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◆高機能「小型SHVダウンコンバータ」を初めて開発!
〜SHV“ワンリソース・マルチユース”の番組制作が飛躍的に向上〜
(平成21年4月17日)
 

○ NHKは、現行のハイビジョン放送よりもさらに高い臨場感を提供できる次世代のテレビ「スーパーハイビジョン(SHV)」の研究開発を進めています。今回、24Gbps*1)のビットレートのSHV映像を、1.5Gbpsのハイビジョン映像にリアルタイムで変換できる高機能な「小型SHVダウンコンバータ」を初めて開発*2)しました。

○ このダウンコンバータは、制作用途に応じて、3つのダウンコンバート機能を持っています。(1)SHVの画面全体の映像をハイビジョンの画質に変換する標準的な機能に加え、(2)SHVの画面の一部を切り出してハイビジョン画質に変換する機能、そのほか、(3)デジタルシネマへのマルチユースも考慮し、4Kデジタルシネマへの変換も可能にしています。

○ 特に、(2)の新しい機能により、ダウンコンバータに接続したリモコンを操作することで、あたかも現場でパンやチルト*3)をしながら、ハイビジョンカメラ撮影をしているように、SHV映像の一部から撮りたいシーンを切り出してハイビジョンコンテンツを制作することができます。SHVで俯瞰的に撮影したスポーツ中継などのコンテンツなどで威力を発揮します。3,300万画素の超高精細のSHV映像コンテンツだから可能になる、今までにない新しい“ワンリソース・マルチユース”の番組制作・演出が誕生します。

○ 今回開発したSHVダウンコンバータは、省エネモードを装備するなど環境問題にも配慮しています。また、制作現場での実用化をめざし、小型、軽量化を実現しています。

○ 4月20日〜23日の期間、米国ラスベガスで開催される全米放送事業者連盟NAB(National Association of Broadcasters)の展示会で初めて公開します。

*1) Gigabit per second. 1Gbpsは1秒間に10億ビットのデータを送れることを表す。
*2) アストロデザイン(株)と共同開発
*3) パン:カメラを水平方向に動かす動作 チルト:垂直方向に動かす動作


(参考)

図1 SHV用小型ダウンコンバータと映像変換概要


■SHV用小型ダウンコンバータには、以下の3つの出力があります。
(1) ハイビジョン映像(固定):SHVの画面全体をハイビジョンの精細度に変換した映像。
(2) ハイビジョン映像(一部を切り出し):SHVの一部を切り出し、ハイビジョンの精細度に変換(拡大または縮小)した映像。
(3) 4K映像:SHV映像をデジタルシネマ(4K)の精細度に変換した映像。

 その他モニタ出力として、SHVの画面全体をハイビジョンの精細度で表示して、SHVから切り出す映像の位置・大きさを指定するための映像「ハイビジョン映像(切り出し位置ウィンドウ表示)」があります。切り出す映像部分がウィンドウとして画面に重ねて表示されます。このモニタ出力を見ながら、ダウンコンバータに接続されたリモコンを操作することで、ハイビジョン映像(一部を切り出し)出力(2)を加工することができます。

■ハイビジョン映像(一部を切り出し)(2)を得る際には、手動操作の他、SHV映像から切り出す  位置を設定できるショットメモリ機能があります。また、映像編集で必要な機能の1つである色調整が可能です。

図2 装置本体とリモコン
(参考)


 
 
 
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