NHK INFORMATION
技術情報

  ◆デジタル放送で高齢者向け音声サービスを開始
〜人にやさしい放送サービスの充実に向けて〜
(平成16年1月8日)


○ NHKは、デジタル放送の副音声チャンネルを使用して、高齢者の方々に向け、背景の音楽(BGM)や効果音を通常よりも小さくすることにより、ナレーションなどの声をわかりやすくしてお届けするサービスを一部の番組で開始いたします。

○ 日本では高齢化が急速に進んでいます*。高齢者になると「耳の老化現象」にあたる老人性難聴のため、番組の人の声が聞き取りにくくなる現象があります。これは個人差がありますが、65歳以上の方々に顕著に現れるもので、加齢によって生じる現象です。高齢者の方々がより聞きやすい状態で番組を楽しんでいただける放送サービスを実施することは、公共放送として大きな役割です。

○ 今回、デジタル放送の特徴を生かして、通常音声の主音声チャンネルとは別に、副音声チャンネルでは声を聞きやすく加工した音声もステレオで放送します。デジタル放送受信機をお持ちのご家庭では、特別な機器を用いなくても、リモコンで副音声チャンネルを選択するだけで、このサービスを受けることができます。このようなサービスは世界で初めてです。

○ 2/9(月)にBS・地上デジタル放送でお届けする「美しき日本 百の風景」で、この新しいサービスを開始し、今年度は「地球・ふしぎ大自然」「難問解決!ご近所の底力」などの番組で放送する計画です。今後は、視聴者の方々の反響を踏まえて、新年度以降随時サービスの拡充を考えていきます。NHKは、デジタル放送のメリットを生かして、「人にやさしい放送」を推進していきます。
 

* 国立社会保障・人口問題研究所による総人口に占める65歳以上の割合の推計: 2005年には 19.9%、2020年には27.8%


(高齢者向け音声サービスのイメージ)
(高齢者向け音声サービスのイメージ)

(高齢者を被験者とした背景音レベルに関する評価実験結果の抜粋)
(高齢者を被験者とした背景音レベルに関する評価実験結果の抜粋)
(特許出願中 出願番号:特願2002-35632)














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