日本放送協会 理事会議事録  (平成21年 9月 1日開催分)
平成21年 9月18日(金)公表

<会 議 の 名 称>
 理 事 会

<会  議  日  時>
 平成21年 9月 1日(火) 午前9時00分〜9時30分

<出   席   者>
 福地会長、今井副会長、金田専務理事、日向理事、溝口理事、
 八幡理事、永井理事、大西理事、関根理事、今井理事、黒木理事

 井原監査委員

<場         所>
 放送センター 役員会議室

<議        事>
 福地会長が開会を宣言し、議事に入った。

付議事項
1 審議事項
(1)第1101回経営委員会付議事項について
(2)平成21年度後半期の国内放送番組の編成について
(3)平成21年度後半期の国際放送番組の編成について

2 報告事項
(1)内部監査結果報告

議事経過

1 審議事項
(1)第1101回経営委員会付議事項について
(総合企画室)
 9月8日に開催される第1101回経営委員会付議事項について審議をお願いします。
 付議事項は、報告事項として「平成21年度後半期の国内放送番組の編成について」と「平成21年度後半期の国際放送番組の編成について」です。

(会 長)  原案どおり決定します。


(2)平成21年度後半期の国内放送番組の編成について
(編成局)
 平成21年度後半期の国内放送番組の編成について審議をお願いします。
 改定のポイントは次のとおりです。
 まず、総合テレビの夜間の新番組について説明します。
 木曜日は、夜10時台の「ソクラテスの人事」の後続番組として、10月1日から「ブラタモリ」を放送します。街歩きの達人であるタモリさんとともに都会の街並みを散歩し、ふだん何気なく見ている風景の中から意外な歴史や秘密を見つけ出す、新感覚の探検散歩番組です。また、夜11時台の「あなたが主役 50ボイス」の後続番組として、10月8日から12月まで「出社が楽しい経済学」を放送します。これから社会人になる学生やサラリーマンを対象に、社会を生き抜くための“使える経済学”を伝える番組です。第1シリーズを教育テレビで放送し、好評を得たことを受けて、総合テレビで第2シリーズを放送するものです。
 続いて、日曜日夜間については、夜11時台の「サラリーマンNEO」の後続番組として、10月11日から11月まで「ママさんバレーでつかまえて」を放送します。ドラマでもなく、舞台中継でもない、ワンシチュエーションのスタジオで繰り広げるコメディーです。同じ枠で、1月10日からは「祝女」を放送します。女性の本音をテーマにした、ユーモアたっぷりのオムニバス形式のショートコメディーです。
 海外連続ドラマの新シリーズとしては、「ER12 救急救命室」の後続番組として「アグリー・ベティ2」を日曜日午前0時50分(土曜日深夜)から放送します。
 若年層に向けた開発番組を放送する深夜の時間帯、「EYES」では、水曜日午前0時10分(火曜日深夜)から「TOKYO ニュース REMIX」を8回シリーズで放送します。“日本のニュースをもっと面白く”をテーマに、日本のニュースを“海外”目線で斬(き)ることで、より面白く、より深く伝えていく情報番組です。
 ドラマの新シリーズとして、連続テレビ小説「ウェルかめ」を、「つばさ」の後続番組として放送します。大阪放送局の制作で、ウミガメが上陸する海辺の町、徳島県美波町と、徳島市が舞台です。都会に出て一流女性誌の編集者をめざしていたヒロインが、再び故郷に向き合い家族や同級生たちと繰り広げる青春模様を、明るくコミカルに描きます。また、来年の1月3日から、大河ドラマ「龍馬伝」を「天地人」の後続として放送します。坂本龍馬の生涯を、幕末屈指の経済人・岩崎弥太郎の視線で見つめたオリジナル作品で、幕末の動乱の中、名もなき男が日本中を駆け巡り、やがては“幕末史の奇跡”と呼ばれる男に成長していく姿を雄大に描きます。
 11月29日から日曜日夜8時の大河ドラマの時間帯に、スペシャルドラマ「坂の上の雲」を90分の枠で編成します。司馬遼太郎の原作をもとに、日露戦争とその時代を生きた明治の青春群像を日本および日本人のあり方を探りながら描いていくドラマです。全13回のうち、21年度は第1部として5回放送します。また、スペシャルドラマ「坂の上の雲」をさらに興味深く見ていただくため、木曜日夜10時55分から5分間のミニ番組「明治の夢 歴史の今」を放送します。ゆかりの地の取材や、ドラマの映像などを引用し、明治という時代と現在を浮かびあがらせる番組で、土曜日と日曜日の夜間にも編成します。
 土曜日夜間については、「ワンダー×ワンダー」と「追跡!A to Z」の放送時間帯を入れ替えます。「ワンダー×ワンダー」は、ファミリー層に楽しんでいただける内容であることから、10時台から8時台に移設し、「追跡!A to Z」は個人でじっくりと見ていただく視聴傾向の番組であるため、8時台から10時台に移設します。
 教育テレビでは、人形劇の新シリーズ「新☆三銃士」を10月12日から開始します。人気脚本家の三谷幸喜さんが人形劇に初挑戦し、冒険活劇「三銃士」を全40話の極上のエンターテインメントに脚色しました。第1話から第10話までは月曜日から金曜日の夕方6時から6時20分まで、第11話以降は毎週金曜日の同じ時間帯に放送します。
 また、土曜日の夜11時台に、若者向け趣味実用番組の新シリーズ「グラン・ジュテ」を「佐野元春のザ・ソングライターズ」の後続番組として放送します。「グラン・ジュテ」とは、「跳躍」という意味のバレエ用語で、20代後半から30代の女性に向けた新しいライフスタイルを提案する番組です。
 衛星ハイビジョンでは、「週刊 手塚治虫」の終了に伴い月曜日夜7時から1時間の枠で、さまざまな外部プロダクション制作の番組を多面的に展開していきます。また、土曜日夜10時から10時45分の枠で、ドラマ「蒼穹の昴」を、平成22年1月から25回シリーズで放送します。浅田次郎さんの大河小説を原作として中国の映画監督が制作した、歴史エンターテインメント・ドラマです。清朝末期の中国を舞台に、三国志に比肩しうる権謀術数や、人間が持つ情と夢と希望が、圧倒的なスケールとスピードで展開します。
 衛星第1テレビは、プロ野球のシーズンオフや欧米の冬時間に伴い、年間を通しての定時性も確保しつつ、一部編成の見直しを行います。月曜日から金曜日の「BS世界のドキュメンタリー」の放送時間帯を夜9時台に移設するなど、衛星第1の柱の1つであるドキュメンタリーの枠を視聴しやすい時間帯へと移行します(土曜日の同番組は夜11時台で継続)。また、月曜日から土曜日の「おはよう世界」は、放送時間を午前8時台まで拡大し、海外情報の拡充をはかります。さらに、視聴者層拡大をめざして、若者向け番組「ガッチャン!」を新設します。「世界の仲間とガッチャンとつながれば、あなたの新しい可能性が見えてくる!」をキャッチフレーズに、青山学院大学内に設けた青山サテライトスタジオを活用し、ビビッドな世界の最新大学情報を届けて、日本の学生たちに刺激を与えていく国際情報番組です。
 衛星第2テレビについては、海外ドラマの新シリーズを始めます。月曜日夜8時台は、「魔術師 MERLIN」を10月5日から13回放送します。アーサー王伝説に登場する偉大な魔術師マーリンの青年時代を描いた歴史ファンタジーです。その後続番組として1月4日からは、「華麗なるペテン師たち3」を6回放送します。水曜日夜11時台では、「デスパレートな妻たち4」の後続番組として、10月7日から「アグリー・ベティ3」を放送します。また、衛星アニメ劇場の新シリーズとして、10月6日から「こばと。」を放送します。ふしぎな小瓶を持つ正体不明の少女が人々とふれあい、傷ついた心を癒やしていく姿を描くファンタジー・アニメです。このほか、「BS20周年ベストセレクション」については、現在放送中の土曜日夜9時〜11時の枠に加えて、11月からは金曜日の午後10時台にも、毎月3〜4本、放送枠を増設します。
 ラジオ第1放送では、木曜日・金曜日に中継していたプロ野球ナイトゲームの終了に伴い、月曜日から金曜日を通して「私も一言!夕方ニュース」「列島リレーニュース」「ローカルニュース・地域の話題・気象情報」などを放送します。
 本議案が決定されれば、9月8日の経営委員会にこの内容を報告します。

(八幡理事)

 平成21年度後半期の編成のコンセプトや考え方について教えてください。

(編成局)

 平成21年度スタート当初に設定したコンセプトを基本にしています。視聴者層の拡大に向けた取り組みや、働き盛りの人たちに向けた新番組の開発、衛星放送2波体制に向けての番組の整理・統合などを引き続き行っています。例えば、視聴者層の拡大に向けては、土曜日の夜間で、硬派の報道系番組「追跡!A to Z」をあえてファミリー向けの番組が多い8時台に編成していましたが、内容は好評であるものの視聴者が思うように増えないため、10時台に移し、大人のためのドキュメント番組として新たにスタートさせるなどの改定を行いました。

(大西理事)

 NHKへの接触者率と受信料の支払率の向上という経営目標の達成に向けて、後半期の編成の狙いや目玉となる番組を営業現場の活動の中でPRしていきたいと思っています。営業現場では、放送現場と一体となった取り組みを進めていきたいと考えていますので、編成局からも新番組などの詳しい情報を、できるだけ早い段階から、積極的に営業現場に伝えてほしいと思います。

(編成局)

 私たちも、営業と放送が一体となって取り組んでいくことが大事だと思っています。編成はもちろん、番組制作の現場にもしっかりと意識させて、積極的に営業現場に番組情報を伝えていきたいと思っています。

(大西理事)

 番組改定の時期が視聴者の皆さまに情報発信する一番のチャンスだと思います。新番組をいちおしで売っていきたいので、よろしくお願いします。

(会 長)

 大西理事の意見はとても重要です。接触者率と支払率を上げるという目標は一体だと思います。営業の現場では訪問活動の際、お客様に関心を持っていただくためのさまざまな情報が必要になりますが、その中でも番組の情報が一番大きな切り口になると思います。視聴者がNHKに求めているものは、制作者のコンセプトがはっきり伝わり、何かを考えさせてくれたり、教えてくれたりする番組だと思います。そうした番組の情報をできるだけ営業現場に伝えるように、お願いします。

(編成局)

 はい。営業と一体となった取り組みに努めていきたいと思います。

(金田専務理事)

 2点、尋ねます。1点目は、「サラリーマンNEO」のように、放送期間が6か月間の番組が増えているように思いますが、こうした放送期間を定着させようとしているのですか。2点目は、21年度後半期の改定規模は、例年と比べて大きめですか、小さめですか。

(編成局)

 改定の規模は例年とほとんど変わりありません。ただ、大河ドラマの枠にスペシャルドラマを編成したことなどにより、通常よりは規模がやや大きめと言えるかもしれません。番組の放送期間については、1年間や6か月間にこだわらず、深夜の「EYES」枠などでは、2か月や3か月など、番組の企画に応じてさまざまな期間で設定しています。「サラリーマンNEO」に関しては、半年間放送し、半年間充電期間を置いてまた新しいものを作っていくという方針で進めています。今後も短期間のシリーズ番組を積極的に編成するなど、新しい試みにトライしていきたいと思います。

(会 長)

 原案どおり決定します。


(3)平成21年度後半期の国際放送番組の編成について
(国際放送局)
 平成21年度後半期の国際放送番組の編成について審議をお願いします。
 外国人向けテレビ国際放送(NHKワールドTV)では、2つの番組を新設します。ひとつは、週末に日本の1週間の動きをまとめて伝えるニュース番組「JAPAN7DAYS」を日本時間の土曜日午後11時台他に新設します。これは、今年2月に「NEWSLINE」を拡充するため休止していた番組ですが、視聴者からの要望が多く、その声に応える形で復活させることにしました。もうひとつは、「ASIA BIZ FORECAST」で、同じく月曜日午後11時台他に新設します。アジア経済のダイナミックな動きを世界に向けて発信する、マガジンスタイルの経済番組です。東アジアのみならず、インド、中近東などアジア全般を視野に、各国の特派員やリポーターと結び、アジア経済の動きを展望します。
 邦人向けテレビ国際放送(NHKワールド・プレミアム)では、「海外安全情報」をノンスクランブルで放送し、サービスの充実をはかります。この番組は20年度末に休止となり、今年4月からインターネットで代替していましたが、テレビでも放送してほしいという声が多く寄せられたため、その声に応えて10月から日本時間の平日午後7時台他で放送することにしました。インターネットの静止画にラジオの音声を当てはめる、簡易な形での放送となります。
 ラジオ国際放送(邦人向け)は、プロ野球ナイトゲームの終了にともなう編成を行います。
 なお、(株)日本国際放送(JIB)の独自番組については、これまで本放送は金曜日の30分番組1本でしたが、新たに日曜日に本放送を行う45分番組が増設され、2本になります。
 本議案が決定されれば、9月8日の経営委員会に報告します。

(会 長)

 NHKワールドTVでは、民放各社に番組の提供を求めることにしていますが、この番組の編成はどうなっていますか。

(国際放送局)

 今年度後半期は、特集番組として編成する予定です。

(会 長)

 今まで、どれぐらい放送してきましたか。

(国際放送局)

 これまでは、ありません。先日、放送法第10条の規定に基づき民放に番組の提供を求める基準などを整備したところですので、これから具体的に提供を求めていきます。

(会 長)

 後半期に予定している本数はどれぐらいですか。

(国際放送局)

 ギャラクシー賞などを受賞したドキュメンタリー作品を2本から3本程度放送する予定です。

(会 長)

 ドラマの放送予定はありませんか。

(国際放送局)

 ドラマは、著作権など権利処理が難しい事情があり、今のところ放送の予定はありません。

(会 長)

 原案どおり決定します。


2 報告事項
(1)内部監査結果報告
(内部監査室)
 平成21年5月から7月中旬にかけて実施した内部監査の結果について報告します。これは、今年4月1日から施行した内部監査規程に基づき、各部局の内部監査結果を取りまとめて、理事会に報告するものです。
 対象期間に監査を実施した部局は、名古屋放送局、静岡放送局、仙台放送局、秋田放送局、盛岡放送局、札幌放送局、旭川放送局の7放送局です。
 監査項目としては、業務監査(業務プロセス、業務運営状況)および適正経理についての監査を実施しました。その中では、業務委託、随意契約、システムの管理状況についても監査の対象としています。また、業務運営状況では、経営計画に基づく21年度の部局目標である「放送局のちから」への取り組み、組織風土改革への取り組みなどを監査しました。
 各地域放送局における業務プロセス監査では、番組制作、報道、編成・事業・広報、技術、営業、総務・経理について、さらに名古屋、仙台、札幌の3拠点局においては、考査も含め、各業務プロセスのリスク管理状況を監査しました。その結果、いずれも「適正」と判断しました。
 適正経理については、前年度監査以降の経理処理・勤務処理の各項目からサンプリング調査を実施しました。その結果、大部分の放送局については、昨年度に指摘した課題が改善されており、21年度の指示事項もありませんでした。ただ、一部の放送局では改善が不十分でしたので、あらためて21年度指示事項として改善を求めました。また、別の放送局では、今年度新たに不備事項が発見されましたので、改善を指示しました。
 業務プロセス監査、適正経理で発見された課題については、すみやかに適正化するように指示し、改善状況を確認するとともに、全国で共通する課題が見出された時は、本部の主管部局等と協議して対応することにしています。また、先月イントラネット上に開設した内部監査室のホームページを活用するなどして、職員の意識改革を進めていきたいと思います。
 組織風土改革への取り組みとしては、各局とも独自に開催する勉強会や研修を通じて適正経理とコンプライアンスの徹底等に積極的に取り組んでいます。



以上で付議事項を終了した。
上記のとおり確認した。
      平成21年 9月15日
                     会 長  福 地 茂 雄

戻る

Copyright NHK (Japan Broadcasting Corporation) All rights reserved. 許可なく転載を禁じます。