NHK INFORMATION
技術情報

  ◆ハードディスクを利用したハイビジョンスローモーション装置の開発
〜ハイビジョンでのスローモーションをいつでもすばやく高品質に〜
(平成12年9月7日)

○NHKでは、ハイビジョンの映像を収録しながら、同時にスローモーション再生ができる装置を開発しました。

○これまでハイビジョンスポーツ中継でのスローモーションは、VTRを利用して行ってきました。しかし、どんなVTRでも競技の模様を収録しながら同時にスローモーションの再生を行う(「追っかけスロー」と呼ぶ)ことはできませんでした。

○今回、高速度で記録再生が可能なハードディスクを利用したレコーダとHDCAMフォーマットのデータ圧縮方式を組み合わせることで、これまでVTRでは不可能であった「追っかけスロー」再生機能を実現することができました。また動きが滑らかなスローモーションができるよう、新たな再生処理を行っています。
本装置の特徴は、次の通りです。

▽ ハイビジョン映像を収録しながら、同時にスローモーション再生が可能。
▽ 新たに実用化したスローモーション再生処理方式により、−100%〜+100%の再生スピード範囲で、動きの滑らかな高画質のスローモーションが可能(
*1)。
▽ 最大105分間のハイビジョン映像と音声を蓄積でき、時差再生装置としても使用可能。
▽ 蓄積された映像音声をハードディスク上で即座に編集でき、ハイライトシーンなどを簡単に制作することが可能(*2)。
▽ キーボードやマウスなどを使用せず、スポーツ中継などのスロー再生で普段使用されている専用のコントローラだけですばやい操作が可能 。

○シドニーオリンピックのハイビジョン放送では、シドニー国際放送センター(IBC)内のNHKハイビジョン制作ブースに2式持ちこみ、こうした機能を駆使して、すばらしいシーンをクイックスローでお見せしたり、試合の良かったところを集めたハイライトシーンをすばやくお見せできるようになります。

(*1)高画質化への手法
・スローモーション速度をVTRよりも細かい1%刻みで設定できるので、速度を変化させたときのぎこちない動きが軽減できる。
・スローモーション再生時の画像の繰り返しパターンを1%刻みの各速度ごとに最適化し、滑らかなスローモーション映像を実現した。
(*2)最大360個までのシーンを指定可能。また複数のシーンを編集するためのプレイリストを最大40種類まで作成可能。
















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