“記者会見ごっこ” 岸田翔太郎秘書官 交代へ 事実上の更迭

岸田総理大臣は、長男の翔太郎秘書官について、去年、総理大臣公邸の公的なスペースで親戚と写真撮影するなど、不適切な行動をとった責任を取らせたいとして、来月1日付けで交代させることを明らかにしました。事実上の更迭となります。

翔太郎秘書官をめぐっては、去年の年末に総理大臣公邸で親戚と忘年会を開き、写真撮影をしていたことなどが先週、週刊誌で報じられ、岸田総理大臣が厳重に注意していましたが、野党側からは更迭を求める声が出るなど、批判が相次いでいました。

岸田総理大臣は29日夜、総理大臣官邸で記者団に対し、来月1日付けで翔太郎秘書官を交代させることを明らかにしました。

事実上の更迭となります。

交代の理由について、岸田総理大臣は「総理大臣公邸の公的なスペースにおける昨年の行動が、公的立場にある政務秘書官として不適切で、けじめをつけるため、交代させることとした。G7広島サミット後の地元との調整業務がひと段落したことからこのタイミングにした」と述べました。

そのうえで「当然、任命責任は私自身にあり、重く受け止めている」と述べました。

翔太郎秘書官の後任には、去年10月まで務めていた岸田事務所の山本高義氏が起用されます。

立民 泉代表「辞任は当然」

立憲民主党の泉代表は、東京都内で記者団に対し「そもそも公私混同の色彩が強い人事で、辞任は当然だ。国民に対する説明や謝罪にも欠けている」と述べました。

維新 馬場代表「情報漏れ懸念される」

日本維新の会の馬場代表は、NHKの取材に対し「公邸や官邸で写真を撮ること自体はよくある話だが、問題なのは広く流出したことであり、秘書官として知り得た情報まで漏れるのではないかと懸念される。岸田総理大臣は厳しく接する必要がある」と述べました。

国民 玉木代表「衆院解散へ向けた環境整備の一環か」

国民民主党の玉木代表は、NHKの取材に対し「対応が遅いという評価は免れないと思うが、岸田総理大臣としては衆議院の解散・総選挙に向けた環境整備の一環だろう。われわれとしては、候補者の擁立を加速させていきたい」と述べました。

共産 小池書記局長「言語道断で後手後手」

共産党の小池書記局長は、NHKの取材に対し「交代は当然で、岸田総理大臣は厳重注意で済むと思ったのだろうが、世論に追い詰められた。言語道断で後手後手だ。国民に謝罪すべきで、政権への大打撃になるのではないか」と述べました。