日本放送協会 理事会議事録  (平成24年10月23日開催分)
平成24年11月 9日(金)公表

<会 議 の 名 称>
 理 事 会

<会  議  日  時>
 平成24年10月23日(火) 午前9時00分〜9時15分

<出   席   者>
 松本会長、小野副会長、塚田専務理事、吉国専務理事、冷水理事、
 石田理事、木田理事、新山理事、久保田技師長、板野理事、上滝理事、
 福井理事

<場     所>
 放送センター 役員会議室

<議     事>
 松本会長が開会を宣言し、議事に入った。

付議事項

1 審議事項
(1)平成24年度第2四半期業務報告
(2)特定失踪者問題調査会による八俣送信所の送信設備等の
   使用の期間延長について

2 報告事項
(1)契約・収納活動の状況(平成24年9月末)

議事経過

1 審議事項
(1)平成24年度第2四半期業務報告
(経営企画局)
 放送法第39条第3項に定める会長の職務の執行状況を「平成24(2012)年度第2四半期業務報告」(注1)のとおり取りまとめましたので、審議をお願いします。
 「平成24〜26年度 NHK経営計画」の初年度にあたる24年度は、経営計画に掲げた「3か年の基本方針」の達成状況をNHK独自の14の指標(注2)で測る新たな取り組みがスタートしました。
 第2四半期は、その14指標の世論調査の結果とその分析を報告する、初めての四半期業務報告となります。
 この世論調査は、14の指標ごとに、国民・視聴者がNHKにどれだけ期待しているかの“期待度”と、NHKがそれをどれだけ実現していると考えるかの“実現度”を調べ、それぞれの期待度と実現度の差によって、公共放送の使命や役割の達成状況を測るものです。指標の中には、視聴者の期待が総体的に高いものと、特定の視聴者層の関心が高いものがあります。24年7月に実施した今回の調査を総括すると、期待度が高いものは全体的に実現度も高く、このまま維持していきたいと考えます。一方で、期待度と実現度の差が大きいものもあり、改善に向けた努力が必要となっています。
 これらの数値は、短期的に大きく変動するものではありませんが、24年1月に実施した事前調査の結果と比較すると、今回、「①公平・公正」で期待度と実現度の差が縮まり、評価が向上しています。その要因について、さらに分析しました。
 国内放送については、今回の世論調査とは別に、「丁寧な取材制作」、「正確・迅速」、「新しい切り口」、「社会的課題」など独自の10指標により放送波ごとに視聴者の評価を測るインターネット調査を継続して行っていますが、24年9月の調査では、総合テレビは、「丁寧な取材制作」、「正確・迅速」、「社会的課題」の評価が高い水準で維持され、接触者率も第1四半期より高くなっています。「NHKスペシャル」や、報道・解説ジャンル、科学・自然ジャンル、教養・福祉ジャンルなどの番組が、高い評価に貢献したものと考えられます。Eテレは「丁寧な取材制作」と「正確・迅速」、BS1は「正確・迅速」、BSプレミアムは「丁寧な取材制作」で高い評価を維持し、接触者率も上がっています。このように、国内放送の質の評価を高い水準で維持し、接触者率も向上したことが、「①公平・公正」の期待度と実現度の差を縮めることにつながったものと考えています。
 一方、14の指標のうち「⑧世界への情報発信」と「⑪さまざまなメディアでの情報提供」では、期待度と実現度との差が、1月の事前調査に比べ、やや広がっています。
 このうち、「⑧世界への情報発信」については、事前調査では期待度と実現度との差が19.6ポイントだったのに対し、今回の調査では21.8ポイントとなり、差が2.2ポイント広がりました。ただ、国際放送の海外での視聴可能世帯は着実に伸びています。「世界への情報発信」への期待度も高いことから、NHKの国際発信の役割について国内での幅広い認知が必要と思われます。
 また、「⑪さまざまなメディアでの情報提供」については、事前調査では期待度と実現度との差が5.5ポイントだったのに対し、今回の調査では7.3ポイントとなり、差が1.8ポイント広がりました。個別サービスの満足度は高い評価となっており、接触者率もこれまでの水準を維持していますが、さまざまなインターネットサービスが登場し普及が進んでいますので、満足度のさらなる向上が求められているものと考えています。なお、この世論調査は7月中に実施したため、オリンピック・ロンドン大会の開催期間中に行ったデータ放送やインターネットサービスに対する視聴者意向は反映されていません。
 このほかの指標については、事前調査から大きな変化はありませんでしたが、「L受信料制度の理解促進」と「⑭受信料の公平負担」については、期待度と実現度の差が20ポイントを超えています。指標の改善に関係する公開番組・イベントの参加者満足度や理解促進度、そして支払率は向上していますので、今後さらに努力していきたいと思います。
 続いて、今期の概況について、「3か年の基本方針」のもとに設定した「公共」、「信頼」、「創造・未来」、「改革・活力」の4つの重点目標の今期の主な取り組みを報告します。
 「公共」については、大阪放送局の放送設備と体制の強化をはじめ、首都圏や太平洋沿岸エリア等の機能強化を進めるとともに、各地の放送局でも、緊急災害報道や防災・減災に役立つ放送を行いました。9月には、東日本大震災直後のNHKの緊急報道が、世界の優れたテレビ番組に贈られる「国際エミー賞」を受賞することが決定しました。
 「信頼」については、オリンピック・ロンドン大会で、競技の模様などを地上波274時間、衛星波357時間放送するとともに、大型企画を集中的に編成しました。期間中の放送時間は、地上波、衛星波とも過去最長となりました。また、「NHKワールドTV」については、8月にミャンマーで初めて24時間放送が始まり、24時間視聴可能世帯は9月末で1億6,297万世帯となりました。
 「創造・未来」については、オリンピック・ロンドン大会で、テレビで放送しない競技の中継映像をインターネットのライブストリーミング(同時配信)で913時間配信し、2,600万件のアクセスがあるなど、特設サイトへのアクセスは、3億3,900万件に達しました。また、スーパーハイビジョンによるオリンピック・ロンドン大会のパブリックビューイングをイギリス、アメリカ、日本で開催し、23万人が視聴しました。国際連合の専門機関ITU−R(国際電気通信連合無線通信部門)では、このスーパーハイビジョンの映像フォーマットを国際規格として承認しました。
 「改革・活力」については、14指標による世論調査を実施し、結果を分析しました。今年からスタートしたNHK独自の目標管理の定着と浸透を図り、経営計画の着実な実現を目指していきます。
 最後に、営業目標の達成状況について報告します。
 10月からの受信料の値下げを前に、堅調に進捗しています。契約総数増加は9月末累計で30.9万件で、年間増加目標に対し、進捗率68.7%となりました。衛星契約増加については44.7万件で、進捗率62.1%となりました。契約・収納活動を強化した結果、こうした高い業績を確保することができました。特に、衛星契約増加については、オリンピック・ロンドン大会に合わせ、集中的に契約取次対策を行ったことなどにより、9月末累計で昨年度同期を約8万件上回りました。
 このほかの取り組みとして、9月に「都道府県別推計世帯支払率」を公表し、契約・収納活動における説明性、信頼性の向上を図りました。今後は、値下げによる減収の影響を注視しつつ、公平負担の徹底と受信料収入の確保に向けて、営業活動の充実強化に取り組んでいきます。
 第2四半期の受信料収入(速報値)は1,653億円で、前年度同期を51億円上回る増収となりました。第2四半期までの累計(速報値)は、東日本大震災やアナログ放送終了による解約が発生した前年度に比べ、96億円増収の3,295億円となりました。
 以上の内容が決定されれば、本日開催の第1176回経営委員会に報告事項として提出します。

(注1) 「平成24(2012)年度第2四半期業務報告」は、NHKホームページの「NHK経営情報」のなかに掲載しています。
(注2) ①公平・公正、②迅速・正確な情報提供、③社会的課題の共有、④記録・伝承、⑤文化の創造・発展、⑥多様性をふまえた編成、⑦新規性・創造性、⑧世界への情報発信、⑨地域社会の発展、⑩人にやさしい放送、⑪さまざまなメディアでの情報提供、⑫放送技術の発展、⑬受信料制度の理解促進、⑭受信料の公平負担
(会 長)  原案どおり決定し、本日の経営委員会に報告します。

(2)特定失踪者問題調査会による八俣送信所の送信設備等の使用の期間延長について
(久保田技師長)
 KDDIが所有しNHKが包括的使用権を有する八俣送信所の送信設備等については、特定失踪者問題調査会の行う北朝鮮拉致被害者向け短波送信「しおかぜ」のために、同調査会に使用を認めてきました。引き続き使用を認めることとしたいので、審議をお願いします。
 「しおかぜ」が送信設備等を使用することは、NHK、KDDI、同調査会の3者の合意に基づき、平成19年3月26日から24年10月28日までの5年半にわたり、国際的に割り当て周波数の変更が行われる毎年3月と10月に、期間を延長することによって、これを認めてきました。このほど、同調査会からあらためて、送信設備等の使用期間を延長させてほしいとの申し出がありました。これについては、NHKの業務に支障はなく、費用負担等も生じないことが確認されたことから、人道上の見地により可能な範囲での協力として、これまでと同様に、25年3月31日まで使用を認めたいと思います。これを担保するための覚書を、あらためて3者で締結することとします。
 なお、万一、NHKの業務に支障が生じたときは、3者で締結した確認書に基づき、NHKはいつでも「しおかぜ」の送信停止を求めることができます。

(会 長)  原案どおり決定します。

2 報告事項
(1)契約・収納活動の状況(平成24年9月末)
(営業局)
 平成24年9月末の契約・収納活動の状況について報告します。
 まず、第3期(8月・9月)の収納額は1,097.6億円で、前年度同期を35.3億円上回りました。年間累計は、3,216.7億円で、前年度同時期を102.3億円上回っています。
 一方、前年度分回収額実績は6.0億円と、前年度同期を0.2億円下回り、前々年度以前分回収額実績は5.1億円と、前年度同期とほぼ同水準となっています。
 放送受信契約総数の増加状況について、第3期は、取次が45.9万件と前年度同期を3.7万件下回ったものの、減少も36.0万件と前年度同期に比べ13.2万件下回ったため、増加数は前年度同期を9.5万件上回る9.9万件となりました。
 第3期の衛星契約増加については、取次が前年度同期に比べ2.0万件下回ったものの、減少も前年度同期を8.5万件下回ったため、増加数は前年度同期を6.5万件上回る14.2万件となりました。
 第3期の未収者削減については、前年度同期を1.2万件下回る2.5万件の削減となりました。その結果、9月末の未収現在数は、167.7万件となっています。
 最後に、第3期の口座・クレジットカード支払の増加数は、前年度同期を7.3万件上回る13.2万件となりました。
 以上の内容は、本日開催の第1176回経営委員会に報告します。



以上で付議事項を終了した。
上記のとおり確認した。
      平成24年11月 6日
                     会 長  松 本 正 之

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