日本放送協会 理事会議事録  (平成21年 3月31日開催分)
平成21年 4月17日(金)公表

<会 議 の 名 称>
 理 事 会

<会  議  日  時>
 平成21年 3月31日(火) 午前9時00分〜10時25分

<出   席   者>
 福地会長、今井副会長、金田専務理事、日向理事、溝口理事、
 八幡理事、永井理事、後藤理事、大西理事、関根理事、今井理事

<場         所>
 放送センター 役員会議室

<議        事>
 福地会長が開会を宣言し、議事に入った。

付議事項
1 審議事項
(1)視聴者対応報告(平成21年2月)について

2 報告事項
(1)21年2月視聴者満足(CS)向上活動報告
(2)監査結果報告
(3)考査報告
(4)平成21年度非常災害対策等業務実施方針
(5)2008年度放送評価調査の結果について
(6)日本放送協会健康保険組合ならびに日本放送協会共済会の平成
   21年度収支予算および事業計画について
(7)放送番組審議会議事録(資料)

議事経過

1 審議事項
(1)視聴者対応報告(平成21年2月)について
(視聴者サービス局)
 放送法第12条に定める視聴者対応の状況について、平成21年2月分を以下のとおり取りまとめました。ついては、放送法第22条の2第3項の規定に基づき、経営委員会に報告したいので、審議をお願いします。
 2月にNHKに寄せられたご意見・お問い合わせの総数は366,436件で、このうち、苦情や要望を含めた視聴者からの意見の総数は69,072件でした。この中の62,831件については、意見を受け付けた一次窓口で対応を完了し、残る6,241件については一次窓口から該当部局へ転送・回付し二次対応しました。
 今月は、ドラマスペシャル「白洲次郎」(第1回 2月28日放送、第2回 3月7日放送)に寄せられた反響が目立っています。1,376件の反響のうち、1,082件が好評意見でした。放送前から放送予定や放送時間に関する問い合わせが多数寄せられており、番組への期待が大きかったことがうかがえます。また、放送後には再放送希望を中心に好評意見が寄せられました。一方、第3回を8月に放送することについて、「なぜ8月になってしまうのか。時間があいてしまうのはもったいない」などの意見が2,500件近く寄せられました。こうした意見・要望に対して、出演者の事情により第3回分の撮影日程が変更されたことや、第3回を放送する8月には、全3回をまとめて放送する予定であることを説明し、理解を求めました。
 また、2月2日から編成を大きく刷新してスタートした外国人向けテレビ国際放送(NHKワールドTV)について、241件の反響がありました。放送内容・放送時間、視聴方法や「国内で見られるのか」などの問い合わせが多く寄せられました。これに対して「『NHKワールドTV』は、国内では一部の番組を除いてインターネットで視聴できるようにした」と回答しました。
 放送番組では、NHKスペシャル「うつ病治療 常識が変わる」(2月22日放送)に、2,065件の意見・要望・問い合わせが寄せられ、このうち好評意見が1,551件でした。この反響数は、20年度に放送したNHKスペシャルの中で最多となりました。50代〜60代の方を中心に、再放送への問い合わせや要望、出演者や番組で紹介した病院の問い合わせが大半を占めています。
 特集ドラマ「お買い物」(2月14日放送)には375件の反響がありました。20代、30代からも多くの意向が寄せられるなど、40代以下からの反響が半数近くありました。「本当に心がぽかぽかと温かくなる素敵なドラマだった。見終わった後、自分の祖父母のことが浮かび、じんわりと感動が残った」(20代女性)などの好評意見が多数寄せられました。
 ETV特集「作家・辺見庸 しのびよる破局のなかで」(2月1日放送)には、好評意見が151件寄せられ、ETV特集の中では反響が大きく、その多くの意見が番組そのものや出演者の発言を評価するものでした。
 一方、厳しい意見が多かったのは、アニメ「獣の奏者エリン」(2月21日放送)で、主人公の母親が死刑にされるシーンについて、「残酷だ」という厳しい意見が寄せられました。
 次に、具体的な対応事例について、いくつか報告します。
 まず、ドラマ「Q.E.D.〜証明終了」第2回「銀の瞳」(1月15日放送)で、人形に仕掛けた静電気の蓄電器を放電させ、ペースメーカーが故障して死亡する場面について、業界団体から「静電気がペースメーカーに影響を及ぼすことは非常にまれにあるが、万が一起きても患者の健康に影響はなく、ドラマのようなことはない」という指摘がありました。そこで、番組ホームページに「お知らせ(お詫び)」を掲載し、3月5日の番組の最後に「お知らせテロップ」を放送しました。また、ラジオ番組の「私も一言!夕方ニュース」で、「関東地方では音楽の紹介があって聴こうと思うと交通情報が入ってしまう。交通情報に入る際のコメントに工夫ができないか」という要望に対して、音楽をかける時間を極力長くして少しでもリスナーの要望にこたえるようにしているほか、音楽に入る前のコメントでも、早めに「ところによっては交通情報です」と言うことにより、交通情報を伝える時間であることを強調するようにしました。
 次に、受信料関係の対応について、業務改善に向けた取り組みを紹介します。毎年3月から4月にかけては、住所変更などの手続きの増加に伴い、地域スタッフへの苦情も多く寄せられるため、営業部門では、本格的な引越しシーズンを前に、地域スタッフ向けの講習用DVDの中で、最近苦情が増えている電子決済端末使用時の正しいお客様対応について取り上げ、すべての営業拠点で視聴しました。
 経営全般に対する意見としては、2月22日に福岡放送局で起きた放火未遂事件や東京・渋谷の放送センター、札幌放送局、長野放送局などにライフル銃の実弾のような金属が郵送されたことについて、「これはマスコミに対する攻撃か?NHKはこんなことに屈することなく、これからも良い番組を放送し続けてほしい。応援している」などの意見が、あわせて112件寄せられました。
 以上の報告内容が決定されれば、4月14日の第1092回経営委員会に報告事項として提出します。

(会 長)

 視聴者から表記のミスや読み間違いなどを指摘されるケースがありますが、プロフェッショナルとしてたいへん恥ずかしいことです。チェックをもっと厳しくして、いっそう注意してください。
 原案どおり決定し、第1092回経営委員会に報告します。


2 報告事項
(1)21年2月の視聴者満足(CS)向上活動報告
(視聴者サービス局)
 21年2月の視聴者満足(CS)向上活動について報告します。
 平成20年度、大津放送局では“環境こだわり放送局”をめざし、「琵琶湖を守るキャンペーン」を展開しています。夕方のニュース番組「おうみ発610」の中で「びわ湖クローズアップ」というコーナーを28回にわたり放送し、琵琶湖を守る取り組みや環境研究の最前線などを紹介しました。また、「環境メッセージ」というコーナーではエコ活動に取り組んでいるグループを紹介しています。さらに、大津放送局の職員も参加して、地域の皆さまと共同で清掃活動を実施したり、NHKスペシャル「里山 森と人・響きあう命」の番組上映会とふれあいミーティングをあわせて開催するなど、多面的に環境についての取り組みを展開しています。引き続き21年度もこの取り組みを行っていきます。
 次に、大河ドラマ「天地人」の舞台になった新潟放送局、山形放送局、福島放送局の3局が、共同でラジオ番組を制作した取り組みについて紹介します。大河ドラマ「天地人」の放送開始前に、視聴者から「原作を知りたい」という声を受けた新潟放送局では、広くPRしようと、番組に関係する2つの放送局と連動して、朗読番組を共同制作しました。3局のアナウンサーが朗読をし、それぞれの地域で放送しています。また、放送終了後の1週間、新潟放送局のホームページに朗読部分の音声素材をアップし、インターネットでも楽しめる工夫をしています。山形、福島の両局も、新潟放送局のホームページにリンクを張り、同様に対応しています。
 松山放送局では、データ放送の仕組みを利用して、ローカル天気マークを画面上に表示するシステムを開発しました。これは、朝のニュース番組などの放送用天気マークスーパーについて、視聴者から「自分の住んでいる地域の情報がすぐわかると良い」、「何度も見る必要はないので、邪魔になったら消したい」などの要望が寄せられ、その声に応えたものです。地上デジタル放送の受信機は設置時に郵便番号が登録されることを利用して、エリア情報を識別し、住んでいる地域の情報を優先表示できるようにしました。また、「d」ボタンを押さなくても表示できたり、リモコンの黄色ボタンでスーパーを消去できるなど、地域に密着した天気情報をより簡単に表示できるようにしました。この取り組みはたいへん好評で、汎用性が高いことなどから、12月末までに11局(札幌・道内各局・名古屋・津・岐阜・徳島)で実施しています。さらに、平成21年2月、「花粉情報ものせてほしい」という要望を受け、松山放送局と名古屋放送局は花粉データを追加しました。
 続いて、室蘭放送局の地域サービス向上をめざした取り組みについて報告します。観光産業の復活と町の再生をめざす登別市の関係者などから「“お天気カメラ”を自分たちの町にも設置して、登別を全国に発信したい」との声が寄せられました。登別市は、地形的に中継電波をつなぐことが難しく、お天気カメラの設置は困難なことから、札幌放送局と連携して、「おはよう北海道」で天気中継シリーズを実施しました。あわせて本部には「NHKニュース おはよう日本」枠内での中継を提案し、2月16日から20日までの5日間、室蘭の朝の表情を生中継し、視聴者の声にこたえました。
 ライツ・アーカイブスセンターでは、アーカイブスを活用した視聴者サービスの向上をめざし、平成18年秋よりラジオ番組のアーカイブス化に着手しています。その中で、ホームページ上での配信を視野に、70〜80年代に放送した人気番組「サウンドストリート」のアーカイブス化を検討しました。しかし、放送当時のFM番組は保存されておらず、大半のテープは残っていなかったため、視聴者や関係者に協力を呼びかけ、録音テープが約500本集まりました。それらのテープを編集し、DJトーク部分を中心に2月にホームページ上で15本公開しました。さらに、3月にはNHK−FM開局40年の特別編成に合わせ、「サウンドストリート・アーカイブス」として放送し、好評を博しました。今後も録音テープの情報を募り、お宝テープの発掘とアーカイブス化を進めていきます。
 制作局と事業センター、視聴者センターが連携して、「サラリーマンNEO」の熱烈なファンへの感謝と「シーズン4」のスタートを盛り上げるために、3月7日に「サラリーマンNEOシーズン4」ファンミーティングをNHKふれあいホールで開催しました。NHKのイベント情報サイトで参加者を募集したところ、1,076通の応募があり、参加者は30代以下が63%、女性が全体の6割を占めました。コントや出演者との質疑応答など、2時間30分にわたる交流が続き、最後にはゲスト3人と参加者全員で「シーズン4」の第1回放送分の冒頭シーンを収録しました。参加者からは、「すごく楽しかった!オープニングの撮影もおもしろかった」など、好評意見が多数寄せられました。
 前橋放送局では、「番組を見る会」と講演会にあわせて、公募型のふれあいミーティングを実施しました。地元の前橋女子高・音楽部の挑戦を追ったドキュメント番組の上映と、作家の早乙女勝元さんの講演会のあとに「ふれあいミーティング」を実施しました。参加者のアンケートでは、NHKへの「理解度が上がった」と回答した割合が90.2%、「満足度が上がった」と回答した割合が85.4%とたいへん好評でした。
 続いて、「クローズアップ現代」に寄せられた反響の分析を紹介します。平成20年度、この番組には、医療系、経済系のテーマの回に反響が多く寄せられています。その中で、2月19日放送の「あなたのパソコンが乗っ取られる」には507件の反響が寄せられました。特にボット・ウイルスを駆除してくれるサイト「サイバークリーンセンター」のホームページのアドレスの問い合わせが多く、367件寄せられました。
 最後に、平成20年度のNHK−FMに寄せられた反響の分析です。男女年代別に見ると、男性60代からもっとも多くの反響が寄せられました。また、番組別に反響件数を見ると、「歌謡スクランブル」が圧倒的に多く、5,000件近く寄せられました。「歌謡スクランブル」に寄せられた反響の内容を見ると、放送した曲目の問い合わせのほか、「歌謡曲や演歌以外の曲をかけてほしい」や「ポップスを増やしてほしい」などの要望も寄せられています。また、2月後半から一部演出の変更により、「曲と曲の間が短くなり、聞きづらくなった。録音しにくくなった」との意見が寄せられたため、この声に応えて、3月30日から曲と曲の間を空ける演出に改善しました。


(2)監査結果報告
(内部監査室)
 スペシャル番組センター、報道局、技術局の監査結果の概要について報告します。監査は1月下旬から2月下旬にかけて実施しました。
 まず、スペシャル番組センターについてです。
 「NHKスペシャル」、「日本の、これから」、「クローズアップ現代」、「ドキュメントにっぽんの現場」を主管し、信頼される、質の高い、感動を与える番組の企画・制作に取り組んでいます。
 「NHKスペシャル」では、非正規雇用の問題と社会保障の課題を提示した「セーフティーネット・クライシス」(5月・12月)や、世界規模で広がった金融危機の影響を伝えた「アメリカ発 世界金融危機」(10月)など、日本と世界の課題に正面から取り組み、タイムリーに放送し、好評を博しました。中国の四川大地震、秋葉原通り魔事件では、発生後、すばやく番組化して伝え、視聴者の期待に応えました。大型企画シリーズとしては、「激流中国」、「日本とアメリカ」、「ミラクルボディー」、「病の起源」などを放送しました。スケール感豊かに、テーマを深く掘り下げ、公共放送の存在感を示しました。
 「クローズアップ現代」では、経済を重点課題のひとつに掲げるとともに、速報性を強化しました。地震が起きた2日後に放送した「緊急報告 中国・四川大地震」(5月)は、20年度「クローズアップ現代」の最高視聴率を記録するなど、総合テレビの上半期ゴールデンタイム平均視聴率第1位(関東地区)につながりました。
 次に、報道局についてです。
 視聴者の信頼に応える質の高い放送の担い手として、未曽有の金融危機や経済への深刻な影響、揺れ動く政局など激動する内外の動きを手厚く取材し、数多くの特ダネも含め、ニュースや番組で積極的に発信しています。北京オリンピック(8月)やアメリカ大統領選挙(11月)、中国・四川大地震(5月)などにも的確に対応し、オリンピック中継のほか、「ニュース7」、「ニュースウオッチ9」などの視聴率も好調で、総合テレビの上半期ゴールデンタイム平均視聴率第1位(関東地区)に貢献しました。また、インサイダー事件などを教訓に、高い倫理観と使命感を持ったジャーナリストを育成するため、報道局幹部が全国の報道現場を回り、現場と報道倫理などについて徹底議論しました。人材育成担当の業務主幹のポストを新設するなどし、コンプライアンスの勉強会を実施しています。
 続いて、技術局です。完全デジタル移行に向けて、20年度は2月末でデジタル中継局376局を開局し、視聴可能世帯数は約4,800万世帯、カバー率は約97%となりました。NHK共聴は20年度約1,980施設、累計で約3,400施設をデジタル化する予定です。総務省テレビ受信者支援センターや自主共聴への支援を強化するため、技術局の受信環境のデジタル化業務を一元化する組織改正を1月に実施しました。12月に開始したNHKオンデマンドでは、放送の同時録画やアーカイブス番組のファイル化、配信用の動画形式への変換、配信事業者へのアップロードまで、ほぼ自動で行う効率的なシステムを実現しました。テレビ国際放送では、24時間英語ニュースを送出するため、ハイビジョンスタジオ2室を整備し、2月に運用を開始しました。また、BSニュースセンターに整備した報道系テープレス化はサーバー送出率が90%以上に達するなど大きな効果が現れています。22年度末の運用開始を目指し、20年度からニュースセンター全体の報道系テープレス化を実現する第2段階の整備に取り組んでいます。番組系テープレス化は、スタジオの素材収録や小規模送出システムを開発し、番組を選定してシステムの機能や運用性の検証を1月に開始しました。
 コンプライアンス活動については、各局とも意識向上に向けた集中討議や勉強会を実施したり、適正なコスト管理の徹底に向けた独自のマニュアルを作成するなど、積極的に取り組んでいます。
 適正経理の取り組みでは、ほとんどの局で昨年度に指摘した不備について改善されていました。不十分な点があった一部の局には、今年度の指示事項としてさらに改善を求めています。
 なお、スペシャル番組センターと報道局の2局について、業務プロセス監査を実施しました。その結果、スペシャル番組センターの番組制作の業務プロセスの管理状況は適正と判断しました。ただし、一部の番組で経理処理に不備があり、改善を要望しました。また、報道局の各業務プロセスはいずれも適正と判断しました。


(3)考査報告
(考査室)
 2月から3月下旬にかけて放送したニュースと番組について報告します。
 最初に、概況です。
 まず、ニュースについては、定額給付金の支給開始、お年寄りの施設の火災、京都の寺から仏像が盗まれた事件、アカデミー賞で日本の作品がダブル受賞したニュースなど、さまざまな視点から29項目について考査しました。その中から、「西松建設献金事件」について、NHKではさまざまな報道を通して視聴者に伝えてきましたが、考査室ではこの関連のニュースについて、ほぼ1か月の期間にわたり考査を行いました。逮捕情報の一報の後、中継やスタジオの解説も交えて、捜査の今後の焦点や政界への波紋など、詳しく伝えていたと思います。この期間の報道について、各党の幹部、国会議員のインタビュー、続投の意向を表明した小沢代表とそれに対する各党の反応などを公平・公正にバランスよく伝えていたと考えます。
 次に、番組についてです。この期間に30本の番組を対象に考査し、うち8本については事前考査も実施しました。なお、この期間に事前考査したトータル本数は43本です。「厳しい雇用情勢と支援の動き」をテーマにした番組4本について報告します。クローズアップ現代「貧しくて学べない」(3月11日(水)放送)、ドキュメント にっぽんの現場「離れても“アミーゴ”〜滋賀 不況に揺れる教室」(3月7日(土)放送)、生活ほっとモーニング「シリーズ 雇用不安」(2月17日(火)、18日(水)放送)、ハイビジョンふるさと発 シリーズ「雇用不安の中で」第1集「おふくろ商店日記〜大分・非正規社員と“母”の100日」(3月9日(月)放送)など、NHKのネットワークを生かした地域放送局の制作番組も含め、各地の厳しい実情を取り上げただけでなく、国や自治体が行う支援や、地域の人々の心温まる支援の様子も紹介していたことは一定の評価ができると考えています。
 続いて、個別のニュース・番組について報告します。3月14日(土)、海賊対策のため護衛艦がソマリア沖に向けて出航しました。政府が自衛隊法に基づく海上警備行動を発令した13日(金)の「NHKニュース7」や「ニュースウオッチ9」では、派遣の経緯だけではなく、海上警備行動と海賊対策法案の比較などをわかりやすく伝えていました。また、各党の反応もバランスよく紹介しており、課題を抱えての派遣であることを多角的に伝えていたと評価しています。
 次に、3月23日(月)にフェデラルエクスプレス航空の貨物機が成田空港で着陸に失敗し、炎上した事故についてです。「NHKニュース おはよう日本」の7時台の冒頭で空港カメラの中継映像を伝えるとともに、収録映像で貨物機が滑走路でバウンドして炎上する瞬間を紹介しました。さらに、8時30分のニュースで、空港周辺で風の強さが変わるウインドシア情報が出ていたこともいち早く報じました。事故直後の中継など、テレビの特性を発揮し、着陸炎上の映像は事故原因の分析にも貢献したと考えます。
 3月11日(水)、大韓航空機爆破事件の実行犯キム・ヒョンヒ元死刑囚が北朝鮮による拉致被害者の家族と面会しました。これに先立つ1月15日(木)の「NHKニュース7」と「ニュースウオッチ9」で、12年ぶりにキム元死刑囚の肉声をNHKが独自の情報として伝えました。これがきっかけとなり、日韓両政府の調整が行われ、面会が実現しました。NHKでは面会や会見の内容を詳しく紹介し、拉致問題解決への影響についてもインタビューなどで伝えました。
 NHKスペシャル「うつ病治療 常識が変わる」(2月22日(日)放送)では、抗うつ剤に頼ってきた日本のうつ病治療が見直しを迫られていることを、患者のレポートや医師の技量不足の事例などを通じて丁寧に伝えました。ただ、課題を網羅するだけでなく、問題点を整理して方向性を示してほしかったと思います。モニターからは「通院経験のあるゲストの生の声を聞け、誤診やひどい医師の例がわかった」などの声が寄せられました。
 NHKスペシャル シリーズ「揺れる大国 プーチンのロシア」第1回「プーチンのリスト〜強まる国家資本主義」(3月1日(日)放送)は、基幹産業を支配しようとするプーチン首相と、生き残りをかけ奔走する新興財閥、双方の思惑が丹念な取材でよく描かれていました。ただ、新興財閥がどのように誕生し、成長してきたのか、もう少し伝えてほしかったと思います。モニターからは「知らないことが多いロシア事情が詳細に報道され驚く。続きを期待する」などの声が寄せられました。
 ETVワイド ともに生きる「がん医療を問う〜患者の“安心”を支えるために」(2月28日(土)放送)についてです。昨年の12月1日(月)放送のNHKスペシャル「さまよえる がん患者」をはじめ、NHKでは継続してこの問題に取り組んでいます。この番組では、患者が退院を迫られ、かかりつけ医も見つからず苦労する現実がよくわかり、がん対策の先進的な地域の取り組みも報告されていたと評価します。今後も積極的な地域の取り組みを継続して伝えていってほしいと考えます。モニターからは「父も末期がん患者。出演者に共感や反論の気持ちなど、複雑な心境だった」などの声が寄せられました。


(4)平成21年度非常災害対策等業務実施方針
(今井理事) 
 平成21年度の非常災害報道にあたっての基本方針です。重点業務として6項目掲げています。
(報道局)  
 平成23年7月の完全デジタル化を控え、災害・気象情報もテレビ・ラジオに加えてデータ放送・携帯端末等を通じた3−Screens展開による迅速・的確な情報提供に向けて整備が進められています。NHKの使命を果たすため、災害報道の体制・システム強化の一層の推進を図ります。平成21年度の業務にあたっては、以下の6項目に重点を置き、視聴者の期待に応えていきます。

1.

3−Screens展開にあわせた災害報道の検討・整備
 NHKの災害報道についても、パソコンや携帯端末を通じ、いつでもどこでも情報を見ることができる取り組みを強化します。

2.

「市町村警報」への的確な対応など気象関連報道の強化
 気象庁は平成22年度の出水期から市町村単位で気象警報・注意報を発表する方針を明らかにしました。これを受けて、よりきめ細かい情報提供のために大量の情報を的確に伝えることが求められます。放送の中でどのように伝えるか、各放送局の実情と地域性を考慮しながら、視聴者の期待に応える最適な方法を追及していきます。

3.

緊急地震速報をはじめ災害緊急報道の的確な放送と検証
 緊急地震速報をはじめ災害緊急報道の放送上の課題や問題点などを常に検証し、運用やシステムの改善に取り組むとともに、防災に関する最新の情報や知見を各放送局に周知していきます。

4.

大規模地震対策の推進
 懸念されている大規模地震への対策について、取材や安全確保のための通信手段や放送のための伝送手段の強化など、引き続き、大規模地震に伴う課題解決に向け取り組みます。

5.

国際貢献の推進と防災・減災意識の向上
 災害報道をNHKから学ぼうという機運が高まっており、国際協力機構等を通じ、多くの国や放送関係者などから研修や講演の依頼を受け、実施しています。引き続き、国際貢献に努めていきます。また、国内についても、気象庁や自治体、大学などへの研修・講演を充実させ、NHKの災害報道への理解促進を進めます。

6.

実践的な総合訓練と職員研修の充実
 NHKの災害報道に対する視聴者の期待に応えるためには、放送局の総合力や職員個人の対応力を高める必要があります。職員研修の充実・強化を進め、取材と安全確保、あらたな防災情報や3−Screens展開への対応等を重点に向上を図ります。


(日向理事)

 デジタル放送では、地震の発生から緊急地震速報がテレビ画面に表示されるまで数秒の遅れが出ますが、その改善についてはどうなっていますか。

(報道局)

 気象庁のシステムの関係で、アナログ放送でも1.6秒の遅れがあります。デジタル放送ですと、情報をいったん圧縮して本部から全国に伝送しているため、地域放送局の電波を受信されている方のところには、さらに遅れて情報が届くことになります。

(永井理事)

 テレビの映像にスーパーして速報を送ると、デジタル放送の場合は、どうしても遅れが出ることになるので、現在、国や民間の団体と協力して、映像とは別に速報を送ることで遅延を改善する方法を検討しているところです。

(副会長)

 安否情報やライフラインの情報の伝え方について、何か検討していることはありますか。
 安否情報については、被災地の外からの安否を問い合わせる情報に比べ、被災された方々からの情報が少ないように思います。

(報道局)

 ライフラインの情報については、放送のデジタル化で多くの情報を伝えられるようになりますが、被災地の厳しい環境の中でいかに情報を入手し、情報入手そのものをどうやってシステム化するか検討しています。
 被災地の方々の安否については、災害伝言ダイヤルなど通信を利用して被災地の外に情報を伝える方法は普及してきていますが、放送にアクセスする手段は難しいと思います。

(関根理事)

 17年度に、携帯電話のメール機能を利用して、被災地の方々の安否情報を東京の放送センターに送る、簡便な「安否伝言ポスト」システムを開発しました。すでに全国に配備し、訓練も定期的に行っています。


(5)2008年度放送評価調査の結果について
(放送文化研究所)
 2008年度放送評価調査の結果について報告します。
 放送評価調査は、NHKの放送に対する視聴者の評価を把握するためのもので、今年度は4回実施しました。
 最初に、今年度の調査結果のポイントですが、NHKに対する「親しみ」は、今年度4回の調査の平均は47%でした。今回の調査では、「平成21〜23年度NHK経営計画」に目標として掲げる50%をマークしました。「信頼」「満足」などの15項目の数字は一部をのぞき、4回の調査で変化は少なく安定しています。若い世代を中心に、NHKに対する評価がまだ低いという実態もあります。
 4回目の調査結果の概要を報告します。
 3月6日から8日までの3日間、電話法(RDD追跡法)により、全国の20歳以上の男女1,857人を対象に実施し、1,112人(59.9%)から回答を得ました。
 調査項目は、全体評価として「信頼(NHKの放送を信頼しているか)」、「満足(NHKの放送に満足しているか)」、「親しみ(NHKの放送に親しみを感じているか)」、「独自性(NHKの放送は民放にはない特色があると思うか)」、「社会貢献(NHKの放送は社会の役に立っていると思うか)」の5項目です。また、側面別評価として「正確・公平(事実を正しく、公平に伝えている)」、「生命・財産を守る(災害、大事件、大事故のニュースをいち早く伝えている)」、「娯楽性(楽しんだり、リラックスしたりする番組を放送している)」、「知識・教養(知識や考えを深める番組を放送している)」、「実用性(仕事や生活に役立つ番組を放送している)」、「地域への貢献(地域に役立つ番組を放送している)」、「文化の継承・発展(伝統文化の継承や、新しい文化の発展に役立つ番組を放送している)」、「福祉(お年寄りや障害のある人々のための番組を放送している)」、「教育(子どもや青少年のためになる番組を放送している)」、「国際理解(国際理解に役立つ番組を放送している)」の10項目を掲げています。15項目それぞれについて1点から5点で回答してもらい、4点以上の肯定的評価があった回答の率を出しています。
 項目間の高低など全体的な傾向はこれまでと変わっていません。全体評価では、経営目標の指標の1つとなっている「親しみ」が今年度これまでの3回の平均46%を上回り、今回50%になりました。
 続いて今年度のまとめ(平均)を報告します。
 全体評価について、2007年度の平均と今年度の平均を比較しても、各項目でほとんど差はありません。結果として「信頼」や「社会貢献」の評価が高く、項目間の評価の全体的な傾向は、これまでと大きく変わっていません。また、側面別評価では、変化が少ない中で有為に数字が変化したものは「正確・公平」で、評価が57%から60%に上がっています。
 「信頼」、「満足」、「親しみ」についてこの2年間の変化を見たところ、大きな変化はありませんが、一定の範囲内で上下しています。
 年層別に2年間の全体評価の結果を見ると、各項目でほとんど差はありませんが、50代で「独自性」の評価が58%から63%に上がっています。中でも、女性の評価が高い傾向が見られます。また、20代、30代の全体評価は、高齢層に比べて全体的に数字が低く、評価をもらえていない実態にあります。
 年層別側面別評価の2年間の結果を見ると、50代で「正確・公平」、「国際理解」の2項目の評価が上がっています。
 これまでの報告をまとめてみると、前年度評価が高かった項目は今年度も評価が高く、相対的に低い項目は低く、全体的な傾向は2007年度と同じでした。また、各項目の評価は非常に安定しており、2007年度と比べて「正確・公平」の評価が高くなった以外は変わっていませんし、調査回ごとの推移を見ても、増加・減少など一方向に変化している項目はありません。年層別の特徴を見ても、若年層の評価は全体的に低く、年齢が高くなるにつれて評価が高くなるという傾向や、若年層では項目間の評価の差が大きいという傾向は変わっていません。
 また、評価項目は相互に関連しているかどうかを分析したところ、ある項目の評価が高くなると、別の項目も評価が高くなる傾向があることがわかりました。「信頼」、「満足」、「親しみ」の3項目を見ると、一方が上がると他方も上がるという傾向が見られ、相互に関連性があるものと考えられます。「親しみ」と相関が高い項目は、全体評価では「満足」、ついで「社会貢献」、「信頼」で、側面別評価では「娯楽性」でした。こうした結果から、NHKに対する親しみの感情は、信頼に裏付けられた親しみなど、NHKならではの親しみの感情としてとらえられていることがうかがえます。

(今井理事)

 2008年度の9月の調査結果で、「信頼」、「満足」、「親しみ」が下がっているのは、何か原因があるのですか。

(放送文化研究所)

 この調査結果だけでははっきりわかりませんでしたが、この時期にNHKで何か問題があったというようなことはありませんでした。
 なお、この調査では、1週間にNHKをどの程度見ているか、視聴頻度もあわせて質問していますが、視聴頻度が高いと「親しみ」も高くなるという傾向が見られました。

(副会長)

 視聴頻度のデータはありますか。

(放送文化研究所)  視聴頻度という形式での質問なので、「ほとんど毎日」という回答が多くなる傾向がありますが、「ほとんど毎日見ている」と答えた割合は、2008年度の平均で60%という高い数字が出ています。「3日に1回ぐらい」と「1週間に1回ぐらい」をまとめた数字が18%、「半月に1回ぐらい」、「1か月に1回ぐらい」、「たまに」をまとめた数字が13%という結果でした。

(6) 日本放送協会健康保険組合ならびに日本放送協会共済会の平成21年度収支予算および事業計画について
(関根理事)
 平成21年2月18日に開催された日本放送協会健康保険組合組合会ならびに日本放送協会共済会評議員会において、平成21年度収支予算および事業計画が提案どおり可決されましたので報告します。
 21年度の健康保険組合の一般勘定は事業収支規模で95億9,600万円となり、20年度の98億7,100万円に比べて2億7,500万円の減収を見込み、介護勘定は6億円の増収を見込んでいます。
 おもな事業計画については、付加給付、各種検診等の経費補助施策、メンタルヘルスへの対応等心身の健康増進施策について現行レベルを維持します。また、新年度から「特定保健指導」が加わり、メタボリック対策の個別指導を行います。
 日本放送協会共済会の一般会計は、事業収支規模で39億7,300万円、特別会計は57億500万円となっており、一般会計、特別会計ともに減収の見込みです。
 おもな事業計画については、多様な勤務形態を有す会員ニーズの的確な把握と対応、育児支援策等の適正な運営と円滑な実施を行っていきます。

(7)放送番組審議会議事録(資料)
(編成局)
 編成局および国際放送局から、中央放送番組審議会、国際放送番組審議会、全国の地方放送番組審議会(関東甲信越、近畿、中部、中国、九州、東北、北海道、四国)の平成21年2月開催分の議事録についての報告。
(注1:放送番組審議会の内容)



以上で付議事項を終了した。

 注1:

放送番組審議会の内容は、NHKホームページの「NHK経営情報」のなかに掲載しています。
上記のとおり確認した。
      平成21年 4月14日
                     会 長  福 地 茂 雄

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