日本放送協会 理事会議事録  (平成22年12月14日開催分)
平成23年 1月 7日(金)公表

<会 議 の 名 称>
 理 事 会

<会  議  日  時>
 平成22年12月14日(火) 午前9時00分〜9時35分

<出   席   者>
 福地会長、今井副会長、永井技師長、金田専務理事、日向専務理事、
 溝口理事、八幡理事、大西理事、今井理事、黒木理事、塚田理事、
 吉国理事

 井原監査委員

<場         所>
 放送センター 役員会議室

<議        事>
 福地会長が開会を宣言し、議事に入った。

付議事項

1 審議事項
(1)第1132回経営委員会付議事項について
(2)視聴者対応報告(平成22年11月)について
(3)京都放送会館移転整備について
(4)政見放送及び経歴放送実施規程の一部改正に伴う協議について

2 報告事項
(1)11月「全国接触者率」「全国個人視聴率」「放送評価」調査の結果
   について


議事経過

1 審議事項
(1)第1132回経営委員会付議事項について
(経営企画局)
 12月21日に開催される第1132回経営委員会に付議する事項について、審議をお願いします。
 付議事項は、審議事項として「平成23年度予算編成について」、報告事項として「視聴者対応報告(平成22年11月)について」、「契約・収納活動の状況(平成22年11月末)」、「財政の現況(平成22年11月末)」、「子会社等の事業運営状況について」、「京都放送会館移転整備について」、および「地方放送番組審議会委員の委嘱について」です。また、その他の事項として「11月『全国接触者率』『全国個人視聴率』『放送評価』調査の結果について」です。

(会 長)   原案どおり決定します。


(2)視聴者対応報告(平成22年11月)について
(視聴者事業局)
 放送法第12条に定める視聴者対応の状況について、平成22年11月分を以下のとおり取りまとめました。ついては、放送法第22条の2第3項の規定に基づき、12月21日開催の第1132回経営委員会に報告したいと思います。
 11月にNHKに寄せられた視聴者の声の総数は、35万8,477件でした。前月より1万2千件ほど増えています。内訳は、苦情を含む「意見・要望」が、6万7,909件(19%)、「問い合わせ」が、24万9,423件(70%)、「その他・不明」が、4万1,145件(11%)でした。苦情や要望などを含めた意見のうち、1次窓口で対応を完了した件数の割合は90%で、残りの1割は、該当部局に転送し2次対応しました。
 平成22年の大河ドラマ「龍馬伝」が、11月28日に最終回を迎え、全48回の放送を終えました。この11か月間に視聴者から寄せられた問い合わせや意見は1万8千件近くにのぼり、このうち、ふれあいセンターで受け付けた件数は1万2,321件ありました。スペシャルドラマ「坂の上の雲」の放送のため、例年より短い11月末までの放送期間にもかかわらず、ふれあいセンター(旧コールセンター)に寄せられた件数では、過去10年間の大河ドラマで最も多くなっています。「龍馬伝」は、深みのある映像が撮影できるプログレッシブカメラを使った映画のような画面や、シーンをこま切れではなく複数のカメラで一気に撮影する手法など、これまでの大河ドラマにはない演出に注目が集まりました。また、登場人物の描き方や史実の扱い方に対して、賛否両方の意見が多く寄せられたのが特徴です。
 「龍馬伝」で、視聴者からの指摘に対応した事例を紹介します。このドラマでは、長州藩の伊藤俊輔(後の博文)を尾上寛之さんが、同じく井上聞多(後の馨)を加藤虎ノ介さんが演じましたが、最終回のタイトルバックに流れた出演者の字幕では、2人の役が逆に表示されていたという指摘が複数寄せられました。指摘のとおりでしたので、再放送では正しい役名で放送しました。
 また、11月21日放送の第47回の末尾に放送した「龍馬伝紀行」で、大政奉還が行われた京都の二条城を紹介する際、「徳川家康が将軍に任命された二条城」とコメントしたところ、「家康が将軍に任命されたのは伏見城で、二条城は任命後に供宴をしたところのはずだ」という指摘があり、事実を確認したうえで、再放送では、この部分のナレーションを削除するとともに、番組のホームページでおわびしました。
 最終回の総合テレビでの放送中、午後8時55分過ぎに愛媛県知事選挙の「当選確実」を字幕スーパーで速報しましたが、ちょうど坂本龍馬が暗殺されるクライマックスシーンにスーパーが重なったため、その直後から、意見や苦情がふれあいセンターに殺到しました。午後9時から10時までの1時間で、ふれあいセンターにかけられた電話の数は8,900本を超え、このうち実際に応対できたのは216件でした。報道機関であるNHKとしては、選挙で当選確実と判断できればすみやかに速報・放送することが、視聴者や有権者の関心に応えるものだと考えています。今回の選挙についても、こうした方針に基づいて速報スーパーを出したものです。
 11月に放送番組全般に関して寄せられた意見・要望・問い合わせなどの反響総数は12万7,916件で、そのうち意見は4万2,367件、問い合わせは8万5,549件でした。反響が最も多かったのは、今年の大みそかに予定している「第61回NHK紅白歌合戦」(5,644件)、次いで「龍馬伝」最終回(3,176件)でしたが、3位となった11月17日放送の、ためしてガッテン「600万人を襲う!謎の不元気症候群」(1,954件)をはじめ、11月に放送した「ためしてガッテン」の4本すべてが反響数の上位10番組に入っています。
 視聴者から寄せられた意見や要望への対応事例を紹介します。
 ドラマ10「セカンドバージン」には、第1回の放送直後から、主演している鈴木京香さんが身に着けている衣装やバッグ、アクセサリーなどについての問い合わせが寄せられています。問い合わせは、20〜40代の女性が中心で、毎回数十件にのぼっています。制作部局では、詳細な対応資料を作成し、それを基にふれあいセンターなどで回答しています。
 10月24日放送の「蒼穹の昴」第5回で、主人公の1人、春児(チュンル)が京劇を演じるシーンがありましたが、京劇の演目「冀(き)州の戦い」について解説するテロップで、「馬超(京劇の主人公)は冀州の城主」と説明したところ、馬超が登場する「三国志」のファンの方から、「馬超は冀州の城主ではなく、涼州の冀城の城主ではないか」という指摘がありました。指摘のとおりでしたので、11月11日の再放送では、当該のテロップを「豪傑として知られる馬超」と改めました。
 11月2日放送の「NHKニュース7」で、小澤征爾さんがウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の名誉団員に選ばれたニュースを伝えた際に、過去の有名な名誉団員を写真入りで紹介したところ、世界的な指揮者・作曲家のレナード・バーンスタインの写真が間違っているという指摘がありました。当該の写真は、映画「荒野の七人」などの音楽を担当した作曲家のエルマー・バーンスタインのものでしたので、翌日の放送で2人の写真を紹介して訂正しました。
 11月21日放送の、大人ドリル「どうする?日本の安全保障」で、NHK解説委員が、「ペリーの黒船は、太平洋を渡って日本に来た」と解説しましたが、史実では、ペリーは大西洋を横断し喜望峰からインド洋を経由して日本に来航しました。このことについて複数の視聴者から指摘があり、11月24日の再放送では、この部分をカットして放送しました。
 その他の問い合わせや意見について報告します。
 衛星放送について、「雨が降っているが、NHKのBSが全く映らない。民放の衛星放送のほうが映りが良い。どうしてか」という質問が寄せられました。これについては、NHKに割り当てられている放送衛星のチャンネルに理由があります。NHKと民放が利用している放送衛星のチャンネルには1、3、13、15chがあり、NHKには15chが、各民放には1、3、13chのいずれかが割り当てられています。衛星放送の電波はチャンネルの数字が大きいほど周波数が高くなりますが、周波数が高いほど降雨の影響を受けるため、激しい雨のときなどは民放に比べNHKの放送に影響が出やすくなっています。問い合わせをいただいた方には、こうしたことを説明するとともに、少しの雨でも衛星放送にノイズが生じる場合は、アンテナを向ける方向を微調整すれば改善する可能性があることを伝え、お近くの電器店に相談することもお勧めしました。
 紅白歌合戦の入場整理券が、インターネットのオークションサイトに出品され高額で売買されていることを指摘し、こうした状態を放置しないように求める意見が寄せられました。これについて、NHKでは、入場整理券の売買は禁止としており、入場券の券面に「売買禁止」や「インターネットオークション等での売買を固く禁じます」という注意書きを記載しています。特に紅白歌合戦では、入場券の売買を防止する対策として、券面に応募者の名前と住所を記載しています。それにもかかわらず、入場券がインターネット上で売買されていることについては、主催者としてたいへん遺憾であり、オークションサイトを運営する会社に対し、該当する出品を削除するように求める「要望書」を送付するなどの対応を行っています。しかしながら、このような行為に対する法整備がなされておらず、残念ながら出品の削除は運営会社の判断に委ねるしかないのが現状です。公正で円滑な業務遂行のために、運営会社に早急な対応をしてもらえるよう、引き続き求めていきたいと思います。
 テロップなどの誤記や原稿などの誤読、事実関係の間違いなどについては、視聴者からの指摘に基づき確認した結果、11月は34件で、前月より10件減りました。いただいた指摘については、番組担当者に連絡し、放送の中で訂正するように努めるとともに、再発防止に向けて放送関係の部局に周知し、現場に注意を喚起しました。
 放送受信料に関しては、11月に17万1,626件の意見や問い合わせが寄せられ、そのうち、ふれあいセンター(営業)では12万1,724件を受け付けました。営業部門では、業務全般に及ぶリスクの点検やお客様とのトラブルの未然防止等に向けて、すべての職場で職員検討会を実施するなど、適切で丁寧なお客様対応への意識づけに継続的に努め、お客様とのトラブルや苦情等の抑止を図っています。

(吉国理事)  ドラマ10「セカンドバージン」の衣装や小物類に関する問い合わせへの対応について、視聴者からの問い合わせに丁寧に答えることは大事ですが、その際は、商品の宣伝につながらないよう、注意してほしいと思います。応対のしかたが、商品を薦めているように受け取られることがないようにしてください。
(副会長)  それについては、考査室でも、ホームページでの紹介を含めて、番組関連の商品に関わる情報が過度にならないよう、関係部局に注意を呼びかけています。
(会 長)  原案どおり決定し、次回の経営委員会に報告します。

(3)京都放送会館移転整備について
(経理局)
 京都放送会館については、今年6月8日の理事会、および6月22・23日の第1121回経営委員会で、整備方針と用地取得が決定したことを受けて、京都市中京区烏丸通御池地区の用地を取得し、移転整備の準備を進めてきました。その後、具体検討に着手し、地上デジタル放送時代への対応、視聴者サービス、環境への対応などの整備概要がまとまったことから、基本設計に着手することとしたいので、審議をお願いします。
 整備概要の基本コンセプトは、次の4点です。第1に、「社会的使命の全うと環境重視」です。京都府内の災害情報をいち早く的確に報道するとともに、京都議定書議決の地にある放送局として地球環境に配慮した放送会館とします。第2に、「府民が訪れやすい開かれた放送局」とします。会館の移転地には、1日数千人の往来があります。その地の利を生かし、人々の交流の広場を設けます。第3に、「京都ならではのサービスの充実」です。伝統文化・芸能や歴史など“京都ブランド”の魅力を、よりタイムリーに発信できるようにします。第4に、「京都から全国、そして世界に向けての発信拠点」とします。年間5,000万人の国内外の観光客、100万人の修学旅行生が訪れる京都市の放送局にふさわしい会館とします。
 これらの基本コンセプトに基づく新放送会館の機能として、まず、多くの来館者を迎えるため、内部に一定の視聴者公開スペースを確保します。公開スペースは、1・2階吹き抜けとし、2階に回廊部分も設けて、公開番組やイベントの実施など多様な視聴者サービスが展開できるようにします。また、3階に放送センター機能を集めワンフロア化するとともに、大規模スタジオを整備します。大規模スタジオでは、夕方6時台の地域向けニュース情報番組など地域放送番組の多彩な演出を実現するとともに、緊急時には遮音シャッターにより2つのスタジオに分割可能とし、緊急報道と番組制作を両立させます。環境への配慮については、太陽光発電など自然エネルギーの活用や、蓄熱システム等の電力消費を節減するシステムの導入、屋上緑化などにより、エコ会館を目指します。
 会館の規模については、放送設備の省スペース化や、放送センターをワンフロアに集中させる効率的なレイアウトにより、延床面積が現在は5,806m2あるものを5,598m2に縮小して、コンパクトな放送会館とします。
 今後のスケジュールについては、平成23年1月から設計者を選定、同年6月から基本設計に入りたいと考えています。その後、実施設計を経て25年2月に着工し、26年8月に建物を完成させて、27年1月から運用を開始する予定にしています。
 本議案が決定されれば、12月21日開催の第1132回経営委員会に報告事項として提出します。

(会 長)   原案どおり決定します。


(4)政見放送及び経歴放送実施規程の一部改正に伴う協議について
(編成局)
 「政見放送及び経歴放送実施規程(平成6年自治省告示第165号)」の一部改正について、公職選挙法の規定に基づき総務大臣から文書で協議がありました。これに対する回答について、審議をお願いします。
 今回の改正案は、政見放送での手話通訳について、従来、参議院比例代表選挙、衆議院比例代表選挙、および衆議院小選挙区選挙での持ち込みビデオ方式において認めていたものを、都道府県知事選挙にも認めるものです。導入時期は、改正規程の施行日以降に告示される都道府県知事選挙、具体的には、来年4月10日に投票が行われる統一地方選挙前半の知事選挙からで、手話通訳士の確保は各候補者が行うこととなっています。
 NHKでは、障害者団体からの強い要望に加え、弱者への手厚い対応を図る基本姿勢に沿うことから、総務省とともに積極的に検討を進めてきました。しかし、都道府県知事選挙は全国47の都道府県が対象となり、政見放送の公平性を保つには地方でも大都市部と同質の手話通訳士が欠かせないことから、これまで導入を見合わさざるを得ない状況でした。こうした中、地方でも手話通訳士の育成が進み、仮に手話通訳士の少ない県でも応援が得られる見通しがついたことから、放送局ごとの収録に必要な人材の確保が可能になったと考えられます。そこで、NHKとしても、実施に向けての環境が整ったとの判断から、今回の改正は妥当と考えます。
 ついては、改正に同意する旨を回答したいと思います。
 なお、総務省では、本改正案について意見募集を行った後、平成23年3月15日から施行したいとしています。NHKでは、これに合わせて、「政見放送および経歴放送取扱要領」の改正など必要な準備や対応を進め、来年の統一地方選挙前半の都道府県知事選挙に備えます。

(会 長)   原案どおり決定します。


2 報告事項
(1) 11月「全国接触者率」「全国個人視聴率」「放送評価」調査の結果について

(放送文化研究所)
 2010(平成22)年11月に実施した、全国接触者率調査、全国個人視聴率調査、および放送評価調査の結果について報告します。
 今回の調査結果のポイントをまとめました。接触者率は、80%を経営目標としているのに対して、今回は74.9%でした。前年、2009(平成21)年同期は76.8%、前回、今年6月の調査では、74.5%でした。今回、録画再生などの放送外リーチが21.2%と、前年同期(18.2%)に比べ増えました。個人視聴率では、連続テレビ小説「てっぱん」から「あさイチ」と続く朝8時台の番組が引き続き好調です。これに対して、平日夜間の個人視聴率が、全般的に前年同期より下がっています。放送評価では、NHKへの「親しみ」が53%で、前年11月の調査から5回連続で50%を超え、安定した評価を得ています。
 では、個別の調査結果について詳細を報告します。最初に全国接触者率調査の結果です。
 この調査は、「平成21〜23年度 NHK経営計画」で経営目標の1つとしているNHKへの接触者率について、3−Screensの観点から調べるものです。放送の視聴だけでなく、録画再生やインターネット、DVDやビデオなど、放送以外の媒体による接触も含めたメディアへの接触状況を測ります。番組関係の出版物やイベントへの参加は対象に含みません。今回は、11月15日月曜日から21日日曜日までの1週間、全国の7歳以上3,600人を対象に、1日単位で5分以上の視聴・利用があったかどうかを記入する方法で実施しました。有効数は2,538人、有効率は70.5%でした。
 今回、NHK全体リーチ(放送、放送以外を問わず、NHKに接触した人の割合)は74.9%でした。前年同期から1.9ポイント減っています。ただし、今年6月の調査と比べると、0.4ポイント増えています。いずれも、有意差はありません。今回、放送外リーチが21.2%と、前年同期より3ポイント増えています。今年6月の調査でも前年同期より増えましたので、放送外リーチは、このところ着実に増えていると言えます。放送外リーチが増えたのは、録画再生(14.7%)の増加に加え、NHKの公式サイトやNHKからの提供ウェブサイト、動画配信サイトなどインターネット(6.1%)の利用増加によるものです。各放送波のリーチでは、「2010広州アジア大会」の放送があった衛星第1と、受信機の普及が拡大している衛星ハイビジョンが増えています。
 NHK全体リーチを年層別に見ると、50代〜70歳以上のリーチが引き続き高く、40代以下へのアプローチが必要な状況が続いています。ただ、放送外リーチでは、世代間の差があまりありません。19歳以下の若い層でも、放送外での接触では、他の世代並みかそれ以上という結果が出ています。若い世代は他の世代に比べてインターネットの利用が特に多く、NHK携帯サイトや動画共有サイトなどの利用の割合が高いことが特徴です。
 NHK全体リーチのうち、放送と放送外それぞれの接触を見ると、「放送のみ」のリーチが53.6%で、前年同期(58.6%)より減った一方、「放送と放送外両方」のリーチは19.6%で前年同期(16.5%)より増えています。年層別では、13〜19歳の世代で「放送外のみ」の接触が6%あることが特徴的です。NHKへの接触が全くない「放送と放送外のいずれもなし」は25.1%となっています。
 接触者率調査の最後に、2008(平成20)年12月に開始したNHKオンデマンドサービス(NOD)の認知と利用について報告します。今回、NODを認知している割合は20.4%、利用している割合は1.1%となっており、いずれも前年同期(認知17.3%、利用0.6%)より増えています。
 次に、全国個人視聴率調査の結果について報告します。
 調査は11月15日月曜日から21日日曜日までの1週間、全国の7歳以上3,600人を対象に、配付回収法による24時間時刻目盛り日記式(個人単位)で実施しました。有効数は2,493人、有効率は69.3%でした。今回の調査期間には、「2010広州アジア大会」の放送がありました。
 総合テレビでよく見られている番組は、大河ドラマ「龍馬伝」(14.5%)、「NHKニュース7」(13.2%※)、連続テレビ小説「てっぱん」(12.6%※)などです(※は各曜日の中で最も視聴率が高い曜日の数値)。今年6月の調査では、連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」が13%ありましたが、「てっぱん」の視聴率もほとんど変わらず、健闘していると言えます。また、近畿では、「龍馬伝」の視聴率が16.3%ありました。前年同期の「天地人」は、近畿での視聴率が12.7%でしたので、「龍馬伝」は、近畿で非常によく見られていると言えます。
 総合テレビの時間帯ごとの個人視聴率について見ていきます。
 今年度の番組編成の改定では、朝の時間帯が大きなポイントでした。朝の「連続テレビ小説」の視聴率について推移を見ると、総合テレビ・衛星第2・衛星ハイビジョンそれぞれの放送の単純合計で、前年同期の16.4%から今回は21.2%に上昇し、総合テレビ本放送のみでも、前年同期の9.1%から今回は11.8%に上昇して、前年の落ち込みから急回復を見せています。これは、今年度前半期の「ゲゲゲの女房」からの傾向です。「あさイチ」についても、番組のおもな対象層としている40・50代女性の視聴が大幅に増えています。さらに高齢層からも、厚い支持を得ています。
 平日夜間については、夜8時台の視聴率が、今回、平日平均で7.4%でした。2000(平成12)年の調査では、平日平均で11.7%ありましたので、この10年間で大きく下がっています。番組ごとの視聴率では、夜8時台の番組のうち「鶴瓶の家族に乾杯」が8.9%と、前年同期(12.6%)より下がっています。また、夜のニュース・報道番組では、「クローズアップ現代」が7.7%で、前年同期(9.7%)より下がっています。
 大河ドラマについて、この3年間の男女年層別の視聴率を比較しました。「龍馬伝」は、女性の高齢層の視聴率が、前年の「天地人」や2年前の「篤姫」より低くなっており、視聴層がやや男性に偏っていると言えます。
 全国接触者率調査とは別に、この全国個人視聴率調査からも各放送波の週間接触者率を出しています。本調査による総合テレビの週間接触者率は57.9%で、11月の調査としては初めて6割を切りました。また、放送8波計の週間接触者率についても、69.5%と初めて7割を切りました。
 総合テレビの週間接触者率について、時間帯別に推移を見ると、夜間(午後6時〜深夜0時)の接触者率が、前年同期の52.2%から今回は48.5%に下がっていることが目を引きます。また、男女年層別に見ると、30代女性(28%、11ポイント減)と50代女性(68%、9ポイント減)が、前年同期より下がっています。
 個人視聴率調査の最後に、教育テレビ、衛星放送、ラジオの概要について報告します。
 教育テレビは、週間接触者率が27.8%で、前年同期(30.8%)より下がりました。朝夕のアニメ・子ども番組は、よく見られています。衛星第1では「2010広州アジア大会」が、衛星第2では韓国ドラマ「イ・サン」が、衛星ハイビジョンでは連続テレビ小説「てっぱん」が、よく見られました。ラジオでは、朝6時台・7時台の番組がよく聞かれています。
 続いて、放送評価調査の結果について報告します。
 放送評価調査は、NHKの放送に対する視聴者の評価を把握するためのもので、2007(平成19)年から年4回実施しています。今回は、11月19日金曜日から21日日曜日までの3日間、電話法(RDD追跡法)により、全国の20歳以上の男女2,079人を対象に実施し、1,334人(64.2%)から回答を得ました。
 調査では、全体評価として「信頼」、「満足」、「親しみ」、「独自性」、「社会貢献」の5項目、側面別評価として「正確・公平」、「生命・財産を守る」、「娯楽性」、「知識・教養」、「実用性」、「地域への貢献」、「文化の継承・発展」、「福祉」、「教育」、「国際理解」の10項目を掲げ、それぞれについて1点から5点で回答してもらいます。結果は、4点以上の肯定的評価があった回答の率で表わします。
 今回、全体評価では、「親しみ」が53%で、前年度4回の平均から4ポイント増え、5回連続で50%を超えました。「信頼」も65%で、引き続き高い数値を維持しています。側面別評価では、 今回、「実用性」(59%)、「国際理解」(50%)、「娯楽性」(44%)、「地域への貢献」(43%)の各項目が、前年度平均よりも高くなっています(いずれも4ポイント増)。
 男女年層別に見ると、過去の調査と傾向に変化はありません。また、地域別に全体評価を見ると、他の地域に比べ評価が低めの傾向がある近畿でも「親しみ」が50%を維持しています。側面別評価では、近畿と中部・甲信越で、複数の項目が前年度平均よりも評価が高くなっています。
 最後に、全体評価の「信頼」、「満足」、「親しみ」の評価の推移を見ると、いずれの項目も前年度後半からの上昇傾向を維持しています。
 これらの調査結果については、12月21日開催の第1132回経営委員会でも説明します。


以上で付議事項を終了した。
上記のとおり確認した。
      平成23年 1月 5日
                     会 長  福 地 茂 雄

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