日本放送協会 理事会議事録 (平成25年 3月26日開催分)
平成25年 4月12日(金)公表
<会 議 の 名 称>
理 事 会
<会 議 日 時>
平成25年 3月26日(火) 午前9時00分〜9時50分
<出 席 者>
松本会長、小野副会長、塚田専務理事、吉国専務理事、冷水理事、
石田理事、木田理事、新山理事、久保田技師長、板野理事、上滝理事、
福井理事
<場 所>
放送センター 役員会議室
<議 事>
松本会長が開会を宣言し、議事に入った。
付議事項
1 審議事項
(1)職務権限事項の改正について
(2)第1186回経営委員会付議事項の追加について
(3)平成25年度暫定収支予算、事業計画及び資金計画の認可申請に
ついて
(4)平成25年度国際放送等実施要請への回答について
2 報告事項
(1)平成25年度内部監査計画について
(2)平成25年度関連団体の事業計画について
(3)契約・収納活動の状況(平成25年2月末)
議事経過
1 審議事項
(1)職務権限事項の改正について
(総務局)
職務権限事項の改正について、前回に引き続き審議をお願いします。
平成25年4月1日に経営企画局デジタル推進グループと現行のメディア企画室を統合し、新たな「メディア企画室」を設置することに伴い、必要な職務権限を整備するものです。前回の審議を受けて、メディア企画室の役割をより明確にするため、職務基準と権限事項の一部の表現を修正しました。
本件が決定されれば、25年4月1日付で施行します。
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(2)第1186回経営委員会付議事項の追加について
(経営企画局)
本日開催される第1186回経営委員会に付議する事項について、3月19日の理事会で決定した事項に加え、追加事項がありますので、審議をお願いします。
追加する付議事項は、議決事項として「平成25年度暫定収支予算、事業計画及び資金計画の認可申請について」です。
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(3)平成25年度暫定収支予算、事業計画及び資金計画の認可申請について
(経理局)
平成25年度収支予算、事業計画及び資金計画(本予算)が事業年度開始の日までに国会の承認を得ることができない場合に備え、平成25年度暫定収支予算、事業計画及び資金計画(暫定予算)を策定し、経営委員会の議決を得ておきたいと思います。
暫定予算は、本予算承認までの間、経常的な事業運営に支障を来さないため、放送法第71条第1項の規定に基づき総務大臣に認可申請を行うもので、本予算の国会承認を解除条件とします。
本件が了承されれば、本日開催の第1186回経営委員会に諮ります。
(会 長) |
原案どおり了承し、本日の経営委員会に諮ります。 |
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(4)平成25年度国際放送等実施要請への回答について
(冷水理事)
平成25年度国際放送等実施要請への回答について、審議をお願いします。
平成25年度のラジオ国際放送とテレビ国際放送の実施要請について、3月15日、総務大臣から会長に通知がありました。この通知により、NHKは要請への諾否を検討のうえ、検討結果を4月1日付で文書回答するよう求められています。
これまでNHKは、放送法に基づく要請があれば、その重みを受け止めて、趣旨内容に応じて判断し、仮に要請がNHKの番組編集の自由に抵触する恐れがある場合には、要請に応じないこともあるという姿勢をとってきました。
今回の要請においては、ラジオとテレビに共通する放送事項は、放送法に示されている一般的な放送事項であり、これらに応じることとしても、NHKの国際放送の信頼性、客観性が損なわれる恐れはなく、支障はないものと判断されます。また、ラジオについての放送事項には、これまでと同様に「北朝鮮による日本人拉致問題に特に留意すること」が含まれていますが、拉致問題については、NHKは、報道機関として自主的な編集判断を行ったうえで、一貫して必要な国際放送を適宜適切に実施してきましたので、今回の要請に応じても、番組編集の自由が確保していけるものと考えます。
以上の見地から、「平成25年度におけるラジオ国際放送およびテレビ国際放送の実施要請については、応諾します」と回答したいと思います。
また、今回の通知によれば、「期間を分けて要請を行う場合は、それぞれ該当期間を指定する」旨が通知されていますが、要請内容には変わりがないため、その場合においても、そのつど応諾することとします。
なお、一般的に言えば、個別具体的な要請は、NHKの国際放送の信頼性、客観性に疑念を抱かせる恐れがあります。放送法においても、総務大臣は要請を行うにあたって、NHKの番組編集の自由に配慮しなければならないと定めています。このため、今後も、個別具体的な要請があった場合は、その諾否について原則に立ち返って判断することにします。
本件が決定されれば、本日開催の第1186回経営委員会に報告するとともに、4月1日に総務大臣に回答書を提出します。
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2 報告事項
(1)平成25年度内部監査計画について
(内部監査室)
平成25年度の内部監査計画について、報告します。
25年度監査は、「平成24〜26年度中期内部監査計画」および内部監査室によるリスクアセスメント結果を踏まえ、高リスク分野に重点を置いて実施します。
定期監査については、本部各部局、地域拠点局、域内放送局、基幹システム、海外総支局を対象に監査を実施します。監査の視点としては、24年度の内部監査の結果、および不祥事再発抑止の視点から、リスクの高い項目を重点的に点検します。また、受信料収入の確保と効率的な事業運営による経費の削減が的確に行われているかなどについても、業務運営状況と各業務プロセスの監査を通じて点検することとします。あわせて、内部管理部門との連携を強化します。
また、不定期監査については、各部局の監査では完結しえないものについて、随時、項目・テーマを選定して実施するほか、監査を通じて指摘した事項の改善状況について、必要に応じて監査します。
(会 長) |
内部監査にあたっては、年間を通した実施スケジュールを効果的に組みながら、監査が各部局の実質的な業務改善に結びつくよう実施してください。
一方、監査を受ける側は、他部局に対するものも含め、監査での指摘事項については確実に対応し、適正な業務を実施してほしいと思います。 |
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(2)平成25年度関連団体の事業計画について
(関連事業局)
関連団体運営基準第15条に基づき、25年度関連団体の事業計画について報告します。
子会社13社については、25年度の売上高の単純合計は2,403億円で、24年度の決算見込みに比べて10億円の減収となる計画です。これは、NHKメディアテクノロジーとNHK営業サービスのNHK取引額が、2社合計で24億円減少することが主な要因です。一方、グループ外からの売上は、キャラクター、イベント、出版事業等が増加し、合計で11億円の増収となる計画です。当期純利益の単純合計は43億円で、6億円の減益となる計画です。13社中8社が減益の計画となっており、厳しい事業環境が反映されています。
関連会社については、1社が増収増益、2社が減収減益となる計画です。関連公益法人については、日本放送協会学園、NHK交響楽団、NHK厚生文化事業団の3団体で、一般正味財産増減額が赤字の計画となっています。25年度より一般財団法人に移行するNHKサービスセンター、NHKインターナショナル、NHKエンジニアリングサービス、NHK放送研修センターの4団体は、ほぼ収支相償の計画となっています。
続いて、日本放送協会健康保険組合と日本放送協会共済会について、これまで別に報告を行っていましたが、今回からあわせて報告します。
健康保険組合については、一般勘定は収支均衡となっていますが、事業収入に別途積立金からの繰入金を含んでおり、実質は赤字予算になっています。
共済会については、24年度は一般会計で赤字決算を行う予定ですが、25年度は収支相償の計画としています。
(会 長) |
NHK学園については、25年度はどういった見込みですか。 |
(関連事業局) |
収支改善に向けて鋭意努力をしています。生徒の応募者数の増加など、一部で効果の出始めているところもありますが、依然として楽観を許さない状況で、特に生涯教育での落ち込みを食い止められるかどうかが最大のポイントだと思います。 |
(会 長) |
NHKプラネットの見込みはどうですか。 |
(関連事業局) |
NHKプラネットは、24年度の赤字見込みからわずかに黒字転換する計画ですが、経済状況の冷え込みの中で地方のイベント事業の売上が落ち込んでいることもあり、厳しい状況と言えます。 |
(会 長) |
NHKアートについては、24年度の業績が良かったことを踏まえて、減収減益となるのですか。 |
(関連事業局) |
24年度は大型の受注があったため、25年度はその分を低く見込んでいます。しかし、業績は順調ですので、今年度程度まで改善する可能性はあります。 |
(小野副会長) |
子会社13社の売上高について、グループ外の取引額は、24年度に比べ11億の増収となっていますが、どのように捉えていますか。 |
(関連事業局) |
関連団体が相互に協力しあいながら営業展開を積極的に進めようとしており、その影響がいい方向で出ているのではないかと思っています。 |
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(3)契約・収納活動の状況(平成25年2月末)
(営業局)
平成25年2月末の契約・収納活動の状況について報告します。
まず、2月の収納額は486.9億円で、10月からの受信料の値下げの影響により、前年度同月を24.7億円下回りました。年間累計は、上半期に早期の契約取次など積極的な営業活動の展開に取り組んだこともあり、5,755.8億円で、前年度同時期を4.4億円上回っています。
一方、前年度分回収額実績は1.5億円と、前年度同月を0.1億円下回り、年間累計も56.6億円と、前年度同時期を0.8億円下回りました。前々年度以前分回収額実績は、2.4億円と前年度同月と同水準となりましたが、年間累計は30.0億円と、前年度同時期を3.5億円下回っています。
放送受信契約総数の増加状況について、2月は、取次が21.1万件と、前年度同月を1.1万件下回ったものの、減少も20.9万件と、前年度同月に比べ1.5万件下回ったため、増加数は前年度同月を0.4万件上回る0.2万件となりました。また、年間累計増加数は48.7万件と、前年度同時期を12.5万件上回っています。
2月の衛星契約増加については、取次が前年度同月に比べ2.2万件下回り、減少も前年度同月を1.4万件下回ったため、増加数は前年度同月を0.8万件下回る5.2万件となりました。一方、年間累計増加数は77.7万件と、前年度同時期を6.1万件上回っています。
以上の内容は、本日開催の第1186回経営委員会に報告します。
(上滝理事) |
まずは、目標達成に向けた努力を高く評価しています。
前年度、および前々年度以前分の回収額は、昨年を下回っていますが、これまで長期未収の削減を進めてきたため、より対応の難しいところが残っていることもあるかと思います。長期未収となる原因はどう捉えていますか。 |
(営業局) |
長期未収は常に新たな発生と支払再開があり流動しているため、必ずしも固定した層とは捉えていません。そのため、新たな未収には、できるだけ早く確実に対応することで、支払再開に結びつけていくことが必要だと思っています。
また、要員状況として、地域スタッフの数が昨年同期に比べて約670人減っており、その分については法人委託でのカバーを図っているものの、まだ不足している状況です。今後、要員状況が整ってくれば、支払再開数の増加も見込めると思っています。 |
(上滝理事) |
長期未収の支払再開を難しくしている要因はなんですか。 |
(営業局) |
理由は大きくは2つあり、1つは大都市圏を中心に単身世帯やロックマンションの入居者が多く、面接が困難であること。もう1つは受信料制度自体への理解をなかなか得られないということがあります。
今後も訪問対策だけでなく電話や文書対策などさまざまな工夫も重ねながら、支払再開数を確保していきたいと思っています。 |
(会 長) |
引き続き、年度末まで頑張ってください。 |
(営業局) |
最後まで努力を続けます。 |
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以上で付議事項を終了した。
上記のとおり確認した。
平成25年 4月 9日
会 長 松 本 正 之
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