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◆高分子膜を用いた超軽量スピーカーを開発
〜従来の1/20の重量で、広帯域の音を再生可能に〜
(平成22年5月21日)


○ NHKは、フォスター電機(株)と共同で、ポリウレタン高分子膜を用いた超軽量スピーカーを開発しました。このスピーカーは、これまでのスピーカーとは全く異なる仕組みで音を出すため、形状の制約が少なく、用途や置き場所に合わせて好みの大きさや形にすることができます。

○ このスピーカーは、ゴムと同等の弾性を持つポリウレタン高分子膜の両面に導電性を持つ高分子を塗布して伸縮自在な電極を形成し、この電極に電圧をかけることで電極同士を引き合わせて膜を伸縮させ、振動版を駆動するものです。通常のスピーカーで用いられるコイルや磁石などが不要なため、超軽量なスピーカーが製作できます。今回試作した直径16cmの円形スピーカーの重量は約60gで、従来のコイル型のスピーカーの約1/20を実現しました。

○ さらに、2枚の高分子膜を交互に伸縮させて振動板を駆動する立体構造を実現するとともに、高分子膜の音響特性を補償する信号処理回路を付加することにより、80Hzから15kHzまでの広い周波数帯域の音を再生できます。

○ 大きな特長として、様々な形状のスピーカーを作ることが可能なため、形や大きさを自由に選ぶことにより、家庭の中でも目立たない形で使用できるスピーカーとして期待されます。

○ 今後は、スーパーハイビジョン用22.2マルチチャンネル音響の家庭導入に向け、ダイナミックレンジの向上などさらなる音質向上をめざします。このスピーカーは、5月27日から30日に開催する放送技術研究所の一般公開で展示します。


 
 
 
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