日本放送協会 理事会議事録  (平成25年 4月23日開催分)
平成25年 5月24日(金)公表

<会 議 の 名 称>
 理 事 会

<会  議  日  時>
 平成25年 4月23日(火) 午前9時00分〜10時10分

<出   席   者>
 松本会長、小野副会長、塚田専務理事、吉国専務理事、冷水理事、
 石田理事、新山理事、久保田技師長、板野理事、上滝理事、福井理事
 井原監査委員

<場     所>
 放送センター 役員会議室

<議     事>
 松本会長が開会を宣言し、議事に入った。

付議事項

1 審議事項
(1)第1188回経営委員会付議事項の追加について
(2)平成24年度第4四半期業務報告
(3)新「総務局」の設置等について

2 報告事項
(1)考査報告
(2)地方放送番組審議会委員の委嘱について
(3)平成24年度決算の速報
(4)平成24年度契約・収納活動結果
(5)放送法第29条第1項第1号トの改正要望について

議事経過

1 審議事項
(1)第1188回経営委員会付議事項について
(経営企画局)
 本日開催される第1188回経営委員会に付議する事項について、4月16日の理事会で決定した事項に加え、追加事項がありますので、審議をお願いします。
 追加する付議事項は、その他の事項として「放送法第29条第1項第1号トの改正要望について」です。

(会 長)  原案どおり決定します。

(2)平成24年度第4四半期業務報告
(経営企画局)
 放送法第39条第3項に定める会長の職務の執行状況を、「平成24(2012)年度第4四半期業務報告」(注1)のとおり取りまとめましたので、審議をお願いします。
 この第4四半期業務報告は、「平成24〜26年度 NHK経営計画」の初年度の年間総括となります。
 3か年経営計画では、視聴者のみなさまのNHKに対する期待を的確に把握し、NHK全体で応えていくことを目指しています。このため、経営計画に掲げた「3か年の基本方針」に示した公共放送の使命・役割について、NHK独自の14の指標(注2)を設け、半期ごと(7月・1月)に世論調査を実施しています。調査では、指標ごとにNHKに対する期待度と実現度を尋ねて、期待度と実現度をできるだけ近づけることを目標に、事業運営や業務改革を進めていきます。
 まず、25年1月に実施の世論調査の結果を踏まえ、その概要と24年度の傾向について説明します。
 1月の調査結果を見ると、前回(24年7月)の調査結果と比べ期待度と実現度の差が縮まり、評価が統計的に高まった指標は、「①公平・公正」、「②正確・迅速な情報提供」、および「⑪さまざまなメディアでの情報提供」です。反対に、評価が統計的に低くなった指標はありませんでした。
 14の指標の24年度の傾向を見ると、ほぼ全ての指標で、期待度、実現度がともに上昇し、視聴者の期待が恒常的に高い「①公平・公正」、「②正確・迅速な情報提供」において、期待度と実現度の差が縮まりました。特に、「①公平・公正」では、24年1月に5.0だった期待度と実現度の差が、前回は1.3、今回は0.2に縮まり、1年間で大きく改善しました。「②正確・迅速な情報提供」については、前回10.7だった差が、今回は7.4に縮まりました。前回の調査で期待度と実現度の差が広がった「⑪さまざまなメディアでの情報提供」については、前回7.3だった差が、今回は3.9に縮まりました。同じく、前回に差が広がった「⑧世界への情報発信」については、統計的な差はないものの改善傾向となりました。こうした指標の変化の理由について、さらに分析しました。
 国内放送については、今回の世論調査とは別に、「丁寧な取材制作」、「正確・迅速」、「新しい切り口」などの独自の10指標により、放送波ごとに視聴者の評価を測るインターネット調査を年に4回行っています。その25年3月実施の調査では、総合テレビで「丁寧な取材制作」の評価が向上し、「正確・迅速」の評価も高い水準で維持されています。Eテレでは「丁寧な取材制作」、「次世代の育成につながる」の評価が向上し、接触者率も増加しています。また、BSプレミアムでは「丁寧な取材制作」の高い評価を維持しつつ、接触者率も増加しています。これらの高い評価と接触者率の増加が、世論調査の「①公平・公正」の改善に貢献したものと考えています。
 同様に、総合テレビで「丁寧な取材制作」の評価が向上し、「正確・迅速」の評価が高い水準で維持されたこと、また、Eテレで「次世代の育成」の評価が向上しつつ接触者率も増加したことが、世論調査の「②正確・迅速な情報提供」の改善につながったと考えています。
 10指標の調査とあわせて行っている、NHKデータ放送等についての調査のデジタルサービスの満足度と接触者率を見ると、「番組に関連するデータ放送の満足度」が向上したほか、「番組に関連せず単独で楽しむことができるデータ放送の満足度」を高い水準で維持できたことが、世論調査の「⑪さまざまなメディアでの情報提供」の改善につながったと考えています。
 続いて、24年度の概況について、「3か年の基本方針」のもとに設定した、「公共」、「信頼」、「創造・未来」、「改革・活力」の「4つの重点目標」ごとに説明します。
 「公共」については、いかなる災害時にも公共放送の機能を果たせるよう「災害体制整備推進委員会」を発足させ、本部、大阪放送局等の放送設備と体制の強化を図りました。また、国が24年8月に公表した南海トラフ巨大地震の新たな被害想定にあわせて25年度計画を見直し、放送会館の津波浸水対策や自家発電装置増強の設計を開始しました。東日本大震災関連の番組では、NHKスペシャル「メルトダウン 連鎖の真相」(7月)が「文化庁芸術祭大賞」を受賞。また、震災直後の緊急ニュースが「国際エミー賞」を受賞しました。
 「信頼」については、第46回衆議院議員総選挙(12月)の開票速報は、全議席の当選確実・当選の情報を正確に伝え、公共放送の信頼を高めました。ロンドンオリンピック(7〜8月)では、地上波274時間、衛星波357時間と、過去最長の放送を実施したほか、データ放送やインターネットのライブストリーミング(中継映像同時配信)を過去最大規模で実施し、特設サイトには3億3,900万余りのアクセスがありました。国際発信力の強化では、外国人向けテレビ国際放送(NHKワールドTV)の英語ニュースの放送時間を拡大し、アメリカ・ニューヨーク、ミャンマーなどで24時間放送を開始しました。一部の時間のみ視聴可能な世帯も合わせ、世界のおよそ2億5,000万世帯で視聴できるようになりました。
 「創造・未来」については、スーパーハイビジョンやハイブリッドキャスト(放送・通信連携サービス)の本格運用に向け、研究開発を進めました。スーパーハイビジョンは、2020(平成32)年の実用化試験放送を目指していましたが、技術の進展と早期実現への要望を踏まえ、計画を前倒しして、2016(平成28)年に試験放送、2020(平成32)年に本放送を開始できないか検討を始めました。また、地上デジタル放送の送信を東京タワーから東京スカイツリーに移行するための準備を進め、「スカイツリー受信確認テスト」を開始し、対策を進めました。群馬県と栃木県では、県域テレビ放送を開始し(4月)、きめ細かい情報提供で県民の期待に応えました。
 「改革・活力」については、会長のもとで全役員が経営課題を議論する「改革と活力委員会」を29回開催し、NHKが将来にわたり公共放送としての機能を果たすための経営資源配分について検討を進めました。また、3か年の基本方針の達成状況を測るため新たな目標管理方法を導入し、14指標による世論調査を実施して分析を行いました。4つの重点目標等にも複数の指標を設定し、多角的に業務の評価を進めています。25年度も、経営計画の着実な実現に向けて、PDCAサイクルを回し、業務改善を図っていきます。
 最後に、営業目標の達成状況と受信料の概況について説明します。
 24年10月から実施した受信料の値下げの影響を最小限にとどめるため、営業改革を進め、特に上半期に営業活動を強化したことなどに加え、放送やイベントの機会を活用し、全役職員が一丸となって受信料制度の理解促進等に取り組みました。これにより、営業目標(契約総数増加、衛星契約増加、未収削減)、支払率、収納率、受信料収入、営業経費率の全てについて、24年度の計画を達成しました。契約総数増加は、年間目標45万件に対して48.5万件となり、達成率は107.7%となりました。また、衛星契約増加は、年間目標72万件に対して83.5万件となり、達成率は116.0%となりました。未収削減は、年間削減目標20万件に対して21.1万件となり、達成率は105.5%となりました。これらを受けて、24年度末の支払率は73%、収納率は96%となり、いずれも24年度目標を達成しました。また、営業経費についても、契約・収納業務の法人委託化を進め、訪問活動に要する経費を一層効率的に運用するなど、経費の抑制に努めました。その結果、営業経費率は24年度計画の11.7%を下回る11.4%となる見通しであり、これまでで最も低い率となりました。
 24年度の受信料収入は、6,387億円と23年度決算額(税抜:6,401億円)に対して13億円の減収にとどまる見込みで、24年度予算額(6,269億円)に対しては、118億円の増収を確保しました。
 以上の内容が決定されれば、本日開催の第1188回経営委員会に報告事項として提出します。

 (注1) 「平成24(2012)年度第4四半期業務報告」は、NHKホームページの「NHK経営情報」のなかに掲載しています。
 (注2) ①公平・公正、②正確・迅速な情報提供、③社会的課題の共有、④記録・伝承、⑤文化の創造・発展、⑥多様性をふまえた編成、⑦新規性・創造性、⑧世界への情報発信、⑨地域社会の発展、⑩人にやさしい放送、⑪さまざまなメディアでの情報提供、⑫放送技術の発展、⑬受信料制度の理解促進、⑭受信料の公平負担

(会 長)  原案どおり決定し、本日の経営委員会に報告します。

(3)新「総務局」の設置等について
(総務局)
 平成25年度の組織改正の追加について、審議をお願いします。
25年度組織改正については、25年2月12日の理事会で審議し決定されましたが、新「総務局」の設置等について、追加で組織改正を行いたいと思います。
 改正の内容について、説明します。
(1)新「総務局」の設置について

 NHKのリスク管理体制の一元化を図るため、現行の「総合リスク管理室」と「総務局」の機能の一部を統合し、NHKのリスクマネジメントとNHK全体のインフラ(基盤)管理の核となる管理部局として、新「総務局」を設置します。部局内組織として「総合リスク管理室」、「法務部」、「総務・地域部」を置きます。
 「総合リスク管理室」は、現行「総合リスク管理室」と同様、コンプライアンス推進、リスクマネジメント、危機管理を行います。また、「情報システム局IT企画部」からIT関係のリスクマネジメントに関する業務の一部を移行し、リスク管理業務の一元化を進めます。
 「法務部」は、現行「法務部」と同様、NHKが関わる法的紛争の処理にあたり、NHK全体の法律(ただし放送法制等を除く)に関する相談窓口としての機能を果たします。
 「総務・地域部」は、現行「総務局総務部」と「総務局業務管理部」を統合して設置します。現行の両部の業務に加え、災害時事務局機能やBCP(災害時等における事業継続計画)の策定業務等を担うほか、「全国局舎管理基準」など放送局の業務インフラの基準作成や管理等を実施します。また、地域放送局の総務の窓口として、全国への経営情報等の発信や会議の開催等を行います。同時に関東甲信越地方の拠点局機能の一部を担います

(2)「人事局」の設置について

 人的資源の最大活用をさらに推進するため、人的資源のマネジメント業務に特化する組織として、現在の「総務局」から「人事労務部」を分離し、「人事局」を設置します。「総務局」に設置予定としていた「ワーク・ライフ・バランス推進事務局」は、「人事局」に設置することとします。

(3)組織に関する業務移行について

 経営方針に基づいた組織編成機能を強化するため、総務局人事労務部の組織関係業務を、経営企画局に移行します。予算事業計画策定時に、組織も一体のものとして検討し、経営資源の最適な配分をさらに進めていきます。
 以上の内容が決定されれば、25年度の管理職異動にあわせて改正を実施します。

(上滝理事)  新「総務局」の総務・地域部が、地域放送局の総務の窓口として、関東甲信越地方各放送局の拠点局機能の一部を担うということについて、もう少し詳しく説明してください。
(総務局)  現行の総務局においても、関東甲信越地方の各放送局に対し、拠点局における企画総務部の機能を担っていますが、放送、技術、営業の各部門には、別に拠点局機能を有する組織があるため、今後もそれら以外の拠点局機能の一部を担うということになります。
(吉国専務理事)  地域放送局の総務の窓口とはなりますが、全国の各放送局と、関東甲信越地方の各放送局に対する役割は異なりますので、それぞれに応じた体制をとることとします。
(板野理事)  リスク管理機能の一元化を行い、新「総務局」においてリスク管理体制の一層の強化を図っていくためには、総務局自体の機能強化を行う必要があります。関係各局には、さまざまな面での協力をお願いしたいと思います。
(会 長)  今回の組織改正で、新「総務局」と「人事局」を発足させることになります。リスク管理については今後一層、重要性が増していくこととなりますので、新しい「総務局」のもとでNHKのリスク管理体制の一元化を行います。
 「総務局」については、名称は変わらないものの、これまでとは全く違う新しい組織となるという認識を持って取り組んでほしいと思います。総合リスク管理室は、IT関係のリスクマネジメントに関する業務の移行もあり、今まで以上の機能を有することになります。また、リスクマネジメント委員会については、改めてその位置づけを明確にします。総務・地域部については、地域との情報のやり取りや連携について、状況をよく見極めたうえで整理・統合し、情報の一元化を図っていってください。
 「人事局」については、今回の給与制度、人事制度の改正を踏まえて、人材育成、ワーク・ライフ・バランス等を含め、重要な役割を担うこととなります。新たな位置づけのもと、きちっと業務を展開させ、今回の制度改正を実のあるものにするよう、努力してほしいと思います。
 組織関係業務については、経営方針に基づいた組織編成機能を強化するために、経営企画局に移行することとします。
 各部局において、今回の組織改正の持つ意味をよく認識し、しっかりと機能する組織とするよう取り組んでいってください。
(総務局)  今回の組織改正の主旨を徹底するよう、取り組んでいきます。
(会 長)  原案どおり決定します。

2 報告事項
(1)考査報告

(考査室)
 平成25年3月18日から4月17日までの間に放送した、ニュースと番組について考査した内容を報告します。この期間に、ニュース21項目、番組66本の考査を実施しました。
 ニュースの主な項目としては、昨年12月の衆議院選挙で1票の格差が最大2.43倍となったことを受け、広島高裁が「違憲であり選挙は無効」との判決を下したことや、イラク戦争の開戦から10年がたったイラクの現状と課題について、また、沖縄県の米軍施設の返還計画案の全容が明らかになったことなどがありました。
 番組では、連続テレビ小説「あまちゃん」の第1週「おら、この海が好きだ!」(4月1日〜6日放送分)や、総合テレビ土曜夜に新設した3本のファミリー向け番組、マサカメTV「相撲にまつわる目のつけどころ!」、「伝えてピカッチ」、「突撃アッとホーム」(いずれも4月6日放送)、また、スポーツの指導者やアスリートへのインタビューを通して、勝利へのセオリーを読み解くBS1の新番組、為末大が読み解く!勝利へのセオリー「レスリング女子日本代表 栄和人監督」(4月14日放送)を中心に考査しました。
 考査の結果、これらの一連のニュース・番組は、放送法、国内番組基準に照らし、「妥当」であったと判断します。

(会 長)  「モニターの声」などの評価を見ると、新番組は良いスタートを切っているようです。それぞれ中身に工夫がされていて、面白い番組になっていると思います。
(考査室)  新番組については、昨年の秋から何度か試作番組を作り、考査も含め、さまざまな評価を基に改善を重ねてきました。そうした積み重ねが内容に生かされていると思います。

(2)地方放送番組審議会委員の委嘱について

(石田理事)
 地方放送番組審議会委員の委嘱について、報告します。
 東北地方で藤沢清美氏(社団法人岩手県芸術文化協会 常務理事)に、北海道地方で小沢信行氏(北海道新聞社 論説委員)に、いずれも平成25年5月1日付で新規委嘱します。また、中国地方で木原康樹氏(広島大学大学院循環器内科学 教授)に、四国地方で加藤令史氏(愛媛新聞社 編集局長)に、同日付で再委嘱します。
 なお、東北地方の佐藤瀏氏(岩手大学 名誉教授)は、任期満了により25年4月30日付で退任されます。
 本件は、本日開催の第1188回経営委員会に報告します。


(3)平成24年度決算の速報
(経理局)
 平成24年度決算について、速報を報告します。
 事業収入は6,603億円で、24年10月からの受信料の値下げ等の影響により、前年度(23年度)に比べ63億円の減収となりました。このうち受信料は、値下げによる大幅な減収の影響があったものの、全局を挙げて業績確保の前倒し等に取り組んだ成果により、6,387億円を確保し、前年度に比べ13億円の減収にとどめました。
 一方、事業支出は6,408億円で、公共放送の機能強化など経営計画の重点事項を着実に実施する一方で、受信料の契約・収納業務やデジタル放送の受信対策業務をはじめ、業務全般にわたって効率的な運営を徹底した結果、前年度に比べ35億円を抑制しました。
 事業収支差金は195億円となり、収入の増加と支出の抑制に努めたものの減収減益となりました。事業収支差金は、経営委員会の議決が得られれば、放送センターの建て替え等に備え、建設積立金(資産)に繰り入れる予定です。
 なお、速報値のため、金額は変動する可能性があります。
 本件は、本日開催の第1188回経営委員会に報告します。

(会 長)  24年度決算については、受信料の値下げの影響を最小限にとどめるため、特に上半期に前倒しで営業活動を強化したことや、全役職員が一丸となって受信料制度の理解促進等に取り組んだこと、また、契約・収納業務の法人委託化など営業改革を進め、営業経費率を下げるなど、経費削減へ取り組んだことが成果として表れたものと思っています。
 しかし、25年度は、受信料の値下げが通年化することによりさらに減収の影響が拡大するなど、厳しい状況が見込まれます。収支均衡の目標に向かって、新たにゼロからスタートをするつもりで、気を引き締めて、今後一層の努力をしていってほしいと思います。

(4)平成24年度契約・収納活動結果

(営業局)
 平成24年度の契約・収納活動の結果について報告します。
 まず、当年度収納額については、第6期(2月・3月)は、前年度同期を42.3億円下回る1,060.2億円となりました。24年10月からの受信料の値下げを見据えて、前倒しで業績確保を図り、上半期は102.3億円の増収となりましたが、下半期は値下げの影響で115.4億円の減収となり、年間累計は、前年度と比較して13.1億円減収の6,329.1億円となりました。
 前年度分回収額実績は、第6期は3.2億円と前年度同期を3.7億円下回り、年間累計も58.3億円と前年度を4.4億円下回りました。回収予定額の62.4億円には、4.1億円及びませんでした。前々年度以前分回収額実績は、第6期は5.6億円と前年度同期を1.0億円上回りましたが、年間累計は33.2億円と前年度を2.4億円下回りました。回収予定額の33.3億円に対しては、0.1億円の不足にとどめることができました。
 放送受信契約総数の増加状況については、第6期は前年度同期を1.0万件上回りました。年間累計増加数は、前年度を13.1万件上回り、事業計画の45万件を上回る48.5万件となりました。
 衛星契約増加については、第6期は、前年度同期を2.3万件下回る11.0万件となりましたが、年間累計は、前年度を4.6万件上回る83.5万件となり、事業計画の72万件を11.5万件上回りました。
 未収数については、第6期末は前年度同期を0.8万件上回る5.1万件の削減となりました。年間累計は、前年度を5.5万件下回りましたが、事業計画の20万件を上回る、21.1万件の削減となりました。24年度末の未収現在数は156.6万件となりました。
 最後に、口座・クレジットカード支払いの増加数については、第6期は前年度同期を0.8万件上回る10.0万件となりました。年間累計の増加数も、前年度を15.2万件上回り、83.0万件となりました。
 24年度の契約・収納活動は、法人委託の拡大等の営業改革を積極的に展開したことや、下半期からの値下げを見据え、上半期に前倒しで業績確保を図ったこと、全局を挙げて810活動に取り組んだことから、順調に進捗し、平成24年度予算・事業計画で策定した「契約総数増加」、「未収削減」、「衛星契約増加」の3つの全国営業目標を、すべて達成することができました。
 以上の内容は、本日開催の第1188回経営委員会に報告します。

(会 長)  24年度の契約・収納活動の結果を受けて、営業局としてはどのように受け止めていますか。
(営業局)  下半期からの受信料の値下げによる減収に備えて、前倒しで業績確保に努めるとともに、経費削減に取り組むなど、現場が一体となって、計画の達成に向けて強い決意で臨んだことが、良い結果につながったと思っています。25年度も引き続き営業改革を進め、全目標達成を目指したいと思います。
(会 長)  24年度の取り組みの成果を、25年度の活動にしっかりとつなげていってください。

(5)放送法第29条第1項第1号トの改正要望について

(冷水理事)
 放送法の改正要望について報告します。
 放送法の見直しを検討している総務省の「放送政策に関する調査研究会」は、5月の会合で、公共放送の制度についてNHKからヒアリングを行うとしています。
 NHKとしては、このヒアリングにおいて、協会国際衛星放送の開始、休止、廃止に経営委員会の議決が必要と定めている放送法第29条第1項第1号トの規定について、「経営委員会が軽微と認めたものを除く」旨の改正を行うよう、政府に要望したいと思います。
 国内の地上放送局については、放送開始当初から小規模のものが多数存在したため、同法第29条第1項第1号の「ヘ」に、経営委員会が軽微と認めたものを除外する規定が記載されています。一方、テレビ国際放送は、開始当初は特段軽微な場合が想定されていなかったため、除外の規定は記載されませんでした。しかし、近年、受信環境の充実強化が図られ、地域衛星の数も増加したため、その回線の確保を臨機かつ柔軟に行なうことが重要となっています。ついては、あらかじめ経営委員会より包括的に軽微事項の議決を得た範囲内において、個別の案件については議決を不要としたいと考えるものです。
 本件は経営委員会の権限に関する事項のため、本日開催の第1188回経営委員会にその他の事項として報告します。

(会 長)  機動的に業務を進めるために、放送法の規定の改正が必要ということですね。
(冷水理事)  過去には、NHKワールドTVに割り当てられるはずのチャンネルが、経営委員会の議決を待つ間に、他の放送局に割り当てられてしまったこともありました。時機を逃さず柔軟に対応していくためには、放送法の規定について、経営委員会の認めた軽微な事項に当たる場合には議決は不要とするよう、改正を求めたいと思います。


以上で付議事項を終了した。
上記のとおり確認した。
      平成25年 5月21日
                     会 長  松 本 正 之

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