2008年02月05日 (火)フレンチ・シェフ 岸田周三さん


一見クールな岸田さん。
話し方も淡々としていて、
感情のアップダウンがあまりない方かも?と感じる。
しかし、何気なく「やっぱり骨付きの肉のほうが美味しいのですか?」
と聞くと、突然、ファイア~!
熱く語り始めた。
 
「肉は、骨つきで焼いた方が、絶対に美味しいんです。
 肉は、焼いてクルッと丸まるじゃないですか。
 あれは、肉の線維が縮まっているんです。
 その縮まるときに、肉の汁が全部出ちゃって、硬くてまずくなるんです。
 骨がついていると、物理的に縮むことができなくなるので、
 汁がその分出てしまわなくて、美味しいんですよ。
 でも、焼き肉は別です。
 あれは、すぐに焼けるような薄さに切ってあるので、
 硬くなるまで焼きすぎる心配がないから、
 骨付きでなくても美味しいんです」
 
すごい。
バババーッ!と、前のめりな熱い話し方。
お肉の焼き方について知らなかったこと情報が、どんどん出てくる。


肉の出汁というのはスープなどに使うと美味しいが、
その汁が肉から流れ出ない焼き方ができると、旨み溢れる味になるらしい。
「出汁入り肉」という感じ。
いかに、肉の汁が大事かを熱っぽく語る岸田さんから、
お肉を始め、料理にかける意気込みが伝わってくる。
クールに見えても、
情熱をかける対象(つまり、料理)には、とっても熱くなる人なのだ。
 
実際、ずっと料理のことを考えているという。
考えるときは徹底して、のめり込むようだ。
調理場で、新しい料理をどうするか、ひとり考えにふけり、
スタッフに「すいません・・・(じゃまです)」と言われてしまうほどである。
そんな姿は、スゴイ!と思うと同時に、男子としてはちょっとカワイイのである。
ふふふ、熱くて、ステキ♪
 
そうやって出来上がっていく、岸田さんのお料理の数々。
二品、スタジオで試食させて頂くと・・・正直、びっくり!!!
だって、お初にお目に掛かるような組み合わせ・味・見た目、なのですものっ。
『やぎ乳のババロア』は、
名前からして、ババロアのような味を想像していた。
しかし、まったく違った。
口に入れた瞬間、意外性という名の喜びが舌に広がる。
オリーブオイルの香りと、ヨーグルトに似た酸っぱさの中に塩味がプチプチと。
そして、もちろん、メチャンコ美味しい~!
 
「ババロアではなく、オリーブオイルと塩が主役の料理なんです。
 主従逆転ですね」
 
調味料が主役!?そんな料理があるとは。
主従逆転という視点そのものも面白い。
 
さらに、『タルト・ブーダン・ノアール』は、
豚の血の腸詰めの中身をペースト状にしたものと、
(なんと!)リンゴのタルトが、段重ねになっている。
横長の長方形のものを左から順次食べていくと、右端にはフォアグラまで乗っている!
すごいぞ、すごいぞ。
早速、口に運ぶと・・・
おー、まい、がっ。
美味しすぎです。とろけてしまいそうです。
正直、一瞬仕事を忘れてしまいそうなくらい、
わたしの脳みその、感覚を司る部分すべてが、
口に広がる味のこと以外なにも感じ取れなく(感じ取りたくなく)なった。
美味しいものを食べるって、こんなに幸せなことでしたっけ~~♪
それほど、支配的に美味しいのである。
なんと言っても、甘いタルトと塩味の腸詰めのハーモニーがすばらしい。
わたしは、おやつを食べるとき、
甘いチョコと塩味の煎餅を交互に食べるのが好きだが、
その喜びを100倍に増幅させたような感じ(次元が違うかも・・・汗)。
リンゴのタルトとはデザートにしか出てこないものだと思っていたが、
そんな自分が間違っていた。
 
「デザートを素材に使ってみよう、というわけです」
 
なるほど。
岸田さんの料理に、他人の作ったルールは通用しない。
岸田さんは言う。
 
「自分なりに考えたものというのは、要するにオリジナリティー。
 オリジナリティーというのが、すなわちアイデンティティー。
 自分にしかできないものを表現するからこそ、
 自分に存在価値があるわけですよね。
 もし、僕以外の人にできるものを作っていたとしたら、
 やっぱり自分自身が面白くない。
 だから、もっと新しいものができるんじゃないかという気持ちを
 忘れたくないのですよね。
 毎日反復するだけじゃなくて、考え続けることっていうのは、
 意味があることなんじゃないかと思うんです。
 自分に満足してしまったら、もうそこでストップすると思うんですね。
 人間って、やっぱり成長を続けるのが性分というか
 そういうものを求めているものだと思うのです」
 
進化を求める存在である人間・・・そんな「言葉」が「味」になると、
岸田さんの料理になる。そして、その料理を味わうと、
明日っていう未来を夢見ることが、
なんだかとっても楽しみになるのだ。

投稿者:すみきち | 投稿時間:22:00

コメント

今日の放送、食い入るように拝見しました。
自分の考え方、取り組み方いかに甘いかを思い知らされました。
岸田さんは私と年齢が近く大変な刺激を受けました。

"情熱"私も忘れずに取り組みます。

ありがとうございました。

投稿日時:2008年02月05日 22:53 | 波夛悠也

毎回楽しみにしています!

今回も素晴らしかった!

料理に特に興味があるわけでもなく、フレンチなんかめったに食べませんが、岸田さんの仕事と生き方には感激してしまいました。

成功されている方は「今日より明日」という気持ちが強いのですね。
寿司の二郎さんもそうでしたが、終わりなき追及をしてらっしゃいます。

自分はそんな努力家でもなく、上を目指そう!という気持ちも少ないのですが、こんな方々を見るのは本当に気持ちがいい。

日々の努力をする向上心も才能の一つだな。と思っています。

投稿日時:2008年02月05日 23:08 | てつ。

初めまして、いつも楽しみに拝見しております。
2/5放送の岸田さんの「食材を大切にする心」
に感動しました。
「命をいただく」と言いますが、岸田さんの食材に対する姿勢は
「尊敬をもっていただいている」ようにも見えました。

いつもプロフェッショナル達が何かに挑戦し、
そして必ずしもそれが日の目を見ない番組の終わり方が
私は好きです。
達成感以上に「完成しない何か」を抱えてまた次の目標に
飛び込むことで、より以上のものを追求しようとするであろう
プロフェッショナル達の「次」に期待してしまうからです。

岸田さんの「スタッフを大切にする」「料理を提供するお客様には
必ず姿を見せる」という姿勢は私も学ばなければいけないところが
多々有り、本当に目の覚める思いを抱きながら見ておりました。
きっと彼の師匠のように人間としても一流のシェフに
なられる事でしょう。

番組のますますのご発展をお祈りいたします。

投稿日時:2008年02月06日 11:18 | sasha

仕事の流儀の番組をいつも拝見させていただいております。
数ある番組の中でこの番組を見ると一日のエネルギーとやる気をもらいます。1週間のパワーの源にしています。

 いろんなジャンルでその道のプロといわれる人の精神がすばらしく、仕事の仕方だけでなく、人間性の向上にもプラスになる点が沢山ありますので録画して何度か見ています。

しかし仕事で見られなかった5日放送の岸田さんの番組は録画出来なかったので、次回の再放送は是非録画して見たいと思います。

私は、自営業で伝統工芸品の企画製造をしておりますが、新製品の企画立案にすごく参考になります。今後も私たちを勇気付けていただく番組づくりに期待しています。

投稿日時:2008年02月07日 11:16 | いなちゃん

ある82歳のおばあちゃんは「文化ってなんだろ?」って問いに
「そりゃ楽しみだな、いい楽しみだな」と答えたのであります。
そうかー、いい楽しみがあることかぁ…なるほどなぁと思ってたら
「食べて楽しんでな、そんなでねーか?」とも。
歌舞伎も相撲もお客さんはみんなでおいしいものを食べながら楽しむ。
神楽だってそう。運動会もお弁当があるから楽しい。
文化の根幹は食べながら楽しむこと、だとすれば、岸田周三さんはその根っこだ。

投稿日時:2008年02月07日 23:59 | せのお

番組を見て、とても驚きました。
岸田さんを拝見して、どこかで見たことがある…と思いました。
すぐに探してみると、その本は見つかりました。
パリを紹介した雑誌にL‘ASTRANCEが載っていて、
パスカルシェフの隣に、とてもよい目をした日本人男性が写っていらっいました。
その方が岸田さんでした。岸田さんのしっかりした目がとても印象的で、私の心にずっと残っていました。
お店は、残念ながら予約が取れませんでした。それから何度かパリに行きましたが、
やはりとれず、とても残念な思いをしました。

今、私はお菓子の勉強をしています。
昨年、長年勤めていた会社を急に辞めることになりました。会社が女子社員を急に解雇したのです。大変驚き、なかなか受け入れることはできませんでした。
でも、これからは思い切ってやりたいことをしてみよう、必要とされるところでがんばろう、と思って、今、毎日を過ごしています。
パリにお菓子の修行にいきたいと考えています。しかし、私の年齢は30半ばです。
友達はみんな主婦になり、子供を持って、過ごしています。
ふつうの家庭に生まれた私は、私もそうなるものだと思っていました。
そんなふうに思っていた私が、ほんとにやっていけるのか、やっていっていいのか、考えても考えても不安を感じてしまいます。
でも、岸田さんの番組を見て、まだ答えは出ないけれど、がんばりたいという強く思う心を持てたように思っています。
私は、なにごとも「縁」なのかな、っと思うことがあります。
岸田さんがパスカルシェフに出会ったのも、縁ですね。
でも、自分にとって大切な「縁」というものは、努力があってこそ出会うものだと思います。
私も岸田さんのように、昨日より今日、今日より明日…と日々努力を続けて、成長していきたいと思っています。そうすれば、いつか答えが見つかるかもしれませんね。
番組をDVDにとって、繰り返し何度も見ています。がんばれそうな気がしてくるのです。
いつか本物の岸田さんにお会いしてみたいです。

投稿日時:2008年02月09日 22:55 | neige

いつも番組を楽しみにしています。
最近仕事に行き詰まりを感じていたところに
岸田さんの回を見ました。
彼の仕事にかける情熱を見ていたら
私なんてまだまだ甘い、
この程度でへこんでいられないと
とても勇気づけられました。
私もあきらめないで前進していきたいと思います。

翌日からはコクアの曲を聴きながら通勤。
「誰も知らない世界へ向かっていく勇気を
“ミライ”っていうらしい」
という歌詞が、岸田さんの人生観ともシンクロするなと思いながら
聴いています。

投稿日時:2008年02月10日 20:49 | しあん

驚いたのは三ツ星を獲得した瞬間に、NHKのカメラが入っていたことです。
番組の制作はそれ以前から始まっていたわけだ。
パスカル・バルボさんのセッティングも見事。

プロフェッショナルですね。

投稿日時:2008年02月12日 02:42 | アードベッグ

番組の中で登場したパスカル・バルボさんと岸田さんが厨房で一緒に撮られていた写真、とても印象的でした。
なんて楽しそうな、キラキラした岸田さんの瞳!とてもステキでした。
岸田さんだけでなく、バルボさんにとっても素晴らしい出会いだったことが伝わってきました。

そしてneigeさん。頑張ってください。
今すごく悩んでいらっしゃることと思います。
それでも一生懸命前に向かって、明日に向かって進んでいらっしゃる姿は、岸田さんに負けないくらいステキです!
ほんの少しずつでも前に進めば、「昨日より今日、今日より明日」の自分が、きっとその先にいると思うんです。たった一度の人生ですもの…neigeさんの人生がキラキラ輝いていますように、祈っています。

投稿日時:2008年02月12日 11:31 | のんちゃん

岸田さんのためらわずに挑戦する姿勢がまぶしかったです.録画して何度も見てしまいました.番組の途中で,ごく普通のサラリーマン家庭に生まれ...とありましたが,普通じゃなかったのかもしれませんね.挑戦を楽しむ姿勢はいたずら心がみなもとという説もあります.岸田さんのいたずらっぽい表情が印象的でした.

ぜひ一度味わってみたい.

投稿日時:2008年02月13日 18:17 | あわさん

先日は、私のコメントを載せていただき、すみきち&スタッフのみなさま、ありがとうございました。
まさか載せていただけると思ってなかったので、驚きました、そしてうれしかったです。
それと、わたしにもコメントを書いてくださったのんちゃんさん、
ほんとにありがとう。
読ませていただいたとき、うれしくて、思わず涙がでてきちゃいました。
昨年は、よくないことが重なってしまい、悲しい涙が多かったのですが、
今年は、目標もあり、それに向けてやりたいことがいっぱいです。
悲しいこともわすれちゃいました。
番組を拝見したあと、偶然にも2つ、すごくうれしいことがありました。
1年ほど前からフランス語を勉強しているのですが、やはりなかなか上達しませんでした。
でも、やっぱりフランスに行きたい!と強く思うようになってから一生懸命勉強しました。
すると、先日、先生にすごく良くなってきたし、がんばってる!といっていただけました。
それともう一つは、もう6年も通っている水泳教室。
泳いでも泳いでも上手にならないので、もうやめようかと何度も思っていたのですが、
先日、あることをきっかけに、コツがつかめたように思ったんです。
するとその直後、やはりコーチに褒めていただきました。
目標を決めてやり通すことは大切なんだ、と実感した瞬間でした。
次の目標は、やはりお菓子です。
フランスの地方のお菓子、スタイリッシュな素敵なケーキも作れるようになりたいのですが、
いちばん作りたいのは、フランス料理屋さんで出されているデザートです。
お料理を食べたあとでも、お口やおなかにスッーと優しくはいっていくようなお菓子を作れるようになりたいんです。
そんなお菓子が作れるようになったら、岸田さんのお店で雇っていただける…かな???
のんちゃん、スタッフのみなさん、ほんとにありがとうございました。

そして、岸田さんもありがとうございます。
番組終了後、いっぱい考えました。
自分が何をしたいのかはっきりわかったように思います。
Merci beaucoup!!

私が4年ほど前に本でお見かけしたしっかりした目をされた男性は、
すばらしいChefになられたんですね。

投稿日時:2008年02月17日 21:49 | neige

先日コメントを掲載していただけて感激していたところだったのですが、neigeさんからのお返事が掲載されていてさらに感激しました!

現在は私は、とある不動産会社で元気いっぱい働いています。同じ部署の方々も違う部署の方々も、娘か妹のようにかわいがってくださって、本当に楽しくやっていますが、実は私も、昨年は転職のことで大変悩み、悲しい涙があったんです…。
自分がどうしたいのか、どこへ向かって歩いているのかさえもわからない日々がありました。
ですので、neigeさんのコメントがとても他人事とは思えませんでした。

悩んでいたときの岸田さんや、neigeさんのお話を聞いて、
「今現在、成功している人だけが輝いているわけじゃないんだ…未来に輝くために今一歩一歩歩いている人も、こんなにもキラキラしているんだ…」と気がついたんです。
「あのときは苦しかった。でも、だから今、楽しい!といいながら働いている私がいるんだ」と気付くことができたんです。
neigeさんに、すごく大切なことを教えていただきました。
私のほうこそ涙が出ましたよ!

neigeさんのお菓子が出来上がるのを、陰ながら応援していますね。

投稿日時:2008年02月19日 18:32 | のんちゃん

私も厨房で働いていたことがあるのですが、岸田周三さんの率直で熱い信念には、心の底から突き動かされました。私も目標に向けて、がんばっています。
今の私の座右の銘は、「昨日より今日、今日よりも明日」、です。

投稿日時:2008年02月29日 13:55 | mayuko

すみきち&スタッフのみなさま、こんにちは。
のんちゃんもその後、元気に毎日をお過ごしでしょうか???

わたしのコメントをまた載せていただいたて、
のんちゃんからにも読んでいただき、
またすぐにコメントさせていただきたかったのですが、
控えさせていただいていました。

実は、来週、岸田さんのお店にうかがう予定です。
予想通り大変な人気で予約も難しく、
私は関東に住んでおりませんので、いっしょに行く相手もなかなか見つからず、
でも、元上司が同行してくれることになりました。
当日は、とても緊張しそうですが、
心行くまで岸田さんやスタッフの方々のお料理を楽しみたいとおもっています。

そして、今年の冬ごろから、フランスに語学と製菓学校への留学が決まりつつあります。
年齢やいろんな不安や悩みは、いつまでたっても尽きません。
でも、そんなときは、録画していた岸田さんが出演されていた番組を見て、
がんばろう…と、気持ちを引き締めています。

お食事のあとでもおいしく食べていただけるお菓子作り、
それと、いつかボランティアで子供たちにお菓子作りをおしえたい・・・
これが私の夢です。
近い将来に叶えることができるように、がんばります。

来週はほんとうにたのしみです。
岸田さんにお会いできるといいな。

投稿日時:2008年06月18日 20:53 | neige

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