日本放送協会 理事会議事録(平成18年 5月10日開催分) 
平成18年 5月24日(水)公表

<会 議 の 名 称> 
  理 事 会 
<会  議  日  時>
 平成18年 5月10日(水) 午前9時00分〜9時15分

<出   席   者>
橋本会長、永井副会長、原田理事、畠山理事、小林理事、中川理事、
小野理事、衣奈理事、石村理事、西山理事

古閑監事、坂野監事

<場         所>
放送センター 役員会議室

<議        事>
 橋本会長が開会を宣言し、議事に入った。

付議事項

報告事項

(1)平成18年度放送技術研究所公開について

議事経過

報告事項

(1)平成18年度放送技術研究所公開について
(放送技術研究所)
 平成18年度放送技術研究所公開について報告します。
 今年のNHK放送技術研究所公開の期間は、5月23日(火)から2
8日(日)までです。5月23日(火)はプレスプレビュー等を行いま
す。24日(水)は専門家招待日で、NHKの番組「プロフェッショナ
ル 仕事の流儀」のキャスターを務めていただいている茂木健一郎氏(ソ
ニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー)の講演会も行
います。25日(木)から28日(日)までを一般公開日とします。2
7日、28日には、体験型展示として、家族向けに、超スローモーショ
ン体験など放送技術の研究成果を楽しく体験できる展示を実施します。
 今年度の公開にあたっては、公共放送の研究所として、「視聴者ととも
にある研究所」、「研究成果を適用できる放送現場を持っている研究所」、
「世界の放送技術をリードする研究所」、それから、「将来を見据え基礎
から応用まで一貫した研究を行う研究所」というさまざまな側面を紹介
したいと考えています。
 今回のテーマは“確かな技術が、未来の放送を拓く”です。30項目
の研究成果を展示し、デジタル放送が通信との連携などを通じてより便
利で魅力的になることをわかりやすく紹介します。また、昨年公表した
「NHK技研ビジョン“NEXT”」の実現に向けた最新の研究成果を展
示し、さらに、放送分野のみにとどまらず、医療・科学をはじめとする
さまざまな分野で活用されている研究開発の成果も紹介します。
 次に、主な展示項目について、放送技術研究所の会場の順路に沿って
報告します。
 まず、エントランスからすぐの「デジタル放送の展開」ゾーンでは、2
011年のデジタルテレビがどんな視聴形態になっているかというイメ
ージをリビング、子ども部屋などの状況ごとに再現します。また、地震
などの災害時の緊急警報放送をワンセグ端末で自動起動させる技術、コ
ンテンツの権利を保護しながら利便性を高めるコンテンツ流通技術、デ
ジタル放送を全国あまねく低コストで普及させるための中継技術などを
展示します。
 「究極の高臨場感システムの実現」ゾーンでは、スーパーハイビジョ
ンを中心に、究極の高臨場感システムの実用化に向けた研究を紹介しま
す。今年の目玉として、スーパーハイビジョンの一連の放送系統を展示
します。カメラ、音響システム等に加えて、素材伝送システム、圧縮技
術、21GHz帯衛星伝送技術をお見せするとともに、スーパーハイビ
ジョンシステムのシアターも設け、迫力ある映像と音声を体験していた
だきます。また、人間科学による知見にもとづく超高精細映像や3次元
音響システムのあり方もご覧いただきます。
 「高度コンテンツ制作・機動的報道システムの実現」ゾーンでは、良
質な番組を制作するための技術やより迅速な報道を可能とするシステム
などを紹介します。たとえば、川口アーカイブスの映像資産を効率的に
活用するための映像検索技術、取材・中継現場において複数の無線端末
が自律的に伝送ルートを決定するアドホックネットワーク技術によりハ
イビジョンの無線伝送ができるシステム、より良いコンテンツを視聴者
にとどけるためにコンテンツが視聴者の興味を引いているかなどコンテ
ンツの質を評価する技術などを展示します。
 「ユビキタス・ユニバーサルサービスの実現」ゾーンでは、いつでも、
どこでも、だれでもが、ほしい情報を容易に得られることを目指した多
様な技術を紹介します。人にやさしい放送の実現に向けた研究成果とし
て、学習レベルに応じて番組を提供してくれるオーダーメイド教育番組、
いつでもどこでも見られるテレビを目指して、フィルム液晶と有機TF
Tを一体化させた「フレキシブルディスプレイ」などを展示します。
 「将来を見据えた基盤技術」ゾーンでは、たとえば、放送番組の検索
などであいまいな質問を柔軟に解釈して回答するオントロジーを用いた
質問応答技術、スーパーハイビジョンに対応したきめの細かいPDPデ
ィスプレイ、将来のアーカイブスの記録システムとして大容量化が期待
できるホログラム技術などをお見せします。
 NHKの研究開発成果は、放送分野はもとより、医療、科学、教育な
どさまざまな分野で活用されています。「社会に還元!NHKの研究開
発成果」ゾーンでは、社会で活躍している機器やそれを支える技術を紹
介します。たとえば、聴覚に障害のある方などにも番組をより楽しんで
いただくための音声認識を利用した字幕、月明かり程度の弱い光の下で
も鮮明に撮影できるハイビジョン超高感度HARPカメラの医療への応
用などを展示します。
(会 長)  スーパーハイビジョンは、今年4月にラスベガスで開か
      れた世界最大の放送技術展示会(NAB)でも映画関係
      者などからも絶賛され、NABからNHKに感謝状も贈ら
      れました。スーパーハイビジョンの素晴らしさと放送以外
      にも活用できる技術を開発する放送技術研究所の力を大い
      にアピールしてほしいと思います。
(副会長)  スーパーハイビジョンは、ハリウッド映画界などでどう
      受け止められていましたか。
(放送技術研究所) NABで行ったデモンストレーションには、ジェ
      ームズ・キャメロン監督をはじめ、ハリウッドの映画関係
      者にもご覧いただき、また、体験していただき、非常に好
      評でした。
(畠山理事) オントロジー技術とはどういうものですか。テレビにど
      う活用できるのですか。
(放送技術研究所) オントロジー技術は、ある事象を体系的に記述す
      るような技術で、そうした記述をコンピューターに入れて
      おくと、たとえば、スーパーハイビジョンという質問をす
      ると、スーパーハイビジョンというデータがコンピュータ
      ーのなかになくても、ハイビジョンとかスーパーというデ
      ータを関連づけて、質問内容を理解し、答えてくれる技術
      です。従来のコンピューターは、正しく質問しないと回答
      されないのですが、あいまいな質問でも答えてくれる技術
      です。テレビへの応用では、正確な番組名でなくても、あ
      るキーワードを関連づけて最適なものを選択してくれると
      いうように番組検索等に利用することができます。
       

以上で付議事項を終了した。


上記のとおり確認した。

      平成18年 5月22日
                     会 長  橋 本 元 一   

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