日本放送協会 理事会議事録  (平成18年 6月20日開催分)
平成18年 7月 7日(金)公表

<会 議 の 名 称>
 理 事 会

<会  議  日  時>
 平成18年 6月20日(火) 午前9時00分〜9時20分

<出   席   者>
 橋本会長、永井副会長、原田理事、畠山理事、小林理事、中川理事、
 小野理事、衣奈理事、石村理事、西山理事

 古閑監事、坂野監事

<場         所>
放送センター 役員会議室

<議        事>
 橋本会長が開会を宣言し、議事に入った。

付議事項

1 審議事項

(1)第1023回経営委員会付議事項について

(2)中央放送番組審議会委員の委嘱について

2 報告事項

(1)地方放送番組審議会委員の委嘱について

(2)考査報告

議事経過

1 審議事項

(1)第1023回経営委員会付議事項について
(秘書室)
  6月27日(火)に開催される第1023回経営委員会付議事項につ
 いて審議をお願いします。
  付議事項は、議決事項として「中央放送番組審議会委員の委嘱につい
 て」です。報告事項として「“約束”評価報告およびこれに対するNHK
 見解について」、「財団法人放送文化基金の平成17年度事業報告および
 収支決算について」、「関連団体事業活動審査委員会外部委員の変更につ
 いて」、「地方放送番組審議会委員の委嘱について」そして「平成17年
 度業務に関する監査について」です。
  そのほか、会長報告などを予定しています。

(会 長)  原案どおり決定します。

(2)中央放送番組審議会委員の委嘱について
(原田理事)
  中央放送番組審議会委員の委嘱について審議をお願いします。
  宮田亮平氏(東京芸術大学学長)に平成18年7月1日付で新規委嘱
 したいと思います。なお、松岡佑子氏(同時通訳者・翻訳家・株式会社
 静山社社長)については、任期満了により18年6月30日付で退任さ
 れます。

(会 長)  原案を経営委員会に諮ることにします。

2 報告事項

(1)地方放送番組審議会委員の委嘱について
(原田理事)
  地方放送番組審議会委員の委嘱について報告します。
  関東甲信越地方で、小島俊一氏(JA宇都宮代表理事専務理事)、澁谷
 勲氏(株式会社常陽銀行取締役会長)、富岡賢治氏(群馬県立女子大学学
 長)を、また、中国地方で、加計美也子氏(学校法人高梁学園理事長)
 を平成18年7月1日付で新規委嘱します。なお、関東甲信越地方の落
 合靖氏(JA栃木中央会専務理事)、川又諭氏(株式会社日立ライフ取締
 役社長)、藤田登氏(群馬経済同友会代表幹事)、中国地方の今井真貴子
 氏(有限会社旅館御園専務取締役)については、任期満了により18年
 6月30日付で退任されます。

(2)考査報告
(考査室)
  18年5月〜6月上旬に放送されたニュース・番組について、概要を
 報告します。
  6月8日からサッカーのワールドカップドイツ大会が始まりました。
 この大会に関して、「おはよう日本」で6月7日から3日間続けて日本代
 表の対戦チームの分析をするなどさまざまなニュースを伝えています。
  日本代表は6月12日、初戦の相手オーストラリアと対戦し、逆転負
 けしました。この試合は、「ニュースウオッチ9」を10分短縮して総合
 テレビで午後9時50分から午前0時25分まで中継しました。また、
 衛星第1、衛星ハイビジョン、ラジオ第1でも中継しました。
  ワールドカップドイツ大会については、NHKは総合テレビで20試
 合、衛星第1と衛星ハイビジョンで全64試合を中継し、データ放送、
 インターネット、携帯電話、さらに、ワンセグでも試合の経過をリアル
 タイムで伝えるなど、多角的なサービスを行っています。また、ゴール
 前などに7台のユニカメラを使って、ピッチの選手やスタンドのサポー
 ターの多彩な表情を映し出しています。
  次に村上代表逮捕のニュースについてです。
  東京地検特捜部は、投資ファンドの村上ファンドの村上世彰代表をニ
 ッポン放送の株式を巡ってインサイダー取引をした疑いで、6月5日逮
 捕しました。NHKは、午後4時58分にスーパーでその第一報を伝え
 ました。その日の夜の「ニュース7」では30分枠を広げ、村上氏が一
 昨年の11月8日に、ライブドアがニッポン放送株を買う意向との情報
 を得た事実などを詳しく伝えました。また、その日の「ニュースウオッ
 チ9」では、村上代表は“モノ言う株主”として企業買収を通じて日本
 の企業システムを変えたいという考えを持つに至った経緯、経歴を紹介
 しました。これに先立つ村上代表の会見は、午前10時51分から11
 時35分まで番組を中断して「ニュース」を特設し、中継で伝えました。
 逮捕に至る捜査と村上代表側のそれぞれの動きを丹念にフォローし、事
 件のポイントと影響を分かりやすく整理し説明したと思います。
  次に、秋田県藤里町の小学1年生の米山豪憲くんが殺害され遺体が放
 置された事件についてです。
  秋田県警は6月4日、近所に住む33歳の女を死体遺棄の疑いで逮捕
 しましたが、この事件については秋田放送局が粘り強く取材をし、なか
 なか捜査情報が出てこないなかで、一報を他社に先駆けて伝えました。
 まず、この日の午前6時6分、能代市の住宅などの捜索について、午後
 10時35分に逮捕状請求について、午後11時23分には容疑者の逮
 捕について、それぞれスーパーで速報しました。
  また、ニュースを機動的かつ柔軟に特設しています。たとえば、午後
 11時28分から、通常番組を中断しニュースを特設して、米山豪憲く
 んの家の2軒となりに住む畠山容疑者を死体遺棄の疑いで逮捕したと伝
 えました。NHKは、この段階で初めて畠山容疑者の映像を伝えました。
 容疑者に関係する映像の使用を逮捕まで控えるなどの配慮も行き届いて
 いたと思います。
  続いて、いくつかの番組について報告します。
  NHKスペシャル シリーズ・ドイツW杯は5月28日から3夜連続
 で放送しました。その第1回「魔術師 ロナウジーニョ」(5月28日
 GTV 後9:00〜9:59)は、優勝候補の筆頭ブラジルのエース、
 ロナウジーニョ・ガウショ(26歳)のプレーを徹底分析、その技の秘
 密に迫りました。ロナウジーニョは、相手を惑わすドリブル、予測でき
 ないパス、独特な身のこなしで繰り出す多彩な技で“魔術師”と呼ばれ
 ています。彼の少年時代の映像、その技の科学的な分析なども大変興味
 深く、見応えのある番組でした。モニターの方から「すばらしいドキュ
 メンタリーだ。サッカーにあまり関心がない中年の主婦である私が見て
 もサッカーの技のすごさが分かった」などの声も寄せられ、たいへん好
 評でした。
  次にNHKスペシャル「シリーズ 変貌する日米同盟」(2夜連続)の
 第1回「負担は軽減されるのか〜基地の町からの報告」(6月8日 GT
 V 後10:00〜10:44)についてです。
  日米両政府は5月、3年にわたる協議の末、大規模な在日米軍の再編
 に合意しました。今回の再編が日本の安全とどう結びつくのか、2回の
 シリーズで探りました。1回目は普天間基地の騒音被害に悩まされてき
 た沖縄・北谷(ちゃたん)町砂辺地区で進むコミュニティー崩壊の様子
 などを通して基地の実態を報告し、在日米軍の再編と、それに戸惑う地
 元住民の不満や不安の声を伝え、再編に揺れる沖縄や山口県岩国市の基
 地の現状を見つめ、課題を検証しました。
  モニターの方からは、これまで目をそらしがちであった現実に正面か
 ら取り組んだ番組として好評でした。また、こうしたテーマも公共放送
 としてきちんと取り組んでほしいという意見もありました。
  なお、シリーズ2回目は、前半で日米の軍事的な「一体化」の実態を
 描き、後半では、1回目の内容も踏まえ、額賀防衛庁長官や有識者など
 に「なぜいま同盟強化なのか」「同盟の負担をどう担うのか」といった疑
 問を投げかけ討論しました。また、このシリーズを踏まえて、日本の、
 これから「米軍基地について考えたことはありますか」(6月10日 G
 TV 午後7:30〜8:45、9:00〜10:29)では、米軍基
 地の問題について、額賀防衛庁長官、有識者、視聴者により討論しまし
 た。
  次に、木曜時代劇「次郎長 背負い富士」(全10回)の第1回「春の
 嵐」(6月1日 GTV 後8:00〜8:43)についてです。
  幕末・維新期、東海道一の大親分といわれた清水次郎長の心意気と波
 乱の半生を描く山本一力氏原作の「背負い富士」をジェームス三木氏が
 脚色しました。第1回は、次郎長の幼少期に米問屋「甲田屋」の養子に
 なったころから青春期までを描き、次郎長のひととなり、人生の波乱を
 予感させるスタートとなり、モニターのみなさんからはたいへん好評で
 す。特に、骨格がしっかりとした脚本と演出のテンポがいいと評価され
 ています。
  最後に、ハイビジョン特集「この世界に、僕たちが生きてること」(5
 月30日 BShi 後9:00〜10:50)についてです。この番
 組は、難病の筋ジストロフィーで体が動かなくなるなかで絵を描き続け
 ている27歳の河合正嗣さんの日々を追ったドキュメンタリーで、名古
 屋放送局が制作しました。“限界まで創造的であろう”とする正嗣さんの
 ひたむきな姿勢が伝わり、生きることの意味を深く問いかける内容とな
 っていました。モニターの方からは、「涙を誘う流れではなく、逆に勇気
 をもらえるような番組で感動した」などの声が寄せられています。
(会 長)  NHKスペシャル「シリーズ 変貌する日米同盟」は第
      1回のみのモニター報告しかないのですか。
(考査室)  今回はNHKスペシャルの第1回について報告しました
      が、全国のモニターの方々には各回いずれかの番組視聴を
      お願いしています。ただし、NHKスペシャル「シリーズ 
      変貌する日米同盟」と日本の、これから「米軍基地につい
      て考えたことはありますか」をすべて見ているモニターの
      数は限られています。なお、制作現場にはそれぞれのモニ
      ター報告のすべてを伝えています。
(会 長)  今回の在日米軍の再編に関する番組は、番組制作側とし
      て、NHKスペシャル「シリーズ 変貌する日米同盟」と
      日本の、これから「米軍基地について考えたことはありま
      すか」をセットで見ていただくねらいがあると思います。
      モニターの方々には、全体を通した評価と個別のそれぞれ
      の回の評価の両方をしていただいたほうが作り手として
      参考になると思いますので、今回のように同じ内容を取り
      扱った番組をシリーズとして短期に集中編成する場合は、
      なるべくまとめてモニターしていただくようにお願いし
      てほしいと思います。


上記のとおり確認した。

      平成18年 7月 4日
                     会 長  橋 本 元 一   

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