日本放送協会 理事会議事録  (平成19年 8月28日開催分)
平成19年9月14日(金)公表

<会 議 の 名 称>
 理 事 会

<会  議  日  時>
 平成19年 8月28日(火) 午前9時00分〜10時05分

<出   席   者>
 橋本会長、永井副会長、畠山理事、小林理事、金田理事、中川理事、
 石村理事、西山理事、日向理事、溝口理事、八幡理事

 古閑監事、坂野監事

<場         所>
 放送センター 役員会議室

<議        事>
 橋本会長が開会を宣言し、議事に入った。


付議事項
1 審議事項
(1)第1050回経営委員会付議事項について
(2)モバイル放送株式会社に対するテレビジョン放送番組の提供について
(3)中央放送番組審議会委員の委嘱について

2 報告事項
(1)コンプライアンス徹底と内部統制構築に関するNHKの現状と今後
(2)考査報告
(3)19年7月のCS(お客さま満足)向上活動報告
(4)契約・収納活動の状況(平成19年7月末)
(5)財政の現況(平成19年7月末)
(6)放送技術審議会委員の委嘱、退任について

議事経過
1 審議事項
(1)第1050回経営委員会付議事項について
(秘書室)
 8月29日(水)に開催される第1050回経営委員会付議事項について審議をお願いします。
 付議事項は、議決事項として「中央放送番組審議会委員の委嘱について」、報告事項として「契約・収納活動の状況(平成19年7月末)」と「財政の現況(平成19年7月末)」です。

(会 長) 原案どおり決定します。


(2)モバイル放送株式会社に対するテレビジョン放送番組の提供について
(総合企画室)
 モバイル放送株式会社に対するテレビジョン放送番組の提供について審議をお願いします。
 モバイル放送株式会社は、平成16年10月から2.6GHz帯という新しい放送用周波数帯を用いて移動体向けに衛星放送を行っている唯一の放送事業者でデジタル有料放送サービスをしています。
 NHKは、モバイル放送株式会社の要請に応じて、放送法第9条第2項第6号の業務として、テレビジョン放送番組を有償で提供しています。平成16年以来、総務省から1年ごとの認可を受けて番組提供をしていますが、引き続き19年10月から20年10月まで提供したいと考えています。
 提供を行う理由は、災害時の情報伝達手段としても有効な移動体向け衛星放送という新しい形態の放送の普及・発展に資することです。
 提供する放送番組は、「おはよう日本」、「正午のニュース」、「ニュース7」、「ニュースウオッチ9」等の主要ニュースと「鶴瓶の家族に乾杯」、「ためしてガッテン」、「プロフェッショナル 仕事の流儀」、一部の語学番組などの一般番組で1日平均8時間程度です。非常災害時は、災害時の情報源として期待されているモバイル放送の特性に鑑みて、提供時間量にこだわらず、要請に応じて、災害情報等の提供を積極的に実施します。
 なお、この議案が了承されれば、経営委員会の議決を経たうえで、放送法第9条第8項の規定に基づき、総務大臣あてに認可申請を行います。

(会 長)  原案を了承し、経営委員会に諮ることとします。


(3)中央放送番組審議会委員の委嘱について
(石村理事)
 中央放送番組審議会委員の委嘱について審議をお願いします。
 青木奈試=i作家)に平成19年9月1日付で再委嘱したいと思います。
 なお、この内容が了承されれば、第1050回経営委員会に諮ります。

(会 長)  原案を了承し、経営委員会に諮ることとします。


2 報告事項
(1)コンプライアンス徹底と内部統制構築に関するNHKの現状と今後
(コンプライアンス室)
 コンプライアンス徹底と内部統制構築に関するNHKの現状と今後について報告します。
 6月26日、NHKコンプライアンス委員会は経営委員会に対し、同委員会からの諮問内容である「NHKのコンプライアンス抜本対策(含む全部局業務調査)に対する評価と提言」についての最終答申を行いました。経営委員会は、これを受けて、7月24日、「コンプライアンス徹底と内部統制に関する申し入れ」を執行部へ行いました。申し入れの内容は次の5項目のとおりです。
 通信・放送融合の流れの中での公共放送の理念、あり方を内外に明確に示すとともにそれを実現するための各部門の具体的な行動指針を明示すること
 内部統制の構築にあたっては、上から一律的に施策を決めるのではなく、各部門において何が課題であり、どういう改善策が必要かについて、現場の意見をくみ上げ、まとめる形で進めること
 NHKのコンプライアンスにかかわる現状やこれまでの取り組みの評価についての総括的見解を示すとともに、近時の不祥事については、改めてその原因究明と、根絶のための実効ある施策をすみやかに実施すること
1  良好なコミュニケーション、風通しのよい職場環境や部門間の一体的協力体制の妨げとなっている縦割り・中央集権構造の是正
2  番組制作費など受信料の使途について情報公開のいっそうの推進による事業の透明性向上
3  職場の業務管理の脆弱さに起因する不祥事撲滅のための、ミドルマネジメントの危機意識の醸成をはじめとする意識改革など、組織風土や構造的な問題に踏み込んだ改革に取り組む決意と具体策を示すこと
最終答申で提言されているコンプライアンスに関る個々の施策について
1  既実施(中)・未実施の区別・整理
2  既実施のものについては、その効果検証
3  未実施のものについては、今後の方針や計画を示すこと

 これら5項目に対する回答の報告書をとりまとめましたので、本日はその骨子を説明します。
 1については、公共放送の理念、あり方を9月に発表する予定の次期経営計画で明示するなかで、コンプライアンス推進についても、重点事項のひとつとして明記します。また、平成16年の不祥事以降の取り組みとして、経理面での不正の根絶施策については一定の成果をあげているものの、今年5、6月の職員の逮捕等、公共放送に携わる者としての自覚や倫理の徹底などNHKの事業体としてのコンプライアンスについては道半ばであるという認識に立ち、具体的な行動指針について、今後、現在プロジェクトで進めている内部統制の構築を着実に進めるとともに、次期経営計画で明示するコンプライアンス施策の徹底を各部門へ浸透させていきます。さらに、フルデジタル時代の公共放送の理念を踏まえて「NHK倫理・行動憲章」「行動指針」の改定を行う予定です。
 2については、経営システムの抜本的な改善に向けて、内部統制推進プロジェクトを立ち上げ、内部統制の構築を3年間で行うこととしていますが、プロジェクトでは、放送現場へのヒアリングを実施するなど、組織運営に潜むリスクの洗い出しを進めています。現場の声や実情を踏まえたうえで、全社統制の枠組みづくりやリスクマネジメント、内部監査の強化、業務プロセス統制に取り組んでいきます。
 3については、今年5月にNHK“約束”評価委員会から、18年度のコンプライアンスの取り組みについての評価を受けていますが、大半の職員は、公共放送の担い手として、真摯に業務に取り組んでいるものの、一部で万引き、痴漢などの不祥事が発生し、結果として組織コンプライアンスが十分機能していない可能性があること、また、コミュニケーションの不足から、改革意識が隅々まで十分浸透していないことも考えられます。また、「職員意識調査」を実施して導き出された課題と合わせて、今後、この改善に向けて、コンプライアンス推進のPDCAサイクルを回し、特に「Check」「Action」を着実に実行していきます。また、原因究明に関しては、プライベートな不祥事が多発した背景に組織的な要因が潜んでいないか、外部の専門家に検証を要請しています。不正根絶のための実効ある施策については、研修の徹底、不祥事・犯罪行為を起こした職員に対する処分の厳格化、職場のモラール(やる気)アップ、メンタルヘルスケア施策の充実を図っていきます。
 4の1については、放送事業は深い専門性をもった人材(スペシャリスト)の育成が重要であるものの、その一方で、縦割り構造の弊害を招かないためには、組織的専門性を横に貫く風通しのよさも求められることから、職種間・部門間の交流人事や職種混合で実施する研修などを継続して積極的に進めていくなど、さらに風通しがよくなるよう工夫をしていきたいと思います。また、中央集権構造を是正すべきとの指摘については、NHKは全国に54の放送局、14の支局73の報道室を置き、全職員の6割弱を地方に配置し、地域放送局長には、放送、技術、編成等放送局の業務運営の決定権限があるなど、各局の自立化・活性化が進められており、本部から発信する情報についても各拠点局、地域局、支局等で迅速に共有できるようにしていることなど本部と地方との情報格差がないように努めているので、今後もこうした取り組みを充実させていきたいと思います。
 4の2については、すでに「番組コスト情報公開プロジェクト」を立ち上げており、19年度予算発表(1月17日)時に7ジャンル17番組、18年度決算発表(5月29日)時にも10ジャンル別のトータルコストを公表していますが、来年度予算および今年度決算の発表時に向けて、これまでの説明内容を踏まえて、どのような形で説明していくかについて検討を始めています。
 4の3については、ミドルマネジメント意識改革として、19年度から管理職昇進の厳格化をしており、今後もこの方針を継続していきます。また、18年度から継続的に研修内容の充実に重点的に取り組み、管理職層の管理能力強化・意識改革の徹底を図っており、引き続き人材育成の重点課題として取り組んでいきます。
 5についての説明は省略します。
 なお、明日開催の経営委員会にこの内容を記した回答の報告書を提出します。


(2)考査報告
(考査室)
 19年7月から8月中旬に放送されたニュース・番組について、概要を報告します。
 まず、参議院選挙のニュースについてです。
 安倍内閣が発足して初めての全国規模の国政選挙となった第21回参議院選挙は、年金や格差の問題を争点に7月29日(日)投票が行われ、即日開票されました。与党側は非改選を合わせた議席数が過半数を大きく割り込み、野党側は民主党が参院の第1党になりましたが、開票作業が続くなかで、安倍首相は続投を表明しました。NHKは、総合テレビ、衛星第1、ラジオ第1、FM、国際放送、データ放送、インターネット、携帯電話などを通じて、それぞれの特性を生かして最新情報を伝えました。また、開票速報については、開票が始まったのを確認したうえ、事前の情勢取材や出口調査、それに開票所での取材をもとに当確を打ち出しました。正確さほ第一にしたうえでも、民放より早い当確が前回より大幅に増えるなど全体的に迅速・的確に開票状況を伝えました。
 次に、台湾機炎上のニュースについてです。
 沖縄・那覇空港で8月20日(月)、チャイナエアラインの旅客機が着陸後に駐機場で爆発、炎上しましたが、乗客・乗員165人は爆発寸前に脱出し無事でした。NHKでは、「趣味悠々選」を中断して、午前10時44分から11時54分まで「ニュース」を特設し、那覇空港で航空機が炎上していることを伝え、空港に設置しているカメラによる中継映像で、機体から激しく炎と黒煙が噴き出している様子を紹介しました。また、「ニュース7」などでは、市民が撮影した映像を効果的に使い、脱出が間一髪だったことを分かりやすく分析していました。
 続いて、NHKスペシャル「シリーズ 核クライシス」(2夜連続)第1集「都市を襲う核攻撃〜地表爆発と高度爆発」(8月5日放送・広島局制作)についてです。このシリーズは、インド、パキスタンに続き、北朝鮮、イランへと核開発が拡散するなかで、人類が直面している冷戦後の新たな核の脅威に迫ったものです。第1集は、核爆発が現代の都市や社会にもたらす危機を科学的に調査・分析し、核廃絶の思いを訴えました。路上で爆発して都市に大きな打撃を与える「地表爆発」と高度数百キロで爆発して電子機器を破壊する「高度爆発」の新たな脅威をさまざまな実験やCGを交えて分かりやすく伝えていました。モニターからは、「被爆の記憶が薄れていくなかで、新しい核の時代の恐怖を改めて感じた」などのご意見が寄せられました。
 NHKスペシャル「鬼太郎が見た玉砕〜水木しげるの戦争」(8月12日放送・名古屋局制作)は、漫画家の水木しげるさんの戦争への思いを描いたドラマ番組です。主人公の水木さんを香川照之さんが演じました。水木さんは青年時代、二等兵としてニューギニアのラバウルで戦い、左腕を失うという重傷を負いましたが、昭和48年、その体験をもとにした作品「総員玉砕せよ!」を発表しました。激戦のなか、最終的に、水木さんの所属した部隊は玉砕目的の突撃命令が下されました。作品を執筆する現在と戦時中の過去とが交錯するように描かれ、水木さんの生き延びた喜びや死んだ戦友への後ろめたさが混在する複雑な思いが表現され、戦争の悲惨さや不条理がよく伝わったと思います。モニターからは、「香川さんが演じたとぼけた兵隊の悲哀は見事だった」、「全員玉砕が目的という理不尽な命令など、戦時下の異常さがよく伝わった」などのご意見が寄せられました。
 NHKスペシャル「A級戦犯は何を語ったのか〜東京裁判・尋問調書より〜」(8月13日放送)は、東京裁判に先立って行われたA級戦犯容疑者への尋問調書をもとに彼らが自らの戦争責任をどう語っていたのかを描きました。東条英機や広田弘毅らの一問一答の再現ドラマは緊迫感があり、裁判で起訴されるまでの経緯もよく理解できました。モニターからは、「戦後生まれが増えるなかで、A級戦犯とは何かということから説明してほしかった」などのご意見も寄せられました。
 日本の、これから「考えてみませんか?憲法9条」(8月15日放送)は、終戦から62年、戦争の放棄を定めた憲法9条を国民はどう考えているのか、世論調査を交えながら、市民とゲスト6人が2時間45分にわたって討論しました。ただ、第1部が終了してから第2部開始まで1時間15分の長い中断があったので、編成上の工夫が必要だと感じました。モニターからは、「護憲派と改憲派ともに白熱した議論となり、憲法問題に関する理解が深まった」などのご意見が寄せられました。
 「原爆のせいじゃなかとですか」(8月9日放送・長崎局制作)は、原爆症認定を巡る集団訴訟で長崎裁判の原告団長を務める森内實さんへの密着取材を通して、原爆症認定の現実と背景を検証し、国に認定を迫る森内さんの闘いを見つめました。森内さんが自身の病苦と闘いながら、残された時間をすべて費やし仲間とともに国に原爆症の認定を迫る様子が丹念に描かれていました。モニターからは、「25万人いる被爆者のうち、原爆症認定者が1%に満たないと知り驚いた」などのご意見が寄せられました。
 ハイビジョン特集「証言記録 マニラ市街戦〜死者12万 焦土への一ヶ月」(8月5日放送)は、日米の戦争でマニラ市民10万人が犠牲になったという余り知られていない惨事を、当事者の証言の丁寧な積み重ねで浮き彫りにしていました。モニターからは、「マニラ市街戦のことは今回初めて知り、人々を狂気に走らせる実態に驚がくした」などのご意見が寄せられました。
 次は、BSドキュメンタリー「私のお父さんは 誰ですか〜フランス・戦争の落とし子たち」(8月19日放送)についてです。 第2次世界大戦中、ドイツ占領下にあったフランスの女性とドイツ兵との間に20万人もの子どもが生まれました。フランス解放後、“ドイツ野郎の子ども”とさげすまれて生きてきて、戦後60年を経て父親探しを決意した人の姿を追いました。父親探しを決意した人たちの心境や母親の告白などから、フランスが抱える“戦争の傷跡”の一端が伝わってきましたが、20万人とも言われる落とし子たちが戦後をどう生きてきたのか、世論の動きなども含め全体像にも触れてほしかったと思います。モニターからは、「さまざまな国の視点から戦争の悲劇を取り上げ、次世代に伝えていくべきだ」などのご意見が寄せられました。
 最後に、「吉永小百合 思いを受け継ぐ子どもたちへ〜平和への祈り」(8月15日放送)です。この番組は、今年6月に開催された女優・吉永小百合さんのライフワーク「原爆詩の朗読会」の模様を中心に構成したものです。この朗読会は、今年で21年目になりますが、朗読会を通して平和への願いを子どもたちに引き継いでいこうとする吉永さんの思いが伝わってきました。朗読を丁寧に紹介することで、詩のことばの力を感じさせ、原爆の恐ろしさをはじめ戦争の悲惨さや平和の大切さを強く訴える番組でした。モニターからは、「吉永さんの朗読に触れた若者たちが人々の幸せに寄与できる進路を選び、自分なりに努力を重ねているエピソードが紹介され、心温まる思いだった」などのご意見が寄せられました。


(3)19年7月のCS(お客さま満足)向上活動報告
(視聴者サービス局)
 19年7月のCS向上活動について報告します。
 まず、コールセンターで受け付けたご意見・お問い合わせは、101,774件で、新潟県中越沖地震や参院選報道に関するものが多くありました。参院選の反響では、「開票率0%で当確が打たれるのはおかしい」といった当確の出し方に関するご意見が、前回の参院選と比較して少なくなりました。これは、開票速報のなかで、当確の出し方について繰り返し説明した結果だと思われます。
 7月分の報告ですが、8月の戦後62年関連番組への反響を速報としてまとめましたので報告します。NHKスペシャル「A級戦犯は何を語ったのか〜東京裁判・尋問調書より〜」(8月13日放送)には、NHKスペシャルのなかで今年度最高の反響がありました。このほか、NHKスペシャルの「鬼太郎が見た玉砕〜水木しげるの戦争」(8月12日放送)や「シリーズ 核クライシス」(8月5、6日放送)にも多くの反響があり、いずれも再放送の希望が多く寄せられました。
 7月に特に好評な意見が集中した番組は、プロフェッショナル 仕事の流儀「365日24時間、医者であれ〜外科医・幕内雅敏〜」(7月3日放送)、NHKスペシャル 失われた文明 インカ・マヤ 第2集「マチュピチュ 天空に続く道」(7月8日放送)、土曜ドラマ「新マチベン」(全6回)、プレミアム10「YMOからHASへ 高橋幸宏+坂本龍一+細野晴臣 音楽の旅」(7月6日放送)、ためしてガッテン「あなたを襲うリウマチ!患者100万人の真実」(7月18日放送)、生活ほっとモーニング 「問題あっても大丈夫〜統合失調症と生きる〜」(7月10日放送)、BSエンターテインメント「黄金の映画音楽館」(7月16日放送)などでした。このうち、プロフェッショナル 仕事の流儀「365日24時間、医者であれ〜外科医・幕内雅敏〜」には、この番組が始まって以来最大の反響が寄せられました。再放送希望も256件あり、そのうち、「内容が良かったので、もう一度放送してほしい」という声が約4割ありました。
 次に、ふれあいミーティングの実施状況です。7月は全国で146回開催し、参加者は4,061人でした。
 さいたま放送局では、子育てを楽しみたいパパ達を主役にした番組「パパサウルス」をテーマに、熊谷市の幼稚園で園児の母親を対象にしたふれあいミーティングを実施しました。「パパサウルス」担当のディレクターの講演の後、番組や子育てについて意見交換を行い、参加者からは「男性の育児を継続的に放送する画期的な番組だ」などの多くの感想や意見が出され、たいへん好評でした。
 続いて、視聴者のみなさまの声などを生かした改善の件数です。7月は、本部21件、各放送局58件、合計79件でした。視聴者のみなさまのご指摘を受けて改善した事例のほかに、各局が自主的に改善するケースも多くなってきています。
 主な改善実施事例を報告します。
 視聴者サービス局では、NHKホームページのトップページに「よくある質問集(FAQ)」を掲載しました。視聴者のみなさまの利便性を向上するとともに、よりいっそうの説明責任を果たすことを目的として、多くいただくご質問とその答えを216項目にまとめて掲載したところ、7月の1か月間で55万件以上のヒット数があり、たいへん多くの方にご利用いただいています。
 名古屋放送局では、今年の1月から、中学生日記「いじめなくしたいプロジェクト」の取り組みを進めています。「中学生日記」では、いじめに関する内容の番組を継続して放送し、合わせてその反響なども放送しました。専用ホームページも開設し、いじめの実態について投稿していただくようにしています。これまで、500件を超える投稿が寄せられており、番組でもその内容を紹介しています。
 甲府放送局では、視聴者のみなさまのご意見を伺うはがき「かんすけ君のご意見早馬便」を作成し、イベントなどの機会に配布しています。はがきでいただいたご意見等を今後の業務改善に積極的につなげていくことにしています。
 広島放送局では、行楽地の情報と気象情報をセットで提供するデータ放送を7月18日から開始しました。行楽情報とリアルタイムの気象情報を同時に表示し、行きたい行楽地の今の情報を簡単に知ることができるように工夫しています。
 続いて、全国54の放送局でそれぞれ地域や社会にきちんと貢献する活動「チャレンジ54」の取り組みについてです。
 大津放送局では、「環境こだわり放送局」として、地元と一体となって環境への取り組みを進めてきました。今年2月には、草津市と共催で「こども環境会議」を開催したり、3月に雨水再利用システムを導入して節水に努めるなどの取り組みを先進的に行ってきました。7月には、「環境こだわり放送局」としてのステーション・イメージ定着をめざして、地元の成安造形大学と協力し、びわ湖に生息する魚を描いた環境啓蒙PR壁画を制作し、放送会館正面玄関の壁に掲示しました。
 最後に、各放送局の「満足度向上」への取り組み事例についてです。
 NHKでは、今年の5月から、日本を代表するアニメ・クリエーター15組による1分間のアニメ番組「アニ*クリ15」を放送しています。横浜放送局では、横浜市などと共催する「デジタル映像とアート」のイベントに、この「アニ*クリ15」に関連したブースを出展し、気鋭のアニメ・クリエーターのトークセッションや番組本編、メイキング・ビデオの上映などを行い、若者を中心とした多くの来場者に楽しんでいただきました。


(4)契約・収納活動の状況(平成19年7月末)
(営業局)
 19年7月末の契約・収納活動の状況について報告します。
 まず、放送受信契約の総数についてです。第2期(6月・7月)は、5.7万件の増加となりました。また、衛星契約は、8.4万件の増加となりました。
 次に、第2期における支払い拒否・保留数は、新たな発生数が0.3万件、一方、支払い再開数は3.4万件で、累計では77.5万件となりました。引き続き、訪問や文書を送付するなどの取り組みを積極的に行い、支払いを再開していただけけるように努めていきます。
 当年度収納額は第2期1,030億円、年度累計では2,033億円となり、前年度同期より56.1億円の増収となりました。


(5)財政の現況(平成19年7月末)
(経理局)
 19年7月末の財政の現況について報告します。
 収支の施行状況について、事業収入は2,170億円で施行予定額に対して54億円上回っています。また、昨年同月比では、受信料収入と非現用不動産売却益等により66億円の増加となっています。事業収入の大半を占める受信料収入は2,063億円で、契約総数・衛星契約の増加等により、施行予定額に対し19億円上回り、昨年同月末を56億円上回っています。
 一方、事業支出は2,020億円で、施行予定額に対し81億円下回っています。また、昨年同月比では、人件費、減価償却費等の減により10億円の減少となっています。
 主な設備契約(2億円以上)については、6月、7月は4件で、いずれも競争契約です。


(6)放送技術審議会委員の委嘱、退任について
 放送技術審議会委員の委嘱、退任について報告します。
 半田力氏(社団法人電子情報技術産業協会専務理事)を平成19年8月1日付で、林幸秀氏(文部科学省文部科学審議官)を平成19年8月9日付で新規委嘱し、宮崎久美子氏(東京工業大学大学院イノベーションマネジメント研究科教授)を平成19年8月1日付で再委嘱しました。また、松本正夫氏(総務省大臣官房技術統括審議官)を平成19年9月1日付で再委嘱する予定です。
 なお、金子和夫氏(前社団法人電子情報技術産業協会専務理事)は平成19年6月30日付で、結城章夫氏(前文部科学省事務次官)は平成19年7月6日付で退任されました。



以上で付議事項を終了した。
  
上記のとおり確認した。
      平成19年9月11日
                     会 長  橋 本 元 一   

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