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会長記者会見要旨 2013/12/5
→会長記者会見資料
 
ことし1年を振り返って
 
(松本会長)
 3か年経営計画の2年目、経営面、放送面それぞれで着実に成果をあげることができた。経営については、去年10月からの受信料値下げの影響が通年化し、財政的には試練の年だった。全組織をあげて、受信料制度へのご理解をいただく「プロジェクト810」の活動に取り組み、前倒しの業績確保に努めるとともに支出の抑制も図った。中間決算でも、値下げの影響は最小限に食い止めたという感触を得ている。最新の営業業績は、契約総数の増加、衛星契約の増加、ともに堅調に推移している。しかし年度後半にはソチオリンピック対応など、支出の増加が見込まれ、引き続き減収分のリカバーを図らなければならない。
 地上デジタル放送の開始から、ちょうど10年の節目の年に、放送通信連携サービス「ハイブリッドキャスト」をスタートさせた。11月20日には、新たなサービスの試行について、大臣認可をいただいた。公共放送として、視聴者のみなさまのニーズにあった新しい放送サービスを充実させていく。
 今年は、「2020年 東京オリンピック開催」が決定した。日本ならではの新しい放送サービスを、世界中にアピールする絶好の機会となり、その核が8Kスーパーハイビジョンだ。8Kで撮影したドラマなどのコンテンツも着実に増えている。2016年のリオデジャネイロ・オリンピックに合わせ試験放送を、東京オリンピックでは本放送を実現することを目指し、新しい放送サービスを確実に軌道に乗せていく。
 次に放送ではドラマの活躍が目立った。連続テレビ小説「あまちゃん」は「じぇじぇじぇ」という言葉が流行語大賞になるなど、放送外でも大きな反響をいただいた。9月30日から始まった「ごちそうさん」も、平均視聴率が20%を超え(関東地区・ビデオリサーチ)、今後がますます楽しみ。大河ドラマ「八重の桜」は、復興途上にある東北への応援という役割も果たせたのではないか。
 NHKスペシャルも充実した大型シリーズを放送できた。深海のダイオウイカや、深海ザメの生態に迫った番組は、知られざる世界の映像をお届けした。先月は認知症と介護の問題に向き合った2本の番組を放送するなど、日本社会が避けて通れない課題に正面から取り組んできた。
 夏から秋にかけて台風、大雨や暴風による災害が続き、ニュースで手厚く伝えた。伊豆大島に大きな被害をもたらした台風に関連しては、土砂崩れに対する備えなど、課題を検証するNHKスペシャルを急きょ放送した。安全・安心を守る公共放送として、防災・減災につながる放送を行った。
 国際放送にも力を入れた。外国人向けテレビ国際放送、NHKワールドTVの全世界の視聴可能世帯は、この1年で2000万世帯増え、総世帯数は2億6000万世帯を超えた。この5年間で100倍近い伸び。国内でもパソコンのライブストリーミングやスマートフォンの無料専用アプリで、多くの方々にご覧いただけるようサービスの向上に努めている。着実に国際放送についても充実が進んでいる。
 経営計画の基本方針の達成状況を測る世論調査の結果を見ると、公共、信頼という大きな方向性に対して視聴者の期待が高く、実現度も高いという評価が得られている。公共放送の原点を常に意識しながら、役職員が一丸となって経営計画の遂行に邁進していく。
(営業業績について詳細は報道資料参照)
 
 
ソチオリンピックでのデジタルサービスについて
 
(会長)
 ソチ大会では、9月から開始したハイブリッドキャストも活用しながら、これまで以上に視聴者のニーズに沿ったサービスを展開する。
 パソコン向けにはNHKのホームページに特設サイトを設け、放送予定や競技結果、動画など豊富なコンテンツを掲載する。ライブストリーミングは先月20日に総務大臣の認可を受けた。NHKと民放の事前の放送計画の中で生中継をしない競技を1日数種目、特設サイトで配信する。新たなサービスとして時差再生が可能となり、競技の途中からご覧になっても、最初に戻って見ることができる。
 データ放送では、日本人選手を中心とした放送予定や、競技結果の速報などを簡単にご覧いただける。画面の下に常に放送予定を表示し、気になる競技や選手の放送がいつ始まるのかが、簡単に分かるようになっている。視聴者参加コンテンツも2つ用意した。
 スマートフォン向けには、オリンピックで初めて無料のアプリを公開する。放送予定やメダル獲得の一報などをお知らせする。
 ハイブリッドキャストは、ライブストリーミングと同じように、時差再生がサービスのポイント。1日1番組程度で行う予定だ。
(詳細は報道資料参照)
 
 
第64回紅白歌合戦について
 
(小野副会長)
 11月25日、紅白あわせて51組の出場歌手を発表した。いずれも実力・実績ある歌手の方ばかりで、楽しみなラインナップだ。初出場は9組、最多出場は50回目となる北島三郎さん。今年のテーマは「歌がここにある」で、素晴らしい熱唱を通して、喜びや感動を共有して頂けるような紅白になることを期待している。
 ラジオ第一の実況は、吉田一貴アナウンサーと、久保田祐佳アナウンサーに決まった。総合テレビの副音声で行う「紅白ウラトークチャンネル」では、去年に引き続き、テリー伊藤さんが独自のトークを展開する。進行は橋本奈穂子アナウンサー。
 関連イベントでは、8Kによるライブパブリックビューイングで、紅白歌合戦の臨場感をお届けする。会場は、新年のカウントダウンを控えにぎわう横浜赤レンガ倉庫、今年4月に開業した大阪駅直結の施設・グランフロント大阪、そして今月オープン予定の千葉・イオンシネマ幕張新都心の3か所。横浜と大阪の両会場では、「NHK紅白WONDERLAND」と題し、様々な関連イベントを行う。
(詳細は報道資料参照)
 
 
国際放送の新春特番について
 
(森永理事)
 「NHKワールドTV」と「NHKワールド・ラジオ日本」が放送する国際放送版“のど自慢”「WE LOVE JAPANESE SONGS! 2014」を紹介する。世界中から日本の歌を歌う様子を動画で投稿してもらい、特設サイトで公開、インターネットで投票を受け付ける。投票と審査の結果、グランプリが贈られる。動画の投稿は締め切られ、47の国と地域からあわせて314本が寄せられた。投票は、今月8日まで受け付けている。放送予定は1月。国内でもパソコンのライブストリーミングで、無料の専用アプリをダウンロードすればスマートフォンなどでもお楽しみいただける。国内外を問わず、多くの皆様にお楽しみいただきたい。 
(詳細は報道資料参照)
 
 
第43回番組技術展について
 
(久保田技師長)
 1月26日(日)から28日(火)の3日間、東京・渋谷の放送センターで、「番組技術展」を開催する。放送を制作する現場ならではの発想で、創意工夫を凝らして開発した機材を一般公開し、視聴者のみなさまに、直接“見て・触れて・知って”いただく。ダイオウイカのNHKスペシャルなど自然科学番組の撮影で使われた特殊撮影機材をはじめ、約30項目の展示を予定している。
(詳細は報道資料参照)
 
 
会長任期について
 
(会長)
 私の任期は、来年の1月24日までで、そこまでが私の務めだ。それ以降については、経営委員会で人選しているので、その中から、良い方を選んでいただくのがいいと思っている。私は、今の任期以降やることにはならないと自分自身は考えている。もともと1期3年ということで引き受け、やるべきことをやってきた。3か年の経営計画については、受信料の値下げと震災後の放送機能強化という一番重いところをみんなで乗り越え、一定の役割を果たしている。ただ、まだ任期途中なので、引き続き、1日1日、責任を果たしていく。

〔関連質疑〕
Q:経営委員会からもう1期やってほしいという要請があったらどうするのか?
A:その時は、私の考えを述べたい。
Q:その考えは、引き受けないということか?
A:私の任期は、1期3年なので、私の役割は果たした。
Q:改めて聞くが、経営委員会から続投を求められたら、どうするのか?
A:世の中には、人材はいっぱいいると思う。NHKのために、みんなでやってきて、一定の区切りがついている。
 
 
「受信料制度を抜本改正し、支払い義務化もあり得る」という文書が経営委員会に示されたと思うが?
 
(会長)
 誤解があるといけない。経営委員会とはいろいろな議論をするが、その資料は非公開であり、「こういう見解」というものを出したことはない。資料は検討材料であり、その中でいろいろな議論をしている。一部新聞で報道されている「義務化を決めた」というような議論はしていない。
 
 
「シリーズJAPANデビュー 第1回 アジアの“一等国”」をめぐる訴訟の二審判決について
 
(会長)
 一審で認められていたNHKの主張が二審では認められなかった。現在、判決内容を精査しており、その結果を踏まえて今後の対応を判断したい。
 
 
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