日本放送協会 理事会議事録  (平成21年11月17日開催分)
平成21年12月 4日(金)公表

<会 議 の 名 称>
 理 事 会

<会  議  日  時>
 平成21年21年11月17日(火) 午前9時00分〜10時10分

<出   席   者>
 福地会長、今井副会長、永井技師長、金田専務理事、日向専務理事、
 溝口理事、八幡理事、大西理事、関根理事、今井理事、黒木理事

 井原監査委員

<場         所>
 放送センター 役員会議室

<議        事>
 福地会長が開会を宣言し、議事に入った。

付議事項

1 審議事項
(1)第1106回経営委員会付議事項について
(2)国際関係業務を行う関連団体等の再編・統合について
(3)平成21年度後半期の国際放送番組の編成の一部変更について
(4)視聴者対応報告(平成21年10月)について

2 報告事項
(1)21年10月の視聴者満足(CS)向上活動報告
(2)考査報告
(3)「NHK教育フェア2009」の実施結果について
(4)子会社等の事業運営状況等について
(5)地方放送番組審議会委員の委嘱について

議事経過

1 審議事項
(1)第1106回経営委員会付議事項について
(経営企画局)
 11月24日に開催される第1106回経営委員会付議事項について審議をお願いします。
 付議事項は、審議事項として「平成22年度予算編成方針」です。また、報告事項として、「国際関係業務を行う関連団体等の再編・統合について」、「子会社等の事業運営状況等について」、「『NHK教育フェア2009』の実施結果について」、「地方放送番組審議会委員の委嘱について」、「平成21年度後半期の国際放送番組の編成の一部変更について」、「視聴者対応報告(平成21年10月)について」、「契約・収納活動の状況(平成21年10月末)」、および「財政の現況(平成21年10月末)」です。

(会 長)   原案どおり決定します。


(2)国際関係業務を行う関連団体等の再編・統合について
(関連事業局)
 国際関係業務を行う関連団体等について、再編・統合したいと思います。
 本議案決定のうえは、11月24日開催の第1106回経営委員会に報告します。
 なお、再編・統合の具体的な内容は、各社において所定の手続きを終えるまで、非公表とします。

(会 長)   原案どおり決定します。


(3)平成21年度後半期の国際放送番組の編成の一部変更について
(国際放送局)
 9月1日の理事会で決定した、「平成21年度後半期の国際放送番組の編成について」のうち、外国人向けテレビジョン国際放送(NHKワールドTV)の編成の一部を変更したいと考えます。
 現在、NHKワールドTVと同じ放送波で、(株)日本国際放送(JIB)が独自に企画・制作した番組を週に2本、それぞれ6回ずつ放送しています。しかし、来年1月から、JIBが制作する独自番組が週1本となることに伴い、日曜日の午前9時10分〜9時55分(日本時間)を本放送とする番組枠について、JIBの独自番組に代え、NHKワールドTVの番組「NHK WORLDTV SPECIAL」として、NHKの地域放送局制作の番組や、コンクール等で受賞した民放の放送番組などを編成することとします。
 本議案が決定されれば、11月24日開催の第1106回経営委員会に報告事項として提出します。

(会 長)   原案どおり決定します。


(4)視聴者対応報告(平成21年10月)について
(視聴者サービス局)
 放送法第12条に定める視聴者対応の状況について、平成21年10月分を以下のとおり取りまとめました。ついては、放送法第22条の2第3項の規定に基づき、経営委員会に報告したいと思います。
 10月にNHKに寄せられた視聴者の声の総数は39万8,756件で、前月からおよそ5万件増えました。これは、年度後半期の新番組や今年の「NHK紅白歌合戦」に関する問い合わせなどが多かったためです。このうち、問い合わせが過去半年で最も多く29万5,800件(74%)、苦情や要望等を含めた意見が6万6,459件(17%)、その他が3万6,497件(9%)でした。苦情や要望等を含めた意見への対応について、1次窓口で対応を完了した件数と該当部局へ転送して2次対応した件数の割合は、およそ9対1で、通常月と変わりませんでした。
 今年度後半期の新番組に対する視聴者意向について報告します。
 教育テレビ50周年を機に復活した連続人形劇「新・三銃士」(10月12日〜)は、三谷幸喜さんによる脚本や凝った作りのセット、人形の動きの美しさなどが好評で、放送開始から2週間のうちに好評意見が87件、問い合わせが574件など688件の反響がありました。大人が見られる時間帯での再放送希望を受けて、連休となる11月21〜23日の深夜時間帯(当日の未明)に、それまで放送した全14話分を再放送することにしています。一方で、放送開始にあたって、最初の2週間は月曜日から金曜日まで毎日放送し、3週目以降は毎週金曜日に放送するという編成をしたことに対し、編成が変わった10月26日からの1週間に、告知が不十分だという苦情や放送日の問い合わせなど、1,851件の反響が殺到しました。これに対し、10月26日から毎日、同じ時刻に字幕スーパーで放送日の変更をおことわりするとともに、午後7時前の番組予告の中でお知らせしました。
 「ブラタモリ」(10月1日〜)は、街歩きの達人でもあるタモリさんとともに都会の街並みを歩きながら、ふだん何気なく見ている風景の中に意外な歴史や秘密を発見する、探検散歩番組です。この番組に対しては、10月1〜28日の4週間に、「勉強になる」「なかなか面白い」といった102件の好評意見をはじめ、812件の反響が寄せられました。第1回の「早稲田」は、10月に再放送希望が多かった番組の第3位となっています。
 また、後半期の連続テレビ小説「ウェルかめ」(9月28日〜)に対しては、スタートから4週間のうちに741件の反響がありました。ここ2年間の連続テレビ小説の中で最も少ない件数ですが、その中には「たいへん元気になれる話で、自分への応援歌だと思って毎日見ている」「今回は安定感があり、安心して楽しんでいる」「カメのキャラクターがかわいいと家族で大好評」などの好評意見が104件ありました。
 10月の放送番組に寄せられた反響総数は、13万8,449件で、意見は4万5,163件、問い合わせは9万3,286件でした。個別番組の反響では、日本の、これから「鳩山新政権に問う」(10月3日放送)に655件の反響があり、件数の多さで3位となっています。今年度に放送した「日本の、これから」の中では、8月に放送した「“核の時代”とどう向き合うか?」に次ぐ件数の多さでした。番組に対して、政治家が評論家とだけでなく一般市民も交えて討論するという内容を評価し、今後もこうした番組の制作を要望する声が多く寄せられました。また、10月11日放送のNHKスペシャル「原発解体〜世界の現場は警告する〜」に対して、原子力発電所の解体という国民がほとんど知らないテーマを取り上げたことへの評価など、60件の好評意見が寄せられました。
 大みそかに放送する「第60回NHK紅白歌合戦」に関して、観覧方法や特別企画の「歌の力 あなたのワンフレーズ募集」についての問い合わせ、出演者や企画に対する要望などが、10月中に8,483件寄せられました。昨年10月に「NHK紅白歌合戦」に対して寄せられた反響のおよそ1.3倍にあたる件数です。とりわけ、10月13日の「NHK歌謡コンサート」の直前に観覧募集のお知らせを放送したところ、その日だけで600件を超える問い合わせがありました。
 視聴者から寄せられた意見や要望への対応事例を紹介します。
 10月8日早朝、台風18号が愛知県知多半島付近に上陸、中部地方から東北地方にかけて縦断し、首都圏を中心として通勤・通学に大きな影響を及ぼしました。学校や職場に向かうかどうか判断するために、NHKのニュースで気象警報を確認しようとした方々から、「警報を伝える情報の放送回数や時間を増やしてほしい」「警報の表示のしかたを工夫してほしい」などの要望が51件寄せられたほか、自分が関係する地域への警報の発令状況を尋ねる問い合わせが52件ありました。NHKとしては、台風報道では放送時間が限られている中で膨大な情報を伝える必要があり、今回は特に警戒を要する土砂災害警戒情報と、通勤通学に影響の大きい交通情報を中心として継続的に伝える判断をしました。要望を寄せられた方々には、こうした事情と合わせて、いただいたような要望があることは認識し、できるだけ配慮するよう努めていることを説明して、理解を求めました。
 9月14日に、イチロー選手が大リーグ新記録となる9年連続シーズン200本安打を達成したのを受けて、当日夜に、スポーツ大陸「イチロー 大記録への闘い」を放送したところ、聴覚障害のある方から字幕付きでの再放送の要望がメールで届きました。通常の「スポーツ大陸」は字幕付きで放送していますが、今回は記録達成を受け急きょ予定を変更して制作・放送したために、字幕を付けることができなかったものです。字幕付きでの再放送というご要望には応えられませんでしたが、その後“体育の日”の特集番組として、「おしえて イチロー選手!『大記録はなぜ生まれたか』」(10月12日放送)を字幕付きで放送することが決まったため、この方にメールでご案内しました。
 10月31日にNHKホールで開催した「おかあさんといっしょファミリーコンサート」で、観覧者の中に、高速道路のパーキングエリアでコンサートのチケットが入った財布を落とされた家族がありました。落し物が届けられたパーキングエリアと視聴者コールセンター、会場のイベント担当者がすばやく連絡を取り合い的確に対応したことで、一家は無事に入場することができ、感謝の言葉をいただきました。
 テロップなどの誤記や原稿などの誤読については、視聴者からの指摘に基づき確認した結果、65件の表記のミスや読み間違いなどがありました。いただいた指摘については、番組担当者に連絡し放送の中で訂正するように努めるとともに、再発防止に向けて放送関係の部局に周知し、現場に注意を喚起しました。中でも、テロップで、官庁街の地名としての「霞が関」と駅名の「霞ヶ関」の混同が以前にも発生しており、特に注意喚起しました。
 ほかに一例を挙げると、「テロップで“さらにもう1段の積み上げを”と表示されていたが、算用数字ではなく“一段”ではないか」という指摘がありました。NHKの放送文化研究所にも確認し、「とび箱のように1から順番に数え上げられるものは算用数字で表記するのが基本であるが、この場合は“もう一段”とは言っても“もう二段、もう三段”という言い回しはないので、“一段”と漢数字で書くべきである」と、報道現場に周知しました。
 また、番組ホームページについても、表記や掲載内容の誤りについていくつか指摘があり、それを受けて訂正などの措置をとりました。
 経営関係の意見について報告します。
 一連の不祥事で辞職した、元・前会長の退職金について、会長在任期間については退職金を支給せず、それ以前の役職に限って支給すること、また、元・前役員6人の退職金についても50〜20%減額して支給することが、10月13日の経営委員会で議決されました。これに対して215件の意見が寄せられました。その中には、「庶民感覚からすれば元会長の退職金は高すぎる。この時世におかしいのではないか」「不祥事があったにもかかわらず退職金を支給するのか。今まで支払った受信料を返してほしい」という厳しい意見があった一方で、「この件を風化させず整理したことで、NHKの今後に大きく期待できると感じた」「元会長への退職金支給はよく検討され妥当と思う」という声もありました。
 10月27日、NHKの新しいインターネット会員サービス「NHKネットクラブ」がスタートしました。このサービスは、これまで開設していた、受信料をお支払いのお客様への優待サービスをおもな目的とする「NHK+ID」と、放送番組をより深く楽しんでいただくことを目的とする「NHKオンラインメンバーズ」の、2つのインターネット会員サービスを統合し、内容をいっそう充実させたものです。両サービスの統合作業は順調に進み、「NHKネットクラブ」の会員数は、10月末現在で42万人に上っています。この統合に際して、10月には、会員登録の方法や新サービスへの質問を中心に3,742件の問い合わせが寄せられました。

(会 長)   原案どおり決定し、次回の経営委員会に報告します。


2 報告事項
(1)21年10月の視聴者満足(CS)向上活動報告
(視聴者サービス局)
 21年10月の視聴者満足(CS)向上活動について報告します。
 最初に、この秋に各放送局で実施した放送会館の公開イベントについて報告します。各放送局では、地域の皆さまにNHKを身近に体感していただこうと、人気番組に関連したイベントや地域色豊かな取り組みなど、それぞれ工夫を凝らした企画による会館公開を実施しています。10月には全国で17局が開催し、参加者も前年同月より大幅に増加しました。多くの視聴者とのふれあいを通じて、経営方針の推進に向けた業務のPDCAを回しています。
 大阪放送局では、制作を担当している連続テレビ小説「ウェルかめ」をテーマとした会館公開を、10月31日と11月1日の2日間開催しました。番組開始時から問い合わせの多いカメのキャラクター“かめっ太”の特製グッズを、アンケート回答者など4,000人に配布し大好評だったほか、出演者による制作裏話のトークショーや、ドラマ本編および関連番組の上映会、舞台となっている徳島県の阿波踊りや人形浄瑠璃の公演などが人気を博し、2日間で4万人を超えるお客様が訪れて、にぎわいました。
 釧路放送局では、放送会館が最寄りの駅から離れており、公共交通機関の利便性もあまりよくない中で、できるだけ多くのお客様に会館公開に来ていただこうと、企画や告知に工夫して開催しました。地元周辺にテーマパークや遊園地などの娯楽施設がないことから、親が20〜30代のファミリー層を対象にして“NHKをテーマパークにしよう”と、局内の番組運行室やニューススタジオなどを巡る「釧路局ガイドツアー」、地上デジタル放送を体感する「ななみちゃんと挑戦!地デジ探検隊」の展示、「キャラクター輪投げ」などを展開しました。告知にあたっては、幼稚園や児童センターなどファミリー層の手に届きやすい146か所でチラシを配布したほか、夕方の地域ニュースの中で会場から中継するなど、効果的なPRを展開しました。こうした取り組みを通じて、10月3・4日の2日間の会館公開に、これまでで最も多い1,821人の来場がありました。
 水戸放送局では、会館公開に合わせ、水戸市との間で相互に協力して実施するイベント企画の意見交換を続けてきた結果、同市が英会話教育特区に認定され英会話教育に力を注いでいることから、10月25日、水戸放送局のスタジオで、ラジオ第2「基礎英語3」の公開収録を兼ねた出前授業を開催しました。同番組の講師を務める阿野幸一先生をはじめ、パックンマックンのコンビをゲストに迎え、市教育委員会の公募を通じて市内12の中学から集まった50人の生徒と保護者などが参加して、笑いを交えながらの効果的な英語学習となりました。その模様は、12月30日にラジオ第2で全国放送する予定です。今後は、小学生にも対象を広げた英語イベントの開催を検討しています。
 テレビ放送開始50周年を迎えた大分放送局では、記念イベントとして開催する会館公開で、50年間NHKを見ていただいた感謝の気持ちを表そうと、参加者にプレゼントを配布することにしました。プレゼントとして制作・配布したのは、オリジナルエコバックです。地域放送番組のキャラクターとして地元の視聴者に親しまれている“ししまる”と、50周年のロゴをデザインし、老若男女のどんな方でも使っていただけるよう、10種類のカラーをそろえました。10月31日と11月1日のイベント当日には、1,000個のエコバックを用意しましたが、あっという間になくなるほどの大人気でした。イベントでは、「“天地人”展」や「移動放送博物館」、「エリアワンセグ動画サービス」など盛りだくさんの企画により、2日間で3,650人の来場がありました。昨年は1日あたり500人程度でしたので、大幅に増加しました。
 10月に実施した17局には含まれていませんが、長崎放送局の会館公開についても紹介します。長崎放送局では、立地やスペース等の面で制約があり放送会館の公開だけでは参加者が限られるため、2年前からJR九州と長崎駅の協力を得て、放送会館から徒歩5分の距離にあるJR長崎駅前“かもめ広場”も会場として、イベントを同時展開しています。来年の大河ドラマ「龍馬伝」に向けて、主要な舞台のひとつ長崎でも期待が高まっていることから、11月8・9日に開催した今年の会館公開では、「龍馬伝」にちなんだ取り組みを重点的に展開しました。放送会館では、「龍馬伝」のポスターと同様の背景で写真撮影する「なりきり龍馬伝写真館」や、坂本龍馬が活躍した当時に長崎で食されていた料理をアレンジした「龍馬伝ランチ」の提供を実施し、かもめ広場では、地元演劇集団による舞台「龍馬夢暦」や、子どもに人気の教育番組「つくってあそぼ」のショー、NHK長崎児童合唱団のコンサートなどを催して、およそ5,000人の市民が楽しみました。
 次に、「平成21〜23年度 NHK経営計画」に基づき、全国の放送局が地域の拠点として独自の取り組みを展開する“放送局のちから”について報告します。10月には全国から今年度最多の212件の報告がありました。
 仙台放送局では、昭和30〜50年代のアナログレコード2万4,000枚を保存していましたが、CDの普及に伴い使用頻度が激減したことから、せっかくの貴重な音楽資料を活用してもらおうと、10月に、“楽都・仙台”を掲げる仙台市に寄贈しました。洋楽・ポップス1万5,000枚、クラシック9,000枚のレコード盤は、仙台市青年文化センターに保管されることになり、市では、その一部を公開する「レコードジャケット展」を、11月12日から23日まで開催。また、仙台放送局では、このレコードを使ったFM特集番組「ドーナツてるの?このラジオ」を、11月14日に宮城県域で放送しました。
 地域の皆さまの声を放送局の業務運営や番組制作に生かすため、各放送局で、地元各界の代表を招いて視聴者会議を開催しています。新潟放送局では、視聴者との一体感を強め“開かれたNHK”を具現化しようと、視聴者会議の様子を5分間の県域ミニ番組「新潟・視聴者からの声」として紹介しています。今年度は6月と10月の2回、視聴者会議を開催し、その週末の土日夜間等に番組を編成しました。6月・10月とも9.7%の視聴率(ビデオリサーチ社調査)があり、「会議の様子を放送することに賛成。NHKはもっともっと頑張ってほしい」「自分も意見を伝えたい。どうしたらよいか」などの反響が寄せられています。
 昨年秋の「日本女子オープンゴルフ選手権」の大会期間中、放送技術局は新潟放送局と共同で、ギャラリー向けにハイスピードカメラを使用したスウィングチェックコーナーを開設して、人気を呼びました。スピード感のあるスウィングをハイビジョン5倍速カメラで撮影し大型モニターで自己チェックしてもらうサービスで、ファンに喜んでいただきながら、放送を支える技術をPRするものです。今年も、10月15〜18日の「日本オープンゴルフ選手権」で開設し、4日間で小学生から高齢者まで1,422人の方が体験しました。今後の課題として、参加者から「プリントアウトできないか」「映像を持ち帰りたい」という要望があり、それに応えるサービスを検討中です。
 視聴者からの意見や要望などに基づく業務の改善については、10月の改善件数は78件でした。
 北見放送局では、昼前の気象情報でも週間天気予報を放送してほしいという視聴者の要望に応えて、10月5日から正午前の地域の気象情報の中で週間天気予報をお伝えするようにしました。また、宇都宮放送局では、小学生向けの放送体験コーナーで、キャスターを体験する参加者が読む原稿をワープロで作成していたところ、体験者が読みづらい様子だったことに気づき、ニューススタッフが体験用に改行マークなどを入れて作成した手書き原稿に改め、取り組みの向上につなげました。
 ふれあいミーティングの実施状況については、10月は全国で214回開催し、今年度最多の6,139人が参加しました。
 群馬県大泉町には、住民の16%、およそ6,600人の外国人が居住しており、そのうち8割程度がブラジル人です。そこで前橋放送局では、今年6月から自局のホームページでポルトガル語での情報発信を始めましたが、さらにアクセス数を増やそうと、11月8日に大泉町に出向いてブラジル人の方々とのふれあいミーティングを開催、およそ60人の参加がありました。第1部では、大泉町などを題材とした番組を、ポルトガル語のナレーションに吹き替えて上映、第2部では、ブラジル人との共生をめざす前橋放送局の取り組みやポルトガル語ホームページについて紹介し、意見交換しました。実施にあたっては、ポルトガル語への吹き替えなどさまざまな面で、国際放送局と視聴者サービス局も協力しました。
 また、報道局では、研究の一環としてNHKの見学を希望する大学生を招いて、映像編集の体験学習と合わせたふれあいミーティングを、10月5日に開催しました。映像編集の体験では、プロ野球セ・リーグの優勝がかかった「巨人」対「中日」の試合を題材にして、長時間撮影した中からどの映像を使うかを選択する作業のたいへんさや、同じ映像素材を使っても編集のしかたによって伝える内容や印象が変わることを実感してもらいました。参加者へのアンケートでは、全員から“NHKに満足”という回答が得られました。


(2)考査報告
(考査室)
 10月から11月上旬にかけてのニュースと番組について考査した内容を報告します。
 最初に、この期間の概況について報告します。
 ニュースについては、鳩山政権の動きに関連した項目をはじめ、関門海峡での海上自衛隊の護衛艦と韓国籍のコンテナ船の衝突事故、新型インフルエンザ流行の拡大とワクチンの優先接種で対応に追われる医療現場の状況、事実上国の管理下で進められることとなった日本航空の経営再建問題、アメリカのオバマ大統領のノーベル平和賞受賞など、22項目について考査を行いました。
 これらの中で、鳩山政権の動きに関しては、14項目について考査しました。10月26日(月)の臨時国会における鳩山首相の所信表明演説では、演説のポイントや特徴を紹介しながら、今後の課題について記者解説していました。また、10月14日(水)には、平成22年度予算の概算要求総額が90兆円台前半で過去最大規模となったことを伝え、要求が膨れ上がった理由について詳しく説明するとともに、予算の課題を具体的に示していました。ほかにも米軍普天間基地の移設問題で、岡田外相の発言に政権内から異論が出るなど政府の足並みに乱れが生じていることや、郵政民営化の見直しにあたって、批判が強かった日本郵政の西川善文社長が辞任したことなど、さまざまな動きや課題について、解説を交えながら連日ていねいに伝えていました。
 番組については、この期間に、放送考査を25本、事前考査を45本行いました。その中で、NHKスペシャル「証言ドキュメント 永田町・権力の興亡」(11月1日(日)〜3日(火)放送)については、3回シリーズの3本とも考査を行いました。番組では、平成5年の細川連立政権誕生から今回の政権交代まで16年間にわたる権力の興亡の舞台裏を、小沢一郎・現民主党幹事長をはじめとする当事者たちの証言を通じて検証していました。政権交代直後のタイムリーな放送で、当事者自身が語るインタビューは非常に生々しく、時に理念よりも“数の論理”が優先する政治の実態をよく描き出していたと思います。
 次に、その他の個別のニュースについて報告します。
 10月28日(水)、八丈島沖で消息を絶った漁船が、転覆した状態で4日ぶりに見つかり、船内から3人の乗組員が奇跡的に救助されました。この救助劇については、当日の午後0時58分に3人の救出をスーパー速報し、午後1時からニュースを特設して、その10分前に取材ヘリコプターから撮影した救出の模様の映像を放送していました。この映像は多くの新聞に引用されました。また、その後のニュースでは、奇跡の生還につながった経緯について、専門家のコメントや実験映像を用いてわかりやすく説明していました。
 10月8日(木)、台風18号が愛知県知多半島付近に上陸し、中部地方から東北地方にかけて縦断しました。過去10年間で最大級の台風で、列島を縦断するコースをたどることが予想されたため、台風の接近前からニュース枠を特設・拡大し警戒を呼びかけていました。今回の台風報道においては、防災上の注意を具体的に呼びかけるとともに、最新情報や被害の状況についてきめ細かく伝えていたと評価します。
 足利事件の再審が、10月21日(水)に始まりました。平成2年に栃木県足利市で当時4歳の女の子が殺害されたこの事件では、犯人とされ無期懲役が確定して服役していた菅家利和さんが、今年になってDNAの再鑑定により犯人でない可能性が高いとして、逮捕から17年半ぶりに釈放されました。菅家さんは法廷で、“事件の真実を明らかにし、私の納得できる無罪判決を下してほしい”と訴えました。当日の「NHKニュース7」では、捜査の問題点を解明するよう求めた弁護側と、すみやかな判決を求めた検察側の主張の違いを紹介するとともに、真相解明を求める菅家さんの思いも十分伝えていたと思います。
 続いて、個別番組について報告します。
 年度後半期の新番組「ブラタモリ」について、10月8日(木)放送の「上野」を考査しました。何気ない街の景色の背景にある歴史や魅力が、タモリさんの巧みなトークで引き出されており、江戸時代は上野一帯が京都やその周辺を模したテーマパークだったことなど、興味深い内容でした。ただ、タモリさんと案内役のゲストの役割分担を、各回の内容に応じてもう少し整理すれば、さらによくなるのではないかと思います。
 追跡!A to Z「北朝鮮 謎の“核調達人”を追う」(10月24日(土)放送)では、北朝鮮の“核調達人”と言われるユン・ホジンの当時の足跡を、半年間にわたって追跡していました。彼の巧妙な機材調達の手口が丹念な取材を通じてよくわかり、IAEA(国際原子力機関)が核開発技術の情報源にもなっていたことや、北朝鮮に対する危機感にヨーロッパと日米で温度差があったことなど、興味深い事実を明らかにしていました。
 衛星ハイビジョンで10月19日(月)に放送した、アートエンターテインメント 迷宮美術館「出張!古代ローマ帝国の遺産展」では、CG映像が効果的で、古代ローマの芸術の魅力やその豊かな暮らしがよくわかりました。日本人が発掘にかかわる“もうひとつのポンペイ”、ソンマ・ヴェスヴィアーナのエピソードや出土品の紹介も楽しめました。モニターからも、「ゲストと一緒に美術展を見ているような気分。CGで当時を想像できた」などの声が寄せられました。
 衛星ハイビジョンのプレミアム8 シリーズ「華麗なる宮廷の妃たち」の第3回「西太后 “稀代(きだい)の悪女”その真実」(10月20日(火)放送)では、清朝末期に政治の実権を握った西太后の実像に、スタジオトークを交えながら迫っていました。その知られざる生涯を、女官の記録や末えいによる証言、専門家の解説などを通じてわかりやすく描き出しており、女性の視点で見た西太后像もユニークなものでした。ただ、トークやVTRの内容について、どこまでが史実なのかもう少し仕分けしてほしいと感じました。また、当時の政治状況ももう少し知らせてもらえれば、さらに理解が進んだと思います。

(会 長)  私は、考査をたいへん重要なものと考えています。放送においては、言論・報道の自由や編集の自由が守られなければなりませんが、自由の名の下に編集権を乱用すれば、非常に危険なことになります。だから、放送番組の編集にあたっては、自らを厳しく律することが必要です。そのために放送をチェックする仕組みとして、局外の人々の意見を伺うのが放送番組審議会であり、局内において自らチェックするのが考査です。局内の人間が自局の番組を考査するのは難しいことだと思いますが、それをきちんと実施しないと放送の自律は成り立ちません。そのために、考査のあり方をいろいろと考えてほしいと思います。今回も含めてこれまでの考査報告のように、ニュース項目や番組のひとつひとつについて、その内容を考査することももちろん大事です。しかし、それと合わせて、ニュース全体の中で、各項目がどのように位置づけられているかを考査することが、きわめて大事だと思います。例えば、新聞が1面トップで扱う記事は、一般紙、経済紙、スポーツ紙で全然違います。NHKも公共放送として、ニュース項目の位置づけを民放に合わせることはありませんし、逆に孤高を貫く必要もありません。NHKの放送では、どの情報をどういう順番で並べ、どれだけのボリュームで扱うべきかという点について、公平で客観的な視点から考査してもらいたい。難しいとは思いますが、視聴者の視点に立って、“別の項目の方がもっと大事だ”といった意見や 、“こういう内容を視聴者は求めている”という提案を出すような考査のあり方を、いろいろと工夫してください。

(3)「NHK教育フェア2009」の実施結果について
(編成局)
 「NHK教育フェア2009」の実施結果について報告します。今年は、10月22日から11月3日まで実施しました。
 まず、「NHK教育フェア」の中核となる視聴者ふれあいイベントの「NHK秋のふれあい広場〜教育フェア2009〜」について報告します。今年は、10月31日から11月3日までの4日間、教育テレビ50周年記念番組「新・三銃士」の人形劇ミニ・ライブをはじめとするショーや展示で、3世代のお客様をお迎えしました。期間中の総入場者数は9万1,853人で、過去最多だった昨年度の入場者数(9万3,029人)には及びませんでしたが、新型インフルエンザの流行拡大で人出が遠のくことが懸念されたにもかかわらず、予想以上に多くの方に来場していただき、感謝したいと思います。
 今回は、集客に懸念がある中で来場していただいたお客様に、より楽しんでいただこうと、展示の質の充実・向上に重点を置きました。会場正面のレイアウトも、従来はステージが中心にあったのですが、今回は、「新・三銃士」の人形の実物展示やライブを中心に据えることで、お客様の目をひき、会場を盛り上げるようにしました。一方で、ステージはNHKふれあいホールに移したことにより、ホールの空間の中で落ち着いた演出とすることができました。
 「新・三銃士」の展示の隣には、「ETV50 もう一度見たい教育テレビ」のコーナーを設置し、1年間にわたって視聴者から寄せられたリクエストを基に、50年の歩みをふりかえりました。リクエストの総投票数は会期中に50万票を突破、会場で寄せられたリクエスト用紙は4日間で4,920枚と、昨年度(3,346枚)を上回る投票がありました。
 50年の歩みを“過去”、「新・三銃士」を“現在”と位置づけたうえで、“未来”の教育テレビとしてデジタルコンテンツの魅力を伝える展示も実施しました。新たに開始した、デジタルコンテンツの制作にNHKのアーカイブス素材を活用してもらうサービス「NHKクリエイティブ・ライブラリー」や、科学映像のデータベース「クロスメディア理科」、ITのメディアリテラシーを学べる「ITホワイトボックス」などを展示紹介し、デジタル時代のコンテンツを親子で体験していただきました。中でも「NHKクリエイティブ・ライブラリー」は、10月31日に28万ページビュー、11月1日には54万ページビューを超え、公開ホームページ「NHKオンライン」のサイトの中でトップとなりました。また、会場では、子どもたちとその家族を中心とする来場者によって、360のコンテンツ作品が作られました。
 その他の展示については、505ラジオスタジオを、体験して楽しむ「キッズ・スタジオ」とし、迷路やクイズなど子ども番組での遊びの要素を取り入れながら、クロマキーや効果音、3D映像など、プロの放送技術に触れる場として、親子で楽しんでいただきました。また、大人も楽しめる催しとして、「囲碁・将棋」のコーナーでは、プロの棋士が初心者向けのミニ講座を開設し、終日にぎわいました。「住まい自分流」「おしゃれ工房」の今秋の放送内容を基にした、今すぐ暮らしに役立つ展示も実施しました。
 初日の10月31日には、「生放送!ETV50 学ぶ冒険〜NHK教育フェア2009〜」として、各会場の視聴者も参加しての熱気あふれる生放送を、5時間30分にわたって送出しました。番組には、同じく会館公開を実施中の大阪放送局からも、「ストレッチマンショー」が参加しました。
 来場者に向けて、さまざまな周知活動にも取り組みました。展示コーナーの中で「NHKオンデマンド」をPRし、アクセスのしかたなどを紹介したほか、「NHK3スクリーンズ」のコーナーでは、新しくスタートした「NHKネットクラブ」も紹介しました。また、屋外に特設した「キッズ・ステージ」では、どーもくんなどのキャラクターが地上デジタル放送について紹介する「地デジ DE どーも」を上演し、親しみやすく地デジの普及促進を図りました。「地デジ DE どーも」には、今後の地域での地デジ普及活動に役立てようと、地域放送局の広報・イベント担当者も会場の視察に訪れていました。
 次に、10月22〜28日に実施した、「第36回『日本賞』教育コンテンツ国際コンクール」について報告します。
 昨年度から、募集の対象を従来の「教育番組」から「音と映像を用いた教育コンテンツ」に広げてリニューアルしましたが、今年はさらに展開が広がり、世界65の国と地域の196機関から史上最多となる324本のエントリーがありました。また、期間中、フォーラム等も含め、31の国と地域から313人の参加がありました。
 12か国からの14人の委員による審査の結果、グランプリ日本賞(コンテンツ部門最高賞)には、イギリスのTTアニメーションが制作した「きみのニュースはなーに?」が選ばれました。3Dのキャラクターが子どもの目線でニュースを伝えるという作品で、ウェブによって話題を募るなど双方向性もあり、エンターテインメント性と教育効果がしっかりと融合していたことが評価されました。シリーズ番組部門最優秀賞は、アメリカのリトル・エアープレイン・プロダクションズが制作した「ワンダーペッツ!」が、企画部門最優秀賞は、アフリカ南部の国スワジランドのスワジランド・テレビによる「ねぇ、知ってる?」が受賞しました。スワジランド・テレビの担当者は、昨年も参加しながら落選しており、今回初受賞して“夢がかなった”と語っていたのが印象的でした。ほかに、コンテンツ部門の東京都知事賞(生涯教育カテゴリー)を受賞した、オランダのランジ・シリアス・ゲームズによる「シャークワールド」が話題を集めていました。ウェブサイトでのゲームコンテンツなのですが、上海を舞台にサメのテーマパークを建設するというユニークな設定を通じてマネジメントについて学べる内容で、教育の最先端におけるチャレンジングなソフトとして注目されるものです。
 NHKから出品した作品は、残念ながら受賞はありませんでしたが、フォーラムの場などでは、NHKスペシャル「ヤノマミ 奥アマゾン 原初の森に生きる」や「クインテット」などの評価が高く、参加者から“自国でも放送したい”といった声が聞かれました。
 授賞式は、10月28日に皇太子殿下ご臨席のもと、津軽三味線の演奏なども交えながら、落ち着いた雰囲気の中で活気のある式典として実施しました。
 教育テレビでの関連番組として、「第36回日本賞授賞式 輝け教育コンテンツ」を、11月1日午後9時から放送するとともに、「第36回日本賞受賞作品」と題して、11月2日午後6時から今年の受賞作品を放送しました。「第36回日本賞受賞作品」は、12月26日に国際放送のNHKワールドプレミアムでも放送する予定にしています。
 その他、10月24日から11月3日にかけて、「学ぶ冒険!視聴者とともにつくる特別編成」として、教育フェア関連番組を集中編成したほか、合わせて実施した、「アジア教育プロデューサー会議」(10月23〜28日開催)、「第10回NHKアジア・フィルム・フェスティバル」(10月24〜29日開催)についても、9月15日の理事会に報告した計画にそって順調に執り行いました。

(会 長)  今回の「NHK教育フェア2009」は、非常によく準備された、しっかりとした内容の企画だったと思います。ご家族連れを中心に10万人近くのお客様を集められたのは、それ相応の内容がなければできないことです。また、「NHKオンデマンド」や「NHKクリエイティブ・ライブラリー」についても、会場で実際に体験していただいたことで、ウェブサイトにアクセスしてもらえるようになるのではないでしょうか。非常によかったと思います。

(4)子会社等の事業運営状況等について
(関連事業局)
 関連団体運営基準(以下、「運営基準」)第15条に基づき、子会社等の事業運営状況および事前協議等の概要について報告します。
 最初に、平成21年度の子会社等の業績見通しについて報告します。
 NHKが直接出資する子会社13社については、全般的な傾向として減収減益基調となる見込みです。NHKとの取引額は、平成20年度までの3か年のNHK経営計画における要員削減に伴う、NHKからの業務の切り出しが前年度で一段落したことや、番組設備整備の受注が減少したことなどから、減収となる見込みです。NHK以外との取引は、景気後退の影響や競争激化の影響により多くの子会社で減収となる見込みですが、NHKアイテックなど一部の子会社で民放関係の地上デジタル関連設備整備工事等の受注が大きく伸びたことなどにより、単純合計値では、増収となる見込みです。この結果、NHKとの取引比率は、全体の54.6%となる見込みで、前年度と比較して0.7ポイントの減となります。各社を単純合計した当期利益の見込額は43億3,300万円で、前年度に比べ15億3,800万円減少する見込みですが、現段階では各社とも固めの数字で見込んでおり、年度後半は、各社で自主事業の強化、コスト削減への取り組みを継続し業績向上を図りますので、決算時には改善が期待できます。特に、日本国際放送では、広告不況により、独自番組やインターネット事業など自主事業が計画どおりに収入に結びついていないことから、当初計画を上回る大幅な赤字が見込まれますので、業績全般にわたる見直しを行い、収支の改善に努めます。
 孫会社・関連会社・関連公益法人については、関連公益法人のNHKサービスセンター、NHKインターナショナル、日本放送協会学園、NHK厚生文化事業団の4団体が、最終赤字となる見込みです。特にNHKサービスセンターでは、語学講座のCDテキストなどの物販が、不況等の影響で大きく落ち込んでおり、緊急の経営改革に取り組んでいます。
 次に、関連団体との事前協議等の概要について報告します。運営基準第11条により、関連団体は重要な新規事業を開始するなど、経営に影響を及ぼす事項については、NHKと事前協議をしなければならないことになっています。平成21年4月1日から10月末までの間に生じた関連団体との事前協議事項は39件でした。そのうち配当の実施に関するものが12件、出資に関するものが6件ありました。その他おもだったものとして、NHK名古屋ビルシステムズの解散や、NHK交響楽団の、新制度に基づく公益財団法人への移行認定申請などがありました。
 続いて、運営基準第19条に基づく、監査法人による関連団体の業務運営状況調査の実施状況について報告します。関連団体が、運営基準に基づく適正な業務運営を行っているかどうか、外部監査法人に委嘱して、24団体の調査を行っています。今年度は、「関連団体運営基準への準拠性」、「NHK取引の区分経理方針への準拠性」、「実績原価報告のサンプリング調査」の3項目について点検しており、10月末までに12団体で実施、来年1月中には全団体が完了する予定です。運営基準への準拠性については、実施結果を理事会および経営委員会に報告し、公表します。他の2項目については、NHKとの取引経理区分の精度向上と、営業利益率の適正化の施策に活用します。
 最後に、運営基準第20条に基づき、外部からの意見や苦情を受けて関連団体の事業活動の適正性を審査する、関連団体事業活動審査委員会についての報告ですが、今年度上半期において、外部からの意見・苦情等の受け付け実績はありませんでした。この間、同委員会は4月10日に第12回の会議を開催しています。
 以上の報告のうち、当期の子会社等の業績見通しについては、11月24日開催の第1106回経営委員会に報告します。

(会 長)  NHKサービスセンターでは、語学CDなどの物販が不振ということですが、どういう状況ですか。
(関連事業局)  CDやDVDについては、NHKに限らず一般的な市況が非常に冷え込んでおり、その影響で今期に入って急激に売り上げが落ちています。
(会 長)  それは、不況による一時的な落ち込みではなく、構造的な問題があるのですか。
(関連事業局)  現在の落ち込みについては、不況の影響ととらえていますが、音楽等のダウンロード配信の普及によるCD離れなど、構造的な問題も否定できないと思います。

(5)地方放送番組審議会委員の委嘱について
(日向専務理事)
 地方放送番組審議会委員の委嘱について報告します。
 中国地方で西本克也氏(錦帯橋鵜飼振興(株)代表取締役社長)、岡將男氏(路面電車と都市の未来を考える会(RACDA)会長)、桝田知身氏(境港市観光協会会長)に、北海道地方で橋本智子氏((社)北海道消費者協会会長)に、いずれも平成21年12月1日付で新規委嘱します。
 なお、中国地方の繁森良二委員(前社会福祉法人旭川荘資料館館長)、矢藤益美委員(写真家)、山本徹委員(西中国信用金庫理事長)、および北海道地方の吉田淑恵委員(NPO法人「ワニワニクラブの仲間達の会」理事長)は、いずれも任期満了により11月30日付で退任されます。



以上で付議事項を終了した。
上記のとおり確認した。
      平成21年12月 2日
                     会 長  福 地 茂 雄

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