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◆スーパーハイビジョン符号化装置を開発
〜放送システムの実現に向けて大きく前進〜
(平成18年3月2日)


○NHKは、「スーパーハイビジョン」の信号を圧縮して効率的に伝送・記録するための符号化装置を世界に先駆けて開発しました。放送システムで必須の要素となっている符号化装置が新たに加わり、番組制作・放送の両面でスーパーハイビジョンの実現に向けて大きく前進しました。

○ スーパーハイビジョンは、縦横ともハイビジョンの4倍の解像度を持つ超高精細映像で、音響も22.2チャンネルというこれまでにないチャンネル数のため、非常に大きな情報量となります。NHKは昨年11月に、光波長多重技術を用いて非圧縮(24Gbit/s)のスーパーハイビジョン信号を伝送する装置を開発し、光ファイバーで生中継できることを実証しました。

○今回開発した符号化装置は、伝送レートや要求される品質に応じてスーパーハイビジョンの映像信号を180〜600Mbit/sのビットレートに圧縮します。符号化装置では、スーパーハイビジョンの画面を16に分割し、各々にHDTV用MPEG-2符号化LSIを使用して圧縮を行います。また、22.2マルチチャンネル音響は、1/4圧縮(約7Mbit/s)あるいは非圧縮(約28Mbit/s)を 選択することができます。

○この装置により、商用のIP回線などを用いた国際間の番組伝送やハードディスク等への長時間の素材収録が可能となり、さまざまな分野で効率的なスーパーハイビジョンの番組制作が期待されます。また、将来の衛星放送の周波数帯域である21GHz帯の衛星伝送システムによる家庭へのスーパーハイビジョン放送の実現に向けた研究開発にも本装置を活用していきます。

○NHKは、4月24日から27日まで米国ラスベガスで開催されるNAB(National Association of Broadcasters)ショーにおいて、本装置を用いた世界初のスーパーハイビジョンのIP光伝送を展示します。


図1 スーパーハイビジョンIP光伝送系統


表1 符号化装置仕様
項目
仕様
映像
符号化方式:MPEG-2 Main Profile、4:2:2 Profile
(スーパーハイビジョン信号を時空間的に16分割して処理)
音響
非圧縮PCM(48kHzサンプリング、24bit)伝送
あるいはDolby Eコーデックによる1/4圧縮
伝送
MPEG-2 TS 200Mbit/s〜640Mbit/s



図2 符号化装置・復号装置外観

 
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