日本放送協会 理事会議事録  (平成22年 3月23日開催分)
平成22年 4月 9日(金)公表

<会 議 の 名 称>
 理 事 会

<会  議  日  時>
 平成22年 3月23日(火) 午前9時00分〜10時10分

<出   席   者>
 福地会長、今井副会長、永井技師長、金田専務理事、日向専務理事、
 溝口理事、八幡理事、大西理事、今井理事、黒木理事、塚田理事、
 吉国理事

 井原監査委員

<場         所>
 放送センター 役員会議室

<議        事>
 福地会長が開会を宣言し、議事に入った。

付議事項

1 審議事項
(1)第1115回経営委員会付議事項の追加について
(2)平成22年度国際放送等実施要請への回答について
(3)連結決算規程および経理規程の改正について
(4)平成22年度暫定収支予算、事業計画及び資金計画の認可申請について
(5)平成22年度暫定予算の認可申請に伴う日本放送協会放送受信規約の
   一部変更の修正について
(6)放送受信規約取扱細則の一部変更について
(7)特定失踪者問題調査会による八俣送信所の送信設備等の使用の期間延
   長について
(8)国際放送番組審議会委員の委嘱について

2 報告事項
(1)契約・収納活動の状況(平成22年2月末)
(2)平成22年度内部監査計画
(3)平成22年度考査業務運営方針
(4)2009年度放送評価調査の結果について
(5)日本放送協会健康保険組合ならびに日本放送協会共済会の平成22年
   度収支予算および事業計画について

議事経過

1 審議事項
(1)第1115回経営委員会付議事項の追加について
(経営企画局)
 本日開催される第1115回経営委員会付議事項の追加について審議をお願いします。
 3月16日の理事会で審議、決定された事項のほかに、議決事項として「平成22年度暫定収支予算、事業計画及び資金計画の認可申請について」と「平成22年度暫定予算の認可申請に伴う日本放送協会放送受信規約の一部変更の修正について」を追加したいと思います。

(会 長)   原案どおり決定します。


(2)平成22年度国際放送等実施要請への回答について
(国際放送局)
 平成22年度国際放送等実施要請への回答について審議をお願いします。
 平成22年度のラジオ国際放送とテレビ国際放送の実施要請について、3月11日、総務大臣から会長に通知がありました。この通知により、NHKは要請への諾否を検討のうえ、検討結果を4月1日付で文書回答するよう求められています。
 これまでNHKは、放送法に基づく要請があれば、その重みを受け止めて、趣旨内容に応じて判断し、仮に要請がNHKの番組編集の自由に抵触する恐れがある場合には、要請に応じないこともあるという姿勢をとってきました。
 今回の要請においては、ラジオとテレビに共通する放送事項は、放送法に示されている一般的な放送事項であり、これらに応じることとしても、NHKの国際放送の信頼性、客観性が損なわれる恐れはなく、支障はないものと判断されます。また、ラジオについての放送事項には、これまでと同様に「北朝鮮による日本人拉致問題に特に留意すること」が含まれていますが、拉致問題については、NHKは、報道機関として自主的な編集判断を行ったうえで、一貫して必要な国際放送を適宜適切に実施してきましたので、今回の要請に応じても、番組編集の自由が確保していけるものと考えます。
 以上の見地から、「平成22度におけるラジオ国際放送およびテレビ国際放送の実施要請については、それを応諾します」と回答したいと思います。
 なお、一般的に言えば、放送事項に対する個別具体的な要請は、NHKの国際放送の信頼性、客観性に疑念を抱かせる恐れがあります。放送法においても、総務大臣は要請を行うにあたって、NHKの番組編集の自由に配慮しなければならないと定めています。このため、今後も、個別具体的な要請があった場合は、その諾否について原則に立ち返って判断することにします。
 本議案決定のうえは、本日の第1115回経営委員会に報告するとともに、4月1日に総務大臣に回答書を提出します。

(会 長)   原案どおり決定します。


(3)連結決算規程および経理規程の改正について
(経理局)
 連結決算は、これまで会社法に準拠してとりまとめてきました。一方で、単体決算の財務諸表は放送法に準拠して作成していますので、これまで双方の表記に差異が生じていました。これについて、監査法人との協議や、外部の有識者からなる経理制度検討委員会での審議の結果、双方の整合性を優先させるため、連結決算も放送法に準拠して行うこととしますので、連結決算規程および経理規程の関連する事項を改正したいと思います。
 改正する内容は次のとおりです。
 連結決算規程において、連結決算の原則は、「放送法および一般に公正妥当と認められる企業会計の基準による」ことと定めます。これに伴い、現行規程の「連結決算諸表」を、「連結財務諸表」とします。「連結財務諸表」には、「連結キャッシュ・フロー計算書」を加えるため、現行の「参考情報として、連結キャッシュ・フロー計算書を作成し、併せて公表する」という条項は削除します。会計監査については、現行の「監査法人に委嘱し行う」という条項を、「会計監査人の監査を受ける」と改めます。
 あわせて、経理規程の条文において「連結決算諸表」としている個所も、「連結財務諸表」とします。
 改正の期日は平成22年3月31日とし、平成21年度決算から適用します。
 なお、本議案決定のうえは、本日の第1115回経営委員会に報告します。

(会 長)   原案どおり決定します。


(4)平成22年度暫定収支予算、事業計画及び資金計画の認可申請について
(経理局)
 平成22年度収支予算、事業計画及び資金計画(本予算)が今年度内に国会の承認を得ることができない場合に備え、平成22年度暫定収支予算、事業計画及び資金計画(暫定予算)を策定し、経営委員会の議決を得ておきたいと思います。
 暫定予算は、本予算承認までの間、経常的な事業運営に支障を来たさないようにするため、放送法第37条の2第1項の規定に基づき総務大臣に認可申請を行うもので、本予算が国会に承認されれば効力を失います。
 本件が了承されれば、本日の第1115回経営委員会に議決事項として提出します。

(会 長)   原案を了承し、本日の経営委員会に諮ることとします。


(5)平成22年度暫定予算の認可申請に伴う日本放送協会放送受信規約の
   一部変更の修正について
(営業局)
 平成22年度暫定収支予算、事業計画及び資金計画の認可申請の準備に伴い、3月9日の理事会で決定した日本放送協会放送受信規約の一部変更についても、施行日等の期日などを、平成22年度収支予算、事業計画及び資金計画(本予算)の国会承認の期日に沿うように修正したいと思います。
 なお、本議案については、年度内に本予算が国会に承認されれば、3月9日の理事会で決定した一部変更案を有効とします。
 本件が了承されれば、本日の第1115回経営委員会に議決事項として提出します。

(会 長)   原案を了承し、本日の経営委員会に諮ることとします。


(6)放送受信規約取扱細則の一部変更について
(営業局)
 日本放送協会放送受信規約(以下、「受信規約」)の一部変更に伴う、放送受信規約取扱細則(以下、「取扱細則」)の一部変更について、審議をお願いします。
 地上デジタル放送の難視聴解消に向けた暫定的な事業として社団法人デジタル放送推進協会が行う地デジ難視対策衛星放送(いわゆる「衛星セーフティネット」)については、今回一部変更する受信規約で、受信者の放送受信契約の種別を地上契約とし、その対象となる地域を「地デジ難視対策衛星放送対象リスト(以下、「ホワイトリスト」)にデジタル放送難視聴地区、改修困難共聴もしくはデジタル放送混信地区として掲載された地域を基準とし別に定める要件を備えた地域または難視聴地域」と規定しました。
 この「別に定める要件」について、「対象地域の想定外の拡大の防止」、および「対象であった地区がホワイトリストから削除された場合の経過措置への対応」の観点から、取扱細則の付則で規定したいと考えるものです。その内容は次のとおりです。
 対象地域の想定外の拡大防止については、現行のホワイトリストに先に挙げたとおり掲載されている3種の地区に、対象地域を限定します。今後、想定外の対象が3種の地区に追加された場合等は、改めて取扱細則を変更し、当該対象を除外することで対応します。
 ホワイトリストから削除された場合の経過措置については、この暫定事業では、難視聴が解消されるなどしてホワイトリストから削除された地域でも、受信機購入等の猶予期間として、最大7か月間は地デジ難視対策衛星放送を受信できることになっているため、その期間は、当該地域を対象地域とみなすことで対応します。受信機の購入等により当該地域の世帯・事業所が通常の放送を視聴できるようになれば、所定の受信契約を締結します。
 本変更は、平成22年4月1日から施行したいと思います。
 ただし、受信規約の一部変更の大臣認可が年度内に得られない場合には、施行期日の修正案をあらためて提出します。

(会 長)   原案どおり決定します。


(7)特定失踪者問題調査会による八俣送信所の送信設備等の使用の期間延
   長について
(永井技師長)
 特定失踪者問題調査会の行う北朝鮮拉致被害者向け短波送信「しおかぜ」のために、KDDIが所有しNHKが包括的使用権を有する八俣送信所の送信設備等の使用を、同調査会に認めてきました。平成22年度上半期も引き続き使用を認めることとしたいので、審議をお願いします。
 送信設備等を「しおかぜ」に使用させることについては、NHK、KDDI、同調査会の3者の合意に基づき、平成19年3月26日から22年3月28日までの3年間にわたり、6か月ごとに期間を延長することによって、これを認めてきました。このほど、同調査会からあらためて、送信設備等の使用期間を延長させてほしいとの申し出があり、人道上の見地から可能な範囲での協力として、これまでと同様の使用を、22年10月31日まで認めたいと思います。
 万一、NHKの業務に支障が生じたときは、3者で締結した確認書に基づき、NHKはいつでも「しおかぜ」の送信停止を求めることができます。これを担保するための覚書を、あらためて3者で締結することとします。

(会 長)   原案どおり決定します。


(8)国際放送番組審議会委員の委嘱について
(今井副会長)
 国際放送番組審議会委員の委嘱について審議をお願いします。
 沼田貞昭氏(国際交流基金日米センター特別参与)と萩原敏孝氏(社団法人経済同友会副代表幹事)に、平成22年4月1日付で新規委嘱したいと思います。
 なお、朝海和夫委員(元駐欧州連合日本政府代表部大使)は、任期満了により3月31日付で退任されます。
 本件が了承されれば、本日の第1115回経営委員会に諮りたいと思います。

(会 長)   原案を了承し、本日の経営委員会に諮ることとします。


2 報告事項
(1)契約・収納活動の状況(平成22年2月末)
(営業局)
 平成22年2月末の契約・収納活動の状況について報告します。
 2月の放送受信契約総数の増加については、例年同月は世帯の移動等により契約総数が減少することから、契約対策集中期間の設定等に加えて、営業職員による事業所契約対策活動や日ごろ手薄となっている遠隔地への訪問活動に取り組むなど、年度末の業績確保に努めました。その結果、月間の契約総数が0.1万件の増加となりました。年度累計では23.9万件となっています。なお、障害者免除や公的扶助受給世帯の増加による有料契約から全額免除への変更は、単月で1.4万件となっています。
 衛星契約増加については、バンクーバーオリンピックによる受信機普及の拡大に連動して、委託契約収納員を中心に、地上契約から衛星契約への契約変更対策の強化に取り組むとともに、ケーブルテレビ事業者や電器店などとの連携強化を進めました。その結果、月間の増加数は6.7万件、年度累計では64.0万件と前年度を大きく上回り、年間目標の60万件を超えました。
 2月の当年度収納額は515億円で、前年度同月と比較して2.3億円の増収となりました。単月の収納額、対前年度増収額ともに、前年度同月を上回っています。年度累計では、当年度収納額が5,788億円となり、前年度同月(5,756億円)より32.6億円の増収となりました。
 前年度受信料の回収額実績は、60.6億円となり、前年度同月(43.5億円)より17.1億円増加しました。また、前々年度以前受信料の回収額実績は22.1億円となりました。その結果、各年度分を合計した収納額は5,871億円となり、前年度同月(5,817億円)より53.8億円の増収となりました。


(2)平成22年度内部監査計画
(内部監査室)
 平成22年度の内部監査計画について報告します。
 22年度の内部監査は、「平成21〜23年度中期内部監査計画」に基づき実施します。21年度の定期監査で導入した業務プロセス監査の手法を、本部・各放送局・海外総支局で継続するとともに、コンプライアンスの徹底、組織風土改革に資する監査を行います。リスク・課題に対応して項目や対象を柔軟に選択し、効果的な監査とするとともに、監査後のフォローを充実させ、確実な業務の改善を目指します。監査の有効性を確保するために内部評価による検証を行うとともに、監査品質を確保・充実させるため、公平・公正な監査に向けた監査手法の改善を図ります。また、研修等を通じた人材育成、外部監査法人との連携などを進めます。
 各監査の具体的な実施計画を説明します。
 定期監査は、計画的なスケジュールに基づき実施し、対象部局には事前に実施を通知します。監査の実効性を高めるため、年度内に必要に応じてフォローアップの監査を実施することがあります。内容については、業務プロセス監査では、1業務委託を含む外部パワーの契約・管理状況の監査、2情報システムの運用状況の監査、3海外総支局における業務プロセス監査を重点事項とします。適正経理については、各部局でかなり改善が進んできましたが、引き続き経理規程等に基づいて適正な経理処理が行われているか確認します。また、部局目標の達成状況やそのポイント、組織風土改革への取り組み、前年度の指示事項・改善提案事項への取り組みなどの業務運営状況について、部局長へのインタビューを通じて把握します。定期監査は、原則として本部各部局と各地域拠点局のすべて、各地域ブロックの域内放送局の一部、営業拠点である支局と営業センターの一部、海外総支局の一部で実施します。
 不定期監査は、22年度に定期監査の実施対象とならない域内放送局について、対象部局を随時選定して、適正経理監査を中心に実施するとともに、部局単位の定期監査では細部の調査が困難なものや、事務処理が複数部局にまたがるものなど、項目やテーマを随時選定して実施します。不正処理への抑止効果を高めるため、随時予告なしに監査します。
 また、会長からの特命により実施する特命監査、監査委員会の定めるところに従って実施する監査委員会指示監査を、随時実施します。
 そのほか、関連団体運営基準第18条に基づき、関連団体調査を実施します。調査の内容・項目は、制作費等の処理の適正性など業務委託契約の実施状況、制作を業務委託している定時番組の業務プロセス(試行)、内部統制・リスクマネジメントの取り組み状況、ITリスク管理、適正経理などです。今年度の調査対象は、8団体とします。
 以上の監査・調査のスケジュールについては、地域拠点局・域内放送局の定期監査は、22年5月〜10月の間に、本部各部局の定期監査は、11月〜23年4月の間に実施します。海外総支局の監査、関連団体調査については、事前に調整を図りつつ、年間を通して適宜実施します。
 監査の結果については、会長あての報告書を作成し、担当役員、監査委員会、役員会に説明します。必要なものは一定期間で取りまとめて、理事会に報告します。また、役員会報告後、報告書の写しを部局長に送付し、情報の共有化を図ります。業務プロセス監査・適正経理監査の改善提案事項については、対象部局に対して「改善策回答書」を求めるとともに、役員会報告の約1か月後に改善状況の報告を求め、その内容を確認します。改善にあたっては、部局長が自ら先頭に立って着実に実行するよう要請します。
 監査の実施にあたっては、適正な監査を実施できる体制・要員を確保し、有効かつ効率的な監査を実施していきます。監査担当者の着実な育成と監査業務の高度化に向けて、部内や外部の研修・講習会の受講等を推進するとともに、監査実務の改善に向けて、内部監査室長の指名を受けた担当者が監査実施状況を内部点検・評価し、次年度の監査の実施方針や計画の策定に反映させます。また、外部監査法人との連携も図っていきます。

(今井理事)  海外総支局では、要員が少なく業務が繁忙な中で監査に対応しています。海外総支局が使用した経費の証ひょう類は東京の放送センターに送られて保管していますので、国内での事前調査を十分に行うなどして、できるだけ現地の負担を軽減するようにお願いしたいと思います。
(内部監査室)  内部監査室としても、国内での事前準備を十分に行い、スケジュールも含め、できるだけ負担にならないようにしたいと考えています。ただ、海外総支局も国内の各部局・放送局と同じ基準で監査することにしています。ひとつの総支局に監査に赴くのは3年に1回のことですので、海外総支局でも監査への理解と協力をお願いします。
(金田専務理事)  内部監査については、この2〜3年で体制がよく整備され、業務プロセス監査などにより非常に成果が上がっていると思います。しかし、業務運営状況のチェックは、本来、指揮命令系統の中で行われるべきものであるという考え方も、監査担当者に周知徹底してほしいと思います。
(内部監査室)  その趣旨は、内部監査室でも理解しているつもりです。監査の視点や現場でのチェック項目は、内部監査室の事前打ち合わせで確認しています。

(3)平成22年度考査業務運営方針
(考査室)
 「平成21〜23年度 NHK経営計画」では、「公共放送の使命の遂行」について、「さまざまなメディアに情報があふれる時代だからこそ、公平・公正であること、放送の自主自律と不偏不党を貫くこと、健全な民主主義の発達に資することなど、公共放送として大切にしてきた理念や使命は、一層重要性を増すと考えます」と述べています。
 平成22年度の考査業務は、3か年経営計画の2年目においても、この「NHK経営計画」が掲げる理念に基づき、NHKが公共放送として迅速で的確なニュース・緊急報道や質の高い番組を提供していくために、リスクマネジメントの観点からも「放送の質」「放送倫理」の両面で充実を図る役割を果たし、視聴者のみなさまの信頼と期待に応えていきます。
 考査業務の運営にあたっては、NHKの放送が「放送法」「国内番組基準」「国際番組基準」にのっとっているかの考査を、次の重点事項により実施します。
 1点目は、「放送考査、考査結果の周知」です。
 NHKの放送が、迅速・正確か、公平・公正でわかりやすいか、伝えるべきことを視聴者に伝えているか、表現・用語が適切か、また、人権への配慮、広告・宣伝への配慮が十分になされているかなどの視点から考査します。ニュース、番組それぞれ的確な考査に努め、必要に応じて、より多角的・集中的な放送考査も実施していきます。考査結果は、迅速に放送現場に伝えるとともに、取材・制作現場との連携をいっそう深めて、放送内容の向上に寄与します。
 2点目は「事前考査」です。
 事前考査は、総合テレビの夜8時台・10時台の番組やドラマ、衛星放送では、「プレミアム8」、「ハイビジョン特集」などを中心に実施します。その他、定時・特集番組について随時に行います。問題や疑義がある場合には、危機管理上の重要性もかんがみ、直ちに制作現場と協議して改善に努めます。
 3点目は、「番組モニターの活用」です。
 新しいモニター・システムにより、地域放送も迅速にモニターの番組評価を把握し活用できるようになりました。「モニターリポート」から視聴者の意向を集計・分析し、それを客観的に把握して直ちに関係部局に伝え、現場への建設的な提言につながるよう努めます。「モニターリポート」のメール化を促進し、より迅速な現場への周知を進めます。また、おもな新番組のモニター評価を四半期ごとにまとめ、現場への効果的なフィードバックを図るように努めます。
 4点目は「放送倫理の向上」です。
 放送倫理や取材・制作の基本指針となる「NHK新放送ガイドライン2008」の放送現場へのいっそうの周知・徹底を図っていきます。その一環として、レファレンス業務をとおして、人権や差別、広告・宣伝等、放送倫理上の問題についての放送現場からの問い合わせや相談に対して適切なアドバイスを行います。また、マスコミ倫理懇談会やNHKと在京民放で構成する考査実務責任者会議など外部団体との連携・情報交換を行い、必要に応じて現場へ情報提供を行います。
 以上の方針に基づき、放送現場からの独立と放送現場との連携のバランスを適切にとりながら、考査業務を着実に遂行していきます。


(4)2009年度放送評価調査の結果について
(放送文化研究所)
 2010(平成22)年3月に実施した放送評価調査の結果、および過去3年間の調査結果の推移について報告します。
 放送評価調査は、NHKの放送に対する視聴者の評価を把握するためのもので、2007(平成19)年度から年4回実施しています。今回の調査は、3月5日〜7日の金・土・日曜日の3日間、電話法(RDD追跡法)により、全国の20歳以上の男女2,063人を対象に実施し、1,287人(62.4%)から回答を得ました。今回の調査では、直前の3月1日までバンクーバーオリンピックが行われていました。また、2月28日には、大津波警報が発令され緊急報道を実施しました。
 調査では、全体評価として「信頼」、「満足」、「親しみ」、「独自性」、「社会貢献」の5項目、側面別評価として「正確・公平」、「生命・財産を守る」、「娯楽性」、「知識・教養」、「実用性」、「地域への貢献」、「文化の継承・発展」、「福祉」、「教育」、「国際理解」の10項目を掲げ、それぞれについて1点から5点で回答してもらいます。結果は、4点以上の肯定的評価があった回答の率で表わしています。
 まず、今回の調査の結果について説明します。
 全体評価では、今回すべての項目で、今年度これまで3回の調査結果の平均を上回っています。特に「満足」(58%)と「社会貢献」(67%)では、過去3回の平均(それぞれ55%、62%)から有意に伸びています。また、「親しみ」が、小数点以下の数値を出せば50.4%となり、前回の調査から連続して50%を超えました。側面別評価でも、「生命・財産を守る」が74%で過去3回の平均(71%)に有意な差があったのをはじめとして、一部を除き各項目とも評価が高くなっています。
 続いて、2007、2008(平成20)、2009(平成21)年度それぞれの平均の推移について説明します。
 全体調査では、「信頼」が09年度平均65%で、08年度(62%)、07年度(61%)から有意に伸びているのをはじめ、いずれの項目もゆるやかながら、いわゆる右肩上がりの傾向となっています。「親しみ」は、年度後半の調査では50%を超えたものの6月の調査結果が低かったため、09年度平均は49%にとどまりましたが、それでも08年度(47%)、07年度(48%)よりも高くなっています。
 側面別評価では、「正確・公平」(09年度61%)と「知識・教養」(同68%)が、08年度、07年度に比べ高くなっています。一方で、「娯楽性」と「地域への貢献」は、各年度とも他の項目に比べ低い評価にとどまっています。
 年層別に見ると、全体評価では、いずれの年度も各項目で高齢層の評価が高く、若年層の評価が低いのは変わっていませんが、20代では、「信頼」が09年度は54%と大きく伸びたのをはじめ、各項目とも年度を追うごとに評価が高まりつつあります。若者世代の接触者率を伸ばそうと努力している中で、よい兆候が出ていると考えます。一方、側面別評価では、どの項目も3年間で大きな変化が見られず、NHKへの評価がいい意味でも悪い意味でも固定的になっています。現在の数値が低い項目の評価を上げるためには、長く着実な取り組みが必要になると考えられます。
 最後に、「信頼」、「満足」、「親しみ」の3項目について、調査ごとの推移を見てみました。いずれも調査によって上下はありますが、09年度は07年度よりも評価が向上してきていることが見てとれます。
 全体をとおして、NHKへの評価がゆるやかに向上してきていること、また、若者世代に、NHKにとって好ましい兆候が現れてきたことが言えると思います。


(5)日本放送協会健康保険組合ならびに日本放送協会共済会の平成22年
   度収支予算および事業計画について
(八幡理事)
 平成22年2月17日に開催された日本放送協会健康保険組合組合会ならびに日本放送協会共済会評議員会において、それぞれの平成22年度収支予算および事業計画が提案どおり可決されましたので報告します。
 まず、健康保険組合の収支予算と事業計画です。
 22年度の一般勘定は、健康保険料の料率を引き下げることなどから、事業収支規模で87億7,300万円となり、21年度に比べて8億2,300万円の減少と見込まれます。介護勘定の収支規模は、国から通知された納付金額に基づきますが、22年度は21年度より6,200万円の増となる見込みです。
 事業計画については、収支規模が縮小する中で、独自の付加給付などの給付水準を維持しながら、「特定健康診査」の受診勧奨の効果的な実施や「特定保健指導」の積極的な利用促進など、メタボリック・シンドローム対策を拡充することにしています。
 次に、共済会の収支予算と事業計画です。
 食堂・販売などの事業を行う一般会計は、事業収支規模で63億9,400万円、職員の転勤者用住宅等の業務を行う特別会計は132億4,600万円となっており、一般会計、特別会計ともに21年度に比べて減少することが見込まれます。
 事業計画については、食堂・販売・宿泊施設等が減収となる中で、多様な会員ニーズを的確に把握しながら、効率的な業務運営に努めていきます。



以上で付議事項を終了した。
上記のとおり確認した。
      平成22年 4月 6日
                     会 長  福 地 茂 雄

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