2009年11月24日 (火)インテリアデザイナー 片山正通さん

ウィンドウショッピングをしていて、
ついつい入りたくなる店ってある。
反対に、何度前を通っても、入りたくないと思う店もある。
意を決してのぞいてみても、なんだか居心地悪く、
すぐに出てきてしまう。
また或いは、入ると、なんだか心地よくて長居してしまったり、
買うつもりのなかったものを、いつのまにか手にとっていたりする
空間もある。
 
ぶらぶらウィンドウショッピングが嫌いじゃないわたしからすると、
その差は歴然だ。
どうしてその差が生まれるのか、理屈ではわからなくても
体験を通して、はっきりと実感していた。
 
そして、今回、片山さんのお話を伺って、
その差が具体的に見えた。
 
片山さんは・・・

片山さんは、超売れっ子のインテリアデザイナーである。
片山さんに任せれば、店に人が集まりモノが売れると、
日本にとどまらず、世界各国から店舗のデザイン依頼が殺到するという。
 
そんな片山さんが店舗デザインで大事にしているのは、
お客さんの心理である。
いかに店に引き込み、品物を手に取らせるか。
それには、まず「動線」、つまり、客の動きを読み、
誘導する仕掛けを考え、
どこで目線が動くか、どこで商品を手に取るかを徹底的に計算することだ。
スタジオでは、これまでデザインしたお店の模型で、
片山さんがどう考えて、なにをどこに配置したのか、
理由とともに教えていただいた。
 
たとえば、なぜ入り口の真ん中に、邪魔にも思えるような柱があるのか。
どうして、店の真ん中に、わざわざ店の空間が狭くなるような
トンネルのような廊下を作るのか。
なぜ、シャンデリアのような照明を選んでいるのか。
商品を展示するための什器は、どうしてその高さなのか。
 
片山さんの場合、「なんとなく」という応えはなく、
すべての選択に理由があった。
心理学者のような分析をしているのだ。
その徹底ぶりは、すごい!
ただ格好いい店を作ろうというのではない。
ものすごく緻密に客側の気持ちを想像してデザインしているからこそ、
その片山さんの「動線」に乗せられ、
きっと、わたしのようなぶらぶら客が店にひきこまれるのだ。
 
さらに、その背景には、
片山さん自身が、ショッピングが大好きということもある。
自分自身が客として店をめぐるときに、
どういうところがうれしく、惹かれるのか、
どういう気持ちになるのかを、
敏感に感じ取っているそうだ。
 
「だから、わかるんですよ。
 一番良い店は、
 店のデザインがどうだったかなんて、
 楽しくて忘れてしまうような店なんですよ」
 
うーむ。ちょっと複雑ですね。
良くすれば良くするほど、
自分の仕事(店のデザイン)が忘れられてしまうなんて。
しかも、店がうまくいっているときほど、店舗デザインの良さは、
忘れられてしまう可能性が高いだろう。
さらに、逆に、不況になると、
デザインを重視しないで店を作ろうという会社も多いかもしれない。
優先順位をつけたときに、
デザインという仕事は要らないと思われる可能性があるかもしれない。
片山さんはどう考えているのだろう?
 
「愛情をいかにかけているか。
 それが差となって、表れます。
 わかる人には、ちゃんとわかると思います」
 
愛情かぁ・・・。
ぶらぶらショッピングしていて、ある店につい入ってしまうのは、
わたしたち客には、
デザイナーの愛情がわかっちゃうからなのかもしれない。

投稿者:すみきち | 投稿時間:07:00

コメント

今回の放送は特に搾り出すような表情が印象的でしたぁ
確かに…心理学者のようでしたね
分析力と普通の方にはない発想力でもそれは才能も有る
とは思うのですが
努力の賜物のような気がしました

ほんと凄い方だなぁって思いました☆

投稿日時:2009年11月26日 09:58 | model15

片山さんの自分をドンドン追い込んでいく姿が、とても興味深く感じました。私も原稿を作る時、徹夜しないと出来上がらない習慣になってしまいましたが同様なケースかなと共感出来ました。
自分のスタイルを熱く語る片山さんを見るすみきちさんの表情にも、「理解したい」というMCの情熱も感じ、視聴者をのめりこませる効果も十分でした。
不況時代が色濃くなる中で人を引き付け熱くさせる仕事をされている方々の情報は、私たちを積極的に生きることへ導いてくれます。
これからも「食い込む視線」を 楽しみにしております。

投稿日時:2009年12月01日 11:19 | jill-mam

録画していた番組をようやく拝見できました。

普段はロゴや名刺・パンフレット等のデザインをしていますが、今回の番組を通してとても心が痛いメッセージがありました。

「選ばれたものの責任」

この番組を拝見するまでは、デザインに関してはこちらの方が少なからず知識は持っている。だから、大幅にイメージが崩れることを嫌いクライアントからの意見に耳を貸さず、つっぱねる事も少なくはありませんでした。

しかし、名刺にしてもパンフレットにしてもそういう媒体をこれから営業ツールとして活用していくのはクライアントさんなんですよね。当たり前の事なんだけど、その当たり前の事がいつしか自分の中から抜け落ちていたような気がします。

なぜデザインを始めたのか。そんな原点に返れる素敵な番組でした。ありがとうございます。

投稿日時:2009年12月28日 11:38 | HOLY

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