NHK INFORMATION
業務報告書


 

第2章 放送番組の概況


1 国内放送
(1) 番組の編成
[ア] 重点事項
 放送番組の編集に当たっては、公共放送としての使命に徹し、信頼性あるジャーナリズム機能と文化創造機能の一層の向上に努めつつ、公正な報道と多様で質の高い放送番組の提供に努めた。
 21世紀を前にした社会状況とメディアの変動の中で、視聴者の信頼と多様な要望にこたえ、かつ幅広い情報を提供していくため、地上放送、衛星放送各波の役割をより明確にし、次の項目を年度重点事項として、放送番組の一層の充実に努めた。
(1) ニュース・情報番組の強化拡充と、迅速、適切な緊急報道の実施
(2) 個性豊かで多彩な番組の開発など夜間のテレビジョン総合放送の充実
(3) 放送時間の拡大と少年少女向け番組の拡充などテレビジョン教育放送の強化
(4) 地域放送番組の拡充
(5) 独自番組の拡充による衛星放送・ハイビジョン放送の充実
(6) 視聴者との結びつきを強める番組の拡充
(7) 字幕放送の拡充など障害者向けサービスの充実
(8) ラジオ各波の特性を生かした編成の強化

[イ] テレビジョン
(ア) 地上放送
 総合放送では、広く一般を対象に、国民の生活・視聴態様に対応して、報道、教育、教養、娯楽の各分野にわたり調和ある編成を行った。教育放送では、教育番組を中心に、教養番組を効果 的に編成するとともに、報道番組若干を編成した。地域放送については、地域に密着したニュース・情報番組を中心に編成し、あわせて地域の実情に応じた特集番組を随時編成した。
 4月には、番組改定を行い、総合放送では、平日午後5時台を地域向け情報番組の時間帯、土曜日午前6時台をニュースの時間帯として刷新するとともに、夜間及び週末午前の編成を刷新強化するなど、ニュース・報道番組、教育番組、教養番組、娯楽番組の充実刷新を図った。このほか、特別 編成を実施するなど、機動的な編成を推進した。
 教育放送では、放送時間を早朝に1時間、深夜に2時間拡大した。また、青少年の視聴好適時間帯である午後6、7時台に「少年少女アワー」を設け、少年少女向け番組の拡充を図るとともに、教育番組、文化・教養番組、福祉番組の充実刷新を図ったほか、平日深夜に学校放送番組の集中的な編成を実施した。
(イ) 衛星放送
 衛星第1放送では、内外のニュース・情報を伝える番組を中心に編成し、あわせてスポーツ番組等を編成した。衛星第2放送では、難視聴解消を目的として、総合放送及び教育放送の主な番組を編成するとともに、大型エンターテインメント番組をはじめとする衛星独自番組を効果 的に編成した。
 4月には、番組改定を行い、衛星第1放送では、内外の多様な情報を伝える番組等の充実を図るとともに、スポーツ番組を拡充した。衛星第2放送では、平日夜間の編成を充実刷新するとともに、視聴者参加番組を開発するなど、衛星独自番組の充実を図った。
 また、6月の衛星放送開始10周年に際しては、特集編成を実施した。
(ウ) ハイビジョン放送
 1つのチャンネルで複数の放送事業者が曜日別、時間別に放送を行っているハイビジョン放送については、その早期普及に向け、高画質・高音質かつワイド画面 の特性を生かした多様な番組を編成した。
 4月には、番組改定を行い、日本各地の祭りを臨場感ある生中継により紹介する大型番組を開発するなど、ハイビジョン独自番組の編成を強化した。
 12年1月には、総合放送との同時放送による大河ドラマを新たに編成した。

[ウ] ラジオ
 第1放送では、広く一般を対象に、聴取態様に対応して、報道、教育、教養、娯楽の各分野の番組を編成し、特に、ラジオの機動性及び速報性を生かした弾力的編成を行った。第2放送では、教育番組を中心とした全国同一放送として、聴取対象を明確にして編成した。FM放送では、高音質の特性を生かした音楽番組に重点を置いて編成した。地域放送については、第1放送及びFM放送において、地域の関心にこたえる番組を編成した。
 4月には、番組改定を行い、第1放送では、午前の情報番組等の充実を図り、第2放送では、語学講座番組等の充実を図った。FM放送では、多様な分野の音楽を紹介する番組を開発するなど、音楽番組の充実を図った。

[エ] 補完放送
(ア) テレビジョン補完放送
 テレビジョン放送の音声による補完放送として、ステレオ放送、2か国語放送、解説放送をテレビジョン各波の一部番組で実施し、高音質のBモードステレオ放送については、衛星放送及びハイビジョン放送の一部番組で実施した。解説放送では、視覚障害者向けの番組を編成した。
 テレビジョン放送の文字による補完放送として、聴覚障害者向けの字幕放送を実施した。4月には、総合放送及び教育放送で各9番組、衛星第2放送で4番組、それぞれ対象番組を拡充したほか、総合放送及び衛星第2放送において、12年3月27日、午後7時台のニュースで音声自動認識等による字幕化装置を使用した放送を開始した。
 テレビジョン文字多重放送については、ニュース、番組ガイド等19項目の番組を編成したほか、随時、特別 番組を編成した。なお、放送法の改正に伴い、12年1月以降、テレビジョン放送の文字による補完放送(テレビジョン文字放送)として実施した。
(イ) ラジオ補完放送
FM文字多重放送については、東京、大阪、名古屋等8局で放送を実施し、6項目の番組を編成した。なお、放送法の改正に伴い、12年1月以降、FM放送の文字による補完放送(FM文字放送)として実施した。

[オ] 放送時間及び放送事項別比率
 放送時間については、1日平均、テレビジョンで、総合放送23時間21分、教育放送20時間53分、衛星第1放送23時間55分、衛星第2放送23時間56分、ハイビジョン放送11時間52分、ラジオで、第1放送23時間42分、第2放送18時間30分、FM放送23時間17分であった。また、字幕放送は、1週間平均、総合放送30時間28分、教育放送13時間6分、衛星第2放送9時間25分であった。
 放送事項別比率については、年度平均、テレビジョンで、総合放送は報道43.7%、教育10.6%、教養28.4%、娯楽17.3%、教育放送は報道3.8%、教育79.5%、教養16.7%、衛星第1放送は報道55.1%、教育12.0%、教養21.1%、娯楽11.8%、衛星第2放送は報道18.3%、教育30.4%、教養22.3%、娯楽29.0%、ハイビジョン放送は報道15.7%、教育16.8%、教養41.6%、娯楽25.9%、ラジオで、第1放送は報道49.7%、教育2.1%、教養23.6%、娯楽24.6%、第2放送は報道14.2%、 教育65.6%、教養20.2%、FM放送は報道16.8%、教育4.4%、教養40.4%、娯楽38.4%であった。
(テレビジョン及びラジオの
放送事項別放送時間及び比率 資料2、3)

(テレビジョン補完放送の放送時間 資料4)
(地域放送番組放送時間 資料5)


(2) 番組の実施

[ア] 報道部門
 ニュースをはじめ、内外の諸情勢を解明する各種の報道番組の充実を図るとともに、臨機の編成による速報と重点的な報道に努めた。報道取材に当たっては、緊急時における機動力の向上を図るとともに、海外取材体制を強化した。
 テレビジョンにおいては、総合放送で、「NHK週刊ニュース」を新設するとともに、「NHKニュース おはよう日本」を拡充するなど、ニュース・情報番組の充実に努めた。NHKスペシャルでは、大型番組企画「世紀を越えて」、「環境ホルモン 五大湖からの警告」、「経営者 中内功−巨大企業ダイエーの苦悩を語る−」、「薬害エイズ16年目の真実−川田龍平 郡司元課長に聞く−」、「検証トルコ大地震」、「隣人たちの戦争−コソボ・ハイダルドゥシイ通りの人々−」、「霞が関は生まれ変わるか−省庁再編を決めた2万ページの記録−」、「子どもをどう救うのか−児童虐待・苦悩する対策の現場−」、「空白の9年2か月−検証・新潟女性監禁事件−」等を放送した。クローズアップ現代では、「周辺有事・日本は何をするか−新ガイドライン法成立−」、「コンクリートが落下する−推定衝撃力34トンの恐怖−」、「活断層はこう動いた 衝撃の破壊力−検証・台湾大地震−」、「最悪の被ばく事故はなぜ起きた−検証 東海村臨界事故−」、「何が起きる?2000年元旦−病院・電気・銀行の対策は−」、「“銀行課税”石原知事の決断と波紋−周到なシナリオ−」、「最後尾車両はなぜ脱線したか−地下鉄事故原因に迫る−」等を放送した。このほか、特集番組として、「憲法記念日特集−日本の安全保障を問う−」等を放送した。衛星第1放送では、「おはよう世界のトップニュース」を拡充した。ラジオにおいては、第1放送で、「くらしセンスアップ」、「地球ラジオ」等を新設するなど、ニュース・生活情報の充実に努めた。
 統一地方選挙、大雨による神奈川県のキャンプ増水事故、トルコ大地震、第一勧業銀行・富士銀行・日本興業銀行の経営統合合意等の金融再編、キルギス日本人拉致事件、神奈川県警等の警察不祥事、台湾大地震、茨城県東海村の臨界事故、新潟の女性監禁事件、地下鉄日比谷線の脱線・衝突事故、有珠山噴火等の重要ニュースの放送に際しては、随時、特設ニュースの編成やニュース時間の延長を行ったほか、関連番組を集中的に編成し、正確かつ機動的な報道と問題点の解明に努めた。
 解説番組については、「あすを読む」、「視点・論点」等を放送し、ニュースの背景、問題点等をわかりやすく解説するよう努めた。
 広報番組については、「NHKプレマップ」、「土曜スタジオパーク−あなたの声に答えます−」、「BSタイムテーブル」等を新設するとともに、「テレマップ」、「BS今夜の番組から」等を放送したほか、特集番組を随時放送した。

[イ] 教育部門
 学校放送番組については、テレビジョンにおいて、教育放送で、小学校低学年向け番組「それゆけ こどもたい」、同「マテマティカ」、中学年向け番組「ふしぎ研究所」、同「まちへとびだそう」、高学年向け番組「地球たべもの大百科」、小学校の総合的な学習の時間に向けた番組「デジタル大図鑑」、養護学校等向け番組「ストレッチマン」、中学校・高校向け番組「スクール五輪の書 社会の巻・現代仕事ファイル」を新設したほか、各教科の番組を集中的に放送する「ETV深夜館・学校放送ライブラリー」を新設した。
 社会教育番組では、テレビジョンにおいて、総合放送で、「趣味専科」を、教育放送で、「シルバー人生塾」、「ボランティアまっぷ」、「すくすくネットワーク」、「今夜もあなたのパートーナー1−金曜アクセスライン−」等を新設した。このほか、総合放送及び教育放送で、すべての世代の人々に親しまれる体操として新たに開発した「みんなの体操」の放送を開始した。また、教育放送で、趣味悠々として、「とびっきりガーデニング 自分流AtoZ」、「中高年のための登山学〜日帰り登山で基本を学ぶ」、「手づくりパスタ工房」等を、NHK人間講座として、「生命誌の世界 私たちはどこから来てどこへ行くのか」、「ロボットから人間を読み解く−バーチャルリアリティの現在−」、「文珍流・落語学への招待」等を放送したほか、ETV特集として、シリーズ「名物先生“日本一”を育てます」、シリーズ「日本人こころの風景 17歳」等を放送した。衛星第2放送では、「BSエアロビック」、衛星アニメ劇場「くまのパディントン」等を新設した。ラジオにおいては、第2放送で、語学講座として、「基礎英語」、「フランス語講座」、「ドイツ語講座」等を放送した。
 また、少年少女たちに夢と感動を与え、豊かな心をはぐくむため、テレビジョン教育放送で「アニメ コレクター・ユイ」、「ドラマ愛の詩」、「YOU&ME ふたり」等を新設した。このほか、少年少女プロジェクト特集として、「ききたい!10代の言い分」を随時放送したほか、「どこがおかしい!?日本の子育て」、「10代が語る理想の教育」を放送した。

[ウ] 教養部門
 テレビジョンにおいて、総合放送で、「ニッポンときめき歴史館」、「地球に乾杯」、「どうぶつ家族」、「推理バラエティー 誰もいない部屋」等を新設した。また、NHKスペシャルで、「世紀を越えて」、「驚異の小宇宙・人体3〜遺伝子・DNA」の大型企画番組、「よみがえる最後の晩餐」、「少子社会ニッポン」、シリーズ「イスラム潮流」、「白神山地 命そだてる森」、「移住31年目の乗船名簿」等を放送し、土曜特集では、「知ってびっくり!種の不思議」、「驚異の世界 深海大冒険」、「世界の赤ちゃん びっくりスーパーパワー」等を放送した。このほか、特集番組として、「アジア 知られざる大自然」、「バイキング・ロード」、「カウントダウンスペシャル・2000年の願い」、「ワイドスペシャル地球環境 いま私たちにできること」等を放送した。
 教育放送では、「ETVカルチャースペシャル」、「日本 映像の20世紀」等を新設したほか、海外少年少女ドラマとして、「シェルビーの事件ファイル」、「サブリナ」、「15の不思議な物語」等を新設した。また、ETV特集として、シリーズで、「エジプト史を掘る」、「中国思索紀行・道元を歩く」、「笑いの復活・三番勝負〜人気作家が挑む伝統芸能」、「2000年への対話」等を放送したほか、「東山魁夷の世界−その人と芸術−」等を放送した。
 衛星第1放送では、「ヨーロピアンライフ」、「われら世界の仲間たち」等を新設した。また、日曜スペシャルとして、「記憶が消えていく−あるアルツハイマー病患者の闘い−」、「21世紀への証言−繁栄へのリーダーシップ〜リー・クアンユー−」等を、特集番組として、「あなたが選ぶ 世界の20世紀・10大ニュース−BS10周年企画−」、「ドキュメンタリー特集 ネルソン・マンデラ 自由への長い道のり」等を放送した。
 衛星第2放送では、「BS10周年スペシャル」等を新設したほか、視聴者参加の大型生中継番組「おーい、ニッポン」、「立体生中継 シルクロード・敦煌−BS10周年企画−」、「街道をゆくスペシャル」、「ほっかいどうサマースペシャル−緑萌ゆる大地−」等を放送した。
 ラジオにおいては、第1放送で、「ちょっとひといき ティータイム」、「列島音の旅」、「音にあいたい」等を新設したほか、特集番組として、シリーズ「わが心の遺産」において、「合掌造りは心を豊かにする」、「甍のため息〜姫路城」等を放送した。第2放送では、NHKラジオライブラリーとして、「教養選集」、「歴史をよむ」を新設した。FM放送では、「弾き語りフォーユー」、「世界の快適音楽セレクション」等を新設した。

[エ] 娯楽部門
 テレビジョンにおいて、総合放送で、連続テレビ小説「すずらん」、同「あすか」、大河ドラマ「葵 徳川三代」、金曜時代劇「しくじり鏡三郎」、同「スキッと一心太助」、「爆笑オンエアバトル」、「ER3 緊急救命室」、「アリー・myラブ2」等を新設したほか、「水曜 ドラマの花束」を新設し、「ふたりでタンゴを」、「怒る男・わらう女」、「昨日の敵は今日の友」等を放送した。また、土曜特集では、「頭のゲーム 脳ビタくん」を新設したほか、「百歳バンザイ」、視聴者参加の公開番組「ふるさと皆様劇場」、同「平成11年度NHKのど自慢チャンピオン大会」等を放送した。このほか、特集番組として、「クイズ ありがとう!いい講義です」、「第50回NHK紅白歌合戦」、正月時代劇「蒼天の夢〜松陰と晋作・新世紀への挑戦」等を放送した。
 衛星第2放送では、「バグズ−ハイテクスパイ大作戦−」、中学生以下の子どもたちが参加する「BSジュニアのど自慢−BS10周年企画−」、「エンターテインメント・スペシャル」等を新設したほか、「衛星ドラマ劇場」を新設して、「ゲームの達人」、「玩具の神様」等を放送した。また、特集番組として、「1999 夏 長崎から さだまさしコンサート」、「淀川さん、黒澤映画を語る」、「BSマンガ夜話」等を放送した。
 ラジオにおいては、第1放送で、「真打ち競演」、「クイズ面白講座」等を放送した。FM放送では、「ザ・ソウルミュージック」、「ウィークエンド・サンシャイン」、「夜のエスプレッソ」を新設するとともに、FMシアター「茶湯寺で見た夢」、同「スモーキングタイム〜煙の行方」、同「BACK TO THE“坊っちゃん”」等を放送した。

[オ] スポーツ部門
 テレビジョンにおいて、総合放送で、「サンデースポーツ」、NHKスペシャル「監督 野村克也−阪神再建・63歳の挑戦−」、同「18歳 松坂大輔−スーパールーキーの心技体−」等を放送したほか、衛星第1放送で、「ワールドスポーツウィークリー」、「いきいきスポーツライフ−おもいっきりアウトドア−」、「速報・サッカー21」等を新設した。ラジオにおいては、第1放送で、「週末スポーツ情報」を新設した。
 また、パンパシフィック水泳選手権、世界柔道選手権、世界体操選手権、サッカー・オリンピックアジア最終予選等については、日本のオリンピック・シドニー大会出場権がかかる試合を中心に、主に生中継で放送した。このほか、国民体育大会、高校野球大会、大相撲、プロ野球、プロサッカー、米大リーグ野球、米プロバスケットボール、サッカースペインリーグ等の中継を行った。

[カ] 地域放送
 県域又は広域の放送として、地域に密着したニュース・情報番組、気象情報、教養番組等の充実に努め、テレビジョン総合放送において、平日午後5時台に、「だいすき北海道」、「夕方5時です 千客万来」(近畿地方)、「ゆうどき5九州沖縄」等の各地域向け情報番組を新設した。また、「こんにちは いっと6けん」を拡充するとともに、「首都圏いきいきワイド」(関東甲信越地方)、「静岡ふしぎ まか不思議」等を放送した。
 また、北海道スペシャル「試される大地 再生のために」、東北スペシャル「よみがえれ!商店街」、特報首都圏「東海村臨界事故」(関東甲信越地方)、新春特集「自動車大国の試練−激化する環境技術競争−」(中部地方)、「震災5年 支えあって」(近畿地方)、「瀬戸内にかかるアーチ−しまなみ海道開通 −」(中国地方)、四国スペシャル「3橋時代−検証 しまなみ開通から半年−」、「特集 高校生と語ろう’99長崎原爆の日」(九州地方)等の地域事情に応じた多様な番組を放送した。このほか、各地の「お国ことば」の収集、記録を行い、地域向けの情報番組等で紹介した。
 8月の関東地方の集中豪雨、台風16号及び18号に伴う西日本を中心とした大雨等に際しては、随時、地域向けの放送を実施したほか、テレビジョン総合放送において、画面の表示方法を工夫して字幕スーパーを挿入するなど、きめ細かな生活関連情報等を提供するよう努めた。
 なお、「九州沖縄 一本勝負」、「アイデア対決ロボットコンテスト地区大会」等特色ある地域放送番組については、テレビジョン総合放送の「ミッドナイトチャンネル」において、随時放送し、全国に紹介した。

[キ] ハイビジョン放送
 「ハイビジョンときめきワイド」、「ハイビジョン実況中継・日本の祭」、「日本の民謡」、「ハイビジョン・ギャラリー この素晴らしきモノたち」、「アメリカメジャースポーツ」、大河ドラマ「葵 徳川三代」等を新設した。また、ハイビジョンスペシャル「宇宙ビジュアル紀行・天の川銀河」、「体感生中継・これがグレートバリアリーフだ−世界最大のサンゴ礁に命の輝きがあふれる−」、「ザ・ラストイヤー20世紀−世界の朝日に祈りを込めて−」等を放送した。このほか、大相撲、プロサッカー等のスポーツ中継を実施した。

[ク] 補完放送
 テレビジョン放送の音声による補完放送については、テレビジョン各波において、「NHK歌謡コンサート」、「N響アワー」、スポーツ中継、各種コンサート等をステレオ放送で、「NHKニュース7」、「日本の伝統芸能」、「BS22」、ドラマ「ERW 緊急救命室」等を2か国語放送で、連続テレビ小説、「きょうの健康」等を解説放送で実施した。なお、衛星放送で、「クラシック・ロイヤルシート」、「BS日本のうた」等を、ハイビジョン放送で、「N響コンサート」、「世界音楽紀行」等を高音質のBモードステレオ放送で実施した。
 テレビジョン放送の文字による補完放送については、聴覚障害者向けの字幕放送を、総合放送、教育放送、衛星第2放送において、連続テレビ小説、「NHKニュース7」、「きょうの料理」、「ふたりのビッグショー」等のほか、「アジア 知られざる大自然」、「海・知られざる世界」等の特集番組で実施した。また、テレビジョン文字放送で、ニュース、番組ガイド、地域情報等を放送するとともに、統一地方選挙、第50回紅白歌合戦の関連番組等の特集番組を放送したほか、茨城県東海村の臨界事故、地下鉄日比谷線の脱線・衝突事故等に際し、関連情報を臨機に放送した。
(字幕放送番組一覧 資料6)
(テレビジョン文字放送番組表 資料7)
 FM文字放送については、ニュース、気象情報、地震情報等の放送を行った。

[ケ] 関連団体等への番組制作委託
 コンパクトな番組制作体制の下で多様で質の高い放送番組を安定的に確保するため、一部の番組について、関連団体に制作を委託した。番組の一層の多様化を図るため、外部のプロダクションにも関連団体を通じて番組の制作を委託し、「課外授業 ようこそ先輩」、「やってみよう なんでも実験」、「はるかなる“ビルマの竪琴”」等を放送した。

(3) 放送番組審議会等
 中央放送番組審議会は11回開催され、会長の諮問に応じて、平成12年度国内放送番組編集の基本計画について審議し、答申を行ったほか、放送番組全般について意見交換を行った。各地方放送番組審議会はそれぞれ11回開催され、会長の諮問に応じて、平成12年度各地方向け地域放送番組編集計画について審議し、答申を行ったほか、各地方向け地域放送番組等について意見交換を行った。各審議会の答申や議事の概要等については、全国向け又は各地方向けの放送を通じて周知するとともに、インターネットホームページへ掲載するなど、その公表を積極的に進めた。なお、視聴者意向の概要を審議会に毎回報告するなど、審議の充実に資した。
(委員名 資料8)
 放送番組の企画及び実施に当たっては、学校放送番組委員会等部外委員による番組専門委員会における検討を参考にした。

(4) 放送番組の考査
 国内番組基準にのっとり、放送番組の事前考査及び放送時の考査を実施し、放送番組の向上に資するよう努めた。考査結果 については、速やかに放送現場への周知を行った。
 考査に当たっては、部外のモニターによる番組評価を参考にした。モニターによる番組評価は放送現場にも周知し、視聴者の意向が放送番組に反映されるよう努めた。

(5) 放送番組等の保存
 放送番組の再利用等を容易にするため、番組の体系的な保存に努めた。また、日本の優れた文化遺産、人物、事件等の映像・音声記録を保存した。このほか、国内各地域の20世紀を記録した映像等を都道府県単位 に収集、保存する事業を実施するとともに、21世紀に残したい各地の「お国ことば」を収集、記録する事業を実施した。なお、現在分散して保存している放送番組等の一元的な保存・管理・活用に向けた諸準備を取り進めた。
 放送法第5条の規定に基づき、訂正・取消し放送の関係者等が内容を確認できるよう、放送番組を保存した。

(6) 一般放送事業者への放送番組の提供等
 一般放送事業者に対し、放送番組54本、放送番組の編集に必要な資料1,328件を提供した。また、財団法人放送番組センターに対し、同法人が行う一般 放送事業者への放送番組の貸出しのためテレビジョン番組33本を提供するとともに、同法人が行う放送番組ライブラリー事業のため放送番組239本を提供した。このほか、株式会社日本文字放送、同西日本文字放送、同中部文字放送に対し資料の提供を行った。
 また、放送大学学園に対し、資料1,095件を提供するとともに、ケーブルテレビ事業者に対し、放送番組8,625本を提供したほか、財団法人マルチメディア振興センターに対し、放送番組138本を提供した。
 さらに、聴力障害者向け字幕付きビデオの制作・貸出や海外の日本人、船舶乗組員等の視聴に供するために放送番組の提供を行ったほか、番組複製頒布事業等のための放送番組二次使用申込みにも応じた。

(7) 番組の受賞
 モンテカルロ国際テレビ祭において、NHKスペシャル「隣人たちの戦争−コソボ・ハイダルドゥシィ通 りの人々−」が時事問題番組の部でシルバーニンフ賞を受賞した。
 国際エミー賞において、「課外授業 ようこそ先輩〜戦争を学ぶ 命を考える」が子ども・青少年部門で国際エミー賞を受賞した。
 「日本賞」教育番組国際コンクールにおいて、ETVカルチャースペシャル「最後の晩餐ニューヨークを行く−僕たちが挑むレオナルドの謎−」が日本賞及び青少年部門で文部大臣賞を、「マテマティカ さんにんでさんかく」が子ども部門で外務大臣賞を、それぞれ受賞した。
 ABU(アジア・太平洋放送連合)賞において、「’98 アイデア対決ロボットコンテスト−高専部門・全国大会−」がHBF−ABUエンターテインメント番組賞部門で、「プチプチ・アニメ ニャッキ!−ニャッキ、夏の海へ−」がABU子ども番組賞部門で、「バーチャル コンペティションシステム」がABUスポーツ番組賞部門で、それぞれABU賞を受賞した。
 芸術祭において、NHKスペシャル「隣人たちの戦争−コソボ・ハイダルドゥシィ通りの人々−」がテレビ・ドキュメンタリー部門で、NHKドラマ館「日輪の翼」がテレビ・ドラマ部門で、FMシアター「茶湯寺で見た夢」がラジオ・ドラマ部門で、それぞれ優秀賞を受賞した。
 放送文化基金賞において、ドラマ「青い花火」がテレビドラマ部門で、「詩のボクシング−鳴り渡れ言葉、一億三千万の胸の奥に−」がテレビエンターテインメント番組部門で、それぞれ本賞を受賞した。

(8) その他
 放送による権利侵害の苦情に対して自主的に迅速かつ有効な対応を行う「放送と人権等権利に関する委員会機構」及び放送番組向上の方策について協議等を行う「放送番組向上協議会」の運営に協力した。
 青少年に関する問題について、日本民間放送連盟、郵政省と共同で設置した「青少年と放送に関する専門家会合」は、6月、放送分野における対応策のあり方について検討結果を取りまとめた。これを踏まえ、青少年向け番組の一層の向上に寄与するため、視聴者からの意見の受け付け、審議結果等の公表を行うとともに、意見交換や調査研究を行う「放送と青少年に関する委員会」を、日本民間放送連盟と共同で、「放送番組向上協議会」の中に12年4月から新たに設置することとした。


2 国際放送
(1) テレビジョン国際放送
[ア] 番組の編成
 テレビジョン国際放送として、世界のほぼ全地域に向けた放送を、日本語及び英語により、衛星を利用して実施した。
 世界のほぼ全地域に向けた同一の番組編成による放送については、デジタル方式により、3つの衛星を利用して実施した。4月には、放送時間を1時間拡大して1日19時間とし、10月には、日曜深夜を除き、24時間放送とした。放送時間は、1日平均21時間14分であった。
 また、受信が容易で、現地の生活時間に合わせた番組編成の放送として、北米向けに1日平均5時間35分、東部を除く欧州向けに1日平均5時間32分の放送を実施した。なお、10月、北米向け放送において、ニュースを中心に国内放送との同時放送を拡充した。
 放送番組の編集に当たっては、諸外国の日本に対する理解を深め、文化及び経済の国際交流の発展に寄与するとともに、海外の日本人に対する最新情報の提供を図るため、次の項目を年度重点事項として、放送番組の充実に努めた。
(1) 世界のほぼ全地域に向けた同一の番組編成による放送の24時間放送化
(2) ニュース・情報番組の拡充
(3) 2か国語放送の拡充など英語による情報発信の強化
(4) 各地域の人々の生活時間に合わせたニュース・情報番組の効果的編成
 放送番組については、国内放送から抜粋した番組及びテレビジョン国際放送独自の番組を、報道又はインフォメーション番組として編成した。

[イ] 番組の実施
 世界のほぼ全地域に向けた同一の番組編成による放送では、4月、「きょうの健康」、「生活ほっとモーニング」、「NHK週刊ニュース」等を新設したほか、「NHKニュース おはよう日本」を拡充した。10月には、「ひるどき日本列島」、「NHK日本語講座」、「なるほど経済」、「サタデースポーツ」、「新日本探訪」、「サンデースポーツ」等を新設したほか、「クローズアップ現代」の再放送を2か国語により実施した。このほか、独自番組として、英語ニュース「NHK WORLD DAYLINE JAPAN」、英語を主音声とする2か国語ニュース「NHK WORLD JAPAN THIS DAY」、同「NHK WORLD JAPAN THISWEEK」等を放送した。なお、トルコ及び台湾の大地震に際しては、日本人に向けて、安否の連絡を呼びかける放送等を集中的に実施した。
 北米向け放送及び欧州向け放送では、4月、「NHK週刊ニュース」を新設した。このほか、欧州向け放送に加え、北米向け放送においても、10月から、「NHKニュース7」、「NHKニュース9」等を国内放送との同時放送により実施した。

(2) ラジオ国際放送
[ア] 番組の編成
 ラジオ国際放送については、放送法に基づく国際放送実施命令によるものと一体として、全世界の17の放送区域に向け、1日65時間(一般 向け放送31時間、地域向け放送34時間)の放送を22の言語により、短波放送で実施した。
 放送番組の編集に当たっては、諸外国の日本に対する理解を深め、文化及び経済の国際交流の発展に寄与するとともに、増加する海外の日本人に対する放送サービスの強化を図るため、次の項目を年度重点事項として、放送番組の充実に努めた。
(1) 海外の日本人の安全に役立つ情報のきめ細かな提供
(2) 海外の聴取者との結びつきを強める番組の編成
(3) 内外の重要問題に関する日本の見解及び世論の動向の正確な報道
(4) 日本及び日本人に対する理解の促進に役立つ番組の編成
 4月には、番組改定を行い、一般向け放送において、日本語放送で、海外で安全に生活するための情報を提供する番組の編成を強化するとともに、聴取者参加番組を新設したほか、国内放送との同時放送を拡充するなど、報道番組及びインフォメーション番組の充実刷新を図った。
 地域向け放送においては、ベンガル語放送、ヒンディ語放送等について、聴取好適時間帯へ移設するなど、報道番組及びインフォメーション番組の充実刷新を図った。
 放送事項別比率は、年度平均、報道67.4%、インフォメーション31.3%、娯楽1.3%であった。
(ラジオ国際放送の放送事項別 放送時間及び比率 資料9)


[イ] 番組の実施

(ア) 報道部門及びインフォメーション部門
 報道部門・インフォメーション部門にまたがる番組として、一般向け放送において、英語放送で、情報番組「44ミニッツ」を刷新して、アジアの最新情報を伝えるコーナーを新設した。地域向け放送においては、情報番組「ラジオ日本ワイド」を刷新して、「ジャパン ナウ」、「日本音風景」等のコーナーを新設した。
 報道部門では、一般向け放送において、日本語放送で、「海外安全情報」を増設した。
 コソボ紛争、統一地方選挙、日米首脳会談、カシミール紛争、ケルンサミット、日中首脳会談、トルコ大地震、東ティモール情勢、台湾大地震、茨城県東海村の臨界事故、パキスタンの軍事クーデター、有珠山噴火等内外の重要ニュースの放送に際しては、正確かつ迅速な報道に努めるとともに、日本の立場を明らかにした見解等を随時報道したほか、世論の動向を正しく伝えるよう努めた。なお、トルコ及び台湾の大地震に際しては、日本人に向けて、安否の連絡を呼びかける放送等を集中的に実施した。
 インフォメーション部門では、一般向け放送において、日本語放送で、聴取者からの手紙などを紹介する番組「リスナー広場」、「地球ラジオ」等を新設したほか、英語放送で、日本文化に親しみながら日本語を学習する番組「レッツ・トライ・ジャパニーズ」等を新設した。地域向け放送においては、日本語学習番組「やさしい日本語」について、ポルトガル語、スペイン語、タイ語、アラビア語等の番組を刷新した。
 なお、両部門を通じて、一般向け放送において、日本語放送で、国内放送との同時放送を実施し、「ラジオ深夜便」、「NHKジャーナル」、「フレッシュトーク」、大相撲、夏の高校野球決勝戦等を放送した。
(イ) 娯楽部門
 一般向け放送において、日本語放送で、「エンジョイ音楽館」を放送したほか、国内放送との同時放送を実施し、「NHKのど自慢」、「真打ち競演」、「NHK紅白歌合戦」を放送した。

[ウ] 海外中継放送
 受信状況の改善を図るため、ガボン・モヤビ送信所から、欧州・中東・北アフリカ向け、アフリカ南部向けに1日10時間、カナダ・サックビル送信所から、北米東部向け、北米中部・西部向けに1日8時間、仏領ギアナ・モンシネリ送信所から、南米東部向け、南米西部向け、中米向けに1日7時間30分、スリランカ・エカラ送信所から、南西アジア向け、中東・北アフリカ向けに1日10時間、イギリス・スケルトン送信所から、欧州向けに1日9時間、シンガポール・クランジ送信所から、インドシナ半島向け、オセアニア向けに1日13時間、英領アセンション島・アセンション送信所から、アフリカ中部向け、アフリカ西部向け、アフリカ東部向け、南米東部向けに1日8時間30分の放送を実施した。
(ラジオ国際放送の中継放送時間(1日)の推移 資料10)
 これらのうち、サックビル送信所、アセンション送信所、クランジ送信所からの放送の一部とモンシネリ送信所からの放送については、外国放送事業者との交換中継方式により実施した。

[エ] その他
 12年2月、調査研究の一環として、一般向け放送及び地域向け放送のニュース・情報番組のインターネットによる配信を試行的に開始した。

(3) 放送番組審議会
 国際放送番組審議会は11回開催され、会長の諮問に応じて平成12年度国際放送(テレビジョン・ラジオ)の放送番組編集の基本計画について審議し、答申を行ったほか、放送番組全般 について意見交換を行った。審議会の答申や議事の概要等については、放送を通 じて周知するとともに、インターネットホームページへ掲載するなど、その公表を積極的に進めた。なお、視聴者意向の概要を審議会に毎回報告するなど、審議の充実に資した。
(委員名 資料11)


(4) 放送番組の考査

 国際番組基準にのっとり、放送番組の考査を実施し、番組の向上に資するよう努めた。考査結果 については、速やかに放送現場への周知を行った。 考査に当たっては、内外の部外モニターによる番組評価のほか、視聴者から寄せられた意向を参考にした。モニターによる番組評価は放送現場にも周知し、視聴者の意向が放送番組に反映されるよう努めた。なお、ラジオ国際放送の海外モニターについては、使用言語ごとに委嘱を行った。

(5) 受信状況、反響等
[ア] 受信状況
 ラジオ国際放送の八俣送信所からの放送については、ハワイ、アジア大陸、東南アジアでは、良好な受信状態であった。北米、極東ロシア、オセアニアの各地域では、おおむね良好な受信状態であった。南西アジア、中南米地域では、場所、時期、時間帯によって良好な受信状態と不安定な受信状態に分かれた。欧州、中東、アフリカ地域では、中位以下の受信状態となることが多かった。海外の送信所からの中継放送については、対象とする各地域でおおむね良好な受信状態であった。

[イ] 反響
 テレビジョン国際放送に関しては、世界のほぼ全地域に向けた同一の番組編成による放送について、24時間放送化に伴うニュース・情報番組の拡充を歓迎する声が寄せられたほか、茨城県東海村の臨界事故、パキスタンの軍事クーデターなどを伝えたニュースや2か国語ニュース等が好評であった。
 ラジオ国際放送に関して聴取者から寄せられた投書数は4万通であった。これらの投書によると、トルコ及び台湾大地震、茨城県東海村の臨海事故、広島平和記念式典などを伝えたニュース・報道番組、海外安全情報、日本紹介番組、日本語学習番組等が好評であった。

[ウ] 周知及び利用促進
 テレビジョン国際放送、ラジオ国際放送及びインターネットホームページ上で番組情報等の提供を行うとともに、番組表の空港等での配布・ファクシミリによる提供を行ったほか、海外関係公的機関、海外進出企業等への訪問活動を実施するなど、テレビジョン及びラジオ国際放送の一層の周知及び利用促進を図った。特に、テレビジョン国際放送については、世界のほぼ全地域に向けた同一の番組編成による放送の24時間放送の開始に当たって、特別 番組を放送するとともに、広報印刷物を海外関係公的機関、海外進出企業等に配布するなど、その周知に努めた。

(6) 中継国際放送
 ラジオ国際放送に係る八俣送信所からの中継国際放送については、カナダ放送協会の委託による放送を東南アジア及びアジア大陸向けに1日6時間、ラジオ・フランス・アンテルナシオナルの委託による放送を東南アジア及びアジア大陸向けに1日7時間30分、イギリス放送協会の委託による放送をアジア大陸向けに1日10時間実施した。


3 放送番組の国際交流
(1) 海外への放送番組の提供等
 外国放送事業者等への放送番組の提供を積極的に推進した。
 このうち、衛星伝送による番組提供については、連続テレビ小説、「生活ほっとモーニング」、「おかあさんといっしょ」、「NHKニュース7」等を、3つの通信衛星でほぼ 全世界をカバーするデジタル回線網を利用して、アジア・太平洋、南北アメリカ、欧州地域等の78の放送事業者等に対して提供した。伝送時間については、4月に1時間拡大して1日19時間とし、10月には、日曜深夜を除き、1日24時間とした。
 このほか、財団法人NHKインターナショナル及び財団法人放送番組国際交流センターが行う放送番組国際ライブラリー事業に対してそれぞれ放送番組を提供し、国際理解の促進に資するよう努めた。
 アジアバスケットボール選手権大会(静岡・福岡)、世界新体操選手権大会(大阪)、茨城県東海村の臨界事故、シュレーダー・ドイツ首相、フセイン・ヨルダン国王の訪日等に際しては、外国放送事業者等に対し、取材、制作、衛星伝送の協力を行った。

(2) 放送番組の共同制作等

 外国放送事業者等との放送番組の共同制作を積極的に推進し、NHKスペシャル「驚異の小宇宙・人体V〜遺伝子・DNA」、「アジア 知られざる大自然」、「ドキュメンタリー特集 ネルソン・マンデラ 自由への長い道のり」、「ロイヤル・オペラ ガラ・コンサート−コヴェントガーデン新装記念−」等を制作した。
 外国放送事業者との番組交換については、協力協定等に基づくもののほか、アジア・太平洋放送連合(ABU)加盟の放送事業者と共同して行う衛星伝送によるニュース交換を実施した。また、ABUの番組交換活動にも参加した。
 なお、協会と協力協定や協力覚書を締結している外国放送事業者等は、38か国50機関であった。

(3) 「日本賞」教育番組国際コンクール
 第26回「日本賞」教育番組国際コンクールを、11月、東京において実施した。コンクールには、49か国132機関(212作品)が参加した




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