徳岡流「ご飯の炊き方」~料理人 徳岡邦夫~

(1)水はすぐに捨てる

水は大きめのボールやたらいなどにくみ置く。水道の蛇口から注ぐよりも短時間で器を水で満たすことができるからだ。一気に流し入れ、すぐ捨てる。米に糠(ぬか)のにおいが移るのを防ぐためだ。

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(2)米は“研がない

米は研がず、水の中で米をなでるように優しく洗う感じだ。研ぎ汁が澄むまで、これを繰り返す。最近の米は精米度が高く、研ぐ必要がなくなってきている。ゴシゴシと力を入れてしまうと逆に米粒が壊れてしまい、米本来の味が損なわれると徳岡は言う。

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(3)炊く前に、休ませる

洗い終えた米はざるに上げ、適度に休ませる。固く絞ったふきんをかけ、1時間程度、乾燥させる。その後、1~2時間水につける。水の量は米と同量。
この手間が炊き上がりの食感を大きく変える。洗い終えた直後は米粒によって吸水量にばらつきがあるため、それを均等にならすのだと徳岡は言う。

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(4)鍋でも大丈夫

徳岡の店では釜で米を炊いている。しかし、家庭でその味を手軽に再現できるのが、アルミやステンレスの鍋。ふたが重めでしっかりと閉まるものが良い。また、土鍋を使う際には、浅めで薄手のものを選ぶのがポイントだ。

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(5)沸騰したら、かき混ぜる

炊き始めは強火。5~6分で一気に沸騰させる。沸騰直後にいったんふたをあけ、鍋底をかき混ぜる。ここに、徳岡流ご飯の炊き方の最大のポイントがある。放っておくと、米は火が当たる鍋底から固まってしまい、全体に熱が行き渡らなくなってしまう。かき混ぜることで炊きムラをなくす、徳岡ならではのひと手間だ。

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(6)火加減は湯気ではかる

いったんかき混ぜたら、ふたを戻す。そこから弱火に落としてさらに11~12分炊く。火加減を調節する目印になるのが湯気の出方。蒸気が立つけど、吹かない程度に保つようにする。

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(7)蒸らさず、すぐにいただく

炊き上がったら、蒸らさない。炊き立てをすぐによそっていただく。蒸らさないご飯の方が「米本来の味」を味わえると、徳岡は考える。

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