技術情報 NHK information
Copyright NHK (Japan Broadcasting Corporation) All rights reserved. 許可なく転載を禁じます。
◆眼鏡なし立体映像がより鮮明に!!
〜インテグラル立体テレビがスーパーハイビジョン技術で大進化〜
(平成21年5月18日)


○ NHKは、日本ビクター(株)と共同で、3300万画素のスーパーハイビジョン(SHV)映像技術を応用したインテグラル立体テレビを開発し、立体像の解像度を向上させることに成功しました。

○ インテグラル立体テレビを実用化するには、(1)高画質(高解像度)で、かつ(2)鮮明に見える範囲(角度)を広くする必要があります。ハイビジョンをはるかに越える高精細の撮影・表示技術が求められ、スーパーハイビジョン(SHV)の映像技術*1を応用して、インテグラル立体テレビの研究開発を進めています。

○ インテグラル立体テレビの撮影と表示には、微小な要素レンズを多数並べたレンズ板を使用しますが、この要素レンズの数が多いほど、高画質になります(上記(1))。また、1つの要素レンズを撮影・表示するSHVの画素数が多いほど、立体映像が鮮明に見える範囲(角度)が広くなります(上記(2))。今回、これまでの約4倍の要素レンズを使ったインテグラル立体撮影システムを新たに開発しました。

○ このレンズ板と新開発の3300万画素(横7680×縦4320)の解像度を持つSHVシステムを用いることで、立体映像が鮮明に見える範囲を狭めることなく(上記(2))、立体映像の解像度を向上させる(上記(1))ことに世界で初めて成功しました。

○ 5月21日(木)〜24日(日)に開催する放送技術研究所の一般公開で、進化したインテグラル立体テレビをご覧いただけます。

*1 800万画素の素子を4枚用いるデュアルグリーン4板方式によるSHV映像。デュアルグリーン4板方式は、走査線2000本用の素子(800万画素)を使い、光の3原色の中で視覚の解像度に最も寄与しているG(緑色)信号のみ2枚の素子を用いて、これを斜め方向に半画素ずらし、R(赤色)、B(緑色)信号をそれらの間に配置することで、実質的に4000本の解像度を得る方式。
この研究の一部は、NICT(独立行政法人 情報通信研究機構)の委託研究「多並列・像再生型立体テレビシステムの研究開発」として実施した。

(参考) インテグラル立体テレビ
 立体像の撮影や表示を行うため、微小なレンズを多数配列したレンズ板を用います。このレンズ板により、多方向からみた多数の小さな画像の群が得られ、それを介して立体表現することができます。撮影時にはテレビカメラのレンズの前にレンズ板を置いて撮影し、表示する時には液晶テレビやプロジェクターで表示画面の前にレンズ板を置いてそれを通して見ます。

インテグラル立体テレビは、家庭で見るテレビに適した以下の特徴があります
・立体用の特殊な眼鏡がいらない
・実物を見る場合と同様、視聴者の見る位置に応じて映像が自然に変化する
・横になって見ても立体映像が見られる
・像の見かけの位置と光学的な位置が一致しているため、眼の疲労が少ない



図1 インテグラル立体テレビシステム





 
 
 
ページトップにもどる
経営情報へ戻る前に戻る