日本放送協会 理事会議事録  (平成19年11月27日開催分)
平成19年12月14日(金)公表

<会 議 の 名 称>
 理 事 会

<会  議  日  時>
 平成19年11月27日(火) 午前9時00分〜9時50分

<出   席   者>
 橋本会長、永井副会長、原田専務理事、畠山理事、小林理事、金田理事、
 中川理事、石村理事、西山理事、日向理事、溝口理事、八幡理事

 古閑監事

<場         所>
 放送センター 役員会議室

<議        事>
 橋本会長が開会を宣言し、議事に入った。

付議事項
1 審議事項
(1)平成20年度予算編成方針(案)

2 報告事項
(1)監査結果報告
(2)考査報告
(3)19年10月のCS(お客さま満足)向上活動報告
(4)放送番組審議会議事録(資料)
  

議事経過
1 審議事項
(1)平成20年度予算編成方針(案)
(経理局)
 平成20年度予算編成方針(案)について審議をお願いします。
 「平成20年度予算編成の基本的な考え方について」は、先月23日の理事会で審議、了承され、同日開催の経営委員会に提出し、ご審議いただきました。経営委員会の審議を踏まえ、その内容を改めて精査し、平成20年度予算編成方針(案)として取りまとめました。
 平成20年度は、「平成18〜20年度 NHK経営計画」(「3か年経営計画」)の最終年度であるとともに、デジタル時代の新たな公共放送の基礎を築く重要な年度です。こうした状況の中、NHKは公共放送の変わらぬ使命を果たしつつ、自らの改革を進め、視聴者のみなさまの期待にこたえていきます。
 放送においては、放送の自主自律を堅持し、信頼されるニュースと多彩で質の高い番組を制作し、視聴者のみなさまの要望に的確にこたえます。幅広い視聴者層とりわけ若い世代に向けた番組や地球環境問題に継続的に取り組む番組、地域サービスの充実等に力を注ぐとともに、報道取材体制を強化し、北京オリンピックやサミットなどの取材・放送に万全を期します。また、地上デジタル放送の普及や国際放送による海外への情報発信の充実に努めます。
 主たる財源である受信料については、公平負担に向けて、いっそう効率的な契約・収納活動を推進するとともに、訪問集金の廃止等の新たな施策の実施と合理的な受信料体系への改定を行います。
 また、内部統制構築に向けコンプライアンスの徹底を図り、視聴者のみなさまからいっそう信頼される公共放送を目指します。
 こうした方針のもと、事業運営の重点事項を、1“NHKだからできる”放送を通して放送の公共的役割を追求、2地域サービスの充実、3国際放送による海外への情報発信の強化、4地上デジタル放送の普及促進、5新たな放送サービスの開発や放送の発展に向けた調査研究の推進、6受信料の公平負担に向けた契約収納活動の強化と経費の削減、7視聴者のみなさまとの結びつきの強化、8信頼される公共放送のための業務運営の改革、9子会社等の改革、の9項目とし、効率的、効果的な予算編成を行いたいと思います。
 なお、この内容が了承されれば、本日開催の経営委員会に提出したいと思います。

(会 長) 原案を了承し、経営委員会に諮ることとします。



2 報告事項
(1)監査結果報告
(監査室)
 ラジオセンターと北海道地方各放送局の監査結果の概要について報告します。監査は10月中旬から11月初旬にかけて実施しました。
 ラジオセンターでは、19年度「いつでもどこでも安心ラジオ」をキャッチフレーズに各時間帯ごとに聴取対象を明確にした番組を編成して、より信頼され親しまれるラジオを目指しています。
 今年3月に発生した能登半島地震や7月に発生した新潟県中越沖地震では、ラジオ第1でいち早く速報し、また、現地からの中継やきめ細かな生活情報も伝えました。強い地震の発生を大きな揺れがくる前に伝える「緊急地震速報」については、10月からの運用開始にあわせ、7月から9月にかけて全国放送で、スポットを集中して放送するなど周知に努めました。スポットを10月以降も随時放送しているほか、日本道路交通情報センターに協力を要請して、運転中に速報が出た場合のドライバーの心得を交通情報の中で呼びかけています。また、19年度、団塊の世代の聴取者に向けて新設した「どよう楽市」(毎週土、8:35〜10:55)は、メディア・プロデューサーの残間里江子さんと上田早苗アナウンサーの女性2人による司会者の軽妙なトークで、40代から60代の女性を中心に好評です。
 札幌放送局は、夕張市が財政破たんした問題で、継続的にリポートや解説などの企画ニュースを出し続けています。18年度だけで68本を制作し、その多くを全国ニュースで放送しました。5年ぶりに制作したドラマ「雪あかりの街」は、小樽と北海道大学を舞台に家族のきずなを描いた番組で、主演女優や脚本家などを地元から起用するとともに、放送前に試写会を行うなどPR活動も積極的に行い好評でした。12月16日(日)には全国放送する予定です。また、人材育成としては、寒冷地での潜水技術の継承や、地上デジタル放送関連のスキル向上などを目指した研修にも積極的に取り組んでいます。
 函館放送局は、今年2月に開局75周年を迎えましたが、その記念として、過去に放送した「新日本紀行」などを2月から7月にかけて随時「道南アーカイブス」として放送しました。また、「どどんと道南ラジオ」の公開中継を行うなど、身近な地域放送局として視聴者とのふれあいを大切にしています。また、今年10月から地上デジタル放送を開始しましたが、対岸の室蘭市に渡島中継放送局を置局し、噴火湾沿岸地域のローカル難視を解消するなど、地上デジタル放送の普及にも努めています。
 旭川放送局は、金曜午後6時台に放送している「ここスタ!」で、随時、キャスターがスタジオを飛び出して道北各地の情報を伝えています。また、今年6月に訪問介護大手のコムスンに対して、厚生労働省が事業所指定不許可を発表したことを受けて、利尻島の実情を取材し、「クローズアップ現代」で全国に伝えるなど、地域情報の発信に努めています。
 帯広放送局は、地上デジタル放送の普及・広報に取り組むため、18年12月、若手職員による「とかちデジタルプロジェクト」を立ち上げ、地上デジタル放送のPR番組の制作や新規イベントの企画・実施に取り組んでいます。例えば、「デジタル爆笑寄席」では、北海道在住の落語家、三遊亭洋楽さんが地上デジタル放送の魅力を語るイベントを実施しました。放送開始1か月前の9月には、地元のIT関連企業が中心になって開いた「とかち地デジ博」で、試験放送の受信公開や、講演会などを実施し、2日間の来場者は約1万3,000人に上りました。
 釧路放送局は、今年10月からの地上デジタル放送にあわせたデータ放送で、“災害・海・自然”をキーワードに、16種類の独自コンテンツを作成しました。“災害”では、津波や洪水に関する「ハザードマップ」、「避難所情報」、“海”については、漁業者から要望が強かった「海上の風」や「波の高さ」などの気象情報、“自然”では「道東の自然」などの情報を伝えています。また、10月6日、7日には開局70周年記念として会館公開「なるほど発見!釧路局2007」を実施、地上デジタル放送の相談コーナーを設けたほか、子ども向けの展示やイベントを行い、1,500人が来場しましたが、来場者の満足度は非常に高く、好評でした。
 北見放送局は、18年10月の大型低気圧による被害以降、佐呂間町の竜巻災害、オホーツク海の津波警報、北見市のガス漏れ事故、美幌町の列車衝突事故、北見市の大規模断水と、相次いだ事故や災害に的確に対応し、地域の安全・安心に大きく貢献しました。また、18年10月に放送した「ハイビジョンふるさと発 “夢の花園”をつくる男」は、たった1人で800種類の花が咲く植物園を作り上げた高橋武市さんの姿と美しい花々を描き、大きな反響を呼び、総合テレビでの全国放送を含めて8回再放送しました。
 室蘭放送局は、来年7月に洞爺湖町で開催されるサミット(主要国首脳会議)に対応するため、局内にプロジェクトを設け、ロボットカメラの設置や地上デジタル中継放送局の整備などに取り組んでいます。また、月曜から木曜の午後6時台に放送している地域情報番組「いぶりDAYひだか」では、苫小牧や浦河報道室からのリポートなど広範な域内ニュースのほか、会館の公開スペース「プラザμ(ミュー)」のお知らせや、元気な子どもたちを紹介する“GO!GO!元気ッズ”など、幅広い視聴者層に情報を伝えています。
 コンプライアンス活動・適正経理の取り組みについては、コンプライアンスに関する研修会や勉強会、適正経理の徹底を図るため局独自に集中的に点検を行うなど、各局とも積極的に取り組んでいます。
 証ひょう類の調査では、出張報告書に添付する宿泊先領収書は、本来支払った個人宛であるべきところを、NHK宛になっているものが散見されるなどの不備がありましたので、適正に処理するよう改善を求めました。


(2)考査報告
(考査室)
 19年10月下旬から11月中旬に放送されたニュース・番組について、概要を報告します。
 まず、自民党との連立協議に絡んだ民主党の小沢代表の辞意表明に関するニュースについてです。
 11月2日の連立打診の一報をスーパーで速報したのに続き、めまぐるしく動いた情勢を特設ニュースなどの弾力的な編成により的確に伝えていました。
 次に、福田総理大臣になって初めての日米首脳会談のニュースについてです。
 午前1時35分から「日米首脳共同発表」を特設し、会談後の両首脳の記者発表をワシントンのホワイトハウスから中継しました。「おはよう日本」では、北朝鮮による拉致問題やテロ国家指定解除問題について、日米双方の思惑の違いを、きちんと指摘していました。
 守屋前防衛事務次官に対する、参議院での証人喚問のニュースについてです。
 11月15日、午前中、山田洋行の米津佳彦社長に対する参考人質疑を、午後には守屋武昌前防衛事務次官に対する証人喚問を中継しました。4時の「ニュース」で、業務上横領の疑いで逮捕された山田洋行の元専務との宴席の場に同席していた政治家について、守屋前次官が初めて名前を明らかにしたと伝えました。「ニュースウオッチ9」では、社会部長が証人喚問の内容を整理し、事実関係をパネルなどを使い分かりやすく説明しました。
 次に、いくつかの番組について報告します。
 まず、NHKスペシャル「あなたの笑顔を覚えていたい」(10月29日放送 津・名古屋局制作)についてです。記憶を保てないという障害のある女性が「自分が記憶をなくしても、わが子が自分を覚えてくれる」と気づき、子育てに自信を深めていく姿は感動的で、全国に30万人いるといわれる高次脳機能障害の患者やその家族にも希望を与える番組だったと思います。
 NHKスペシャル「眠れる再生力を呼びさませ〜脳梗塞・心筋梗塞治療への挑戦」(11月5日放送 札幌局制作)は、患者自身の骨髄細胞を脳梗塞や心筋梗塞の治療に利用する再生医療の最前線を取材した番組です。ヒトが本来持っている再生力のすばらしさや脳梗塞や心筋梗塞を治療する「骨髄幹細胞治療」のメカニズムが分かりやすく紹介されていました。モニターからは、「自分の骨髄を使った再生医療が、手術でなく点滴で体内に戻すだけということに驚いた」などのご意見のほか、「一度の投与で劇的に回復していたが、副作用はないのか説明がもう少しほしかった」などの声が寄せられました。
 「地球 (わら)ウソTV〜USO!HONTO?」(11月11日放送 GTV 午前0:05〜0:34)は、本当らしく聞こえるが実は思わず笑ってしまうようなウソの“笑ウソ”と、ウソのようだが紛れもない“ホント”をプレゼンターが力説し、この“お題”の真偽を見破り、笑ウソを当てるクイズバラエティーです。笑いを交えたプレゼンや出演者同士の掛け合いはテンポよく軽妙だったと思います。ただ、“事実”ではなく“ウソ”の方を当てるという設定は複雑で混乱しました。出演者の人選や演出スタイルなどが民放のバラエティーのような印象で、NHKの開発番組としてもう少し独創性が欲しかったと思います。モニターからは、「NHKのクイズ番組は堅苦しいイメージだが、スタジオの雰囲気も明るく話も盛り上がった」などのご意見のほか、「内容が他番組(『びっくり法律旅行社』や民放の番組)と重なり、つまらなかった」などの声が寄せられました。
 「花屋ひなげし〜イマドキ!お作法物語」(11月15日放送 GTV 午前0:35〜1:04)は、30代の女性たちが何かと気にしているという“イマドキ”のマナーや作法を学ぶことができるコメディー仕立てのバラエティー番組です。同世代へのアンケート調査も交えて、気楽に楽しめる内容でした。マナーや作法の基準や地域差にも配慮して、女性向けの番組としてさらに充実させてほしいと思います。モニターからは、「ドラマを楽しみながら、“イマドキ”のマナーや作法を学べる女性向けのセンスある番組だった」、「30代の女性にはもの足りない内容だった」などの意見が寄せられました。
 ETV特集「里山保育が子どもを変える」(10月28日放送 ETV 午後10:00〜11:29)は、千葉県木更津市の保育園で実践されている里山保育に密着した番組です。子どもたちが自然の中で伸び伸び成長していく姿を粘り強く記録していました。安全や安心が優先される現代の子育てに一石を投じる内容だったと思います。モニターからは、「自然の美しさや生物の命の輝きを実感した」、「稲刈りでかまを使うときなど園が子どもの危険とどう向き合っているのかもう少し知りたかった」などの声が寄せられました。
 ハイビジョン特集「ファーブル昆虫記〜南仏・愛しき小宇宙」(10月22日〜24日放送 BShi午後8:00〜9:30) は、「昆虫記」の完訳に挑むフランス文学者の奥本大三郎さんがファーブルの生涯をたどり、カメラマンの海野和男さんが虫の生態を映像化する様子などを描きました。「昆虫記」の世界を立体的に構成し、味わい深い番組になっていたと思います。モニターからは、「ファーブルの生涯や旅を織り交ぜ、昆虫ファンでなくても興味を抱けるように構成されていた」などの声が寄せられました。
 ハイビジョン特集 天才画家の肖像「江戸っ子浮世絵師、参上 歌川国芳」(11月7日放送 BShi 午後8:00〜9:49)は、愛猫が国芳の人物像を語るドラマ風の設定で、江戸庶民に愛された国芳の作品の魅力を現代アーティストたちによる検証を交えて伝えました。国芳のユニークな作品が趣向を凝らした演出で楽しく紹介され、くつろいだ気分で美術鑑賞ができる番組でしたが、挿入した狂歌や猫による解説がどこまで史実に基づいているのか曖昧なところがあり、やや気になりました。モニターからは、「国芳の貪欲な探求心と向上心、豊かな遊び心に触れて大満足だ」、「さまざまな検証は面白かったが、その反面全体に統一感がなかった」などの声が寄せられました。
 「にっぽん 心の仏像 100選」(前・後編)(11月10日、11日放送 BShi 後7:00〜10:00)は、視聴者から「心に残る仏像」についていただいた1,481通のお便りをもとに、100体の仏像を紹介した番組です。ゲストはいとうせいこうさん、松坂慶子さん、宇崎竜童さんほかのみなさんでした。モニターからは、「仏像を改めて見直したい気持ちにさせられた。さまざまな仏像と対話でき、正に至福の時間だった」などの意見が寄せられました。
 地球特派員2007「サブプライムショック〜米・住宅バブル崩壊の現場」(11月11日放送 BS1 後10:10〜10:59)についてです。サブプライムローンの仕組みも分かりやすく説明され、米国の住宅バブルの崩壊が世界経済に及ぼす影響も視聴者のみなさまに理解していただけたと思います。モニターからは、「サブプライムローンの債権が証券化されてさまざまな金融商品に変化し、アメリカでの出来事が世界各国に影響を及ぼす仕組みがよくわかった」、「この問題についてのアメリカ政府の対応や、住宅を明け渡した人たちのその後の生活にも触れてほしかった」などの意見が寄せられました。


(3)19年10月のCS(お客さま満足)向上活動報告
(視聴者サービス局)
 19年10月のCS向上活動について報告します。
 まず、コールセンターで受け付けたご意見・お問い合わせは、99,914件でした。
 10月は、「ハイビジョン特集」と「NHKスペシャル」に多くの反響が寄せられ、「ハイビジョン特集」については今年度最多の反響でした。その中でも、ハイビジョン特集の「決定版・SL大図鑑」(10月16日、17日放送)と「数学者はキノコ狩りの夢を見る」(10月1日放送)、また、NHKスペシャルの「学徒兵 許されざる帰還〜陸軍特攻隊の悲劇〜」(10月21日放送)と「100年の難問はなぜ解けたのか〜天才数学者失踪の謎〜」(10月22日放送)に、特に多くの再放送希望などが寄せられました。
 10月に特に好評な意見が集中した番組は、ためしてガッテン「予備軍2000万人!腎臓病の真実」(10月24日放送)、生活ほっとモーニング「シリーズ認知症」(1)見過ごされる認知症〜医療と福祉の狭間で〜、(2)早期発見で先手を打つ(10月3日、4日放送)、「行くとこありません〜療養病床削減の波紋〜」(10月24日放送)、木曜時代劇「陽炎の辻」〜居眠り磐音 江戸双紙〜(11)<終>(10月11日放送)、「風の果て」(1)<新>(10月18日放送)、「男 自転車ふたり旅〜柾樹と浩司“どんど晴れ”の舞台めざして〜」(10月8日放送)、プロフェッショナル 仕事の流儀「見えない心に、よりそって 自閉症支援・服巻智子」(10月30日放送)、ETV特集「生きづらい時代の大人たちへ〜シンガー・馬場俊英のメッセージ〜」(10月7日放送)でした。
 10月からスタートした海外ドラマ「ザ・ホスピタル」、「北京バイオリン」には、再放送のお問い合わせなど多くの反響が寄せられ、好評な滑り出しとなりました。なお、12月から放送予定のペ・ヨンジュン主演の韓国ドラマ「太王四神記」には、すでにこれらの番組とほぼ同数の問い合わせがあり、50〜60代の女性の強い期待が感じられました。
 同じく10月からスタートした新番組、「びっくり法律旅行社」と「爆笑問題のにっぽんの教養」についてはいずれも好評で、特に後者には「難解なテーマについても太田光さんが分かりやすく、かつ笑いを交えて通訳しているようで、大変楽しく興味を持って観ることができた」、「せっかくのいい番組なので、もっと早い時間帯に放送してほしい」などの声が多く寄せられ、30〜40代の方の意見も目立ちました。
 次に、ふれあいミーティングの実施状況です。10月は全国で222回開催し、参加者は6,035人でした。
 特に最近の取り組みとして、名古屋放送局では、永井副会長、原田専務理事、小林理事が出席した「NHKほっとミーティングin名古屋」を実施しました。これは、参加者をホームページやスポット等で公募して実施したもので、119人の方に参加していただき、活発な意見交換を行いました。参加者からは「『中学生日記』など良質な番組を制作しているが、番組のPRが不足している」、「若者や弱者が共感できる“人にやさしい”放送を心がけてほしい」などの意見が出されました。このミーティングの模様は、東海3県ブロックで12月9日に放送する予定です。
 続いて、視聴者のみなさまの声などを生かした改善の件数です。10月は、本部15件、各放送局103件、合計118件で、これは今年度最多の件数でした。
 主な改善実施事例を報告します。
 9月7日の早朝、神奈川県に台風が上陸した際、「午前6時00分の時点で、大雨・暴風などの警報情報を伝えてほしい」、「177・天気予報電話サービスは混んでいてつながらない。もっと頻繁に放送で警報情報を出してほしい」といった要望が、教育関係者、中・高校生の保護者等から多数寄せられました。こうした声を受けて理由を調べたところ、一定の通学時間のかかる首都圏の中学・高校では「緊急時の対応」として、「午前6時00分時点で大雨・暴風警報が発令されているかを放送などで(学校によってはNHKの放送によって)確認し、登校か自宅待機かを生徒が自主的に判断するようにしている実態があることが分かりました。総合テレビでは、午前6時台の時間帯には、6時20分台、40分台、50分台の計3回、大雨・暴風警報などを伝えていましたが、今後は、この声に十分配慮して、通勤・通学時間帯に大雨・暴風警報が出ているケースなどにおいては、午前6時前と7時前の地域放送の天気予報について、警報の画面をこれまでよりも長く表示するなどの改善をできる限り行うこととしました。
 次に、満足度向上への取り組みについてです。
 放送技術研究所では、毎年1回、世田谷の同研究所で最新の研究成果を展示する「技研公開」を行っていますが、全国の視聴者のみなさまに気軽にNHKの放送技術を知っていただく機会として、「技研公開」のミニ版「技研ひろば」を17年度から実施し、全国を巡回しています。3年目となる19年度もこの10月から釧路放送局、青森放送局をはじめ全国9か所の放送会館などに、放送技術研究所の機材と職員を派遣し、地域の視聴者のみなさまに公開していく予定です。

(会 長)  大雨・暴風警報の改善事例にもあったように、電話のように回線が混雑することなく一斉に情報を送ることのできる放送の機能は大事です。より良い情報の伝え方を常に考え、公共放送としての役割をしっかり果たしていくことが必要だと思います。

(4)放送番組審議会議事録(資料)
(編成局)
 編成局および国際放送局から、中央放送番組審議会、国際放送番組審議会、全国の地方放送番組審議会(関東甲信越、近畿、中部、中国、九州、東北、北海道、四国)の平成19年10月開催分の議事録についての報告。

(注1:放送番組審議会の内容)

注1:放送番組審議会の内容は、NHKホームページの「NHK経営情報」のなかに掲載しています。



以上で付議事項を終了した。
上記のとおり確認した。
      平成19年12月12日
                     会 長  橋 本 元 一

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