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◆プラズマテレビ用の新しい電極保護膜材料を開発
〜駆動電力消費を約半分に低減〜
(平成17年9月29日)


○NHKは、(株)アルバックと共同で、プラズマテレビの新たな電極保護膜材料として酸化ストロンチウム・カルシウム( (SrCa)O )を用いることにより、従来に比べ、駆動部の電力消費を40%〜65%に抑えることに成功しました。これによりプラズマテレビの省電力化が可能となります。

○プラズマテレビパネルの駆動回路の電力消費を低くするには、低い駆動電圧で放電が可能となる電極保護膜材料が必要です。これまで、プラズマテレビの電極保護膜材料として、酸化マグネシウム(MgO)が低駆動電圧と高耐久性の点から唯一実用化されていました。

○今回、酸化マグネシウムに代えて、酸化ストロンチウム・カルシウムを用いたパネルを試作し、駆動電圧が20%〜40%低減できることを確認しました。駆動電力消費の比較では、従来に比べ40%〜65%の低減になります。

○プラズマテレビでは、パネルに封入するキセノン(Xe)ガスを高濃度化するとパネルの発光効率が改善できますが、一方で、駆動電圧の上昇や駆動電力消費の増加が大きな課題でした。今回開発した低駆動電圧材料を用い、同時にキセノンガス濃度を上げることにより、従来と同程度の電力消費でパネルをより明るくすることが可能になりました。

○今後は、酸化ストロンチウム・カルシウムを安定に作製する技術の確立を行い、省電力・高効率のプラズマテレビの実現を目指していきます。


プラズマテレビの基本構造と放電セル断面の模式図
(放電領域を誇張して表示)


電力消費−Xe濃度特性の比較
(高Xe濃度ほど高発光効率)


 
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