田尻が英語を教える相手は、中学生。「英語」という未知の世界に触れる生徒たちと向き合うとき、田尻はまず、「楽しませる」ことを大切にする。そのためには、あらゆる手を使う。ゲームやクイズ、歌や映画、そしてときには屋外での特別授業。巧みな話術と面白おかしい小道具、そして大げさなリアクションで生徒たちを盛り上げる田尻。その姿は、まるで大道芸人のよう。
しかし田尻の目的は、生徒を遊ばせることではない。授業を楽しませ、夢中にさせることで、慣れない英語を生徒たちの身近なものにしていく。田尻は言う。「英語を勉強することは苦い良薬みたいなもの。そこに楽しさという糖衣をまぶすことが先生の重要な役割だ」