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◆世界初!超高速インターネット衛星「きずな」によるハイビジョン高速伝送実験に成功
〜 北京オリンピックでのNHK、JAXAとの共同研究 〜
(平成20年9月10日)

○ NHKは宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共同で、8月2日から24日まで、北京オリンピックの国際放送センターと東京間などで超高速インターネット衛星「きずな」*1)による伝送実験を行い、超高速インターネット衛星でハイビジョン映像をリアルタイムでIP伝送することに成功しました。

○ NHKでは放送番組の制作や編集において、映像や音声素材のやりとりをファイルベースで行うシステムを順次導入しています。今回の実験は、大型イベント番組などで現場からの映像等をファイルベースで放送局に伝送し迅速に編集するなど、超高速インターネット衛星の放送への利活用を実証するために行いました。

○ 衛星によるIP伝送の双方向特性を生かして、NHK放送センターから北京国際放送センターに設置したサーバーのハイビジョン映像をリモートで編集する実験を行いました。北京国際放送センターのサーバーに保存されているハイビジョン映像素材を低解像度の小さなサイズのファイルに変換してNHK放送センターに高速転送し、NHK放送センターで編集を行い、編集データを北京に送り返し、現地で編集データによるハイビジョン映像の編集が可能なことを確認しました。今後、どこで実施されるイベント番組においても編集の効率化が期待できます。

○ また、「きずな」の高速伝送特性を生かした実験として、同時に3本のハイビジョン映像をリアルタイムでIP伝送する多重伝送実験*2)に成功しました。今回の衛星による映像のIP伝送速度は、世界最高速を達成しています。

○ NHKでは、今後も災害現場を想定した報道利用に関する実験や、放送現場における様々なアプリケーションの活用を検証し、JAXAとの高速IP衛星伝送の共同実験を継続していきます。

*1) 「きずな」(WINDS: Wideband InterNetworking engineering test and Demonstration Satellite)は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と情報通信研究機構(NICT)が共同で開発した超高速インターネット衛星。超高速・大容量の通信技術を実証することを目的に2008年2月に打ち上げられた。
*2) MPEG-2符号化方式で圧縮(30Mbps)×1本、H.264符号化方式で圧縮(20Mbps)×2本
 
 

(1)映像リモート編集実験、(2)ハイビジョン映像多重伝送実験の他、(3)IP伝送の特性を生かして、NHK放送センターから北京国際放送センターとNHK北京総局、NHK名古屋放送局に映像のIPマルチキャスト配信の実験も実施しました。「きずな」による初の海外マルチキャスト(特定多数)機能を確認できました。


 
 
 
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