日本放送協会 理事会議事録  (平成18年 7月11日開催分)
平成18年 7月28日(金)公表

<会 議 の 名 称>
 理 事 会

<会  議  日  時>
 平成18年 7月11日(火) 午前9時00分〜11時15分

<出   席   者>
 橋本会長、永井副会長、原田理事、畠山理事、小林理事、中川理事、
 小野理事、衣奈理事、石村理事、西山理事


 古閑監事、坂野監事

<場         所>
 放送センター 役員会議室

<議        事>
 橋本会長が開会を宣言し、議事に入った。

付議事項

1 審議事項

(1)「住民基本台帳の一部の写しの閲覧についての公益性の判断に関
    する基準案」に対する意見の提出について

(2)緊急地震速報放送化について

(3)フランスRFIとの国際放送交換中継協定の廃止について

(4)国際放送の今後の強化策について

2 報告事項

(1)考査報告

(2)平成18年6月全国個人視聴率調査の結果について


議事経過

1 審議事項

(1)「住民基本台帳の一部の写しの閲覧についての公益性の判断に関
    する基準案」に対する意見の提出について
総合企画室 
放送文化研究所
 「住民基本台帳の一部を改正する法律」が6月9日に成立したのを受
け、総務省は、「住民基本台帳の一部の写しの閲覧についての公益性の判
断に関する基準案」を公表し、7月14日を締め切りとした意見募集を
行っています。
 これについて、NHKとして意見を提出したいと考えています。
 今回の法改正では、「統計調査、世論調査、学術研究その他の調査研究
のうち、総務大臣が定める基準に照らして公益性が高いと認められるも
のの実施」のための閲覧を認めていますが、今回の意見募集は、この「総
務大臣が定める公益性に関する基準」の案に関するものです。
 「基準」案は、次の3つのケースについて「公益性」を認めて、住民
基本台帳の閲覧を認めることとしています。
 1つ目は、報道機関の世論調査であって、調査結果に基づく報道が行
われる場合です。
 2つ目は、学術研究機関の世論調査であって、調査結果等が学会等を
通じて公表される場合です。
 3つ目は、報道目的や学術研究目的以外の統計的調査研究であって、
その調査結果等が国・地方自治体の施策等に利用されることが見込まれ
る場合です。
 いずれの場合にも、これらにより「その成果が社会に還元される」こ
とに公益性があるものとしています。
 NHKの世論調査のうち、一般の世論調査、選挙調査は、その結果に
基づく放送を想定しており、報道目的の世論調査に当たるため、問題は
ありません。
 一方、調査結果の放送を前提としてはいないものの、放送法で実施を
義務付けられている「全国個人視聴率調査」、「放送意向調査」等の調査
については、3つ目に挙げた「その他」に当たるものと解釈せざるを得
ません。
 「その他」のカテゴリーでは、「社会への還元」が認められる例として
「国または地方公共団体における施策の企画・立案や他の機関等におけ
る学術研究に利用されることが見込まれるなど」となっていることから、
自治体の窓口では、この要件の解釈をめぐって、「視聴率調査」等につい
て「官公庁での利用の見込みがない」などの理由で、住民基本台帳の閲
覧を拒否されるおそれがないとはいえません。
 NHKとしては、この「その他」のカテゴリーに関し、2点の要望を
したいと考えています。
 1点目は、「社会への還元」が官公庁による利用に限らず、幅広い主体
による利用について認められ、その具体的な内容について、告示の運用
指針等において明らかにしてほしいということです。
 2点目は、NHKは放送法において、公共の福祉のために、豊かで、
かつ、良い放送番組の放送を行うこと等を目的とするものとされており、
そのために「公衆の要望を知るための定期的・科学的な調査の実施」を
義務付けられています。そのような調査として実施している「全国個人
視聴率調査」、「放送意向調査」等は、その調査結果が直接的にどのよう
に利用されるかを問わず、「社会への還元」が認められる調査として、告
示の運用指針等において閲覧対象となることを明らかにしてほしいとい
うことです。

(会 長)  原案どおり決定します。

(2)緊急地震速報放送化について
(報道局)
 緊急地震速報の放送への導入・実施について審議をお願いします。
 緊急地震速報は、気象庁が発表する地震情報のひとつで、地震が発生
したときに震源付近の観測データを使って、震源、その規模や各地の震
度などを瞬時に推定し、伝達する情報です。
 地震には、伝播速度が速い初期微動であるP波(プライマリーウェー
ブ)と伝播速度は遅いものの大きな揺れを起こす主要動であるS波(セ
カンダリーウェーブ)があります。地震被害の多くはS波到着以降に引
き起こされます。初期微動のP波を検知して、S波が到達する前に緊急
地震速報を伝達すれば、地震被害を軽減させることができます。
 気象庁は、震度5弱以上が推定される場合、一般に向けた緊急地震速
報を今後発表したいとしています。平成16年2月から緊急地震速報の
試験運用を開始し、今年の5月には、同庁の検討会の中間報告がまとめ
られ、「一般への情報提供の開始は平成18年度末を当面の目標とするが、
国民に十分な周知が必要であり、その上で開始時期を判断すべき」とさ
れています。開始時期については、今年の後半に、検討会で判断するこ
とにしています。また、今年の8月から工場や病院、鉄道などで先行利
用が開始されることになっています。
 ただし、注意しなくてはならないことは、緊急地震速報が、“揺れの前
に地震情報が来る”というように一般的に理解されているように思いま
すが、震源の真上では、緊急地震速報が伝わる前に揺れが来てしまう可
能性が高いので、間に合いません。この点については、十分な周知が
なされているとはいえないと思います。また、緊急地震速報の
震度予測も±1程度の誤差があるという技術的な限界もあります。
 緊急地震速報を放送する仕組みについてごく簡単に説明します。
 気象庁は、地震が発生すると、全国203か所の観測地点に設置して
いる緊急地震速報専用の地震計を使って、P波の段階で、地震の震源、
規模、震度を6秒以内に推定します。その情報は専用回線を通じてホス
トコンピューターに伝えられます。放送局へは、推定震度5弱以上が2
か所以上の観測地点で計測された段階で、気象庁から直ちに緊急地震速
報が流れてくることになっています。
 NHKでは、国民の生命・財産を守る災害・緊急報道の充実強化のた
め、この緊急地震速報の放送への導入を積極的に図り、災害対策基本法
に定められた指定公共機関として万全を期したいと考えています。

(副会長)  地震災害の場合、被害をなくすということではなく、よ
      り被害を少なくするいわゆる減災のために、何ができるの
      かということだと思います。
(報道局)  現在、地震の速報をするのに2分ぐらいかかっています。
      緊急地震速報の場合、どこで地震が発生したのかによって
      状況は変わってきますが、大きな揺れが来る前に情報を発
      信することも可能です。たとえば、東海地震の場合の想定
      でいえば、静岡市は地震の大きな揺れが来る10秒前ぐら
      いにこの情報を発することができます。名古屋市内では
      25秒前、東京都心では約40秒前にこの情報を発するこ
      とが可能です。震度5弱以上の大きな揺れということなの
      で、相当大きな被害が予想されますので、これはたいへん
      貴重な時間です。大きな揺れが来る前に、倒れてくるもの
      から身を守るためテーブルの下に潜り込むこと、火を消し
      て火災を未然に防ぐこと、家の外への逃げ道を確保するこ
      となどの対策をとることも可能になりますので、被害の軽
      減につながると思います。
(衣奈理事) 気象庁の検討会で、放送以外の緊急地震速報の利用に
      ついてどのような検討がなされていますか。
(報道局)  国としては、地方自治体に緊急地震速報を伝える手段と
      して、全国瞬時警報システム(J−ARERT)を考えて
      います。これは、消防庁がシステム整備を図っているもの
      です。消防庁は、気象庁から送られる緊急地震速報を人工
      衛星を利用して地方自治体に送信し、市町村の防災行政無
      線を立ち上げ伝えるというものですが、放送に比べると時
      間がかかってしまうようです。
(会 長)  原案どおり決定します。NHKは、公共放送として、防
      災情報の発信に努め、国民の生命・財産を守っていかなけ
      ればなりません。全面的に過不足なくやっていきたいと思
      います。

(3)フランスRFIとの国際放送交換中継協定の廃止について
(国際放送局)
 フランスRFIとの国際放送交換中継協定の廃止について審議をお願
いします。
 ラジオ国際放送の交換中継放送は、現在、海外の3放送機関と4協定を
締結して実施していますが、このうち、フランスのRFI(ラジオ・フ
ランス・アンテルナシオナル)との交換中継協定を、RFIの申し出に
基づき破棄し、本年10月29日以降の交換中継を廃止したいと考えて
います。
 NHKは、協定に基づき、RFIの番組を、八俣送信所から東南アジ
アおよびアジア大陸向けに1日7時間30分送信しています。これに対
応して、RFIは、NHKの番組を、ギアナ中継局から南米および中米
向けに同時間送信しています。
 RFIは、本年3月7日付で、交換中継協定の更新を行わない旨、文書
で通告してきました。交渉の結果、本年10月29日(世界的な短波放
送の周波数改訂時期であるA06期末)までは交換中継を継続すること
で合意する一方、10月29日以降に関しては、RFI側の意向を踏ま
え、協定を破棄することでも合意しました。
 交換中継の廃止に伴い、これまでギアナ中継局から実施していた中米向
け、南米向けの放送のうち、八俣送信所から発信している4時間30分
を除く、3時間分を借用中継に切り換え、従来の放送時間 (1日65時
間)を維持することにしています。
 なお、本日、了承されれば、経営委員会に諮ります。そこで決定され
れば、総務省に対して協定破棄の認可の申請を行うことになります。

(会 長)  原案を了承し、経営委員会に諮ることにします。

(4)国際放送の今後の強化策について
(国際放送局)
 国際放送の今後の強化策について審議をお願いします。
 NHKの国際放送は、現在、ラジオ国際放送が22言語により1日計
65時間、テレビ国際放送が日本語と英語による「NHKワールドTV」
を1日24時間、それぞれ全世界に向け放送を行っています。このほか、
テレビについては外国放送事業者・ケーブル事業者等の事業所向けに「N
HKワールド・プレミアム」を1日24時間、番組配信しています。
 国際放送に関しては、平成18年度から20年度までの3か年経営計
画において、ラジオサービスの見直しにあわせて、平成20年度までに
「NHKワールドTV」の英語化率100%を目指すこととしており、
さらに、3か年経営計画策定後も、テレビによる日本・アジアの情報発
信のさらなる強化や国際理解の一層の促進がNHKに要請されている状
況にあります。
 以上のことから、次のような施策を柱に強化していきたいと考えてい
ます。
 まず、テレビ国際放送「NHKワールドTV」は、英語ニュースの毎
時放送、国際放送独自英語番組の制作などにより、平成20年度末まで
に英語化率100%を実現します。
 それから、「NHKワールド」の英語化の進展に伴い、「NHKワール
ド・プレミアム」は海外在留邦人向けのサービスに特化していきます。
 続いて、ラジオ国際放送については、テレビ国際放送の拡充に併せて
送信地域、送信言語の見直しを行うとともに、サービス対象地域のメデ
ィア事情を勘案しつつインターネット配信を充実させていきます。

(会 長)  国際放送の強化については、まだ課題が多くありますが、
      基本的な方向性について、原案を了承したいと思います。


2 報告事項

(1)考査報告
(考査室)
 18年6月〜7月上旬に放送されたニュース・番組について、概要を
報告します。
 まず、北朝鮮によるミサイル連続発射のニュースについてです。
 北朝鮮は7月5日(水)、弾道ミサイル7発を相次いで日本海に発射し、
政府は北朝鮮貨客船の入港を半年間禁じる経済制裁を発動して強い抗議
の意思を示しました。
 午前4時29分「北朝鮮がミサイル発射 日本海に着弾の情報」とス
ーパーで速報しました。ワールドカップサッカー中継の前半終了後の4
時48分に「ニュース」を特設し、北朝鮮は3時32分にミサイルを発
射、日本海に着弾したと伝えました。5時53分には「おはよう日本」
を7分繰り上げて開始し、11時10分までの「特設ニュース」でその
後の発射情報や政府の動きなどを刻々と伝えました。なお、サッカーは
ETVで放送し、「連続テレビ小説」などは休止しました。また、10時
57分に、政府は北朝鮮の貨客船マンギョンボン号の入港を半年間禁止
する経済制裁の発動を決定したといち早く伝えました。「正午ニュース」
は55分間拡大し、政府は北京の大使館を通じて北朝鮮に抗議するとと
もに、国連安保理の開催を求めたと伝えるなど、一報は他社を圧倒し、
的確な編成措置で情報を幅広く刻々と伝えました。
 次に、奈良県の高校1年の長男による放火殺人に関するニュースにつ
いてです。
 奈良県田原本町(たわらもとちょう)で住宅が全焼して母親と子ども
の3人が死亡した火事で、高校生の長男が6月22日(木)、放火と殺人
の疑いで警察に逮捕されました。
 午前11時の「ニュース」は、所在がわからなかった長男が午前中、
京都市内で見つかり、警察で火災が起きた時の状況について話を聞いて
いると伝えました。翌日、23日の「ニュースウオッチ9」では、専門
家の意見として「父親の再婚によって家族内で疎外感を感じていたこと
が、父親にしかられたことで爆発したのではないか」という分析を紹介
しました。
 長男の発見をいち早く速報し、教育をめぐる親子のあつれきがなぜ殺
人事件に結び付いたのか、少しずつ明らかになる動機を詳しく取材しま
した。
 それから、埼玉医科大学で6人が死亡した院内感染についてのニュー
スです。
 埼玉医科大学で抗生物質が効かない新しいタイプの細菌・多剤耐性緑
膿菌に入院患者100人余りが感染し、6人が死亡していたことが6月
22日(木)分かりました。
 「ニュース7」は、埼玉医科大学の調査によると去年12月までの2
年間に入院患者100人余りから多剤耐性緑膿菌が検出され、このうち
6人が肺炎や敗血症で死亡したと特ダネで伝えました。
 多剤耐性緑膿菌は洗面所や台所などに広く生息している緑膿菌の一種
ですが、抗生物質が効かない新しいタイプの細菌で、有効な治療法がな
く、体力の弱った患者やお年寄りが感染すると死亡することがあると紹
介しました。
 23日(金)の「ニュース7」は、東京・板橋区の東京都医療センタ
ーでも去年、入院患者15人が多剤耐性緑膿菌に感染し、このうち2人
が死亡したことを伝えました。
 医療現場で恐れられる新しい細菌の集団感染を特ダネで伝え、他の病
院での発生も続いて報道し、的確な伝え方をしていたと思います。
 続いて、いくつかの番組について報告します。
 にんげんドキュメント「僕だけのじょんから節〜津軽三味線 日本一
に挑む」(6月16日 GTV 後10:00〜10:45)は仙台放送
局が制作しました。
 毎年、青森県弘前市で開かれる津軽三味線の全国大会の出場者は10
〜20代の若者で占められるようになっています。それぞれの思いを胸
に大会に挑戦する3人の若者を追いました。3人の若者の個性や際立っ
た演奏スタイルの違いから、津軽三味線の奥深さと魅力が十分に伝わり、
そう快感のある番組でした。モニターのみなさんからは、「三者三様に自
分の音を追求する姿が印象的で、無気力といわれる若者が多い中、目標
に向かって努力する姿勢はすがすがしい印象だった」などの意見が寄せ
られたいへん好評でした。
 次に、知るを楽しむ 歴史に好奇心「お金で買えない商人道」の第1
回「父から受け継いだ商人道」(6月8日 ETV 後10:25〜
10:50)についてです。この番組は京都放送局が制作しました。
 上方の商人の間で受け継がれてきた“商人道”シリーズで、大阪の商
家に生まれた作家の藤本義一さんが案内役を務め、第1回は、藤本さん
が父親からたたき込まれた実体験を基に、商家の心得などを中心に話を
展開しました。
 株取引などのもうけだけを優先させる事件が相次いで摘発されるなか
で、今回の企画は時宜を得ており、利益至上主義を戒める“大阪の商人
道”の教えが大切なことをわかりやすく伝えおり、本来の商いの原点と
は何かということについて、評価している番組モニターも多数ありまし
た。
 最後に、「響け!みんなの吹奏楽〜山形県立高畠高等学校吹奏楽部」
(6月18日 BS2 後5:00〜5:44)についてです。
 今、学校や企業、地域で活動するアマチュア吹奏楽団は全国で
14,000もあり、吹奏楽ブームだそうですが、番組では、アマチュア
楽団に一流プレーヤーを派遣して活動を応援し、練習の成果を発表して
もらっています。今回は、クラリネット奏者の北村英治さん(77歳)
が山形県立高畠高等学校の吹奏楽部を訪れ、指導しました。
 高畠高校は3年前、女子高校生のジャズ・バンドを描いた映画「スウ
ィング・ガールズ」の舞台となりましたが、現在は、吹奏楽部の部員は、
ほとんど初心者の13人で、演奏会に向けて非常に苦労していました。
北村さんは“音楽は心の栄養だ”と語りかけ、生徒たちを指導していき、
そのなかでだんだん自信を深めていって最終的にはみごと演奏会を乗り
切るということで、非常にシンプルな構成ではありましたけれども、番
組モニターのみなさんからは、部員たちの表情がどんどん変化し、演奏
もうまくなっていく姿がさわやかで感動が与えられたというような声が
多数寄せられました。
 プロとアマチュアの触れ合いを交えながら地域の活動を応援する番組
ですが、毎月1回など定時枠の放送も考えられるのではないか思います。

(2)平成18年6月全国個人視聴率調査の結果について
(放送文化研究所)
 6月の全国個人視聴率調査の結果について報告します。
 調査は6月5日(月)から11日(日)までの1週間、全国7歳以上
の3,600人を対象に、配付回収法による24時間時刻目盛り日記式(個
人単位)で実施し、有効数は2,487人、有効率は69.1%でした。
なお、この調査による1%あたりの視聴者数は118万人です。
 この調査対象週には、5日(月)に村上ファンド代表が証券取引法違
反容疑で逮捕されています。また、9日(金)には、サッカーのワール
ドカップが開幕しています。
 まず、テレビ視聴の概況について説明します。
 NHKと民放を合わせた1日のテレビ視聴時間は、3時間43分でし
た。内訳は、NHKが1時間、民放は2時間43分となっています。視
聴時間の傾向はほとんど変化していません。
 平日の総合テレビの30分ごとの平均視聴率を見ると、前年に比べて、
午後8時台が高くなっている一方、午後の10時台から11時台の前半
が前年と比べ低くなっています。
 次に、1週間に少しでもそのチャンネルを見た人の割合である週間接
触者率についてです。総合テレビの週間接触者率は63.4%でした。
また、ラジオ第2は3.9%で、前年の2.8%に比べて高くなりました。
NHKのテレビ全体では71.7%、ラジオを入れたNHKの8波全体
では73.8%でした。
 また、総合テレビの週間接触者率は、前年は減少しましたが、今回そ
の動きは止まりました。ただ、長期推移を見ると漸減傾向にあります。
 総合テレビの男女年層別の週間接触者率については、女性の13〜1
9歳、40代が前年に比べて大きく増えています。逆に、男性の13〜
19歳で減少しています。
 続いて、主な番組について報告します。
 総合テレビでよく見られている番組は、大河ドラマ「功名が辻」が1
7.7%と、前年の「義経」(14.6%)よりも視聴率が高く、関東、近
畿地区で民放を合わせたの高位番組と比べても最もよく見られました。
連続テレビ小説「純情きらり」(月〜土の平均12.7%)は、前年の「フ
ァイト」(同10.9%)よりも高く、特に男性女性70歳以上と女性60
代によく見られました。そのほか、日曜午後8時45分の「ニュース・
気象情報」、「ニュース7」などがよく見られました。
 平日の「NHKニュースおはよう日本」は、6時台前半は5.3%、6
時台後半は7.5%、7時台が9.9%で、前年と同程度でした。
 夜の主なニュースについては、「ニュースウオッチ9」が6.7%で、
前年の「ニュース10」(4.4%)と比べると、視聴率は高くなりました。
午後の11時台の「スポーツ&ニュース」は昨年の同時間帯の視聴率と
ほぼ同様の数字です。
 午後8時台の番組の視聴率では、「鶴瓶の家族に乾杯」が9.5%(前
年同時間帯7.1%)、「ためしてガッテン」が10.6%(前年5.8%)と
前年に比べて視聴率が高くなりました。
 午後の10時台では、前年は「ニュース10」を放送していましたが、
それに比べると火曜日の「クイズ日本の顔」と「プライスの謎」など、
いずれの番組も視聴率が低くなっています。午後11時台の番組も同様
の傾向です。
 土曜・日曜の主な番組については、「宮廷女官チャングムの誓い」(6.
3%)や「ダーウィンが来た!生きもの新伝説」(8.5%)がよく見られ
ています。
 教育テレビの週間接触者率の長期推移を見ると、漸減傾向が続いていま
す。教育テレビでよく見られた番組は「アニメ忍たま乱太郎」、「味楽る!
ミミカ」、「天才ビットくん」、「アニメおじゃる丸」などとなっています。
 衛星放送を受信できない人も含めた全員を分母とした衛星放送の週間
接触者率は19.3%でした。長期推移については、衛星放送の普及とと
もに着実に増加しています。
 衛星第1でよく見られた番組は、サッカーのワールドカップ関連番組、
衛星第2では、朝の連続テレビ小説「純情きらり」、「君の名は」、「BS
日本のうた」などとなっています。
 最後にラジオについてですが、ラジオ第1でよく聞かれた番組は早朝
のニュースなどとなっています。

(小野理事) 前回の有効率は何%でしたか。
(放送文化研究所)昨年6月は67.7%で、今回は有効率が高くなり
      ました。これは、調査を拒否する方が前回に比べて減った
      ためです。
(副会長)  教育テレビの週間接触率が減っているというのは、はっ
      きりとした傾向として表れているといえるのですか。
(放送文化研究所)前年と比べると減ったとまでは言い切れませんが、
      長期推移を見ると減少傾向が続いています



上記のとおり確認した。

  
      平成18年 7月25日
                     会 長  橋 本 元 一   

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