日本放送協会 理事会議事録 (平成24年12月 4日開催分)
平成24年12月21日(金)公表
<会 議 の 名 称>
理 事 会
<会 議 日 時>
平成24年12月 4日(火) 午前9時00分〜9時55分
<出 席 者>
松本会長、小野副会長、塚田専務理事、吉国専務理事、冷水理事、
石田理事、木田理事、新山理事、久保田技師長、板野理事、上滝理事、
福井理事
<場 所>
放送センター 役員会議室
<議 事>
松本会長が開会を宣言し、議事に入った。
付議事項
1 審議事項
(1)平成25年度予算・事業計画における要員計画について
(2)平成25年度収支予算編成要綱
(3)総務省「電波有効利用の促進に関する検討会 報告書(案)」意見
募集への対応について
(4)「らじる★らじる」への地域放送番組の追加について
2 報告事項
(1)考査報告
(2)放送番組審議会議事録(資料)
議事経過
1 審議事項
(1)平成25年度予算・事業計画における要員計画について
(総務局)
平成25年度予算・事業計画における要員計画について、審議をお願いします。
25年度は、「平成24〜26年度 NHK経営計画」の2年目として、すべての部門において徹底した業務の見直しを行い、限られた経営資源の中で必要なパワーを確保するとともに、公共放送の機能強化や放送と通信の連携時代に適応した新サービスの充実などの重点目標にパワーシフトしながら、全体として効率的な要員体制を構築していきます。
25年度の要員計画については、業務の移行・アウトソーシングやスクラップなどの見直しで150人程度の要員削減を行う一方、新規業務や既存業務の強化などへの増員配置を50人程度予定しています。この結果、差し引き100人の純減となり、25年度の予算人員は1万0,392人となります。
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(2)平成25年度収支予算編成要綱
(経理局)
平成25年度予算の基本的な考え方および事業運営の重点事項、それに基づく収支予算の具体的な内容と予算額について、「平成25年度収支予算編成要綱」として取りまとめましたので、審議をお願いします。
事業収入については、受信契約件数の増加を図り、支払率および収納率を向上させて受信料の公平負担の徹底に努めます。
事業支出については、放送・サービスの充実や公共放送の機能強化を実施する一方、一層効率的な事業運営を徹底します。
これらの取り組みを織り込んだ25年度予算を編成します。
本件が了承されれば、本日開催の第1179回経営委員会に審議事項として提出します。その後、必要があれば予算の調整を行い、総務大臣に提出する収支予算、事業計画、資金計画からなる予算書について、1月以降に経営委員会の議決を求める予定です。
(会 長) |
原案どおり了承し、本日の経営委員会に諮ります。 |
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(3) |
総務省「電波有効利用の促進に関する検討会 報告書(案)」意見募集への対応について |
(技術局)
総務省は「電波有効利用の促進に関する検討会」(以下、「検討会」)を開催し、電波の有効利用のための諸課題や具体的方策について検討を進めています。検討会は、平成24年7月5日に「中間とりまとめ(案)」を公表し、これに対してNHKは意見を提出しました。これらの意見を受け、この度、検討会では、議論の結果をとりまとめた「報告書(案)」を公表し、24年11月17日から12月7日までの間で意見募集を行っています。これに対してNHKの意見を提出したいと思いますので、審議をお願いします。
「報告書(案)」の概要は、次のとおりです。
○周波数再編の加速について
スマートフォンの急速な普及等により、周波数のひっ迫が深刻化していることを踏まえ、電波の有効利用や周波数の移行等に一層強力に取り組む必要性が高まっていると認識を示し、現在実施している700/900MHz帯の終了促進措置の実施状況などを注視して、さらなる周波数再編の方策の検討が引き続き必要であるとしています。
○電波利用料の活用について
電波利用料による支援対象を、公共性や有効性など一定の要件を満たす場合に限定したうえで、この要件に合致する防災、安心・安全等の自営系・公共系の無線システムのデジタル化を支援するとしています。
○研究開発の促進について
電波利用料を活用して電波資源を拡大するため、研究開発の裾野を広げ斬新な技術・アイデアを発掘するとともに、先進的かつ独創的な研究課題を実施する機会を拡大するとしています。
これに対して、NHKとして次の趣旨の意見を提出したいと思います。
○周波数再編の加速について
周波数の移行にあたっては、既存の無線システムが移行先の周波数帯で現行と同水準の利用環境を維持できるよう、移行先周波数帯での他の無線システムとの干渉や、移行先周波数帯に対応した新たな無線システムの開発・製品化など、技術的課題や期間の十分な検討が必要と考えます。また、移行完了までの現行周波数帯の共用期間においても、既存の無線システムの運用に支障を与えないよう、新規の無線システムの免許人におかれては十分な配慮がなされることを要望します。
○電波利用料の活用について
電波利用料の使途の追加にあたり、支援の対象が満たすべき要件が明確化されたことは評価できますが、電波利用料は費用を負担している無線局免許人全体の受益を目的として運用されるべきであり、使途の追加にあたっては免許人の負担が増えないよう要望します。
○研究開発の促進について
研究開発の裾野を広げ斬新な技術・アイデアを発掘するという方針は、免許人の負担が増えないという前提のもと、スーパーハイビジョンのような放送システムの高度化等にも不可欠な電波資源の拡大に向けて、基礎的な研究の支援を強化するものであり、こうした研究開発の促進は、将来のわが国の放送・情報通信産業の発展に必要と考えます。
以上の内容が決定されれば、NHKの意見を総務省に提出します。
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(4)「らじる★らじる」への地域放送番組の追加について
(編成局)
ラジオ放送については、夜間の外国電波混信、マンション等鉄筋コンクリート住宅の全国的な普及、家電製品等の各種機器から発生する不要電波等混信要因の増加などにより、聴取しにくい地域・場所が拡大しています。こうした状況の改善に資するための補完的な措置として、NHKのラジオ第1(以下、「R1」)、ラジオ第2、FM放送(以下、「FM」)の放送番組を、放送と同時にインターネットを通じて一般に提供する業務(業務名称「らじる★らじる」)を、平成23年9月より試行的に実施しています。
この度、本業務の目的の効果を検証するうえで、より多くの聴取者の利用による幅広いデータを収集するとともに、地域放送番組の提供のあり方を検証するため、現行の提供内容に、一部の地域放送番組を追加したいと思いますので、審議をお願いします。
新たに提供する番組は、R1が近畿広域放送、中京広域放送、および宮城県域放送、FMが大阪府域放送、愛知県域放送、および宮城県域放送です。当該放送対象地域の人口、地域放送番組比率を勘案して選定しました。
受信可能なエリアや、提供の方式・品質等は、現行と変更ありません。
提供番組の追加に伴って発生する25年度の実施経費については、設備整備費と運用経費を合わせて1.3億円程度を見込んでいます。
新たに提供する番組については、25年度初頭をめどに開始し、25年度末まで実施することとします。ラジオ放送が聴取しにくい状況の改善に資するための補完的措置として実施しますので、その目的に向けた有効性等について、アンケート等により検証・確認を行い、必要があれば、実施内容の変更・延長等のための認可申請を、あらためて行うこととします。
以上の内容が了承されれば、本日開催の第1179回経営委員会に諮り、経営委員会の議決が得られれば、総務大臣に認可を申請します。
(板野理事) |
追加する地域放送番組は、インターネットを通じて全国どこでも聴けるようになるわけですね。今後、その他の地域についても、本業務に追加してほしいという声が出てくると思いますが、どのように考えていますか。 |
(編成局) |
まずは、大阪、名古屋、仙台放送局の地域放送番組を実施し、その効果や反響等を検証したいと思います。 |
(会 長) |
今回、一部の地域放送番組の追加に伴い、業務量の増加についてどのように考えていますか。 |
(編成局) |
地域局の負担が全く増えないわけではありませんが、インターネットへの配信は、東京で一元的に行うなど、できる限り地域局の負担とならないよう、システム対応も含め検討しています。実施にあたっては、関係部局により詳細な運用体制を詰めていき、万全を期したいと思います。 |
(石田理事) |
今回の番組の追加により、監視業務などの負担や運用体制等について検証し、今後の体制等の整備につなげていきたいと思います。 |
(副会長) |
NHKの本来のサービスは放送ですので、インターネット業務については、“ヒト・モノ・カネ”のコストを最小限に抑えるようにすべきと考えます。 |
(編成局) |
本来業務を通じて、インターネット業務の設備や運用体制、経費をしっかりと検証していきたいと思います。 |
(久保田技師長) |
技術的な課題の改善にもコストが発生しますが、どういうレベルを求めていくのかという点についての共通認識を確認しながら、改善はその点を踏まえながら進めたいと思います。 |
(会 長) |
原案どおり了承し、本日の経営委員会に諮ります。 |
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2 報告事項
(1)考査報告
(考査室)
平成24年10月22日から11月28日までの間に放送した、ニュースと番組について考査した内容を報告します。この期間に、ニュース24項目、番組74本の考査を実施しました。
ニュースの主な項目としては、野田首相が党首討論の場で衆議院の一票の格差是正などを条件に異例の解散表明をしたことや、衆議院が解散し、3年余りの民主党政権の評価や今後の政治の枠組みなどを焦点に、各党が事実上の選挙戦に入ったことのほか、アメリカのオバマ大統領の再選や、中国共産党の習近平総書記体制の発足などがありました。
また、番組では、深刻な危機に直面する日本の家電業界の逆襲について、企業や技術者、過去の経営者を取材し日本の企業の行方を考える、NHKスペシャル「メイド・イン・ジャパン 逆襲のシナリオ〜第1回 岐路に立つ“日の丸家電”」(10月27日放送)、将来が不透明な時代に明日に向かって勝負をかける若者たちを応援する3回シリーズのドキュメンタリー、「関ジャニ∞の明日はどっちだ!」(10月8日、15日、22日放送)、ご当地の特産物を生かした料理を全国的な知名度を持つ“グルメスター”に育てようという番組、「目指せ!グルメスター『湘南・しらすの大変身!』」(BSプレミアム 11月6日放送)などを中心に考査しました。
考査の結果、これらの一連のニュース・番組は、放送法、国内番組基準に照らし、「妥当」であったと判断します。 |
(2)放送番組審議会議事録(資料)
編成局および国際放送局から、中央放送番組審議会、国際放送番組審議会、全国の地方放送番組審議会(関東甲信越、近畿、中部、中国、九州沖縄、東北、北海道、四国)の平成24年10月開催分の議事録についての報告(注)。
注: |
放送番組審議会の内容は、NHKホームページの「NHK経営情報」のなかに掲載しています。 |
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以上で付議事項を終了した。
上記のとおり確認した。
平成24年12月18日
会 長 松 本 正 之
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