日本放送協会 理事会議事録  (平成24年 2月21日開催分)
平成24年 3月 9日(金)公表

<会 議 の 名 称>
 理 事 会

<会  議  日  時>
 平成24年 2月21日(火) 午前9時00分〜9時55分

<出   席   者>
 松本会長、小野副会長、永井技師長、金田専務理事、大西理事、
 今井理事、塚田理事、吉国理事、冷水理事、新山理事、石田理事、
 木田理事
 井原監査委員

<場         所>
 放送センター 役員会議室

<議        事>
 松本会長が開会を宣言し、議事に入った。

付議事項

1 審議事項
(1)第1161回経営委員会付議事項について
(2)「改革と活力委員会規程」の新設について
(3)中央放送番組審議会委員の委嘱について
(4)就業規則等の一部改正について
(5)視聴者対応報告(平成24年1月)について

2 報告事項
(1)「放送局のちから」活動報告(平成24年1月)
(2)地方放送番組審議会委員の委嘱について
(3)契約・収納活動の状況(平成24年1月末)
(4)予算の執行状況(平成24年1月末)
(5)「平成22年度業務報告書」に付する総務大臣の意見について

議事経過

1 審議事項
(1)第1161回経営委員会付議事項について
(経営企画局)
 2月28日に開催される第1161回経営委員会に付議する事項について、審議をお願いします。
 付議事項は、議決事項として「中央放送番組審議会委員の委嘱について」と「国際放送番組審議会委員の委嘱について」です。また、報告事項として「視聴者対応報告(平成24年1月)について」、「契約・収納活動の状況(平成24年1月末)」、「予算の執行状況(平成24年1月末)」、「地方放送番組審議会委員の委嘱について」、および「『平成22年度業務報告書』に付する総務大臣の意見について」です。さらに、その他の事項として「平成24年度営業目標値・営業経費計画値について」、「第87回放送記念日記念行事の実施について」、および「『第63回日本放送協会放送文化賞』の贈呈」です。

(会 長)  原案どおり決定します。

(2)「改革と活力委員会規程」の新設について
(経営企画局)
 「改革と活力委員会規程」の新設について、審議をお願いします。
 経営計画および事業計画の着実な実施に必要な事項を検討するため、会長を委員長とし、各役員と関係部局長で組織する「改革と活力委員会(以下、「委員会」)」を新たに設置し、「改革と活力委員会規程」を新設します。
 「改革と活力委員会規程」は、次の4つの条文で構成しています。
 第1条は、委員会の設置の目的について、第2条は、委員会の構成メンバーについて、第3条は、委員会の運営、および第1条の目的を達成するために委員会で検討する事項について、第4条は、委員会の事務局についてです。
 本件が決定されれば、本日から「改革と活力委員会規程」を施行します。

(会 長)  原案どおり決定します。

(3)中央放送番組審議会委員の委嘱について
(木田理事)
 中央放送番組審議会委員の委嘱について、審議をお願いします。
 紫舟氏(書家)と田中ウルヴェ京氏(株式会社 MJコンテス代表取締役、メンタルトレーナー)に、平成24年3月1日付で再委嘱したいと思います。
 本件が了承されれば、2月28日開催の第1161回経営委員会に諮ります。

(会 長)  原案どおり了承し、次回の経営委員会に諮ります。

(4)就業規則等の一部改正について
(総務局)
 就業規則等を一部改正したいので、審議をお願いします。
 まず、「職員就業規則」の改正についてです。
 「職員就業規則」では、給与等の規程について、より明確な表記を図る観点から、見直しを行います。具体的には、「給与の支給における口座振込による支払方法の明記」や「退職年金の支給方法の明記」、および「退職手当の支給日、支給方法の明記」の3項目です。いずれについても、現行の取り扱いが変わるものではありません。
 次に、「スタッフ就業規則」の改正についてです。
 NHKと直接雇用契約を結んで働くスタッフの適正な業務・勤務管理を一層進めるため、休日出勤をした場合の代休制度を新たに導入します。今回の見直しにより、職員同様にスタッフも、休日(所定休日、付加休日、国民の祝日、年末年始)に、所定勤務時間数以上の勤務を行った場合は、翌々月の末日までに代休を付与することができることとなります。
 最後に、「車両使用・管理規程」の改正についてです。
 「車両使用・管理規程」では、業務用車両は、対物賠償額500万円以上の保険に加入することとなっていますが、現在では対物賠償額が無制限の保険に加入していることから、実態に沿った形で規程の見直しを行います。あわせて、営業担当の職員が、営業活動のために使用する原動機付自転車・自動二輪車についても、現在では対人・対物賠償額が無制限の保険に加入しているため、従来これらを除くとしていた規程を見直します。
 この改正は、平成24年4月1日から施行することとします。一部については、遡って適用します。
 本件が決定されれば、労働基準監督署に届け出ます。

(会 長)  今回、規程の見直しを行なう理由は何ですか。
(総務局)  現在、施行している規程について、時代や周辺環境の変化等に伴い、見直しの必要なものがないか、確認作業を行なっています。その中で、順次、適正な改正を行なっていきたいと思います。
(会 長)  規程には、「退職手当を退職発令日に支給する」とありますが、事務手続きとして個別の退職発令日に手当を支給するのは、困難ではありませんか。
(総務局)  退職発令日が事前に分かっていますので、事務手続き上、問題はありません。ただ、死亡退職等の場合は、後日、支給することになりますので、「特別な事情がある場合は、この限りではない」と定めています。
(塚田理事)  今回の規程の改正の中には、平成23年7月1日に遡って適用するものがありますが、何か理由があるのですか。
(総務局)  業務用車両と営業用のバイクの任意保険については、段階的に見直しを行っており、現状に見直した時期に遡って適用することにしました。
(会 長)  実態に合わなくなった規定や表現については、適宜、見直しを行ってください。
 原案どおり決定します。

(5)視聴者対応報告(平成24年1月)について
(総務局)
 放送法第27条に定める視聴者対応の状況について、平成24年1月分を以下のとおり取りまとめました。ついては、放送法第39条第3項の規定に基づき、2月28日開催の第1161回経営委員会に報告したいと思います。
 はじめに、大河ドラマ「平清盛」への反響に関する報告です。
 放送開始から4週間で寄せられた反響は、2,951件で、前回の「江〜姫たちの戦国〜」(1,675件)、前々回の「龍馬伝」(2,636件)に比べて多くなっています。反響内容は、「江」や「龍馬伝」に比べ、“問い合わせ”よりも、“意見”の件数が目立つのが特徴で、男女別では、男性からの反響が約6割と多くなっています。また、年代別では、「江」と同様に、50代・60代からの声が多く寄せられています。
 映像表現については、賛否両論の声が、1月29日までに767件あり、「映像が汚い」、「見づらい」といった声が、60代を中心に寄せられる一方、「リアルな映像がすばらしい」などの好評意見が、40代を中心に寄せられています。NHKふれあいセンターでは、こうした映像表現に関する意見に対して、演出の意図をきちんと説明して視聴者に理解いただくよう努めています。
 また、大河ドラマには、時代考証に関して多くの問い合わせや意見が寄せられています。NHKでは、できるだけ丁寧に時代考証の考え方を説明していますが、今回、寄せられた視聴者の声と対応の例を2件紹介します。
 はじめに“御曹司”という表現に対する意見等についての対応です。第3回放送のサブタイトル「源平の御曹司」について、視聴者から「源氏は“御曹司”でよいが、平家は“公達(きんだち)”と表現するのではないか」という問い合わせがありました。時代考証を担当した専門家によると、“藤原氏”、“平氏”、“源氏”など貴族や上流武家の子息で、まだ独立していない息子を“御曹司”と表現し、彼らよりさらに高貴な身分の子息を表現するときに“公達”を使うということです。栄華を極めた平清盛を描いている鎌倉時代の軍記物語「平家物語」では、平家の子息は“公達”、源氏の子息は“御曹司”と表現されていますが、まだ平清盛が青年期の段階では、平家の家格がそれほどまで高くないので、“御曹司”と表現することにし、ドラマの後半で平清盛が出世したころに、平家の子息を“公達”と表現することにしています。
 次に、平清盛の父・忠盛の昇殿に対する意見等についての対応です。視聴者から「平忠盛が武士として初めて昇殿を許されたと放送していたが、それ以前に八幡太郎義家(源義家)が昇殿を許されているはずなので、間違いではないか」という指摘が寄せられました。これについては、昇殿には、院(上皇)に許されて昇殿する“院の昇殿”と、天皇に許されて昇殿する“内(うち)の昇殿”とがあり、義家が許されたのは“院の昇殿”のため、ドラマにおいては、忠盛が武士として初めて“内の昇殿”を許されたと表現しています。
 続いて、急きょ、全豪オープンテニスを生中継したことについての反響です。プロテニスの錦織圭選手が、男子シングルスで日本の選手としては80年ぶりにベスト8に進出しました。当初、NHKでは大会を放送する予定はありませんでしたが、錦織選手がトーナメントを勝ち上がるにつれ、放送を望む声が寄せられるようになったため、要望に応えようと、急きょ、錦織選手が出場する準々決勝を1月25日に総合テレビで生中継しました。また、放送の決定が、試合前日の夕方という直前の変更だったことから、ニュースの中やスポットなどで、繰り返しお知らせしました。こうしたNHKの対応について、291件の反響がありました。
 NHKに寄せられた視聴者の声(意見・要望、問い合わせ)の総数について報告します。
1月の視聴者の声(意見・要望、問い合わせ)の総数は、33万8,684件で、前月に比べて、問い合わせ件数が2万6,000件程度少なくなっています。
 NHKに寄せられた指摘・意見・要望への対応についての報告です。
 視聴者からの情報提供がきっかけで、迅速な報道対応につながった事例を3件紹介します。
 はじめに、東京都江戸川区で起きた停電についての対応です。1月16日の午後5時頃、視聴者から「見渡すかぎり街が暗くなっており大規模な停電のようだ」という情報や、「生まれたばかりの子どもがいるので停電の情報があれば放送してほしい」という要望が、NHKふれあいセンターに寄せられました。届いた情報を首都圏放送センターに伝えたところ、取材の結果、停電は江戸川区内の変電所のトラブルが原因で、一時2万世帯を超えていたことが分かりました。この情報については、午後6時10分からの「首都圏ネットワーク」で一報を伝え、その後もヘリコプターからの中継映像も交えて伝えました。
 2点目は、イタリアで大型客船が座礁した事故についての対応です。事故を伝えた1月16日の正午の「ニュース」のあと、視聴者から「事故を起こした客船に前年11月に乗船し、船長や船内の映像を撮影しているが、何かに役立つことはないか」という電話がありました。NHKふれあいセンターでは、報道局に連絡し、担当の記者が視聴者の方から映像の提供を受けました。映像は、船内での様子が詳細に分かるもので、当日の「NHKニュース7」や翌日の「NHKニュース おはよう日本」で、この映像を活用しました。
 3点目は、青森県の大雪についての対応です。2月1日午後8時過ぎに、青森県の自治体関係者から、「大雪により国道279号線が渋滞しているため、交通情報を放送してもらえないか」という電話が視聴者ふれあいセンターに寄せられたため、早速、青森放送局に連絡し、対応を依頼しました。青森放送局で取材したところ、国道279号線で100台以上の車が、吹雪のためにおよそ40キロにわたって動けなくなっていたことが分かり、「ニュースウオッチ9」で一報を伝えました。また、県域放送でも、随時、渋滞の状況や立往生して帰宅できない人のための避難所情報などを伝えました。
 誤記・誤読などに対する指摘は、1月に76件(12月は75件)寄せられました。このうち、「父兄」という言葉の使用の指摘が、先月に続いて視聴者から寄せられました。「保護者」などとすべきものです。
 最後に、受信料関係についての対応です。
 受信契約の取次を担当する訪問スタッフの応対などに対する苦情の件数が、訪問スタッフに対する指導などにより、前月、前々月に比べて減少しています。

(会 長)  大河ドラマ「平清盛」の映像表現や、清盛の身なりについて、賛否両論の声が寄せられていますが、どのように対応していますか。
(視聴者事業局)  視聴者の方へは、今回のドラマは、武士と貴族との対比にも力を入れており、清盛が栄華を勝ち取って、上流社会への仲間入りを果たすと、身なりも格段に美しく変わっていきますので、そのあたりもお楽しみくださいと説明しています。
(会 長)  “院の昇殿”、“内の昇殿”という表現については、あらかじめ、きちんと時代考証を行なったうえで、使用しているということですね。
(視聴者事業局)  専門家による時代考証を行ない、セリフの中でも、「武士として“内の昇殿”を許されました」と正確な表現に努めています。
(会 長)  原案どおり決定し、次回の経営委員会に報告します。

2 報告事項
(1)「放送局のちから」活動報告(平成24年1月)
(視聴者事業局)
 受信料支払率向上と接触者率向上の経営2目標の達成に向けた「放送局のちから」活動について、平成24年1月分を報告します。1月は、全国から138件の活動報告が寄せられました。
 はじめに、この冬に見舞われた寒波や大雪に対する各放送局の取り組みを2件紹介します。
 富山県と岐阜県では、日本海側からの湿った空気の影響で、湿り気が多く重い雪がパラボラアンテナに付着し、視聴者から「衛星放送の映像が見えにくい」などの声が寄せられました。そこで富山放送局と岐阜放送局では、地元向けの情報番組やスポット、ホームページなどにより、雪がアンテナに付着することによる受信障害を防止する方法を丁寧に伝えました。
 また、青森県は、最深の積雪が1メートルを超える豪雪に見舞われており、この影響で、雪下ろし中の転落事故による死傷者数が、2月中旬の時点で、前年を100人上回っています。青森放送局では、雪による事故防止の重要性を鑑み、データ放送やホームページを活用して、県内の地域ごとの降雪量予報など、安心・安全のための生活情報を提供しています。また、体を動かす機会が減ってしまう冬の時期は、雪かきなど、急な運動により体調を崩す方が多いことから、夕方のニュース番組やホームページで、地元青森にちなんだ“ご当地体操”を紹介する取り組みを行なっています。
 次に、大津市の近江神宮では、毎年1月に「小倉百人一首 競技かるた 名人位戦・クイーン位戦」を開催しており、NHKでは、平成2年から衛星放送でこの大会の模様を中継しています。大津放送局では、かるたの競技人口が100万人と多く、最近はアニメーションや漫画の影響により、若者の興味が高くなっていることに注目し、衛星放送の一層の普及につなげるため、特設ホームページの開設やイベントの開催など、さまざまな取り組みを行なっています。名人位戦・クイーン位戦の大会の開催前から、「百人一首落語会」や「百人一首講演会」などのイベントを開催し、大会をPRするとともに、ホームページでは、競技かるたの歴史・ルールの紹介や、大会の速報などを掲載しました。これらの取り組みにより、大会当日のホームページのアクセス件数は、3.4万ページビューにのぼり、全国の地域放送局のコンテンツの中で、トップのアクセス件数に達するとともに、衛星契約の増加にもつながりました。
 山口放送局では、地元出身の俳人・種田山頭火にちなみ、夕方6時台のニュース番組に、定形俳句の五七五という音数にとらわれない自由律俳句のコーナーを設けています。この自由律俳句を現代でいう“ツイート”と捉え、若者との接触の強化につなげようと、ツイッター上で俳句を募集し、定期的に句会を開催するとともに、ホームページにおいて優秀作品を紹介する取り組みを行なっています。さらに、深夜の時間帯に、県域向けの特別番組「スゴつぶ」を放送するなど、ツイッターを活用した双方向サービスのモデルを作り上げています。現在、ツイッターのフォロワー(コミュニティーの参加者)数は、1,100人を超えています。
 4月からテレビで県域放送を開始する前橋放送局と宇都宮放送局では、県民へ“地域をサポートするNHK”をPRしようと、さまざまな取り組みを始めています。前橋放送局では、特設のホームページを開設し、群馬県の自然・温泉・食の魅力を紹介しています。宇都宮放送局では、オリジナルキャラクター“いちごどーもくん”を制作し、県内の全市町村をキャラバンして県域放送をPRする活動などを計画中です。
 ふれあいミーティングは、1月に全国で72回開催し、2,418人の方が参加しました。また、1月に全国で取り組んだ業務の改善は84件で、そのうち視聴者からの意見や要望などに基づく改善は38件でした。NHKネットクラブは、大河ドラマ「平清盛」と連動した「視聴者スタンプラリー」などの取り組みにより、会員数が1月末現在で168万人と順調に増えています。

(2)地方放送番組審議会委員の委嘱について
(木田理事)
 地方放送番組審議会委員の委嘱について報告します。
 中国地方で江種則貴氏(中国新聞社論説主幹)に、平成24年3月1日付で新規委嘱します。
 また、24年4月から、「九州地方放送番組審議会」の名称を、「九州沖縄地方放送番組審議会」に変更します。
 本件は、2月28日開催の第1161回経営委員会に報告します。

(会 長)  放送法においては、地域に関して、どのような定めとなっていますか。
(木田理事)  地方放送番組審議会の設置については、放送法第82条第2項において、政令で定める地域ごとに置くものと規定していますが、放送番組審議会の名称については規定がなく、NHKが定めることができます。

(3)契約・収納活動の状況(平成24年1月末)
(営業局)
 平成24年1月末の契約・収納活動の状況について報告します。
 まず、第5期(12月・1月)の収納額は1,126.3億円で、前年度同期を24.1億円上回りました。年間累計は、5,501.6億円で、前年度同時期を102.8億円上回っています。
 一方、前年度分回収額実績は4.7億円となって、前年度同期を1.0億円下回り、年間累計も58.6億円と前年度同時期を3.6億円下回っています。また、前々年度以前分回収額実績は、7.2億円と前年度同期を1.3億円下回り、年間累計も、32.7億円と前年度同時期を5.0億円下回っています。
 放送受信契約総数の増加状況について、第5期は、取次が46.6万件と前年度同期を2.1万件上回ったものの、東日本大震災やアナログ放送終了に伴う解約の影響で、減少が39.3万件と前年度同期に比べ3.8万件上回ったため、増加数は、前年度同期を1.7万件下回る7.3万件となりました。年間累計増加数も、36.4万件と前年度同時期を7.0万件下回っています。
 第5期の衛星契約増加については、取次が前年度同期に比べ1.9万件上回ったものの、東日本大震災やアナログ放送終了の影響などにより、減少が前年度同期を2.0万件上回ったため、増加数は前年度同期を0.1万件下回る16.8万件となりました。また、年間累計も、前年度同時期に比べ9.7万件下回っています。
 第5期末の未収数については、前年度同期を1.7万件下回る4.0万件の削減となりましたが、年間累計は前年度同時期を1.4万件上回る22.3万件の削減となっています。なお、24年1月末の未収現在数は182.0万件となり、前年同時期から27.7万件減っています。
 最後に、口座・クレジットカード支払いの増加数については、前年度同期を1.9万件下回る12.4万件となっており、年間累計も、前年度同時期を4.0万件下回る58.6万件となりました。
 以上の内容は、2月28日開催の第1161回経営委員会に報告します。

(4)予算の執行状況(平成24年1月末)
(経理局)
 平成24年1月末の予算の執行状況について報告します。
 最初に、一般勘定の事業収支の全体概況を説明します。1月末の標準進捗率は、83.3%(10か月/12か月)です。
 事業収入は5,809億円で、進捗率は83.9%と、受信料収入を中心に標準進捗率をやや上回り、順調に推移しています。事業支出は5,517億円で、契約収納費、退職手当・厚生費、減価償却費等が標準進捗率を上回っているものの、全体としては、進捗率が80.1%と堅調に推移しています。この結果、事業収支差金は291億円の黒字となっています。
 事業収入、事業支出それぞれのポイントについて説明します。
 まず、事業収入についてです。
 受信料は、東日本大震災やアナログ放送終了による解約などの減収の影響があるものの、地域スタッフや法人委託等による契約・支払再開活動の一層の強化に取り組んだことなどにより、標準進捗率をやや上回っています。副次収入は、番組の二次利用展開の減などにより、低い進捗率となっています。雑収入は、前々年度以前受信料の回収が増加し、予算を大幅に上回っています。特別収入は、低い進捗率となっていますが、今後は送信チャンネルの変更等に伴う助成金の収入等が見込まれます。
 続いて、事業支出についてです。
 国内放送費は、業務を効率的に実施したことなどにより、全体としては堅調に推移していますが、今後は東日本大震災関連特集番組による支出が見込まれます。契約収納費は、法人委託の拡大により契約・収納体制を一層強化したことで手数料が増加していることなどから、やや高い進捗率となっています。受信対策費は、地上テレビ放送のデジタル化により新たに発生した難視聴地域やビル陰対策のための共聴施設のデジタル化に係る経費の助成件数が減少したことや、テレビ放送のデジタル化への移行が順調に進んだことなどから、低い進捗率となっています。退職手当・厚生費は、22年度における年金資産運用の悪化により退職給付費が増加し、やや高い進捗率となっています。減価償却費は、アナログ放送設備の償却を全額計上していることにより、やや高い進捗率となっています。
 一般勘定の事業収支を前年同月と比較すると、事業収入は受信料収入の増などにより128億円の増、事業支出は完全デジタル化に対応するための経費の増などにより91億円の増で、事業収支差金は36億円の増となっています。
 受信料の状況については、1月末の受信料収入は5,601億円で、前年同月と比較して116億円の増、そのうち受信料収納額が102億円の増、回収予定額が13億円の増となっており、順調に推移しています。
 最後に、番組アーカイブ業務勘定の状況です。
 1月は見逃し見放題契約・特選見放題契約がともに増加基調を維持していることなどから、単月の売り上げが初めて1億円を超え、事業収入は8.7億円となりましたが、事業支出は18.2億円で、事業収支差金はマイナス 9.5億円となり、事業収入の進捗率は68.9%にとどまっています。
 この内容は、2月28日開催の第1161回経営委員会に報告します。

(会 長)  現在の予算の進捗状況について、どのように分析していますか。
(経理局)  収入は順調ですし、支出も堅調に推移していると見ています。

(5)「平成22年度業務報告書」に付する総務大臣の意見について
(経営企画局)
 平成23年6月に総務大臣に提出したNHKの「平成22年度業務報告書」は、総務大臣の意見が付されて、24年2月14日の閣議を経て、国会に報告されました。この総務大臣の意見の内容について報告します。
 意見では、平成22年度決算について「事業収入は6,839億円、事業支出は6,801億円であり、最終的に37億円の黒字を計上している」ことについて、「61億円の赤字を計上していた同年度予算に対し、52億円の増収、46億円の支出削減の結果」であるとしたうえで、「協会(NHK)においては、当初の事業計画に沿った事業運営に加え、受信料の増収や効率化に向けた各種の取組が行なわれた結果であり、適正な事業運営が行なわれている」としています。そのうえで、平成22年度にNHKが実施した業務について、前年度と同様に、「事業計画等に沿って実施したものと認められる事項」と「事業計画等に比し、一層の取組が望ましいと認められる事項」とに分けて、特記すべき事項を掲げています。
 まず、「事業計画等に沿って実施したものと認められる事項」については、具体的な内容を7点挙げています。
 「受信料の支払率等」については、「受信料の支払率等有料契約件数、支払率のいずれについても計画値を達成している」としています。
 「地上テレビジョン放送のデジタル化」については、「送受信対策について着実な取組が行われた。また、地上デジタル放送日本方式の採用国に対し、専門家派遣事業を通じた導入支援・助言が行われた」としています。
 「国際放送」については、「おおむね計画どおりの放送時間を確保するとともに、国際放送独自制作の番組の新設や新たな衛星の運用開始等、番組内容の充実と視聴者の拡充に向けた取組が行われた」としています。
 「地域放送」については、「地域放送番組の放送時間について、計画値を達成している」としています。
 「要員計画」については、「計画どおり、40人の純減が達成され、年度末の人員は1万0,394人となっている」としています。
 「子会社等」については、「年度末の子会社の数は、13社となっており、『平成21〜23年度NHK経営計画』に掲げた数値を達成している。としています。
 「東日本大震災対応」については、今年度新たに挙げられた項目で、「東日本大震災に際して、発生直後から長期間にわたり、テレビ、ラジオの各放送波において、ニュース、関連情報及び被災者の安否確認等に関する番組を集中的に編成するとともに、インターネットでも同時に提供された。また、被災者に対して6か月間の受信料免除が実施された」としています。
 次に、「事業計画等に比し、一層の取組が望ましいと認められる事項」については、具体的な内容を4点挙げています。
 「放送番組への字幕付与等」については、「字幕放送や解説放送等、テレビジョン放送を補完する放送については、一部、協会自ら定めた計画値を達成していない」としています。
 「放送番組の2次利用」については、「有料で提供されているNHKオンデマンドサービス業務については、事業収支差金については計画値の水準にとどまっており、視聴料収入については、計画値の2分の1以下となっている」としています。
 「営業経費」については、「契約収納費、営業経費率のいずれについても計画値を達成していない」としています。
 「コンプライアンス」については、「コンプライアンスに関する職員研修等の取組が行われているが、大相撲取材に係る不祥事、個人情報漏洩(ろうえい)といった情報セキュリティに係る問題がなお生じている」としています。
 この内容は、2月28日開催の第1161回経営委員会に報告します。


以上で付議事項を終了した。
上記のとおり確認した。
      平成24年 3月 6日
                     会 長  松 本 正 之

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