2018年9月18日
文化庁長官 宮田亮平さん
長官のランチはドラで締める
2018年9月18日
サラめしを訪ねて、やってきたのは文化庁の長官室です。
「こんにちは。どうぞ」
おや、宮田亮平長官、その机の横にあるものは。
「真ちゅう製の銅鑼(どら)です。歌舞伎の関係者に頼まれて、歌舞伎座向けに作っているのですが、新しく執務室用に作って置いています。部屋を訪れたお客さんが鳴らしていきますよ」
文化庁長官が頼まれて作ったって、えっ?
実は宮田長官、金工作家なんです。
なんと代表作の1つは東京駅にある「銀の鈴」。
みなさんも待ち合わせ場所として使ったことがありませんか。
さて、この日のお昼は文化庁の若手職員と一緒にランチミーティング。就任以来、定期的に続けています。
長官のお昼は「うなぎ弁当」。290年続く上野の老舗から取り寄せました。
江戸時代から伝わるタレを使い、砂糖を使わずにみりんだけで甘さを出しています。愛知県産のうなぎは、脂ものってふっくらとした食感なのだとか。
宮田長官は、かつて東京・上野公園にある東京藝術大学で工芸(鍛金)を教えていて、平成17年から10年以上にわたって学長も務めていたんです。
「うなぎ屋は、上野の美術館で自分の作品を出した時に、お祝いに家族みんなで行ったり、海外からの来客をおもてなししたりする時など、ここぞの時に使ってたんです」
ミーティングに参加した1人、記念物課の永井ふみさん。
出張先の長野県小谷村で手に入れた棚田米をお弁当に詰めてきました。
「棚田の風景など、文化的景観を守る仕事をしていますが、棚田は手で植えたり刈ったりしなければいけないですし、大変なんです」と永井さん。
「平地と棚田の米は全然味が違うし、棚田は景色もきれいだよね。日本人は当たり前にあるものを価値があると思っていない。観光してもらう時は文化的な歴史を伝えたいし、文化があるから観光があるんだよね」と宮田長官。
日本文化の発信の仕方や今後の文化庁のあり方など、話は尽きません。
最後はミーティングの締めに、ドラをみんなで一叩き。
「ゴーーーーーーーーーン」
余韻のある響きが、満たされたおなかに心地いいですね。
ごちそうさまでした!