日本放送協会 理事会議事録  (平成23年 9月26日開催分)
平成23年10月21日(金)公表

<会 議 の 名 称>
 理 事 会

<会  議  日  時>
 平成23年 9月26日(月) 午前10時00分〜10時30分

<出   席   者>
 松本会長、小野副会長、永井技師長、金田専務理事、大西理事、
 今井理事、塚田理事、吉国理事、冷水理事、新山理事、石田理事、
 木田理事
 井原監査委員

<場         所>
 放送センター 役員会議室

<議        事>
 松本会長が開会を宣言し、議事に入った。

付議事項

1 報告事項
(1)契約・収納活動の状況(平成23年8月末)
(2)予算の執行状況(平成23年8月末)
(3)放送技術審議会委員の退任について
(4)2011年9月放送評価調査の結果について

議事経過

1 報告事項
(1)契約・収納活動の状況(平成23年8月末)
(営業局)
 平成23年8月末の契約・収納活動の状況について報告します。
 8月の当年度の収納額は523.7億円となり、前年度同月に比べ13.7億円上回りました。年間累計は2,678.4億円で、前年度比55.8億円の増となっています。8月の前年度分回収額は、3.8億円となり、前年度同月を0.2億円上回りました。年間累計は46.5億円となり、前年度同時期を0.7億円上回っています。8月の前々年度以前分回収額は、2.9億円となり、前年度同月を0.5億円上回りました。年間累計は16.3億円となり、前年度同時期を1.7億円下回っています。
 続いて、放送受信契約総数の状況です。8月の取次は前年度同月と比べ、1.7万件の増となっていますが、減少もアナログ放送終了に伴う解約の申出が5.4万件発生するなどの影響により、前年度同月と比べ、8.1万件上回っています。その結果、8月の増加実績は、前年度同月と比べ、6.4万件下回り、3.7万件の減少となりました。年間累計は、前年度同時期を3.2万件下回り、14.5万件の増加となっています。
 8月の衛星契約増加数について、取次は、前年度同月と比べて、2.5万件の増となりましたが、アナログ放送終了に伴う解約の申出や衛星契約から地上契約への変更が4.0万件発生するなどの影響により、減少も前年度同月と比べ、5.9万件上回っています。その結果、8月の増加実績は、前年度同月と比べ3.4万件少ない、3.1万件の増加となっています。年間累計は、前年度同時期を2.4万件下回り、31.7万件の増加となっています。
 この内容は、9月27日開催の第1151回経営委員会に報告します。

(会 長)  8月の契約総数増加が減少し、収納額実績が増収となっている理由は、前年度の契約件数との関係によるものですか。
(営業局)  収納額実績への影響については、前年度同時期と比較した契約増加による増収要素と、当月分の解約による減収要素の2つがあります。このうち解約については、必ずしも当月に影響するとは限りません。例えば、今年8月の場合、アナログ放送終了に伴い、多数の契約の解約等の申出が発生しましたが、収納額への影響は、次の営業期である10・11月に出てくると見込んでいます。
(大西理事)  前払いをしている人が解約した場合、先払いしている分の払い戻しが、1か月後くらいに発生します。例えば、8月に解約した場合、10・11月の営業期に影響することになります。今後は、この影響による減収分を上回る契約取次をしていく必要があります。
(石田理事)  10・11月の営業期に影響が出ると想定した場合、対前年度比がマイナスとなる可能性があるのですか。
(営業局)  現時点において、契約総数がプラスになっていますので、10・11月の営業期に増収幅が縮小する可能性はありますが、マイナスになることはないと思います。

(2)予算の執行状況(平成23年8月末)
(経理局)
 平成23年8月末の予算の執行状況について報告します。
 最初に、一般勘定の事業収支の全体概況を説明します。8月末の標準進捗率は、41.7%(5か月/12か月)です。
 事業収入は2,915億円で、進捗率は42.1%と、受信料収入を中心に標準進捗率をやや上回り、順調に推移しています。事業支出は2,748億円で、契約収納費、退職手当・厚生費が標準進捗率を若干上回っているものの、全体としては、進捗率は39.9%と堅調に推移しています。この結果、事業収支差金は166億円の黒字となっています。
 事業収入、事業支出それぞれのポイントについて説明します。
 まず、事業収入についてです。受信料は、東日本大震災やアナログ放送終了による解約等の減収の影響があるものの、地域スタッフや法人委託などによる契約・支払再開活動への一層のパワーシフトに取り組んだことなどにより、標準進捗率をやや上回っています。副次収入は、映像商品の売り上げの減や放送事業者等への番組提供の減などにより、低い進捗率となっています。財務収入は、6月に関連団体からの配当を受けたため進捗率が高くなっています。雑収入は、前々年度以前受信料の回収が順調に進んでおり、標準を大幅に上回る進捗となっています。特別収入は、8月に鹿児島旧放送会館の土地の売却益がありました。
 続いて、事業支出についてです。
 国内放送費は、東日本大震災に伴う取材経費が増加していますが、業務を効率的に実施したことなどにより、全体としては堅調に推移しています。契約収納費は、法人委託の拡大により契約・収納体制を一層強化したことで手数料が増加し、やや高い進捗率となっています。受信対策費は、地上テレビ放送のデジタル化により新たに発生した難視聴地域やビル陰対策のための共聴施設のデジタル化に係る経費の助成件数が減少したことや、テレビ放送のデジタル化への移行が順調に進んだことなどから、低い進捗率となっています。退職手当・厚生費は、22年度における年金資産運用結果の悪化により退職給付費が増加し、やや高い進捗率となっています。
 一般勘定の事業収支を前年同月と比較すると、事業収入は受信料収入の増などにより73億円の増、事業支出はテレビ放送のデジタル移行に係る追加経費などにより66億円の増で、事業収支差金は7億円の改善となっています。
 受信料の状況については、8月末の受信料収入は2,797億円で、前年同月と比較して65億円の増、そのうち受信料収納額が55億円の増、回収予定額が9億円の増となっており、順調に推移しています。
 最後に、番組アーカイブ業務勘定の状況です。
 8月は見逃し見放題契約・特選見放題契約がともに増加基調を維持していることなどから、単月の売り上げは過去最高を更新しましたが、事業収入は3.7億円、事業支出は8.2億円で、事業収支差金はマイナス4.4億円となり、事業収入の進捗率は29.9%にとどまっています。
 この内容は、9月27日開催の第1151回経営委員会に報告します。
 なお、9月段階の予算の執行状況については、前年度に試行した中間決算を本格的に実施し、中間決算報告(単体・連結)として11月に報告する予定です。

(会 長)  受信料の回収予定額については、例年、回収できているのですか。また、今年度の見込みはどうですか。
(経理局)  例年、回収しています。今年度についても予定額を回収できる見込みです。
(会 長)  中間決算については、NHKの独自の規定に基づき、今年度から本格的に運用するということですね。
(経理局)  おととしまでは、放送法の規定に基づき、年度決算のみを実施してきましたが、財政状態や経営成績を把握してより効率的な経営に資することを目的に、昨年度、試行的に中間決算を実施しました。今年度からは、独自に設けた中間決算規程に基づき、本格的に運用を行いたいと思います。中間決算については、監査法人の監査を受け、経営委員会へも報告する予定です。

(3)放送技術審議会委員の退任について
(永井技師長)
 放送技術審議会委員の退任について報告します。
 若尾正義委員(社団法人電波産業会専務理事)は、任期満了により、9月30日付で退任されます。


(4)2011年9月放送評価調査の結果について
(放送文化研究所)
 2011(平成23)年9月に実施した放送評価調査の結果について報告します。
 放送評価調査は、NHKの放送に対する視聴者の評価を把握するためのもので、2007(平成19)年から年4回実施しています。今回は、9月2日金曜日から4日日曜日までの3日間、電話法(RDD追跡法)により、全国の20歳以上の男女2,544人を対象に実施し、1,693人(回答率66.5%)から回答を得ました。
 調査では、全体評価として「信頼」、「満足」、「親しみ」、「独自性」、「社会貢献」の5項目、側面別評価として「正確・公平」、「生命・財産を守る」、「娯楽性」、「知識・教養」、「実用性」、「地域への貢献」、「文化の継承・発展」、「福祉」、「教育」、「国際理解」の10項目を掲げ、それぞれについて1点から5点で回答してもらいます。結果は、4点以上の肯定的評価があった回答の率で表わします。
 今回、全体評価では、「社会貢献」が69%と前年度平均(65%)と比べて、高くなっています。側面別評価では、「生命・財産を守る」が76%(前年度平均73%)、「教育」が53%(前年度平均50%)、「地域への貢献」が45%(前年度平均42%)と高くなっています。
 男女年層別の全体評価を見ると、男性の20・30代の評価が、有意差のない項目もありますが、全ての項目で高くなっており、今回の調査の特徴となっています。これにより、NHKの課題であった年層間の差が、若干、縮まりました。女性40・50代では「社会貢献」が65%(前年度平均57%)、「満足」が54%(前年度平均47%)となり、前年度平均より高い評価となっています。
 側面別評価では、全体評価の特徴と同様に、男性の20・30代の「娯楽性」の評価が39%と前年度平均(28%)と比べて、高くなっています。男性60歳以上では、「実用性」が66%(前年度平均61%)、「文化の継承・発展」が70%(前年度平均63%)と高くなっています。一方、女性60歳以上の「正確・公平」が66%と前年度平均(71%)と比べて、下がっています。
 地方別の全体評価については、北海道・東北の「信頼」が73%(前年度平均62%)、「社会貢献」が74%(前年度平均63%)と高くなっています。また、中部・甲信越の「満足」が65%(前年度平均58%)、「社会貢献」が73%(前年度平均67%)と高くなっています。
 地方別の側面別評価については、北海道・東北の「国際理解」が54%(前年度平均45%)、「文化の継承・発展」が62%(前年度平均50%)、「地域への貢献」が58%(前年度平均47%)と高くなっています。また、近畿の「教育」が51%と前年度平均(43%)と比べ、高くなっています。
 全体評価のうち「信頼」、「満足」、「親しみ」について、これまでの評価の推移を見ると、いずれも2009(平成21)年度から上昇傾向にあり、今回も引き続き高い数値を維持しています。
 全体を通しまして、「社会貢献」、「地域への貢献」など、“貢献”への評価が前年度より高くなっています。また、北海道・東北でのNHKへの評価が上がっており、東日本大震災におけるNHKの取り組みが、視聴者に良い印象で受け止められていると思います。

(副会長)  今回の調査結果には、調査期間中に発生した台風12号による影響も表れているということはありませんか。
(放送文化研究所)  災害報道に対する高い評価が、全く影響していないとは言えませんが、若年層で「娯楽性」の評価が上がっているのを例にとっても、災害報道に限らず、NHKの取り組み全体が評価されてきていると思います。
(会 長)  男性20・30代の評価が上がっていますが、どのように分析していますか。
(木田理事)  「NHKニュース7」や「ニュースウオッチ9」においても、今年の5月あたりから、男性30代の視聴率が上がってきていますので、全体的に評価が上がってきていると見ています。
(会 長)  地域別に見ると、北海道・東北で評価が上がっているのに対し、近畿では評価が低いように受け取れますが、そのような傾向があるのですか。
(放送文化研究所)  両方の地域とも、年度ごとの推移を見ると、評価が上がってきています。近畿についても、他の地域に比べると低いように見えますが、着実に評価が上がってきています。


以上で付議事項を終了した。
上記のとおり確認した。
      平成23年10月18日
                     会 長  松 本 正 之

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