NHK INFORMATION
平成14年度収支予算、事業計画及び資金計画に関する説明資料


  III 平成14年度 収支予算及び事業計画付属説明資料


〔国際放送関係〕

8.平成14年度 国際放送(テレビジョン・ラジオ)の放送番組編集の基本計画

<編集の基本方針>

 NHKの国際放送「NHKワールド」は、全世界に24時間放送を行っているテレビ、世界のどこでも受信が簡便なラジオ、それぞれの機能を生かし、信頼され役に立つメディアとして視聴者の期待に応えます。

 21世紀を迎えた世界は、国際的な協調が進む一方で、米同時多発テロ事件をきっかけに、政治、経済、社会のさまざまな問題が表面化し、国際社会のあり方が改めて問われています。
 こうした中で、日本が政治的・経済的な責任と役割をどのように果たしていくのか、世界から注目されています。

 平成14年度国際放送番組の編集にあたっては、テレビでは週末にニュース情報番組や、内外のできごとをコンパクトにまとめたニュースを新設し、ニュース情報波としての質的充実を図るとともに、英語による情報発信を強化して、外国人の日本に対する国際理解の促進に努めます。
 ラジオは、海外での暮らしや旅行者の安全に役立つ情報番組や、週末にくつろいで聴ける番組を充実します。また、各地域向け番組では、より効果的なマルチ展開を進めるとともに、それぞれの地域の関心に応える、きめ細かな番組編成に努めます。

 さらに国内外の非常時には、テレビとラジオが相互に連携・補完しながら、関連地域への情報提供に万全を期すとともに、ライフラインとしての役割をいっそう強化します。
 また、さまざまな可能性をもつインターネットの補完的な活用を進め、総体として海外の視聴者に向けたサービスの向上につながる効果的な情報発信に努めます。


<編集の重点事項>

〔テレビジョン〕

(1) ニ ュ ー ス の 拡 充

 週末に大型のニュース情報番組を新設するとともに、国内外の主なできごとをコンパクトに伝えるニュースを拡充し、ニュース情報波としていっそうの質的向上を図ります。


(2) ラ イ フ ラ イ ン 機 能 の 充 実・強 化

 在留邦人や旅行者の安全に役立つ情報を提供する番組を拡充し、ライフライン機能のいっそうの強化を図ります。


(3) 暮 ら し に 役 立 つ 情 報 の 充 実

 身近な経済の問題をわかりやすく伝える番組を週末に新設するほか、気象情報の内容を刷新し、より効果的な時間に編成するなど、日常生活に密着した情報を充実します。


(4) 英 語 に よ る 情 報 発 信 の 強 化

 日本の最新情報やアジアの動きを、まとめてわかりやすく伝えるニュース情報番組や、英語文字ニュースを新設し、英語による情報発信の強化を図るとともに、国際相互理解の促進に努めます。


〔 ラ ジ オ 〕

(1) ラ イ フ ラ イ ン 機 能 の 拡 充

 海外での安全に役立つ情報番組を週末に拡充し、ライフライン機能のさらなる充実を図ります。


(2) 週 末 番 組 の 刷 新

 在留邦人から要望の強い音楽番組や、味わい深いトーク番組を週末に新設し、海外の聴取者に安らぎと潤いを提供します。


(3) 地 域 言 語 に よ る 日 本 お よ び ア ジ ア 情 報 の 充 実

 世界の21言語で放送している地域向け番組の内容を刷新し、日本やアジアの情報を的確に伝え、国際相互理解の促進に寄与します。


このほか、次の事項について、継続して重点的に取り組みます。

日本の重要な政策、および国際問題に関する公的見解ならびに世論の動向を正しく報道します。
日本の伝統や文化、日本人の考え方などを多角的に紹介し、国際理解に役立つ番組を編成します。


〔契約収納関係〕

9. 効果的・効率的な営業活動の展開

 受信料負担の公平を期するため、受信料制度に対する理解促進を図るとともに、効果的・効率的な営業活動を行い、受信契約の増加と受信料の確実な収納に努めます。

<重 点 事 項>

(1) 契約収納活動の強化による受信料収入の確保に努めます。
(2) 衛星契約増加のための効果的な諸施策を実施します。
(3) 新しい営業システムを活用するなど、効果的・効率的な業務の推進に努めます。

〔受信対策関係〕

10. 受信対策の推進

 受信障害の複雑化、広域化など受信環境の変化に即応した受信サービス活動を展開するとともに、衛星デジタル放送受信を促進するための積極的な普及活動を行います。


〔広報関係〕


11. 視 聴 者 と の 結 び つ き の 強 化


 協会に対する視聴者の理解と信頼を深めるため、多様で効果的な広報活動を積極的に展開するとともに、視聴者との交流・対話活動を強化するなど、視聴者の意向の把握と業務への反映に努めます。また、財務及び業務の状況について、情報公開に積極的に取り組みます。
 さらに、衛星デジタル放送の普及促進を図るため、番組周知・番組利用促進活動を軸として、多角的な活動を展開します。

<重 点 事 項 >

(1) 多様化する視聴者ニーズを積極的に把握し番組や経営へ反映させるため、視聴者との交流・対話活動を推進します。
(2) 公共放送としての基本的使命・役割や受信料制度についての理解と支持を得るための活動、視聴者会議・視聴者懇談会など地域の実情に応じた活動など、多角的な理解促進活動に努めます。また、財務及び業務の状況について、情報公開に積極的に取り組みます。
(3) 衛星デジタル放送の普及促進を図るため、放送番組の周知を中心としたさまざまな活動を展開します。

 また、これらとともに、協会業務全般を通じて、日常的接触における意向の把握、理解促進活動などについても地道な努力を続けていきます。

<計 画 概 要>

事   項 摘   要
視聴者意向の吸収・理解促進 視聴者ふれあいセンターの運営(全国60か所)、視聴者コールセンターの運用開始等
視聴者会議・視聴者懇談会の運営 視聴者会議の開催(全国54か所で各3回)、視聴者懇談会の開催(全国営業部所で随時開催、出席者約1万5千人)
国内放送番組審議会の運営 番組審議会委員   113名
番組モニターの委嘱 一般モニター     766名
視聴者意向調査の実施 全国視聴率調査、全国放送意向調査等
各種委員会の運営、番組を通じての交流 「NHK歌謡コンサート」、「スタジオパークからこんにちは」等の視聴者参加・公開番組を通じた視聴者との交流等
放送番組による広報 「土曜スタジオパーク−あなたの声に答えます−」、「NHKプレマップ」、「テレマップ」、番組案内の編成等
新聞雑誌等による企業広告・番組広告 全国規模新聞広告、地方紙広告、インターネットによる広報等
各種展示物、印刷物による広報 スタジオパーク及び各放送局展示物の運営等
衛星デジタル放送普及のための広報 リーフレット等印刷物による周知、展示会の開催等
 

〔調査研究関係〕

12.番組調査研究の概要


事   項 研 究 の 概 要
(1) 番組視聴率、意向調査 視聴者の視聴状況や番組に対する意向等、放送に対する世論の動向を的確に把握するため、全国視聴率調査及び全国放送意向調査等を行い、番組の編成、制作等に反映させる。
(2) 国民世論調査 国民世論の動向を調査し、広く国民の意識を把握して、番組編成等に資するとともに、番組素材として活用する。
(3) 世論調査についての基礎的研究 全国調査のためのサンプリングの実施、新たな世論調査手法の開発及び基礎的研究を行う。
(4) 番組内容の調査研究及び利用状況、視聴効果の調査 放送番組の企画、制作、編成のための資料として、メディアと子供に関する研究、放送番組の内容に関する調査研究等を行う。
(5) 放送用語の調査研究 正しく美しい日本語の普及や分かりやすい話し言葉を伝えるため、放送用語や放送における表記法の調査研究、放送用語委員会の開催等を行う。あわせて、日本各地の言葉の調査研究を実施する。
(6) 国内及び海外放送動向調査 国内及び諸外国のメディア状況、放送制度、公共放送の現状、放送番組等の調査研究を行う。
(7) 放送文化財ライブラリー 重要な歴史的事件、人物の記録、音楽、演劇等の文化財を録音・録画し、放送文化財ライブラリーとして体系的に収集整理し、保存を行う。
(8)  博物館の運営 我が国の放送史に残された多くの重要な資料を集め、放送の発展過程・現状の紹介、NHK番組を見る会、放送講座、移動博物館の開催等を行い、一般に公開して社会教育に役立てる。
(9) 諸研究の公表等 研究成果及び調査結果は、「放送研究と調査」 、「放送文化調査研究年報」等の刊行物で公表し、放送文化の向上発展に寄与する。


13.技術調査研究の概要

事   項 研 究 の 概 要
(1) デジタル放送の研究 地上デジタル放送に関し、移動受信における大容量データ受信技術や、放送波中継によるネットワーク構築技術の研究を行う。また、デジタル放送と多様なネットワークの連動による新しいサービス技術の研究を行う。
(2) ハイビジョン関連技術の研究 超高感度ハイビジョン新スーパーHARPカメラの開発を行う。また、ハイビジョンよりさらに高解像度の映像が得られる4000本級超高精細システムの実現を目指したカメラやディスプレイの基礎研究を行う。
(3) 放送衛星関連技術の研究 降雨減衰によっても放送の切れない将来の21GHz帯衛星放送システムの研究を行う。
(4) 記録技術の研究 ハイビジョン光ディスクカメラ用光ディスク装置の開発や、垂直磁気記録の研究を行う。また、次世代の超高密度記録の研究として、記録密度を飛躍的に向上させるような新材料の探索を行う。
(5) コンテンツ制作技術の研究 テレビ番組の制作課程でデータ放送やWeb用の関連したコンテンツを自動生成する技術、実写映像をもとにしたバーチャルスタジオ技術、コンテンツの著作権保護技術などの研究を行う。
(6) 音声放送技術の研究 自動字幕付与を対談番組やスポーツ中継などに拡大するため、音声認識率の向上に向けた研究を行う。また、あたかも現場にいるような臨場感を再現する高臨場感音声放送システムの研究を行う。
(7) 将来の放送サービスと基盤技術の研究 将来の放送サービスとして、高臨場感放送システムの基礎研究を行う。また、次世代の超高感度・高精細撮像デバイスとして冷陰極撮像板の研究を行うとともに、フレキシブルディスプレイの実現を目指した有機ELやフィルム液晶デバイスの研究を行う。
(8)  放送技術の改善研究 新しい技術の導入による放送番組の制作・中継技術の向上をはかるための研究開発を行う。
(9) 電波状況調査及び各種調査研究・公表 地上ネットワークの実態調査等放送網の調査、受信状況の技術調査及び各種調査研究の成果・結果の公表等を行う。


〔経営管理関係〕

14.経営委員会の状況

(1) 経営委員会委員
(平成14年2月現在)
区   分 氏   名 地   区 現   職
委 員 長 東海・北陸 東海旅客鉄道株式会社会長
委   員
(委員長職務代行者)
櫻 井 孝 頴 関東・甲信越 第一生命保険相互会社会長
委   員 鳥井 信一郎 近   畿 サントリー株式会社社長
大 下 龍 介 中   国 株式会社福屋社長
宮 崎   満 四   国 松山大学経済学部教授
尚   弘 子 九州・沖縄 放送大学沖縄学習センター所長
一 力 徳 子 東   北 株式会社よろづ園茶舗常務取締役
北 島 哲 夫 北 海 道 北海道漁業協同組合連合会代表理事会長
中 村 桂 子 地区を通じて任命 株式会社JT生命誌研究館副館長
堀 部 政 男 中央大学法学部教授
小 林   緑 国立音楽大学教授
佐々木 涼 子 東京女子大学文理学部教授

(2) 会議の開催状況

区   分 内   容
会議の運営
ア.  経営委員会は、原則として毎月2回開催し、放送法第14条、第27条、第44条の2第4項に規定する事項について審議し、議決を行うとともに、協会重要業務について報告を聴取し、審議を行っている。
イ.  会議に際しては、放送法第23条第3項の規定により、原則として会長が出席し、業務の執行状況を報告し、必要により意見を述べている。また、経営委員会の決定により、副会長、理事が出席して、業務の状況について詳細に報告し、審議の充実に資している。
  なお、議題によっては、随時関係職員も出席している。
ウ.  会議には監事も出席し、放送法第26条第9項の規定により、会長、副会長及び理事の行う業務についての監査結果を報告するとともに、必要により意見を述べている。
エ.  会議の内容については、議事録を全国の各放送局及び営業センターに備え置くとともにインターネットのNHKホームページに掲載し、情報公開の充実を図っている。
開催状況   〔平成13年4月〜平成14年2月開催状況〕
第903回 経営委員会 平成13年  4月10日  
第904回    4月24日  
第905回    5月15日  
第906回    5月29日  
第907回    6月12日  
第908回    6月26日  
第909回    7月10日  
第910回    7月24日  
第911回    9月11日  
第912回    9月25日  
第913回   10月 9日 〜10月11日
第914回   10月23日  
第915回   11月13日  
第916回   11月27日  
第917回   12月11日  
第918回   12月25日  
第919回 平成14年  1月15日 、 1月16日
第920回    1月29日  
第921回    2月12日  
第922回    2月26日  

 なお、上記経営委員会の会議のほか、経営委員会の機能を一層充実するため、委員長及び委員長職務代行者と会長との定例打合せ(原則として月2回)を行うとともに、各委員と執行役員、在住地の放送局長等との打合せ、協会の諸行事への参加、業務執行状況の視察、説明聴取などの活動を随時行っている。


〔建設関係〕

15.建設計画の概要

事   項 概   要
(1) 緊急報道体制強化のための設備など制作・送出設備の整備 FPU基地局設備など映像伝送設備の整備
放送局ニュース送出設備の更新
放送局番組送出設備の更新
会館電源・空調設備の更新等
(2) 地上デジタル放送開始に向けた設備の整備 送信・送出設備の整備(東京、大阪、名古屋)
音声デジタルの実用化試験放送開始に向けた設備の整備(東京、大阪)
(3) 衛星、ハイビジョン放送設備の整備 ニュースのハイビジョン化促進のための設備の整備
ハイビジョン番組の充実のための設備の整備
衛星デジタル放送設備の整備(補完整備)
放送衛星(BSAT−1)の当年度支払分等
(4) 電波サービスの安定的確保のための整備 外国電波混信等に対する放送局の建設
中波放送局 第1放送 3局
FM放送局   2局
テレビジョン放送局 建設調査   
老朽の著しいテレビ、ラジオ放送所施設の更新等
(5) 地域放送会館とNHKアーカイブスの整備 北九州放送会館の建設の継続(15年度完成)
老朽の著しい放送会館の建替えのための諸準備等
 ・岡山(14年度着工、17年度完成)
 ・神戸(15年度着工、16年度完成)
 ・山口(15年度着工、16年度完成)
 ・福島(15年度着工、17年度完成)
 ・沖縄(16年度着工、18年度完成)
 ・徳島(16年度着工、18年度完成)
NHKアーカイブスの完成
(6) 研究設備・一般設備等の整備 新放送技術の研究開発のための設備の整備
局舎、宿舎の整備
一般事務機器の更新等
(7) 建設管理 建設計画の施行に必要な共通経費


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