日本放送協会 理事会議事録  (平成24年 3月13日開催分)
平成24年 3月30日(金)公表

<会 議 の 名 称>
 理 事 会

<会  議  日  時>
 平成24年 3月13日(火) 午前9時00分〜9時50分

<出   席   者>
 松本会長、小野副会長、永井技師長、金田専務理事、大西理事、
 今井理事、塚田理事、吉国理事、冷水理事、新山理事、石田理事、
 木田理事
 井原監査委員

<場         所>
 放送センター 役員会議室

<議        事>
 松本会長が開会を宣言し、議事に入った。

付議事項

1 審議事項
(1)第1162回経営委員会付議事項の変更について
(2)危機管理事案緊急対応規程の新設 職員責任審査規程の改正につ
   いて
(3)内部監査規程の一部変更について

2 報告事項
(1)関連団体の事業運営状況について
(2)日本放送協会健康保険組合および財団法人日本放送協会共済会の
   事業運営状況について
(3)部外解説委員の解嘱について

議事経過

1 審議事項
(1)第1162回経営委員会付議事項の変更について
(経営企画局)
 本日開催される第1162回経営委員会に付議する事項の変更について、審議をお願いします。
 3月6日の理事会で審議、決定された付議事項のうち、報告事項の「平成24年度各地方向け地域放送番組編集計画および編成計画について」は、一部の地域の放送番組について放送する範囲の検討が続いていることから、付議を取りやめることとします。

(会 長)  原案どおり決定します。

(2)危機管理事案緊急対応規程の新設  職員責任審査規程の改正について
(総合リスク管理室、総務局)
 NHKの業務に関して発生・顕在化した危機管理事案については、リスクマネジメント規程で、当該の部局長・関連団体の責任者が対処にあたることが定められています。しかし、NHKの経営を揺るがしかねないような緊急かつ重大な事案の中には例えば複数の部局等にまたがるなど、当該部局・団体の対処によることが適切でない場合があるため、新たに危機管理事案緊急対応規程を設け、対処方法等を明確にしたいと考えます。概要は次のとおりです。
1)現行のリスクマネジメント規程の下部規程と位置づけます。
2)適用範囲は、NHKおよび関連団体とします。
3)対象とする事案は、当該部局、関連団体の対処によらない対応が相当であると判断されたものとします。
4)緊急対応の実施はCRO(会長)が決定します。
5)調査チームは必要な調査を行う権限を有します。
6)調査の結果、職員が懲戒処分に相当すると認めた場合は、総務局長(人事担当)に報告し、調査結果を責任審査委員会に提出します。
 併せて、職員責任審査規程について、上記の新規程との整合性や実態に即した懲戒運用の観点から見直します。
 責任審査委員会は、これまで主に事案の発生部局が実施した調査結果を基に審査を行ってきましたが、第三者の専門部局の調査結果も審査に活用できることを明記し、審査の公正さや客観性を担保し、新規程との整合性も図ります。また、現行の規程では、会長への懲戒手続きの上申者として、事案の惹起(じゃっき)者が所属する「部局長」と限定していますが、「総務局長(人事担当)」が上申する例外規定を設けます。
 本件が決定されれば、両規程は平成24年4月1日から施行します。

(会 長)  原案どおり決定します。

(3) 内部監査規程の一部変更について
(内部監査室)
 NHKの内部監査について外部監査機関の評価を受けたところ、国際基準におおむね全般的に適合しているという評価を得ましたが、一部の課題について指摘もありました。その指摘を踏まえた規定の整備等のため、内部監査規程の一部を変更したいので、審議をお願いします。
 主な変更点は、以下のとおりです。
1)外部評価での指摘を踏まえ、会長、担当役員の指示、またはNHK内の部局、関連団体の求め等に応じ、業務改善に資する情報提供・提案等を行うことができる旨を明確化します。
2)内部監査室が会長の直属であることを踏まえ、監査担当役員 を置いた場合の担当役員の権限を明確化します。
3)定期監査以外の監査について、監査実施の事前通知を行わないことがある旨を規定します。
4)施行期日以外の付則を、補則として位置づけます。
本件が決定されれば、本規程は平成24年4月1日から施行します。

(会 長)  原案どおり決定します。

2 報告事項
(1)関連団体の事業運営状況について
(関連事業局)
 関連団体運営基準第15条に基づき、関連団体の事業運営状況について報告します。
 まず、平成23年度の関連団体の決算見込みについて報告します。
 最初に子会社13社についてです。売上高と営業利益については、7社が減収減益、6社が増収増益の見込みとなり、子会社の業績は二分されることとなります。日本国際放送は、今年度に計画より一年早く累積損失を解消できる見込みです。   
 子会社13社の23年度の売上高の単純合計は2,449億円となり、前年度(22年度)に比べ89億円の減収を見込んでいます。
 売上高のうち、NHKとの取引額は1,373億円で、前年度より58億円減っています。一方、NHK以外との取引額も、1,076億円と前年度より30億円減っています。売上の大きな変動としては、NHKアイテックの、地上デジタル放送関連の送信・受信設備整備工事の大幅な減による減収と、NHK営業サービスの、地上デジタルテレビ放送受信相談センター業務の受託による増収があります。要因別では、地上デジタル放送関連で、子会社13社を通じて合計121億円の減収となる見込みです。
 当期純利益の見込みは単純合計で29億円となり、前年度に比べ36億円の減益となります。そのうち、大幅な減収見込みとなるNHKアイテックと、前年度に旧国際メディア・コーポレーションとの統合等に伴う特別利益があったNHKエンタープライズの減益見込みが、規模として大部分を占めます。また、23年度は、会計上の特殊要因として、税制改正に伴う繰延税金資産の取り崩しが合計で6億円程度あり、減益の要因となっています。また、テキスト等の販売不振が続いているNHK出版と、東日本大震災の影響で減収となるNHK文化センターの2社が赤字となる見込みで、ともに赤字は2期連続となります。
 関連会社5社については、総合ビジョン、NHK Cosmomedia(Europe)、ビーエス・コンディショナルアクセスシステムズの3社は減収となっています。NHK Cosmomedia Americaは、旧NHK Enterprises Americaとの統合の効果により、コンテンツ事業の売上が増となり、増収の見込みです。
 関連公益法人7団体については、NHKサービスセンター、NHKエンジニアリングサービス、NHK放送研修センター、日本放送協会学園、の4団体が赤字となる見込みです。
 続いて、24年度の関連団体の事業計画について説明します。
 子会社13社については、NHK出版とNHK文化センターは、増収増益で黒字転換となる計画です。残り11社のうち10社は減収、そのうち7社は減益となる厳しい内容です。
 13社の売上高の単純合計は2,344億円で、23年度の決算見込みに比べて105億円の減収となる見込みです。当期純利益の合計は34億円で、4億円の増益となる計画です。これは、NHK出版とNHK文化センターの大幅な収支改善と、税制改正に伴う23年度の繰延税金資産の取り崩しの終了等によるものです。
 関連会社については、2社で減収、4社で減益となる計画です。また、関連公益法人については、日本放送協会学園、NHK厚生文化事業団の2団体は赤字、残りの5団体は、ほぼ収支相償の計画となっています。

(副会長)  NHK学園やNHK文化センターを取り巻く構造的な問題の悪化について、しっかりと状況を捉えてほしいと思います。
(関連事業局)  NHK文化センターについては、近年の景気の悪化が影響して受講者が大きく減少しているため、現在は業績不振の教室を閉鎖するなどの対策を取っています。また、NHK学園の一般向け講座については、以前からの所有地を利用していることもあって、教室等を開講するには立地条件の厳しい所もあり、今後の課題と捉えています。
(会 長)  来年度以降も厳しい状況が続くことが予想されますので、構造的な問題も含めてよく状況を把握して、NHKとしてできることがないかといったことも含め、今後の対応を検討していってください。

(2) 日本放送協会健康保険組合および財団法人日本放送協会共済会の事業運営状況について
(吉国理事)
 職務権限事項に基づき、日本放送協会健康保険組合ならびに日本放送協会共済会の事業運営状況について報告します。
 健康保険組合、共済会、それぞれの平成23年度の決算見込みについて説明します。
 まず、健康保険組合について、会計は一般勘定と介護勘定に分かれています。
 一般勘定の収入の決算見込みは95億6,500万円で、予算に対して4億3,100万円下回る見込みです。一方、支出の決算見込みは95億6,300万円で、予算に対して4億3,300万円下回る見込みです。この結果、収支差引は、200万円となる見込みです。これは別途積立金に繰り入れます。
 介護勘定については、収入合計の決算見込みは6億2,600万円で、この全額を介護納付金として納付します。その結果、収支差引はありません。
 次に、共済会について、会計は一般会計と特別会計に分かれています。
 食堂業務や販売業務、宿泊施設等の利用業務などの一般会計は、経常収益が33億5,100万円、事業費や管理費の経常費用が33億9,700万円で、当期の経常増減は4,600万円の減でした。これに経常外増減額を合わせた一般正味財産増減額は、4,800万円の減となっています。
 職員総合住宅業務などの特別会計は、住宅使用料収益等による経常収益が47億7,200万円、住宅管理業務費等による経常費用が48億3,500万円でした。この結果、当期の経常増減は、6,300万円の減となり、経常外増減はありませんでしたので、一般正味財産増減額も同額の減となりました。
 健康保険組合、共済会、それぞれの平成24年度の収支予算と事業計画について説明します。
 まず、健康保険組合について、24年度の一般勘定の収支規模は111億2,400万円となり、23年度に比べて11億2,800万円の増加となる見込みです。介護勘定の収支規模は、国から通知された介護保険料の納付金額に基づきますが、24年度は前年度より3,100万円の増加となる見込みです。    
 事業計画については、地域放送局勤務者に対するきめ細かな健康管理と保健指導の実施や、「特定健康診査」の効果的な受診勧奨、「特定保健指導」の利用者増加施策の実施などに取り組んでいきます。
 共済会については、事業収支規模で一般会計は62億2,200万円、特別会計は114億0,600万円となり、一般会計、特別会計ともに23年度に比べて減少する見込みです。
 事業計画については、宿泊施設の効率的な運営と利用者へのサービス・満足度の向上や、育児・介護に関するサポート業務の充実、ライフプランの支援などに努めていきます。

(金田専務理事)  健康保険組合の収支差引が赤字の場合は、繰入金で対応しているということですが、今後の見込みはどうですか。
(吉国理事)  これまで、保険料はできるだけ低く抑え、赤字となる場合には繰入金で対応してきましたが、今後はさらに納付金が増えると予想されることから、精査して対応を検討したいと思います。

(3)部外解説委員の解嘱について
(冷水理事)
 部外解説委員の解嘱について報告します。
 五十嵐公利氏(外交・政治評論家)は、期間満了により平成24年3月31日をもって退任されます。
以上で付議事項を終了した。
上記のとおり確認した。
      平成24年 3月27日
                     会 長  松 本 正 之

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