日本放送協会 理事会議事録  (平成18年 9月26日開催分)
平成18年10月20日(金)公表

<会 議 の 名 称>
 理 事 会

<会  議  日  時>
 平成18年 9月26日(火) 午前9時00分〜9時35分

<出   席   者>
 橋本会長、永井副会長、原田理事、畠山理事、小林理事、金田理事、
 中川理事、小野理事、衣奈理事、石村理事、西山理事

 古閑監事、坂野監事

<場         所>
 放送センター 役員会議室

<議        事>
 橋本会長が開会を宣言し、議事に入った。

付議事項

1 報告事項
(1)監査結果報告
(2)NHK関連団体の新たな役員制度改革について
(3)地方放送番組審議会委員の委嘱について
(4)平成18年8月のCS(お客さま満足)向上活動報告


議事経過

1 報告事項

(1)監査結果報告
(監査室)
 中国地方の5放送局の監査結果の概要を報告します。監査は、7月下旬から9月上旬にかけて実施しました。
 広島放送局は、18年度、金曜午後7時30分から「ふるさと発スペシャル」として、域内各放送局と連携し、年間5本シリーズの「ちゅうごく人口減少社会」を新設し、ブロックで放送しています。番組では、全国で最も早く進む人口減少問題についてのリポートやシミュレーションドラマで課題を提起し、生放送でスタジオ討論を行っています。第1回は「幸せに生きる知恵 考えませんか?」と題し、老後の住まいや子育て支援の現状と将来についての討論を放送しました。
 また、被爆60年となる平成17年8月6日に放送したNHKスペシャル「被爆者 命の記録」には「核兵器の恐ろしさに一歩踏み込んだ番組だった」などの大きな反響が寄せられ、放送文化基金賞テレビドキュメンタリー番組本賞を受賞しました。
 岡山放送局では、17年8月に新会館がオープンしました。公開スペース「ひかりの広場」からの放送、トリノオリンピックやサッカーワールドカップのパブリックビュー、放送体験クラブの開催などを通して、視聴者との結びつきを強めています。
 また、県内のケーブル会社にアナウンスや中継技術の講習を行うなど、連携を図っています。18年2月には、地元の食材をつかったその土地ならではの鍋料理を紹介する番組をケーブルテレビ6社と共同制作しました。
 松江放送局では、夕方の「情報満載!しまねっと」で自治体や地元サークルが主催するイベントなどを自らPRする“何でも告知”のコーナーに、17年度、3,170人の視聴者が出演しました。
 また、18年4月に放送した「ふるさと発スペシャル しまね活性課」は、県庁の架空の部署“活性課”を舞台に、落語家林家木久蔵氏が課長役となって、島根県出身のタレントが課の職員に扮して、県内各地に出張し、地域を元気づけるユニークな番組です。視聴者の方からは「ふるさとを見直す機会になった」などと好評で、続編も制作する予定です。
 鳥取放送局では、夕方の地域情報番組「まるごとワイドとっとり」は、米子支局に配置したキャスターの番組参加が定着し、県西部の情報をより詳しく伝えています。午後6時台には、毎月1つのテーマを掘り下げる“とっとりクローズアップ”で、雇用や子どもの安全などをシリーズで放送しています。
 また、金曜日夜7時30分からの30分番組「ふるさと発」を17年度、18本制作しました。なかでも、「生活ほっとモーニング」を再構成した「晩秋の大山・境港を行く〜城戸真亜子さんのこだわり旅」はたいへん好評でした。
 山口放送局は、17年4月に、オープンした新放送会館のロビースタジオからのFM番組の公開やギャラリースペースの開放などにより視聴者との結びつきを強めています。山口放送局の制作した44番組を保存・公開する「山口アーカイブス」を併設していて、17年度には7,600人が利用しました。これらを合わせた17年度の来館者は42,000人を超え、従来の3倍となりました。 
 また、米軍再編にともなう岩国基地への部隊移転問題を継続して取材し、全国のニュースなどでも放送しています。18年6月のNHKスペシャル「変貌する米軍再編」でも岩国の現状を報告しています。
 最後に、コンプライアンス活動・適正経理の取り組みについて説明します。
 広島放送局が、事務処理手順をわかりやすくまとめたマニュアルを作成し、自局のイントラネットに掲載するなど、各局とも適正経理の周知徹底に努めています。
 また、岡山放送局では、平成17年10月から放送経理CP会と称して、番組単位の予算状況の把握や適正な勤務管理の確認などを実施しています。
 証ひょう類の調査では、出張報告書の提出の遅れや業務上でのマイカー使用の状況確認や管理が十分でないものがありましたので、改善を要望しています。


(2)NHK関連団体の新たな役員制度改革について
(中川 理事)
 NHK関連団体の新たな役員制度改革について報告します。
 関連団体役員制度の改革については、これまで、役員退任後の「顧問・参与」制度の廃止、役員退任慰労金の廃止、経営目標設定による業績連動型報酬制度の導入、役員報酬の各団体ホームページへの公開、一部団体での社外役員の登用などを行ってきました。
 今後は次の4点を柱に改革を進めていきます。
 1点目は、役員体制をスリム化し、経営意思決定を迅速にするために、常勤役員数を大幅に削減します。
 2点目は、取締役と執行部の役割を明確にし、各々の関連団体のガバナンスを強化するため、執行役員制度を本格的に導入します。
 3点目は、NHK本体から関連団体へ転籍する者への役員登用に至るステップを設定し、実力主義、業績重視の処遇をより徹底します。
 4点目は、関連団体の独自採用社員の役員登用の機会をこれまでよりも拡大します。


(3)地方放送番組審議会委員の委嘱について
(原田 理事)
 地方放送番組審議会委員の委嘱について報告します。
 関東甲信越地方で高山恵子氏(NPO法人えじそんくらぶ代表、臨床心理士)を、近畿地方で有田典代氏(関西国際交流団体協議会事務局長)を、九州地方で田代俊一郎氏(叶シ日本新聞社編集局次長兼文化部長)を、東北地方で永山勝教氏(且オ十七銀行専務取締役)を、四国地方で丸地真人氏(高知県立図書館長)を平成18年10月1日付で新規委嘱します。また、中部地方で小堀幸穂氏(鰹ャ堀酒造店代表取締役社長)を同日付で再委嘱します。なお、関東甲信越地方の玉井邦夫氏(日本ダウン症協会理事長・山梨大学助教授)、近畿地方の寺田千代乃氏(アートコーポレーション椛纒\取締役社長)、九州地方の芦塚日出美氏(九州電力椛纒\取締役副社長)、四国地方の成田十次郎氏(高知県サッカー協会会長)は任期満了により平成18年9月30日付で退任されます。


(4)平成18年8月のCS(お客さま満足)向上活動報告
(視聴者サービス局)
 8月のCS向上活動について報告します。
 まず、コールセンターの受付データ状況は、105,594件でした。
 また、8月にいただいた再放送希望は12,748件で、特にNHKスペシャルやハイビジョン特集などへのリクエストが目立ちましました。特に好評なご意見をいただいた番組は、NHKスペシャル「硫黄島玉砕戦〜生還者 61年目の証言〜」(8月7日放送)、「日中戦争 なぜ戦争は拡大したのか」(8月13日放送)、「日中は歴史にどう向きあえばいいのか」(8月14日放送)、「熱闘612球〜早実VS駒大苫小牧〜」(8月25日放送)、クローズアップ現代「崩壊?日本人のモラル」(8月1日放送)、ハイビジョン特集「あの夏 60年目の恋文」(8月8日放送)、「取り残された民衆〜元関東軍兵士と開拓団家族の証言〜」(8月9日放送)、「日本の名峰」(8月21日〜24日)、にっぽん夏紀行「燃えろベーゴマ〜大阪・おっちゃんたちの真剣勝負〜」(8月8日放送)、「川とアユと母さんと〜和歌山・古座川〜」(8月9日放送)などとなっています。
 一方、きびしいご意見をいただいた番組等は、「日本の、これから〜もう一度話そう アジアの中の日本」(8月15日放送)でした。番組では、視聴者の方々からご意見をうかがうため、携帯電話のメールを通した生アンケートを実施しましたが、「携帯電話ではアンケートに参加できない」、「携帯電話のメールの取り扱いに不慣れな戦争体験のある高齢者等の意見が反映されない」などのご意見がありました。
 制作担当者によると、いただいたご意見は真しに受け止め、新たな方法の開発に向け努力していきたい、とのことです。
 また、「夢見るタマゴ!熱血 浜田塾の特別講習」(8月17日放送)は、様々な分野で活躍を夢見る若者に焦点をあてた番組で、好評意見も多かったのですが、司会者が新人女性アナウンサーの頭をたたいたことに対しては「NHKらしくない」とのご指摘をいただきました。これは、関西の漫才では、いわゆる“突っ込み”の際によくある動作ではありますが、今後の収録の際には注意を払っていきたいとのことです。
 次に「ふれあいミーティング」の実施件数です。
 8月は、全国で104件開催しました。本部では、都立上水高校・放送部の皆さんと実施したほか、九州大学工学部・音響設計学科の学生のみなさんとNHK放送技術研究所・主任研究員がミーティングを行いました。また名古屋放送局では、ワシントン支局の記者が帰国した機会をとらえて日米経済摩擦に関する講演を行い、併せてふれあいミーティングを実施しています。
 視聴者のみなさまの声などを生かして改善を行った件数は、8月は本部5件、地域放送局で21件の合計26件でした。
 おもな改善事例です。
 総合テレビで放送している「英語でしゃべらナイト」が今年4月から、金曜日午後11時に移設されましたが、同時間帯の教育テレビで「新感覚☆キーワードで英会話」の放送があり、英語番組が重なっているので、両方視聴できるように編成してほしいという要望がありました。これを受けて、18年度後期から教育テレビ「新感覚☆キーワードで英会話」を【火〜金】の放送から、【月〜木】の放送に変更し、ご要望にお応えすることにしました。
 また、「NHKのテレビやラジオで、『過去数年間で、土砂災害の可能性が最も高まっています』 という表現をよく聞くが、『災害の可能性が高まっている』のは現在のことであり、日本語の使い方がおかしい」という声が寄せられました。NHKでは、気象庁の発表した表現をそのまま放送に使っていましたが、この8月から「この数年間でもっとも土砂災害の危険が高くなっています」という表現に改めました。
 続いて、「満足度向上」への取り組みについて報告します。
 長野放送局では、8月6日の長野県知事選挙で、村井新知事が誕生したことを受け、11日に新知事、3人のメインパネリスト、20人の県民代表を迎えて「徹底討論・どうする信州」を放送しました。白熱した討論が行われ、75分の放送時間を急きょ10分間延長しました。県民の関心はきわめて高く、たいへん好評でしたので10月20日(予定)にも続編を放送することにしています。この事例のように、視聴者のみなさんの期待に応え、満足度の高い放送を提供することもCS活動の一環として引き続き積極的に行っていきます。
(中川理事)  ハイビジョン特集の再放送希望が多いようですが、番組を見て、もう一度見たいと再放送を希望しているのか、ハイビジョンを見られない人が、番組広報スポットなどを見て、総合テレビで再放送してほしいと希望しているのか、どちらかわかりますか。
(視聴者サービス局)  割合は把握していませんが、BSハイビジョン放送などの衛星波だけでなく地上波でも放送してほしいという声が多く寄せられています。
(原田理事)  たとえば、この夏に放送した「日本の名峰」などは、ハイビジョンで再放送してほしいという声よりも地上波で放送してほしいという声が多くあったように思います。
(中川理事)  再放送希望の数が多かったというだけでは、くわしい視聴者の意向がわからないので、再放送希望の内容まで、きちんと分かるようにしてもらいたいと思います。
(視聴者サービス局)  コールセンターの視聴者データベースシステム上の制約もありますが、再放送希望の内容が分かるように工夫ができるか、検討してみたいと思います。

以上で付議事項を終了した。


上記のとおり確認した。
      平成18年10月17日
                     会 長  橋 本 元 一   

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