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◆低遅延型デジタルラジオマイクの伝送方式を開発
〜800MHz帯の円滑な周波数移行に向けて〜
(平成25年5月23日)


□ NHKは、遅延時間を1ミリ秒以下に抑えた低遅延型ワイヤレスデジタルラジオマイクの伝送方式を開発しました。

□ 「ラジオマイク」とは、テレビ局のスタジオやコンサートホールなどで使われているワイヤレスマイクです。現在、電波の有効利用という観点から、国の方針として、このラジオマイクの使用周波数を現状の800MHz帯から新しい周波数帯*1)に移行することが求められています。

□ この移行に伴い、アナログ方式よりも雑音や干渉に強く、周波数の利用効率が高いデジタル方式の導入が期待されますが、従来のデジタル方式では、3〜5ミリ秒程度の遅延が生じるため、音楽番組やコンサートの演奏に影響を与える場合がありました。

□ 今回、新たに開発したデジタル伝送方式は、音声符号化に処理時間の短いリニアPCMを用いることで、0.8ミリ秒という極めて低遅延での伝送を可能としました。さらに、壁や天井からの電波反射の影響を受けにくいOFDM*2)方式と、合成ダイバーシティ機能*3)の導入によって、雑音や干渉に強く、安定して途切れにくい伝送を実現しています。

□ この伝送方式によるラジオマイクは、総務省の『「700-900MHz帯における周波数有効利用のための特定ラジオマイクの移行周波数における技術的条件」に関する検討』*4)で実施された実験においても、安定に伝送できることが確認されました。

□ この研究成果は、5月30日(木)〜6月2日(日)に開催する「技研公開2013」でご覧いただけます。NHKは、SHV放送の早期実現を目指して、研究開発を加速していきます。

*1) 470〜714MHzおよび1240〜1260MHz
*2) OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing):直交周波数分割多重
*3) 複数の受信アンテナを用いることによって受信性能を改善する機能
*4) 総務省が周波数ひっ迫対策のための技術試験事務として実施している検討の一つ


 
 
 
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