日本放送協会 理事会議事録  (平成20年 5月20日開催分)
平成20年 6月 6日(金)公表

<会 議 の 名 称>
 理 事 会

<会  議  日  時>
 平成20年 5月20日(火) 午前9時00分〜9時55分

<出   席   者>
 福地会長、今井副会長、金田専務理事、日向理事、溝口理事、
 八幡理事、永井理事、後藤理事、大西理事、関根理事

 多賀谷監査委員

<場         所>
 放送センター 役員会議室

<議        事>
 福地会長が開会を宣言し、議事に入った。

付議事項

審議事項
(1)第1069回経営委員会付議事項について
(2)平成19年度業務報告書について
(3)日本放送協会平成19年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書
   並びにこれに関する説明書について
(4)「平成19年度電波の利用状況調査の評価結果(案)」に対する意
   見の提出について

議事経過
審議事項
(1)第1069回経営委員会付議事項について
(総合企画室)
 5月27日(火)に開催される第1069回経営委員会付議事項について審議をお願いします。
 付議事項は、議決事項として「日本放送協会平成19年度業務報告書」と「日本放送協会平成19年財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書について」、審議事項として「次期経営計画骨子(案)」、報告事項として「19年度“約束”の評価を受けて」と「放送受信契約締結拒否者に対する民事訴訟提起について」です。
 また、監事から「日本放送協会平成19年度業務報告書に添付する監事の意見書について」、「日本放送協会平成19年度貸借対照表等に添付する監事の意見書について」そして「平成19年度業務に関する監事監査報告について」の説明があります。

(会 長)  原案どおり決定します。


(2)平成19年度業務報告書について
(総合企画室)
 平成19年度業務報告書について審議をお願いします。
 業務報告書は、放送法第38条の規定に基づき、NHKが各年度に行った業務の内容を取りまとめ、総務大臣に提出することになっています。本日了承されれば、次回の経営委員会に諮り、議決を得たうえで、監事の意見書を添えて、決算とあわせて総務大臣に提出する予定です。
 報告書は11の章からなっており、第1章は第2章以下の各論のサマリーとして事業運営の概況を記述しています。第1章の冒頭で、「内外の経営環境が大きく変化する中で」と記し、これに続けて経営環境の変化として特に大きな要素であった放送法改正への対応について特記しています。
 第2章は国内、国際放送等についての放送番組の概況、第3章は放送番組に関する世論調査及び研究、第4章は営業及び受信料関係業務の概況、第5章は広報活動、情報公開、公開番組など視聴者関係業務の概況、第6章は放送設備の建設改修及び運用の概況、第7章は放送技術の研究、第8章は経営委員会、執行部、監事、コンプライアンス活動の推進、内部統制の構築など業務組織の概要及び職員の状況、第9章は財政の状況、第10章は子会社等の概要、第11章はその他を記述しています。また、関連する資料も掲載しています。
 なお、業務報告書(監事の意見書を含む)は情報公開の一環として、全国の放送局、支局、営業センターに備え置くほか、NHKのホームページにも全文掲載します。

 

(八幡理事)

 第1章、事業運営の概況の冒頭、経営環境の認識の部分で、今回は経営環境が大きく変化するという表現になっています。各論ではかなり丁寧に書き込んでいますが、コンプライアンスの取り組みについても冒頭で触れておく必要があるのではないでしょうか。

(会 長)

 コンプライアンスに関する施策をさまざまに行ってきたが、結果として十分でなかったということを書くということですか。

(日向理事)

 この件は多くの要素があるので、冒頭で簡潔に記述するのは難しいのではないかと思います。

(総合企画室)

 この部分はご指摘の趣旨を生かして一部表現を修正したいと思います。

(後藤理事)

 第2章の中の「番組制作の委託」の部分ですが、「多様で質の高い放送番組を安定的に確保するため」番組制作を委託したと書いていますが、ここで例示する放送番組を再検討してください。
 また、第5章の中の「公開番組、催物等」についてですが、NHKでは放送と連動したイベントを実施していますので、この点がより鮮明になるように表現を工夫してもらいたいと思います。

(会 長)

 ただ今の意見を踏まえ、記述内容を一部修正のうえ経営委員会に諮ることにします。


(3)日本放送協会平成19年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書
   並びにこれに関する説明書について
(経理局)
 日本放送協会平成19年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書について審議をお願いします。
 19年度決算に関して、予算総則の適用等についてはすでに理事会、経営委員会ともに説明していますが、最終的に数字が確定しました。
 事業収入は、受信料が受信契約件数の増加等により、18年度と比較して173億円の増収となる一方、その他の収入が固定資産売却益の減少などにより、48億円の減収となり、事業収入全体では、前年度6,432億円に対し、125億円増収の6,557億円となりました。また、予算額との比較では、受信料が181億円増加したことなどにより、事業収入が205億円の増加となりました。
 事業支出は6,182億円で、国内放送費が放送サービスの充実等により増加したものの、受信料の契約収納に要する経費を削減したこと、要員を計画どおり削減したことなどにより、前年度比15億円の減少となりました。予算額との比較では129億円の予算残となっています。
 事業収支差金は375億円で、このうち8億円を債務償還に充当し、残りの367億円を財政安定のための財源として翌年度に繰り越します。
 本日、了承されれば、5月27日開催の経営委員会で審議、議決を得たうえで、監事の意見書を添えて、業務報告書とあわせ、総務大臣に提出する予定です。なお、この決算は、放送法第40条第2項、第3項に基づき、会計検査院の検査を経て国会の審議に委ねられます。
 なお、19年度決算についての資料は、全国の放送局、支局、営業センターに備え置くほか、NHKホームページにも全文を掲載します。

(会 長)  原案を了承し、経営委員会に諮ることにします。


(4)「平成19年度電波の利用状況調査の評価結果(案)」に対する意
   見の提出について
(技術局)
 「平成19年度電波の利用状況調査の評価結果(案)」に対する意見の提出について審議をお願いします。
 総務省は、電波の需要増大に対応して電波の有効利用に資する施策を推進するため、平成15年度から電波の利用状況調査を行っています。年度ごとに、3.4GHz超、770MHzを超える3.4GHz以下、770MHz以下の周波数帯に分けて、電波を有効に活用しているかという観点から、無線局の数や用途、使用年数、通信量、デジタル化計画などを調査しています。調査の評価結果をもとに、周波数割当の再編を行い、再配分等の具体的な方策を実施しています。今年度の調査は、770MHzを超える3.4GHz以下の周波数を利用する無線局が対象です。総務省は「平成19年度電波の利用状況調査の評価結果(案)」をとりまとめ、5月23日を期限に「評価結果(案)」について意見を募集しています。
 今回の調査対象のうち、NHKが関係するものは、1800MHz帯FPU、2特定ラジオマイク(ワイヤレスマイク)、3950MHz帯音声STL/TTLの3システムです。
 「評価結果(案)」のポイントは次のとおりです。
 1については、ハイビジョンテレビの番組素材伝送の需要に対応するための高画質化の必要性に対して一定の理解を示したうえで、狭帯域化が必要としています。2については、チャンネル数の増大及び周波数利用効率の改善を図るためデジタル方式の導入を検討する必要であるとしています。3については、この周波数帯における電子タグの利用増大を見込んで、このシステムは平成27年(2015年)を目途にVHF帯等へ移行することが適当としています。
 これらに対し、次の内容の意見を提出したいと考えています。
 1について

  800MHz帯のFPUは、ロードレースなどでの移動中継に欠かせないシステムであり、今回の「評価結果(案)」では、ハイビジョンの推進のために高画質化が必要であることを理解したうえで、狭帯域化が必要とされています。現在、放送技術研究所において、画質改善、周波数利用効率の改善の研究を進めているところであり、今後も、引き続きこのシステムが確実に利用できることを希望したい。

 2について

  特定ラジオマイク(ワイヤレスマイク)についても、番組制作上不可欠なもので、デジタル方式の導入によってチャネルが増大することは期待できますが、実際の番組制作において利用するためには、遅延時間が十分小さくなるような技術開発が必要であり、引き続き現在のシステムが確実に利用できることを希望したい。

 3について

  音声のSTL/TTL回線については、これまで国の電波政策に従い、従来のVHF帯から、950MHz帯、さらには3.4GHz帯への移行を進めてきました。現在、950MHz帯を利用している音声STL/TTLは、該当回線が長距離・海上伝搬などによりフェージング等が起きるため高い周波数へ移行できなかったものであり、今回の「評価結果(案)」において、今後、VHF帯の周波数を利用する方向が示され、移行先の回線が確保できる見通しが立ったことから、電波の有効利用のため移行に協力する一方、この回線を用いて提供しているラジオ放送は、基幹メディアとして引き続き重要な放送であり、今後もこの放送が確実に継続できるよう、移行期限など制度上の配慮を要望したい。

(会 長)  原案どおり決定します。



以上で付議事項を終了した。
上記のとおり確認した。
      平成20年 6月 3日
                     会 長  福 地 茂 雄

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