日本放送協会 理事会議事録  (平成23年 6月28日開催分)
平成23年 7月15日(金)公表

<会 議 の 名 称>
 理 事 会

<会  議  日  時>
 平成23年 6月28日(火) 午前10時40分〜10時55分

<出   席   者>
 松本会長、小野副会長、永井技師長、金田専務理事、大西理事、
 今井理事、塚田理事、吉国理事、冷水理事、新山理事、石田理事、
  木田理事

 井原監査委員

<場         所>
 放送センター 役員会議室

<議        事>
 松本会長が開会を宣言し、議事に入った。

付議事項

1 審議事項
(1)日本放送協会平成22年度財務諸表について
(2)平成22年度NHK連結決算について
(3)「視聴者視点によるNHK評価委員会」の平成22年度評価報告書を
   受けて
(4)「関連団体運営基準」の変更案の一部修正について
(5)放送受信規約取扱細則の一部変更について

2 報告事項
(1)放送技術審議会委員の委嘱について
(2)放送番組審議会議事録(資料)

議事経過

1 審議事項
(1)日本放送協会平成22年度財務諸表について
(経理局)
 NHKの平成22年度決算についての財務諸表を取りまとめましたので、審議をお願いします。
 まず、収支決算については、一般勘定における事業収入は6,839億円で、前年度(21年度)比140億円の増収となりました。そのうち受信料収入は、受信契約件数の増加等により、155億円の増収となりました。
 一方、事業支出は6,801億円で、前年度比226億円の増となりました。これは、完全デジタル化に向けてデジタル追加経費を増額したことや、アナログ送受信設備の撤去のため、固定資産撤去費用引当金繰入を計上したことなどによるものです。この結果、事業収支差金は37億円の黒字となり、財政安定のための財源として繰り越します。なお、財政安定のための繰越金の年度末残高は、建設費および債務償還の財源として36億円使用した一方、事業収支差金37億円が新たに発生したため、前年度末とほぼ同額の1,262億円となりました。
 予算との比較では、事業収入は、受信料の増加等により、予算を52億円上回りました。また、事業支出は、アナログ送受信設備について固定資産撤去費用引当金繰入を計上したものの、効率的な業務運営を徹底し、46億円の予算残となりました。この結果による事業収支差金37億円の黒字は、当初予算が61億円の赤字を見込んでいたのに対し、99億円改善したこととなります。
 続いて、協会全体の財務状態等についてです。
 資産は、固定資産の増加等により、前年度比220億円増の8,722億円となりました。負債は、3,108億円となっており、このうち外部資金の残高は100億円です。これについては、23年度中に全額償還する見込みです。純資産は5,613億円となり、自己資本比率は64.4%となっています。
 損益の状況については、受信料が増加した一方で、事業支出を抑制したことから、経常収支差金は223億円となりましたが、特別支出に固定資産撤去費用引当金繰入を計上したため、当期事業収支差金は、前年度比82億円減の19億円となりました。
 最後にキャッシュ・フローについては、事業活動によるキャッシュ・フローの増加が、投資活動と財務活動のキャッシュ・フローの減少を上回り、22年度末における資金残高は、前年度末から434億円増の1,357億円となりました。
 以上については、放送法第40条の規定に基づき、会計監査人たる監査法人から「独立監査人の監査報告書」を受領しており、監査の結果、「すべての重要な点において適正に表示しているものと認める」との監査意見が表明されています。
 以上の内容が了承されれば、本日開催の第1146回経営委員会に議決事項として提出します。経営委員会での議決を得たうえで、監査委員会の意見書および会計監査人の報告書を添えて、総務大臣に提出することにしています。

(会 長)  原案どおり了承し、本日の経営委員会に諮ります。

(2)平成22年度NHK連結決算について
(経理局)
 平成22年度のNHK連結決算について取りまとめましたので、審議をお願いします。NHK連結決算における連結の範囲については、連結子会社13社、および持分法適用会社2社を対象としています。
 経営成績については、受信料の増加等により経常事業収入が増加したことなどから、経常収支差金は、前年度(21年度)と比較して145億円増の293億円となりました。ただし、NHK本体において、アナログ送受信設備の撤去のための固定資産撤去費用引当金繰入を特別支出に計上したことから、最終的な当期事業収支差金は、前年度比70億円の減となる、38億円の黒字にとどまりました。
 財政状態については、資産合計は、前年度末と比較して247億円増の9,887億円となりました。また、固定資産撤去費用引当金の計上に伴う、その他の固定負債の増加等により、負債合計は、前年度末比206億円増の3,481億円となりました。純資産合計は、前年度末比40億円増の6,406億円となり、自己資本比率は63.1%となりました。
 最後に、連結キャッシュ・フローについては、事業活動による収入が投資活動による支出を上回ったことなどから、現金および現金同等物の期末残高は、前年度末から444億円増加し、1,722億円となりました。
 なお、連結財務諸表についても、NHK単体の財務諸表と同様に、監査法人から「独立監査人の監査報告書」を受領しており、監査の結果「すべての重要な点において適正に表示しているものと認める」との監査意見が表明されています。
 以上の内容が決定すれば、本日開催の第1146回経営委員会に報告事項として提出します。

(会 長)  原案どおり決定します。

(3)「視聴者視点によるNHK評価委員会」の平成22年度評価報告書を
   受けて
(経営企画局)
 NHKの事業運営について、より視聴者の視点に立って評価し、公共放送の価値の向上に向けた提言等を行うことを目的に、外部の有識者からなる「視聴者視点によるNHK評価委員会」を、平成21年度に設置しました。同委員会は、「放送の信頼性」と「経営の信頼性」の2つの柱、8つの指標を設定し、評価の作業を続けてきましたが、本日、その平成22年度の評価報告書が会長に提出されました。
 それを受けて、NHK執行部の見解を取りまとめ、公表することとしたいので、審議をお願いします。
 見解の本文は次のとおりです。
 「視聴者視点によるNHK評価委員会」は、外部の有識者で構成するNHK会長の諮問機関です。視聴者調査などをもとに、公共放送に対して視聴者の皆さまが何を期待しているか、また、その期待にNHKがどの程度応えているかを客観的に評価することをねらいとしています。
 本日、2年目となる平成22年度の評価結果が松本会長に答申されました。
 その報告書によると、評価の柱である「放送の信頼性」の評点は5段階評価で3.8点、「経営の信頼性」の評点は2.7点で、いずれも21年度に比べて0.2点向上しています。評価の柱を構成する8つの指標のうち7つで評点が向上しています。
 また、NHKの放送サービスについて、視聴者に支払い意思額(WTP:Willingness To Pay)を尋ねた結果、21年度と同様に、地上波・衛星波ともに現行の受信料額を上回っています。
 さらに、評価委員会からは、「放送・通信融合時代の新しいサービスについても、視聴者の期待は高いので、これに応えていく必要がある」などの貴重な提言もいただきました。
 NHKとしては、高い評価をいただいた指標について、なお一層の向上をめざして努力してまいりますとともに、21年度に比べやや厳しい評価をいただいた「誠実さ・透明性」の指標については、これを真摯に受け止め、重点的に取り組んでまいります。
 また、評価委員会からいただいた様々な提言についても、今後の経営に生かしてまいりたいと考えています。
 評価報告書および概要版は、NHKのホームページに掲載し公表します。
 以上の内容が決定されれば、本日開催の第1146回経営委員会に報告した後、評価報告書およびその概要版と合わせて公表します。

(会 長)  原案どおり決定します。

(4)「関連団体運営基準」の変更案の一部修正について
(経営企画局)
 前回6月21日の理事会で、放送法改正に伴う諸規程等の改正を決定しましたが、そのうち、関連団体運営基準について、内容をさらに一部修正したいので、審議をお願いします。
 これは、関連団体運営基準にそのまま記載している総務省の文書が変更となることが、前回の理事会後に判明したことから、該当する箇所についてあらためて一部用語の修正等を行うものです。規定する内容は、実質的に変わりません。
 施行の期日は、前回と同じく6月30日とします。

(会 長)  原案どおり決定します。

(5)放送受信規約取扱細則の一部変更について
(営業局)
 日本放送協会放送受信規約(以下、「受信規約」)の変更に伴い、放送受信規約取扱細則(以下、「取扱細則」)の一部を変更したいので、審議をお願いします。
 受信規約の変更内容は、「アナログ放送終了に伴う契約手続きの規定」と、「受信料免除における確認調査の実施」に関するものでした。前者は、アナログ放送終了によりテレビ放送を受信できなくなった受信契約者について、アナログ放送終了から1年以内に契約終了のための必要事項をNHKに届け出ること、届出内容が事実と確認できればアナログ放送の終了日にさかのぼって契約終了等と取り扱うことなどを規定したものです。後者は、受信料免除の対象者について、免除事由の証明先への照会等によりその事由の存続を調査すること、調査を通じて免除事由の継続が確認できなかった場合は免除を終了することなどを規定したものです。
 これらの変更を受けて、取扱細則の関係箇所を変更するとともに、新たな条項を追加します。具体的には、「アナログ放送終了に伴う契約手続きの規定」に関しては、第6条において関係する規定の項目を追加するとともに、第11条「廃止届の受理」を「解約手続き」と改め、内容を修正します。また、付則においても関連の修正を行うほか、他の箇所でも関連する字句修正を行います。「受信料免除における確認調査の実施」に関しては、第16条の2を新設し、関連する内容を規定します。その他、放送法の条文番号の変更に伴う字句修正も実施します。
 以上の変更については、平成23年7月1日から施行します。

(会 長)  今回の変更により、解約の手続きのしかたが明確になるのですか。
(営業局)  従来の“廃止”の手続きについては、これまで受信規約上に具体的な規定はなく、この取扱細則で「廃止届を提出する」とだけ規定していました。先に受信規約を変更し、今回あらためて取扱細則の中で「解約手続き」という形で規定することで、受信規約とその取扱細則の規定を統一します。さらに今回、受信規約において解約の際の「事実の確認」について、特に規定しましたので、これを取扱細則においても規定することで解約手続きの手順が明確になったと考えます。
(会 長)  原案どおり決定します。

2 報告事項
(1)放送技術審議会委員の委嘱について
(永井技師長)
 放送技術審議会委員の委嘱について報告します。
 宇治則孝氏(日本電信電話株式会社代表取締役副社長)に、平成23年7月1日付で再委嘱します。


(2)放送番組審議会議事録(資料)
 編成局および国際放送局から、中央放送番組審議会、国際放送番組審議会、全国の地方放送番組審議会(関東甲信越、近畿、中部、中国、九州、東北、北海道、四国)の平成23年5月開催分の議事録についての報告(注)。

 注:

放送番組審議会の内容は、NHKホームページの「NHK経営情報」のなかに掲載しています。


以上で付議事項を終了した。
上記のとおり確認した。
      平成23年 7月12日
                     会 長  松 本 正 之

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