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◆小型で低価格のハイビジョン・ビデオディスクレコーダを開発
〜地上デジタル放送のハイビジョン番組充実のために〜
(平成17年11月9日)


○ NHKは(株)朋栄、(株)アドテックス、オーエヌ電子(株)と共同で、番組タイトルや動画素材などを送出するための小型で低価格のハイビジョン・ビデオディスクレコーダを開発しました。

○2003年に東京・大阪・名古屋で始まった地上デジタル放送は現在、全国に放送エリアを拡大しており、サービスの柱である高画質のハイビジョン放送に向けて各放送局では、放送機器のハイビジョン化が進められています。

○これまで、番組のオープニングタイトルやPRスポットなど短時間番組を送出するには、標準テレビ方式のビデオディスクレコーダなど記録・再生装置を多く使用してきましたが、これに代わる小型で低価格のハイビジョン機器が求められていました。

○今回開発したハイビジョン・ビデオディスクレコーダは収録フォーマットにJPEG2000※1方式を採用しています。これにより、これまでのディスクレコーダ などで多く使用されてきたMPEG方式に比較して、信号処理部の簡素化が可能となり、高画質化と低価格化の両立を実現しました。さらに記録媒体にRAID5※2を採用し、電源を二重化することで信頼性の向上を図っています。

○通常のハイビジョン動画の送出のほか、2系統の同時再生(オプション)機能を利用したKEY付き動画※3スーパー送出装置としても使用できます。外部機器よりスタンバイ、起動などの制御が可能なため、カメラやVTRなどの切替え、送出をワンタッチで行う電子台本システムをはじめとしたさまざまな番組制作・送出システムとの連携が可能です。

○開発した「小型ハイビジョン・ビデオディスクレコーダ」は、11月16日より開催される国際放送機器展に出展する予定です。NHKは今後も、デジタル放送のサービス充実に向けて、映像機器をはじめとしたさまざまなハイビジョン制作・送出システムの研究・開発を進めます。

※1 JPEG2000 ・・・ 画像圧縮方式の一つ。ISOとITU-TSの共同組織、JPEG(Joint Photographic Experts Group)によって、2001年に規格化された。従来のJPEGよりも高圧縮、高品質な画像圧縮が可能。
※2 RAID ・・・ ハードディスクなどの記憶装置を複数台用いることにより信頼性の  高いディスク装置を実現するための技術。
※3 KEY付き動画 ・・・ スーパーする映像とその合成レベル(KEY信号)がセットになっている 動画。これにより、塗りつぶしや半透明など多彩なスーパー合成効果が可能となる。

[諸元]
項 目
仕 様
映像入出力 HD−SDI 1入力、2出力
(うち1出力はオプション
音声入出力 エンベデッド、
(AES/EBU、アナログはオプション)
REF入力 BB信号(ループスルー出力あり)
制御入出力 シリアル(RS−422A)
イーサネット(RJ−45)
接点
記録フォーマット JPEG2000
記録時間 9時間以上
ディスク構成 RAID5(ホットスワップ可能)
外形寸法 430(W)×88(H)×450(D)mm
消費電力 60W以下(電源2重化)

※ホットスワップ・・・障害など発生時に電源を入れたまま、パーツやケーブルを交換すること


【写真】 小型ビデオディスクレコーダ外観(前面)

 
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