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  ◆「中継用ハイビジョン多チャンネル伝送装置」の開発(4月17日)

 NHKは、1本の光ファイバーカメラケーブルでハイビジョン映像30チャンネルを送ることができる伝送装置を開発しました。
 これは、レーザー光を用い、波長1.55ミクロン(1ミクロンは千分の1ミリ)を中心に、それぞれ0.8ナノメートル(1ナノメートルは100万分の1ミリ)づつ波長が異なる30波の光を多重して伝送する装置です。  これまでの光伝送装置は温度や振動に敏感なため、室内に設置する必要がありましたが、今回の開発により初めて屋外中継での使用が可能になりました。装置の主な特徴は次のとおりです。

1.0.8ナノメートル間隔の30波から1波を選択し、受信するためのフィルターには、温度の変化に強く、振動の影響を受けにくい、新しく開発した誘電体型フィルターを用いました。

2.温度に敏感なレーザー光源を中継車内の設備に収容し、温度安定性の良い光変調器を過酷な温度環境下に置かれるカメラ用端局装置に置き、光源と変調器を分離しました。

 ゴルフ中継やオリンピック中継のように、広い範囲にわたって多数のカメラが配置される大規模中継では、接続に使用するケーブルが、総計数10kmにも達することがあり、その布設に大変な労力を要していました。本装置により、1本の光ファイバーケーブルで30チャンネルのハイビジョン映像の伝送ばかりでなく、カメラの制御やカメラマンとの連絡なども同時に行えます。また、全ての映像を全ての場所で見ることができるため、制作形態の自由度が大幅に向上します。
 今後、ハイビジョン中継「ときめき日本」などで活用していく予定です。











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