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◆スーパーハイビジョン音響の家庭再生方式を開発
〜少ないスピーカーでも、22.2マルチチャンネル音響を再現〜
(平成22年5月20日)


○ NHKは、スーパーハイビジョンの映像にマッチした音響システムの構築をめざし、22.2マルチチャンネル音響の研究を進めています。22.2マルチチャンネル音響をご家庭で楽しんでいただくため、視聴環境に合わせ、少ないスピーカーでも22.2マルチチャンネル音響の臨場感を再現できる方式を検討しています。

○ 22.2マルチチャンネル音響を再生するには、図1にあるように上中下の3層に配置された22個のスピーカー(上層:9個、中:10個、下層:3個)と、2個の低域効果用スピーカーが必要です。ご家庭に24個のスピーカーを設置することは非現実的で、より少ないスピーカー数で同等の効果が得られる方法が求められています。今回、22.2マルチチャンネル音響を少ないスピーカーで再生する2つの方式を開発しました。

○ 1つは、8個のスピーカーと1個の低域効果用スピーカーで再生するもので、聴取位置における再生音の大きさや方向が、元の22.2マルチチャネルの場合と等しくなるよう信号処理する方式です。(図2)

○ もう1つは、3個のスピーカーと1個の低域効果用スピーカーで再生するもので、様々な方向からの音が両耳に至るまでの伝達特性(頭部伝達関数)を用いて、聞く人の耳の入り口で22.2マルチチャネル音響と同等の音を再現できるように信号処理する方式です。(図3)

○ この2つの方式を、5月27日から30日に開催するNHK放送技術研究所の一般公開で視聴していただきます。今後も、家庭でも22.2マルチチャンネル音響を楽しんでいただけるように、少ないスピーカーで臨場感を再現できるシステムの研究開発を進めていきます。

 
 
 
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