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◆低ビットレートのハイビジョンノンリニア編集機を開発
〜デジタル放送の効率的な番組制作に向けて〜
(平成17年3月30日)


○ NHKはHDカムなど放送用ハイビジョンカメラとハイビジョンの民生機器規格であるHDV*1カメラ両方の映像素材を効率的に編集できるハイブリッドハイビジョンノンリニア編集機を、カノープス(株)と共同で開発しました。

○ HDV記録方式は、連続した複数フレームの相関を利用して信号を圧縮するLongGOP方式を採用しているため圧縮効率が良く、低いビットレートで高画質を実現できます。しかし、編集作業での信号の圧縮・伸張処理の繰り返しによる画質の劣化や、映像のコマ送りなどに対して表示の追従速度が遅いという課題がありました。

○ 開発した装置は、映像を編集機に取り込む時に、HDV素材はHDV記録方式のままで、放送用カメラ素材は高画質フレーム内圧縮方式*2で記録します。編集作業中は記録した映像素材を加工せずに編集データのみを取得して、映像を出力する時に初めて加工するため、HDV素材の場合でも編集による画質劣化はありません。

○ HDV素材で編集する時は、データ量の小さい参照用の画像データを併用して映像表示*3するため、コマ送りなどでもストレスを感じることなく、スムーズな編集作業が可能です。

○ NHKは、デジタル放送の最大の魅力であるハイビジョン番組の効率的な制作を実現するために番組制作のテープレス化を進めており、今回、開発した装置はハイビジョンノンリニア編集機の選択肢を広げるものと考えています。


※1  キャノン(株)、シャープ(株)、ソニー(株)、日本ビクター(株)の4社が共同で提案した規格で、複数のビデオカメラが発売されている。
※2  カノープス(株)独自の約200Mbps(可変ビットレート)の高画質記録方式。
※3  カノープス(株)と共同特許出願中


[システム概観]





[装置仕様概要]
項目 諸元
CPU Intel XEON 3.6GHz x2 デュアルプロセッサ
RAM 2GB(512MBx 4)
HDD システム:80GB
データ用:500GB
  (シリアルATA7,200 250GB x2 RAID)
⇒HDV記録で約38時間
映像信号
入出力
HD−SDI  
  入力 x1  出力 x2 (SD出力に切替可能)
HDV 入力(DV共用) x1 (IEEE 1394)
REF 入力(3値同期信号) x1
電源 650W
筐体サイズ 225 x 504 x 502(幅x高さx奥行)
OS Windows XP Professional SP2



[圧縮仕様概要]
圧縮方式 仕様
HDV圧縮 ピクセル数 1440×1080
MPEG2LongGOP圧縮 25Mbps
IEEE1394入力
高画質フレーム内圧縮 ピクセル数 1440×1080
フレーム内圧縮 約200Mbps (可変レート)
HD−SDI入出力
DV圧縮 ピクセル数 720×480 DV25Mbps
IEEE1394入力
 
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