会直前は衝突の連続
アーティストの制作現場にできるだけ足を運ぶ長谷川は、つねにカメラを持ち歩く。作品だけではなく、壁や床、インテリアなどをチェックし、アーティストの好みや性格を把握するためだ。アーティストをより深く理解して、今後の仕事に役立てる。